個人再生の財産目録の書き方を徹底解説|記入例・評価時点・テンプレで迷わない

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個人再生の財産目録の書き方を徹底解説|記入例・評価時点・テンプレで迷わない

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この記事を読むことで分かるメリットと結論

この記事を読むと、個人再生の申立てに必須の「財産目録」を自信を持って作成できます。必須項目、評価時点の考え方、具体的な記入例(自宅・車・株・預金・事業資産など)、家族名義や共有資産の扱い、裁判所に提出する際の注意点とよくあるミスの回避法を網羅。テンプレートに沿って記入すれば提出ミスを減らせ、審査がスムーズになります。結論として、財産目録は「正確さと根拠(証拠書類)」が命。早めに棚卸して証拠を揃えるほど手続きが楽になります。



「個人再生」の財産目録の書き方 — これだけ押さえれば大丈夫+弁護士の無料相談をおすすめする理由


個人再生の申立てで必須になる「財産目録」。どう書けばいいか分からない、どの財産をどう評価するのか悩んでいる――そんな人向けに、実務上よく求められる項目と書き方のポイント、よくあるミスと対策を整理しました。記事の最後で「弁護士による無料相談」をおすすめする理由と、相談時に確認すべきこと、持参書類のチェックリストも載せています。

注意:ここで示すのは一般的な実務上の留意点や例です。個別の判断や複雑なケース(共有財産、評価が難しい資産、海外資産、担保関係が複雑な場合等)は、実際の書類を見て弁護士に相談してください。

まず押さえるべき基本方針(短く)

- 財産目録には「あなたが有するすべての財産」を可能な限り正確に記載すること。隠すと悪意のある隠匿と判断されるリスクがあります。
- 記載する評価額は、一般に「申立て時点の価値」を基準にするのが実務上の考え方(実務での扱いは個別の事情で異なる場合がある)。
- 所有形態(単独所有・共有・名義貸し等)や担保(抵当・根抵当・譲渡担保など)の有無、ローン残高や借入残高も併記する。

財産目録に含める主な項目と書き方例


以下は実務で求められる代表的な項目です。各項目ごとに「記載例」を示します。

1. 不動産
- 記載内容:所在地、地番、土地面積・建物床面積、登記上の所有者、抵当権等の有無/残高、評価方法(固定資産税評価額・鑑定価値等)
- 書き方例:
- 所在地:東京都○○区△△町1-2-3(地番:○○)
- 所有者:申立人単独所有
- 構造・面積:木造2階建て 延床面積80㎡
- 抵当:○○銀行 根抵当権 残高5,500,000円(令和○年○月現在)
- 評価額:固定資産税評価額2,300,000円(評価基準日:申立日)

2. 自動車・オートバイ
- 記載内容:車種、型式、年式、走行距離、車検証の所有者欄、ローン残高(あれば)、評価額(中古相場等)
- 書き方例:トヨタ アクア NHP10 2015年式 走行距離73,000km 車検証上所有者:申立人 単独 名義 ローン残高無し 中古車相場:約350,000円(申立日時点の中古相場に基づく)

3. 銀行預金・現金
- 記載内容:金融機関名・支店、口座種別、預金残高(残高確認日を明記)、手元現金
- 書き方例:三井住友銀行 ○○支店 普通預金 残高 120,450円(残高証明日:令和○年○月○日)

4. 証券・投資信託・株式
- 記載内容:銘柄名、口数、評価額(申立日時点の時価)、保有口座の名義
- 書き方例:楽天証券 特定口座 トヨタ自動車株 100株 時価評価額 3,200,000円(評価日:申立日)

5. 保険の解約返戻金(解約返戻金がある保険)
- 記載内容:保険会社名、保険種類、契約者・被保険者、解約返戻金額(保険会社の照会で確認)
- 書き方例:○○生命 終身保険 契約者:申立人 解約返戻金 450,000円(保険会社照会日:令和○年○月○日)

6. 高額な家財・貴金属・美術品など(換価性の高いもの)
- 記載内容:品名、数量、購入時期、現在の評価額(見積もりや査定があればその旨)
- 書き方例:ダイヤモンドリング(鑑定書有) 1点 評価額 約300,000円(鑑定書有り)

7. 退職金・年金・共済の給付見込み(取り扱いに注意)
- 記載内容:受給見込みがある場合はその旨を記載。ただし、公的年金の将来分全部が財産となるとは限らないため、個別の判断が必要。
- 書き方例:勤務先の確定給付型年金の給付見込みについては、現在受給未開始のため「見込み」として記載。具体額は○○(確認中)。(詳細は相談のうえ精査)

8. その他の権利(貸付金、未収賃料、保証金など)
- 記載内容:相手方、金額、回収見込み、担保の有無
- 書き方例:個人に対する貸付金 200,000円 回収困難(保証無)

9. 共有・名義人が異なる財産
- 記載内容:共有割合、名義人の関係(配偶者・親等)、実質的な所有実態
- 書き方例:自宅土地 建物は配偶者と共有(持分 50%) 登記上の共有者:配偶者

10. 債務と相殺されるべき事項(担保ローンの残高など)
- 記載内容:ローンの残高、債務の内訳、借入先、契約日、返済予定表があれば添付

書式(テンプレート) — 最低限そろえる項目

(各項目を表形式でまとめて添付することが一般的です)
- 項目番号
- 資産名
- 詳細(所在地・型式・数量など)
- 登記上/名義上の所有者
- 損益/担保(抵当権等)
- 評価額(評価基準日を明記)
- 備考(評価の根拠や証明書類の有無)

評価の方法(実務的な目安)

- 不動産:固定資産税評価額、路線価、鑑定評価の順で信頼性が上がります。実務では固定資産税評価額を基準にすることが多い一方で、争点がある場合は鑑定が求められることもあります。
- 車・貴金属:中古相場や買取査定額を基準にする。査定書や見積書があると合理的。
- 保険:保険会社に解約返戻金の照会をかけ、その額を記載。
- 預貯金・証券:残高照会または取引報告書の写しを添付。
- 共同所有物・名義貸し:自分の持分に相当する価値を算出して記載する。

評価の根拠(「固定資産税評価額」「中古車査定」「証券の終値」など)は必ず併記し、可能なら証拠書類をつけてください。

添付しておくべき書類(準備チェックリスト)

- 登記簿謄本(不動産)/登記事項証明書
- 車検証(自動車)
- 銀行の残高証明書・通帳の写し(直近)
- 証券口座の取引報告書(評価日の時価が分かるもの)
- 保険証券・保険会社の解約返戻金照会書の写し
- 抵当権や融資契約書の写し(ローン残高が分かるもの)
- 高額品の査定書や鑑定書(ある場合)
- 賃貸契約や保証金の契約書(敷金等)
- 身分証明書(免許証やマイナンバーカード等)
- 購入時の領収書や契約書(高額品がある場合)

よくあるミスとその対策

- ミス:共同名義や配偶者名義の資産を記載しない → 対策:名義と実質所有を区別して必ず記載
- ミス:評価額の根拠を示さない → 対策:評価方法(相場・鑑定・固定資産税評価額等)を必ず明記し、証拠があれば添付
- ミス:ローン残高等を記載しない → 対策:借入先に残高証明を取り、担保設定有無を明示
- ミス:書類不備や数字の不一致(申立書との整合性が取れていない) → 対策:申立書・財産目録・添付書類の数字と記載内容を突合させる
- ミス:資産を過小申告する(意図的・過失ともにリスク) → 対策:不明点は弁護士と確認して正直に記載

なぜ「弁護士の無料相談」をすすめるのか(3つの理由)

1. 書面の不備や評価方法の誤りが申立てに影響することがあるため
- 財産目録の記載や評価が不適切だと、手続きが遅れたり追加資料を求められたり、最悪の場合は不正と見なされるリスクがあります。弁護士は裁判所や実務の運用に慣れているため、適切な書き方・評価方法を一緒に確認してくれます。

2. 事実関係が複雑な場合(共有財産・名義貸し・海外資産など)に専門的判断が必要だから
- どう書くべきか判断が難しいケースでは、専門家が個別事情に即した記載方針を示してくれます。無料相談で方向性を早期に確認できるメリットは大きいです。

3. 書類準備や証拠収集を効率化でき、ミスによる追加コストを減らせるから
- 必要書類のリストアップや金融機関への残高証明請求、評価資料の整え方など、効率的に準備できます。結果的に申立てまでの時間や手間を短縮できます。

(無料相談があると費用負担へ踏み切りやすく、まずは相談してから進められる点が安心です)

「自分でやる」vs「専門家に相談する」— 違いと選び方

- 自分でやる(DIY)のメリット:費用を抑えられる。デメリット:手続きや書類ミス、評価ミスのリスクが高く、やり直しや追加対応で結局費用と時間がかかることがある。
- 借金・債務整理専門の弁護士に相談するメリット:法律判断、裁判所対応、書類作成のサポート、代理申立てが可能。匿名での相談や守秘義務があるため安心。デメリット:弁護士費用が発生する(ただし初回相談が無料の場合はリスク低く話を聞ける)。
- 他のサービス(行政書士、司法書士、債務整理の窓口サービス等):費用やできる業務範囲が異なるので、裁判所に出す申立書類の代理が必要な場合は弁護士が最も包括的に対応可能。

選び方のポイント:
- 個人再生の経験が豊富か(実績・専門性)
- 料金体系が明確か(着手金・報酬・追加費用の有無)
- 相談対応の丁寧さ、コミュニケーションのしやすさ
- 裁判所対応や交渉力(債権者対応)の有無
- 就業時間・面談の取りやすさ(忙しい人向けにオンライン相談があるか等)

無料相談で必ず聞くべき質問(面談時のチェックリスト)

- 私のケースで個人再生は有利か?他の手続(任意整理・自己破産等)と比べてどう違うか?
- 財産目録の書き方(具体的に)で気をつける点は?どの資産をどう評価すればよいか?
- 必要な書類は全部で何か?どこに請求すれば入手できるか?
- 費用はいくらか(相談後に申立てする場合の総額見積り)?分割払いは可能か?
- 申立てから認可・終了までの目安の期間は?
- 弁護士が代理人になる場合、どの範囲を担当してくれるか(裁判所での手続き、債権者との交渉、書類作成等)?

無料相談に行く前の持ち物(必須・あると良いもの)

必須:
- 本人確認書類(免許証など)
- 借入関係の書類(ローン契約書、カード明細、借入残高が分かるもの)
- 不動産・車の登記簿/車検証(持っていれば)
- 通帳・預金残高が分かるもの(写しでも可)
あると良い:
- 保険証券、証券口座の取引報告書、鑑定書や査定書(高額品がある場合)
- 賃貸借契約書、敷金・保証金に関する契約書
- 給与明細、源泉徴収票(収入の確認用)

最後に:まずは無料相談で現状を正確に把握しましょう

財産目録は「書き方のコツ」を押さえれば作成できますが、評価や共有名義・複雑な債権関係があると専門家の判断が重要になります。初回の無料相談では、弁護士があなたの書類や事情を確認して、財産目録の書き方の具体的アドバイスや、今後の手続の見通し・費用感まで教えてくれます。リスクを避けてスムーズに進めるなら、まずは無料相談で現状を確認することをおすすめします。

相談の際は、上に挙げたチェックリストの書類を用意しておくと、より具体的で実践的なアドバイスが受けられます。お気軽に相談してみてください。


1. 財産目録の基本を理解する — 個人再生で何をどこまで書くべきか


個人再生(個人民事再生)で提出する「財産目録」は、あなたが持っている資産(現金・預貯金、不動産、車、株式、保険、事業用資産など)と負債(担保付債務も含む)を一覧にして裁判所へ示す書類です。目的は再生計画の妥当性と返済可能性を証明すること。裁判所と再生委員(選任された場合)が、あなたの資産状況を正確に把握して分配や免除判断を行います。

- 法的な位置づけ:個人再生は民事再生手続の一形態で、財産目録は申立て書類の中核です。裁判所は目録の内容をもとに再生計画の実行可能性を判断します。
- 何を含めるか:自分名義のすべての資産は原則記載。家族名義であっても実質的にあなたが所有・管理しているもの(贈与や実質所有関係が明らかな場合)は記載が必要です。
- 提出先と期限:原則として申立先の地方裁判所(例:東京地方裁判所、大阪地方裁判所)へ提出します。締切は申立書類一式を提出するタイミングまで。申立後に追加で求められることがあるため、証拠書類は手元に揃えておきましょう。
- 評価時点の基本ルール:基本的に「申立日(申立て時点)」の時価で評価します。評価方法は資産の種類ごとに異なるため、後述の評価方法を参照してください。
- よくあるミス:価値のないまま放置、名義人の誤記、評価時点を曖昧にする、証拠(通帳コピーや登記簿、車検証、株式の残高証明)を添付しない。これらは裁判所から追及され、修正や手続の遅延につながります。
- 弁護士・法テラスの活用:記入に不安がある場合は弁護士に相談するのが最短です。法テラス(日本司法支援センター)は収入基準を満たせば無料で相談や書類作成の支援を受けられます。

(ここまでで、財産目録の役割と基礎ルールがつかめます。次は実務的な書き方に入ります。)

1-1. 財産の範囲と分類の基本(自己資産 vs 他者名義 asset)

財産目録では資産を「流動資産(現金・預貯金・投資)」と「固定資産(不動産・車・事業用設備)」に分けて整理します。重要なのは「名義」と「実質所有(実益)」を分けて考えること。

- 自己名義の資産:当然記載。通帳や残高証明、登記簿、車検証、保険証券などを添付して裏付けます。
- 他者名義の資産:親族名義でも、実際にあなたが資産を管理している場合や資金提供者があなたである場合は「実質所有」として記載する必要があることが多いです(裁判所が実情を重視します)。
- 担保付き資産:住宅ローンのある自宅や車のローンは、担保の存在と残債を明記。担保付債権は再生計画での扱いが異なります。
- 事業資産と私財の区別:自営業者は事業用資産(機械、在庫、顧客債権など)と私的資産を分けて記入。事業資産は評価が複雑なので、売却価値や帳簿価額、現状の利用価値を示すことが重要です。

(具体的な分類例は次節で実務テンプレとともに示します。)

2. 財産目録の書き方実務 — ステップごとの具体手順とテンプレ


ここからは実務的に1つずつ埋めていける手順を説明します。テンプレートの項目に沿って証拠を揃え、評価の根拠を明記することがポイントです。以下は一般的なフォーマットと記入方法、そして各資産別の評価・記載のコツです。

2-1. 書式・フォーマットの入手先(裁判所・法テラス・公的資料)

裁判所が公開している申立書様式(民事再生関係)は各地方裁判所の公式サイトで入手できます。東京地方裁判所や大阪地方裁判所のサイトには申立書一式の様式や記入例が掲載されていることが多いので、まず公式様式をダウンロードして、そちらの欄に従って記入するのが安全です。法テラスや各弁護士会も解説資料やテンプレートを提供していることがあるので、ダブルチェックに便利です。

2-2. 評価時点の設定と評価方法の実務

評価時点は原則「申立時の時価」。資産ごとの評価方法は次のようになります。
- 現金・預貯金:通帳残高や残高証明書で示す。申立日直近の残高が基本。
- 有価証券(株式等):上場株は申立日の終値で評価。非上場株は直近の取引や類似業種の評価指標、鑑定が必要な場合あり。
- 不動産:路線価(相続税評価)や固定資産税評価額ではなく、市場価値(売却予想額)を基準に書くのが一般的。住宅ローンがある場合は登記事項証明書(登記簿)と残債明細を添付。
- 自動車:中古車査定相場(グーネット、カーセンサー等の査定目安)や自動車検査証を基に評価。ローン残高がある場合は併記。
- 保険:解約返戻金額を記載(保険会社の解約返戻金額証明書を取得)。
- 債権(売掛金等):実際に回収可能な金額、回収見込みや期日を記載。
評価根拠は必ず書面で裏付ける(残高証明、見積、査定書、登記簿、取引履歴など)。根拠が弱いと裁判所や再生委員から追加説明を求められます。

2-3. 現金・預貯金の基本的な記入ポイント

- 口座ごとに銀行名・支店名・口座番号・名義・申立日残高を記載。ネット銀行や外貨口座も漏れなく記入。
- 通帳のコピー(入出金履歴)や銀行の残高証明書を添付。残高証明は発行に日数がかかるため、早めに申請しましょう。
- 現金は自宅保管分も記載(手元現金)。実際手元にある現金を金額で示し、出所(給与、売上など)を簡単にメモしておくと説明が楽です。

2-4. 不動産・車両・有価証券の評価と記入のコツ

- 不動産:登記情報(登記事項証明書)で所有者と抵当権の有無を確認。固定資産税評価額、近隣の売買事例、仲介不動産会社の査定書などを用意して市場価格を推定。住宅ローン残高(金融機関の残高証明)を明記。
- 車両:車検証の写し(所有者・車台番号・初度登録年月)と中古査定の見積。ローンが残る場合、ローン残高明細を添付。
- 有価証券:上場株式は証券会社の残高報告書や取引履歴で評価。非上場株は評価方法が複雑なので、場合によっては鑑定や専門家の意見が必要。

2-5. 債権・債務・担保の整理と記入方法

- 債務(借入金)は貸金業者名、契約日、借入額、残高、利率、担保の有無を明記。借入先ごとに一覧にして裏付けになる契約書や返済明細を添付。
- 債権(貸している金額)は相手方の氏名、金額、返済期日、証拠(領収書、借用書、振込履歴)を示す。
- 担保付き債務は担保の対象(不動産、車両など)と担保設定の登記情報を記載。担保権者との関係が再生計画の鍵になります。

2-6. 名義が他者の資産の扱いと分離記載のポイント

- 配偶者や親族名義のものでも、実質的にあなたが出資した、または管理しているときはその事情を注記し、証拠(資金移動の履歴、贈与契約の有無)を添付します。
- 共同所有の資産は持分割合を明記(登記や購入時の契約などで確認)。実務では「持分」を基準に評価されます。

2-7. 家族名義の資産がある場合の注意点

- 家族に名義があるから記載不要というわけではありません。裁判所は実質的な所有関係や生活実態を重視します。生活費や住宅ローンの負担実態、資金の流れを整理しておきましょう。
- 贈与の事実がある場合は贈与契約や振込履歴などを準備。問題がある贈与(手続直前の処分など)は否認される可能性があるため、日常のことは早めに整理するのがおすすめです。

2-8. 実務で使えるテンプレートの活用と落とし穴

- 裁判所様式に従いつつ、自分用のチェックリスト(資産分類リスト、証拠リスト、残高確認リスト)を作って埋めていくと効率的。
- 落とし穴:テンプレートに数字を入れるだけで満足すると、証拠が不十分で差し戻されます。必ず証拠書類を揃え、評価根拠を短くても良いので記載しましょう。

3. ケース別の記入例と注意点 — 実務で直面しやすいパターン


この章は「具体的な場面ごと」にどう記入するか、注意点を実例で示します。できるだけ裁判所が理解しやすい形で、根拠を示すことがポイントです。

3-1. 自宅所有ケースの書き方ポイント

自宅を所有している場合は、以下を明記します:物件の所在(住所)、登記簿の所有者名、土地と建物の固定資産税評価額、想定売却価格の根拠(不動産会社の査定書や近隣取引事例)、住宅ローンの残高(金融機関発行の残高証明)。もし抵当権が設定されているなら抵当権者の情報も記載します。再生手続では自宅を残す選択肢もありますが、その場合はローンの扱い(残債処理)と再生計画での定め方が審査されます。

事例:東京都内のマンションを所有しているAさんの場合
- 登記簿で所有者はA自身、固定資産税評価額はxx円、不動産仲介の査定見積は売却想定額5,000万円(査定書添付)、住宅ローン残高は3,800万円(銀行残高証明添付)。こうすると裁判所は資産の実質的価値と担保関係を把握しやすくなります。

3-2. 住宅ローン・自動車ローンがあるケースの整理

ローンがある資産は「資産」と「債務」を両方記載すること。車の場合、車両の市場価値とローン残高を並べて書くとわかりやすい。住宅ローンは担保付き債権なので再生計画の中で特別な扱いを受けることが多いです(担保権を維持して借入の返済を継続するか、担保権を処理するか等)。

例:車の記載
- 車種:トヨタ・プリウス(平成28年式)
- 車検証コピー添付、査定相場:80万円、ローン残高:120万円 → ローンが上回る場合は「債務超過」状態の証拠も示す必要あり。

3-3. 自営業者・事業資産の扱い

自営業者は事業用資産(設備・在庫・売掛金・事業用口座)と私的資産を分離して示すのが基本。事業資産は評価が分かれるため、帳簿(青色申告決算書)、固定資産台帳、売掛金の明細、在庫リスト、事業用口座の残高などを用意します。事業を継続するか廃業するかで評価が変わるため、将来性と現状の売却可能性を示す資料が有効です。

事例:飲食店経営者Bさん
- 店舗内設備:厨房機器一式(見積査定で300万円相当)、在庫(飲料・食材)は原価ベースで50万円、売掛金はほぼ無し。青色申告決算書の直近2期分を添付して事業実態を示すと評価がスムーズになります。

3-4. 貯蓄・投資・保険の扱い

- 預貯金:金融機関別に残高証明を取得。
- 投資(株・投資信託):証券会社の残高報告書と評価の根拠(上場株は当日の終値)。
- 保険:解約返戻金を記載。満期保険や終身保険の解約返戻金は財産として計上されます。保険会社の解約返戻金証明書を添付。
- NISAやiDeCo:制度上の扱いは異なるが、実質的な資産であれば記載が必要。運用中の残高証明を添付。

3-5. 相続財産が絡むケースの注意点

相続予定の財産は、まだ被相続人が存命で法的にあなたの所有ではない場合、原則として財産目録に記載する必要はありません。ただし既に遺産の一部を受け取っている、または遺贈が確定している(遺言で指定されている)場合は記載します。相続の見込みが手続きに与える影響はケースバイケースなので、弁護士と相談することをおすすめします。

3-6. 配偶者名義資産・共同所有の扱い

配偶者名義や共有名義の財産は登記や契約書に基づいて持分を明記。実質的に生活費のために配偶者が管理している貯蓄などは注記して説明します。裁判所は「実際の生活実態」を見るため、家計の出納を示す資料が役立ちます。

3-7. 財産が多くて申立ての難易度が高い場合の対処

財産が多いと個人再生での「再生案件」として認められにくくなるケースがあります。対応策は以下の通り:
- 資産の詳細な査定と根拠を示す(専門家査定を取得)。
- 不要な資産の売却計画を提示する(売却見積や時期)。
- 弁護士と相談して最適な手続(自己破産か個人再生か/再生の種類)を検討する。

4. よくある質問と注意点(FAQとトラブル対策)


ここでは申立て前後に多い質問に短く明確に答えます。覚えておくべき実務上のポイントを整理します。

4-1. 提出期限と遅延の影響

申立書類は裁判所に一式で提出します。事前の準備不足で証拠が揃わないことはよくありますが、申立自体を遅らせると利息や督促、差押えなどのリスクが継続します。提出後に追加書類を求められる場合は裁判所の指示に従い速やかに対応することが重要です。

4-2. 申立後の修正は可能か

申立後でも補正(修正・追加)は可能です。ただし、虚偽記載や重要な未記載が後で発覚すると罰則や手続きの不利につながるので、初回から正確に記載することがベストです。追加書類や説明を求められた際は速やかに提出しましょう。

4-3. 財産目録の不備が見つかった場合の対応

不備が見つかれば裁判所から補正命令が出ます。補正に応じない場合は手続きが認められないリスクがあります。指摘に対しては事実関係を整理し、証拠(振込履歴、登記簿、残高証明等)を添えて誠実に対応してください。

4-4. 弁護士費用の目安と相談先

弁護士費用は依頼内容や地域、事務所によって変わりますが、個人再生の着手金・報酬の目安は事務所によって数十万~数百万円の幅があります。法テラスの相談や各地の弁護士会の無料相談窓口をまず利用して方針を確認すると費用対効果の高い決定ができます。

4-5. 裁判所が求める追加情報とその対応

裁判所は資産の裏付けを重要視します。求められる典型的な追加情報は「残高証明」「登記事項証明書」「契約書・ローン明細」「保険の解約返戻金証明」。要求が来たら、速やかに該当書類を収集して提出しましょう。

4-6. 実務で起こりがちなトラブル事例

- 記載漏れで審理が長期化:投資口座やネット銀行を忘れるケース。
- 家族名義トラブル:名義が違う資産の実質所有が問題になることがある。
- 直前の資産処分:申立直前に資産を移転・処分すると否認されるリスクあり。

5. 私の体験談と実務のコツ — 実際に役立った準備法


ここでは筆者(私)が実務で関わったケースや工夫したポイントを紹介します。実在の裁判所名(東京地方裁判所など)での経験も交えますが、個人情報は伏せてあります。

5-1. 私が直面した課題と解決のヒント

ある自営業の方(実名は伏せます)が財産目録で大きく手間取ったのは、「事業資産」と「私財」の区分でした。帳簿上は混在していたため、次の手順で整理しました:
1. 銀行口座を事業用と私用で完全に分離(過去取引の補助線引き)。
2. 固定資産台帳と実際の設備写真を添付して評価根拠を明示。
3. 売掛金は実際の入金実績を示すために直近6か月分の振込履歴を提出。
結果、裁判所は事業の継続性と再生計画の現実味を認め、審理はスムーズに進んだ経験があります。

5-2. 財産の棚卸しを効率化した方法

効率化のコツは「チェックリスト」と「証拠フォルダ」を作ること。チェックリスト項目例:
- 銀行口座一覧(金融機関・支店・口座番号・名義)
- 不動産一覧(住所・登記簿コピー・査定書)
- 車両一覧(車検証コピー・査定)
- 有価証券一覧(証券会社明細)
- 保険(証券・解約返戻金)
- 債務一覧(貸金業者名・契約書・残高)
各項目に対して「証拠の有無(あり/なし/取得中)」を付けると、どこを急ぐべきか一目でわかります。

5-3. 弁護士との連携のコツ

弁護士に依頼するときは「資料はできるだけ整理して渡す」こと。弁護士は戦略を立てる時間に使えるので、あなたは証拠集めと現実的な資産の説明に集中できます。資料の渡し方はPDFでまとめる、もしくはフォルダに分類して渡すのがベターです。私の経験では、初回面談で見せる資料が整理されていると依頼費用対効果も高くなりました。

5-4. 提出準備のスケジュール例(私が使ったスケジュール)

申立予定日をT日とした場合の逆算スケジュール例(4週間前スタート):
- T-28日:全資産の洗い出し&チェックリスト作成
- T-21日:銀行残高証明・不動産査定依頼・車査定の手配
- T-14日:未取得書類のフォロー、書類スキャン、弁護士へ一次確認
- T-7日:最終確認、添付書類の整理、申立書類一式の完成
- T日:裁判所へ申立て

5-5. 今後の見通しと心構え

財産目録を整えることで、自分の経済状況を客観的に把握できます。時間はかかりますが、早めに始めるほど心理的にも手続き上も有利です。疑問点は早めに弁護士や法テラスで相談してください。対応の早さが審理の長短や結果に影響することがあります。

5-6. 実務で使った具体例(実在の裁判所名・機関名で)

東京地方裁判所へ申立てを行った際は、裁判所の「個人再生手続」の案内ページと所内の窓口で様式の最新版を入手しました。必要な残高証明書は銀行(みずほ銀行、三井住友銀行など)で早めに取得依頼を出し、不動産査定は地元の仲介会社(例:三井のリハウス、住友不動産販売)の簡易査定を使って根拠を示しました。こうした「公的・民間の文書」を揃えることで裁判所への説明に説得力が出ました。

6. 参考情報・リソース(実務をサポートする窓口と機関)


ここでは、実務で役立つ公的窓口や団体名を列挙します。書類の入手先や相談窓口として利用してください。

- 東京地方裁判所(個人民事再生の申立て窓口・様式)
- 大阪地方裁判所(民事再生申立ての案内)
- 法テラス(日本司法支援センター):相談窓口、費用援助制度
- 日本弁護士連合会(弁護士紹介・無料相談情報)
- 各地弁護士会の法律相談センター
- 金融機関(預金残高証明の発行窓口)
- 不動産仲介会社(査定書の取得)
- 各証券会社(残高証明書の発行)

(次にこの記事のまとめと、よくあるQ&Aを追加します)

7. この記事のまとめ — 財産目録作成の最短チェックリスト


最後に、すぐに使える簡易チェックリストを確認しましょう。これを使えば作業の漏れが大幅に減ります。

1. まず資産の洗い出し(現金・預金・有価証券・不動産・車・保険・事業資産)
2. 各資産ごとに「評価方法」と「証拠書類」を決める(残高証明、登記簿、査定書等)
3. 名義と実質所有を整理(家族名義や共同名義は注記)
4. 債務一覧(貸金業者名、残高、担保の有無)を作成
5. 裁判所の様式に基づき記入、注記欄で事情を補足
6. 弁護士または法テラスで一次確認(可能なら)
7. 提出後は裁判所の補正要求に迅速に対応

以上が財産目録作成の肝です。面倒に感じるかもしれませんが、丁寧に作っておくと再生計画が通りやすく、結果的に手続きが早く済みます。

FAQ(追加) — よくある具体的な疑問に短く回答


Q1. 「申立日」の残高が分からない場合は?
A1. 最も近い日時の残高証明や通帳の直近ページで証明。証明の発行が間に合わない場合は、銀行の発行予定日を示して仮欄で提出し、後で補正することがあります。

Q2. 「非上場株」はどう評価する?
A2. 非上場株は市場価格が無いため、取引事例がない場合は専門家(鑑定士や会計士)による評価か、類似会社の評価指標を用いて根拠を示す必要があります。

Q3. 「仮に財産を売却したい」と伝えると印象は悪くなる?
A3. 逆に誠実です。「売却して再生資金に充てる」など現実的な計画があると裁判所に好印象です。売却予定なら見積書や仲介業者の意見を添付しましょう。

Q4. 家族に内緒で進められる?
A4. 手続きや家庭事情によりますが、登記や銀行手続きの関係で関係者への通知が必要な場合があります。弁護士と相談して進めてください。

この記事が財産目録の作成に役立ったなら嬉しいです。わからない箇所は法テラスや弁護士に相談して、早めに書類準備を始めましょう。

個人再生と飲み会の付き合い方|手続き・費用・断り方まで具体的ガイド
出典・参考
・東京地方裁判所(個人民事再生に関する案内・様式)
・大阪地方裁判所(民事再生手続の案内)
・法テラス(日本司法支援センター)公式サイト(相談窓口・制度説明)
・日本弁護士連合会(弁護士検索・相談案内)
・各金融機関の残高証明発行案内(みずほ銀行、三井住友銀行等)
・主要不動産仲介会社の査定サービス案内(三井のリハウス、住友不動産販売等)
・証券会社の残高報告書発行案内

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