この記事を読むことで分かるメリットと結論
結論を先に言うと、退職金そのものが自動的に「除外」されるわけではなく、個人再生の手続きでは「現時点での財産価値」と「将来受け取る見込み(確定度合い)」に応じて扱いが変わります。既に支給され口座にある退職金は財産として再生計画や清算価値の計算に入る可能性が高く、将来受け取る見込みだけの場合は、見込み額の確度(雇用・契約内容、受給要件など)で判断されます。本記事を読めば、退職金の扱い方、再生計画に含めるか否かの判断基準、実務的な手続きと準備書類、専門家に相談するタイミングや費用感まで、具体的に理解できます。実例比較や私の相談同行経験からの実践的アドバイスも載せていますので、まずは自分のケースで何が必要かがはっきりします。
個人再生と退職金――まず知っておきたいポイント(結論)
退職金(既に受け取ったもの・これから受け取る見込みのもの)は、個人再生の成否や再生計画の内容に影響する可能性があります。具体的な扱いはケースごとに異なるため、「退職金があるから個人再生できない/必ずこうなる」とは言えません。まずは弁護士の無料相談で、あなたの退職金の性質(既に受け取ったか、勤務継続中で将来支給される予定か、企業年金や確定拠出年金の形か等)を示して、最適な債務整理方法と費用の見積りを受けてください。
以下、個人再生と退職金の関係、他の債務整理方法との比較、簡単な費用・返済シミュレーションの方法、弁護士選びのポイントをわかりやすくまとめます。
個人再生とは(かんたんに)
- 裁判所を介して「再生計画」を作り、原則として3~5年程度で計画的に返済していく手続きです(詳細な期間・条件は事案や裁判所判断により異なります)。
- 任意整理よりも強力に債務を減額できる可能性があり、住宅ローン特則を使えば「住宅を残して借金を減らす」ことも可能です。
- 自己破産のように原則全額免責されるわけではないが、生活再建を図りながら資産を維持したい人に向いています。
退職金(退職一時金・年金類)の扱い(一般論)
- 既に受け取ってあなたの手元にある退職金は「財産」です。債権者の配当に影響する可能性があるため、個人再生や破産の評価対象になり得ます。
- 勤務中でまだ支給されていない将来の退職金は、直ちに換価して評価されることは少ない場合が多いですが、制度の内容(確定給付企業年金や確定拠出年金、退職金規程の内容)によっては評価対象になることがあります。
- いずれにせよ「退職金の金額・支給時期・受取り方法(退職一時金か年金か)・社内規程」が重要。これら次第で債務整理の選択肢や申立てのタイミングが変わります。
(重要)具体的な評価や扱いは事案によって異なります。最終判断は弁護士に相談してください。
どの債務整理が合うか(退職金がある場合の目安)
- 任意整理(会社との交渉)
- メリット:裁判所手続き不要。家や退職金に手をつけられずに利息カットや分割交渉が可能なことが多い。
- 向く人:一定の収入があり、債権者と交渉で和解できそうな場合。退職金を残したい人。
- デメリット:原則として元本の大幅カットは期待しにくい。交渉がまとまらない債権者がいると効果が限定される。
- 個人再生(今回のキーワード)
- メリット:裁判所の手続きで大幅に債務を圧縮できる可能性がある(ケースによる)。住宅を残せる特則がある。
- 向く人:借入総額が多く、かつ住宅を維持したい人。退職金がある場合でも、評価の方法次第で利用できることが多い。
- デメリット:手続き・費用がかかる。退職金が手元にある場合はその評価が問題になることがあるので、申立てのタイミングや手続きの組み立てが重要。
- 自己破産
- メリット:免責が得られれば債務が大幅に解消される。
- 向く人:返済能力がほとんど無く、手放してもよい資産(住宅など)がある場合。
- デメリット:一定の財産は処分される。職業制限や社会的影響があるケースがある。退職金が既に高額であれば、破産での配当対象となる可能性がある。
結論の目安:退職金を意図的に残したい、住宅も守りたい、かつ一定の収入があるなら「個人再生」が選択肢に入る可能性が高い。逆に退職金を差し押さえられる恐れがある、もしくは退職が間近でまとまって受給する予定がある場合は、任意整理や自己破産の検討・申立て時期調整を弁護士と相談する必要があります。
費用・返済のシミュレーション方法(自分でざっくり試せる手順)
1. 現状把握(必ず準備する数値)
- 総借入金額(借入先ごとに:消費者ローン、カードローン、クレジット、住宅ローンは別扱い)
- 月収(手取り)、家族構成、毎月の生活費
- 手元の現金・預貯金、退職金の有無(既に受け取った金額)、年金・企業年金の種類
- 保有資産(不動産、自動車など)
2. 任意整理の試算(簡易)
- 仮定:利息(将来の利息)をカットして残元本を分割払いにする。分割回数を60回(5年)と仮定。
- 月返済額の目安 = 各債権者の元本合計 ÷ 60
- 必要な手数料(参考見積り):弁護士の着手金や成功報酬は事務所による。無料相談で見積りを取ること。
3. 個人再生の試算(簡易)
- 個人再生は「再生計画」で分割・減額が認められるか、再生後の総額がどうなるかは裁判所が関与する。
- 自分で試算するには「(想定される)再生計画での総返済額(例:2~4年分の可処分所得×年)」を弁護士に試算してもらうのが確実。
- 目安としては、再生計画の返済期間(通常3~5年)で割った月額が返済負担。具体的数値は弁護士に算出してもらってください。
4. 自己破産の試算(簡易)
- 破産では一般に債務の大部分が免責されるが、換価対象の財産が存在すれば一部配当の可能性あり。
- 退職金が手元にある場合は配当計算の対象となる可能性があるため、受給予定が近い場合は時期調整や別の手段の検討が必要。
(注)上の数字は「自分でざっくり比較するための方法」です。法的評価や裁判所判断は複雑です。必ず弁護士に実数で診てもらってください。
具体例:簡易シミュレーション(あくまで例)
以下は「理解を助けるための仮の例」です。実際の減額率・返済額は個別事情で大きく変わります。
例1)任意整理での想定
- 借金合計(無担保):300万円
- 仮定:将来利息カット、元本を60回で分割
- 月返済の目安:300万円 ÷ 60 = 50,000円
- 想定弁護士費用:事務所により異なるが、仮に着手金5万円+成功報酬5万円~とすると合計の相談見積りを確認
例2)個人再生での想定
- 借金合計(無担保):600万円
- 仮定(例示):裁判所で再生計画が認められ、総返済額が200万円になったとする(あくまで仮定)
- 返済期間:60か月 → 月返済:200万円 ÷ 60 ≒ 33,333円
- 想定手続費用:弁護士費用(事務所差により大きく変動。数十万円台が一般的)+裁判所手続き費用等(別途必要)
- 注意:退職金が既にある場合はその評価が総返済額に影響するので、ここは実地査定が必須
例3)自己破産での想定
- 借金合計:700万円
- 結果:免責が認められれば原則債務免除。ただし、換価対象財産の有無で配当が発生する。
- 退職金が手元にある場合は、その扱い(配当対象かどうか)を法律専門家が確認
(強調)上記はあくまで「イメージ」を掴むための数値です。実務では裁判所や債権者、退職金の性質で結果が変わります。必ず弁護士に個別試算を依頼してください。
弁護士無料相談で必ず確認すべき項目(相談時のチェックリスト)
- 所有している退職金の「現在の状況」(既に受け取った金額、将来の支給見込み、年金か一時金か、企業年金の有無)
- 借入先ごとの残高、契約書や明細(請求書・契約書・預金通帳等)
- 月収(手取り)と毎月の生活費(家族がいる場合は家族構成)
- 住宅ローンの有無・住宅の維持希望の有無(住宅ローン特則の適用可否)
- 弁護士が提示する「想定される選択肢(任意整理/個人再生/自己破産)」のメリット・デメリットと費用内訳(着手金、報酬、その他実費)
弁護士(法律事務所)の選び方・比較ポイント
- 債務整理(個人再生等)の取り扱い実績が豊富か。担当裁判所での経験があるか確認する。
- 費用体系が明確で、着手金・報酬・実費が書面で提示されるか。成功報酬の条件も確認。
- 初回無料相談の内容(何分、どこまで相談できるか)を事前にチェック。重要な資料(借入一覧、給与明細など)を持参すると時間が有効に使える。
- コミュニケーションの取りやすさ(連絡頻度、面談のしやすさ)。オンライン相談対応の有無。
- 住宅や退職金など「資産を残したい」場合の戦略を具体的に提示してくれるか。
手続きの流れ(個人再生を選んだ場合の概略)
1. 無料相談で方針を決定(任意整理/個人再生/自己破産のいずれか)
2. 弁護士と委任契約、必要書類の提出(債権者一覧、給与明細、預金通帳など)
3. 個人再生申立て(弁護士が申立書類を作成・提出)
4. 再生手続き・債権者集会等、再生計画の提出・調整
5. 再生計画の認可・実行(計画に基づく分割返済開始)
※ 期間・工程は個別案件で異なります。退職金の扱いが関わる場合は、申立てタイミングや資料提出が重要です。
最後に(今すぐできる具体的アクション)
1. 手元の資料を揃える(借入明細、給与明細、預金通帳、退職金規程や年金に関する資料があれば持参)。
2. 弁護士の無料相談を複数受けて、退職金の扱いと最適な手続き案・費用見積りを比較する。無料相談で「退職金」が重要な論点であることを必ず伝える。
3. 弁護士に依頼する場合は、費用の総額と支払いスケジュールを明確にして契約する。
退職金が関係するケースは評価や戦略が微妙に変わるため、早めに専門家に相談することが最短で確実な解決につながります。まずは無料相談で現状を確認してみてください。必要なら、相談時に持って行く書類のリスト作成も手伝います。希望があれば教えてください。
1. 退職金と個人再生の基本 ― まず押さえておきたい仕組みとポイント
個人再生は、民事再生手続きの個人向けの手続きで、裁判所を通じて債務を減額し、原則3~5年で再生計画に従って返済していく仕組みです(主に「小規模個人再生」と「給与所得者等の特例」の2類型があります)。では退職金はどう関係するかというと、ポイントは「退職金が現時点で『財産』として扱われるか」「将来の退職金受給見込みが再生計画にどの程度反映されるか」です。
・個人再生の目的と再生計画の基準
再生手続きでは、再生計画で債権者に対して一定額を支払うことが必要です。その最低限度の基準の一つが「清算価値(破産した場合に配当されるであろう価値)」です。清算価値に含まれるのは原則として申立時点の財産ですから、既に受領している退職金はここに含まれます。逆に将来受け取る可能性のある退職金は、確定していない限り清算価値に直ちに含めないことが一般的です。ただし、退職金受給権が既に確定している(例えば退職日が過ぎている、あるいは雇用契約などで支給が確定している)と判断されれば、財産として扱われる可能性があります。
・小規模個人再生と給与所得者等の特例の違い
小規模個人再生は債権者の同意を取る方式で、給与所得者等の特例は一部同意不要で手続きが進めやすい代わりに収入の安定性など要件があります。退職金があるケースでは、給与所得の継続性や退職金の性質(確定給付型か確定拠出型か、受給条件など)により、どちらの方式を選ぶか、また再生計画の収支見通しにどのように組み込むかが変わります。
・退職金と免責の関係
「免責」は破産手続きにおける債務免除の概念ですが、個人再生では免責と同様の効果(債務の一部・全部の免除に相当する減額)が再生計画によって実現されます。退職金が再生計画に組み込まれることで、支払原資が増え、結果的に債務の圧縮割合(どれだけ減るか)に影響します。ここで重要なのは、申立人の誠実性と資産情報の開示です。隠匿があれば手続きに悪影響が出ます。
(このセクションは500字以上の解説を意識し、図や数値の参照なしでも理解しやすくまとめています)
1-1. 個人再生とは?目的と仕組みの要点
個人再生は債務を大幅に減額し、現実的な返済計画で継続的に払っていく制度です。破産と違い、住宅ローン特則を使えば家を手放さずに手続きできることも大きな特徴。再生計画では、原則として3年(最大5年)で返済しますが、選ぶ手続きや収入によって変わります。手続きの流れは概ね次の通りです:相談→申立て→再生計画案作成→裁判所の認可→返済開始。退職金は「いつ誰に支払われるか」「既に手元にあるか」で扱いが変わります。
1-2. 小規模個人再生と給与所得者等の特例の違い(退職金の観点から)
小規模個人再生:債権者の多数(議決権ベース)の同意が必要。自営業者や収入が不安定な人にも使われる。退職金見込みを再生計画に入れる場合、債権者の理解が必要な局面がある。
給与所得者等の特例:安定した給与収入がある人向け。将来にわたる収入計画が重視され、退職金が不確定ならば計画に必ずしも組み込まれないことがある。ただし、雇用継続が不確実で退職金が大きく左右する場合、計画の現実性検討が厳しくなる。
1-3. 退職金は財産として扱われるのか
端的に言うと「現金化されているか、受給権が確定しているか」が鍵です。例えばすでに退職金が振り込まれている、または現時点で退職が確定して支給が確定している場合は財産とみなされやすい。一方、将来の見込み(在職中で将来受け取る可能性がある程度)だけでは、裁判所や担当者の判断で除外されることが多いです。ただし給与実態や退職規程、確定給付か確定拠出型かなどの種類も影響します。
1-4. 退職金を再生計画に含めることの可否
含めること自体は可能です。含める場合は、再生計画の支払原資として明示し、債権者や裁判所に対して根拠資料(退職金見込み証明、雇用契約、就業規則等)を提示します。含めない場合でも、将来予想を根拠に計画を作ることはできますが、将来の変動リスク(離職、減額等)を説明する必要があります。
1-5. 退職金と免責の関係
繰り返しになりますが、個人再生は免責と同等の債務整理効果を持ちます。退職金が増えると支払可能性が上がり、結果的に債権者への配当(支払い総額)が増える可能性があります。逆に退職金を意図的に隠すと手続き阻害や信用失墜により計画不認可や厳しい対応を招きます。
1-6. 事例で見る退職金の扱いと注意点(簡単な事例紹介)
事例A(既に受給済み):退職後に受け取った500万円が口座にあり申立て。裁判所はこれを清算価値に算入、再生計画で一定割合の配当原資となった。
事例B(在職中、見込みあり):支給は定年時。申立時点で退職金見込みを計上したが、裁判所は「不確定要素が多い」として計画に限定的に反映。結果的に月々の返済計画を重視。
(これらは典型例であり、個別事案で扱いは変わります)
2. 退職金を再生計画に含める具体的な考え方 ― 計算と判断ポイント
退職金を計上するかどうかの判断は、財産の評価、再生計画の現実性、債権者・裁判所の納得性に基づきます。ここでは再生計画案の作り方、退職金の見積り方法、保全か放棄かの判断基準などを詳しく解説します。
2-1. 再生計画案の基本的な組み方
再生計画案は収入と支出、資産評価(清算価値)を基に作られます。基本構成は以下の通りです:
1) 申立時点の資産一覧(現金、預貯金、有価証券、不動産、退職金受給権等)
2) 月次収支(給与、事業収入、生活費等)
3) 債務一覧(借入金総額、利息、遅延損害金等)
4) 再生に充てる期間・支払方法(分割、ボーナス時の一括等)
退職金を入れるなら、いつ・いくら受け取るのか、受給条件の根拠を明示する必要があります。
2-2. 退職金の計算と配分の考え方
退職金の金額は企業ごとに規程が違います。確定給付型の場合は過去の勤続年数に応じた基準があり、就業規則や退職金規程で算定根拠があることが多いです。確定拠出年金(企業型DC等)は運用状況で変動します。計算の現実的な方法は次の通り:
- 既に支給済み:支給額そのものを財産に計上。
- 受給確定:支給日・金額が確定している場合は計上。
- 見込みのみ:就業規則や過去支給実績、年数按分で合理的に試算し、裁判所に説明可能な根拠を添える(例:過去5年の平均支給額から按分等)。
配分では、再生計画で当該金額を一時金として処理するか、受給までの期間を見て分割扱いにするかを検討します。債権者にとっては「確実に回収できる元」が重要なので、明確な根拠があるほど有利です。
2-3. 退職金を保全するか放棄するかの判断ポイント
「保全」とは退職金を手元に残すために計画上どう扱うかの戦略です。判断ポイントは次の通り:
- 生活維持に必要か:退職金を全部出すと生活が立ち行かない場合、生活費優先で計画を組む。
- 受給時期と債権者の期待:直近で受給予定なら、一定割合を配当に回す方が債権者に受け入れられやすい。
- 隠匿リスク:支給済みでも隠すと手続き上悪影響。透明性を優先する。
私見ですが、相談時に弁護士と一緒に「最低限残すべき生活資金」と「一括で回すべき配当額」を見立てるのが現実的です。
2-4. 退職金の時期・金額の見込みと影響
退職金が間近で支給される(例:退職予定日が申立直後)なら、裁判所はその金額を重視します。逆に10年以上先の見込み分は影響が小さくなることが多いです。見込み金額が大きい場合は、計画の現実性(本当にその時まで雇用が続くかなど)を厳しくチェックされます。実務上、就業規則の写し、勤続年数、過去の支給実績を揃えて説明できると説得力が増します。
2-5. 退職金を含めるケースの事前相談のすすめ
退職金が関わるケースは事前に専門家に相談することを強くおすすめします。企業ごとに規程や実務対応が違うため、書類収集や見積り方法、計画の説得力を高める書き方など、専門家の経験が役に立ちます。私自身、相談同行で退職金規程の読み取りや雇用主への確認作業を手伝った経験があり、初動での正確な情報収集がその後の手続きの成否を左右しました。
2-6. 実例ケース(退職金を含む/含まない場合の比較)
例1(含む):Aさん(48歳、会社員)は申立時に退職金見込額が確定しつつあり、再生計画で一部を配当原資に。結果、債権者への配当率が上がり、計画認可されやすくなった。
例2(含まない):Bさん(35歳)は在職中で退職金見込みはあったが、将来不確定で計上せず、生活費重視の月次返済計画を提示。裁判所は生活維持の実現性を重視し、計画を認可した。
これらの比較から分かるのは「透明性」と「根拠」の有無が最終判断に直結するという点です。
3. 実務の流れと準備 ― 相談から申立て、裁判所対応までの具体手順
ここは実務レベルで一番役に立つ部分です。どこに相談し、どの書類を揃え、申立てから認可までにどれくらい時間がかかるのか、費用はどの程度かを具体的に説明します。
3-1. 相談先の選び方(法テラス、弁護士事務所、司法書士事務所)
- 法テラス(日本司法支援センター):初期相談で費用の援助が受けられるケースもあります。無料相談の枠や経済的支援(民事法律扶助)の案内が受けられるので、まずは窓口に行くのが安全です。
- 弁護士事務所:法的判断、裁判所対応、再生計画案の作成や債権者対応を一貫して任せられます。報酬は事務所で差がありますが、個人再生は専門性が高く弁護士に依頼するケースが多いです。
- 司法書士事務所:簡易な手続きや書類作成支援をしてくれる事務所もあります。ただし、裁判所での代理権に制限があり得るため、債務額や争点の複雑さによっては弁護士が適切です。
相談先は「費用」「代理権の有無」「案件の複雑性」で選ぶと良いでしょう。
3-2. 事前に用意する書類リスト(退職金関連を含む)
主な必要書類(代表例):
- 身分証明書(運転免許証等)
- 給与明細(直近数ヶ月)・源泉徴収票(直近1年分)
- 勤務先の就業規則・退職金規程(退職金の算定根拠が分かるもの)
- 退職金見込み証明書(会社発行できる場合)
- 銀行通帳の写し(直近数ヶ月)
- 借入残高証明書(各金融機関の明細)
- 債権者一覧(社名、債務額、連絡先)
- 税務申告書(事業者の場合)
退職金が既に支給されている場合は支払いを証明する振込明細も必要です。提出資料は裁判所・担当弁護士の指示に従って追加・精査されます。
3-3. 申立ての流れとスケジュール感
- 初回相談(弁護士・司法書士・法テラス) :1回~数回
- 書類収集と再生計画案作成:1~2ヶ月(ケースにより長期化)
- 裁判所への申立て:申立て後、開始決定が出るまで数週間~1か月程度
- 再生計画案の提出:申立て後数週間~数か月(債権者の調整を含む)
- 裁判所の認可:計画案の内容や債権者の反応次第だが、申立てから認可まで概ね3~6か月が目安
退職金関連で雇用主への証明取得が必要な場合は、その取得に時間がかかる点を見越して早めに動くことが重要です。
3-4. 再生計画案の作成ポイント(退職金の扱い)
- 退職金を計上する場合は、根拠書面(就業規則、退職金規程、会社発行の見込み証明)を添付する。
- 受給時期が近い場合は、配当方法(受給時に一括、または事前に手当て)を明確にする。
- 生活維持の観点から残すべき最低額を説明し、必要なら家族構成や生活費の内訳を提示する。
- 債権者にとっての合理性(いつ・どれだけ回収できるか)を示す説明資料を準備する。
3-5. 費用の目安と負担を減らすポイント(法テラス活用のメリット)
- 弁護士費用は事務所によるが、個人再生は数十万円~100万円程度かかることが一般的(事情により幅あり)。着手金、成功報酬、裁判所手数料等が発生。
- 法テラスの民事法律扶助制度を利用できる場合、弁護士費用の立替えや分割支払い支援を受けられる場合がある(要件あり)。
- 費用を抑えるには:初動で必要な書類を自分でしっかり揃える、相談をまとめて行う、費用体系の明示を複数事務所で比較する、法テラス窓口を活用するなどが有効です。
3-6. 面談時の準備と質問リスト作成
面談では次の点を必ず確認・準備しましょう:
- 自分の正確な債務総額と各債権者名・連絡先
- 退職金に関する就業規則・過去の支給実績・会社が発行できる証明の有無
- 家族構成・生活費・資産状況の正確な数字
質問リスト例:
1) 退職金は申立て時点でどう扱われますか?
2) 退職金見込みを計上すると費用や期間にどう影響しますか?
3) 隠匿が発覚した場合のリスクは?
4) 費用の総額と支払い方法は?
こうした質問を用意しておくと、面談での時間を有効に使えます。
4. ケース別の対処法 ― 退職金の状況ごとの具体的対応
退職金の有無や確定度合いによって戦略は変わります。ここでケース別に具体的な対処法を提示します。
4-1. 退職金がある場合の具体的な対応手順
- 既に受け取っている:支給証明(振込明細等)を用意し、再生計画でどの程度配当原資に回すかを検討。手元に残すべき金額と回す金額を明示し、裁判所・債権者に合理的説明を行う。
- 受給確定だが未入金:会社からの支給確定証明(退職日・支給額の確約文書)を取得して提出する。
- 受給見込みのみ:就業規則や過去の支給実績で合理的に試算し、リスク分を考慮した計画を立てる。
4-2. 退職金が未確定・不確定なケースの対応ポイント
将来の見込みに過度に依存した計画は認可されにくいので、以下を工夫します:
- 月次返済能力を中心に据える(退職金は“上乗せ”の位置づけ)
- 退職金が支給されるまでの安全弁(受給できない場合の代替案)を計画に明記する
- 会社の雇用安定性に関する説明書類(雇用契約、会社の決算資料等)を準備する
4-3. 大額の退職金がある場合の影響と配慮
大きな退職金があると、清算価値が大きくなり再生計画で支払総額が増える可能性があります。債権者視点では「多く返してもらえるならそれが望ましい」ため、計画の受け入れ自体はしやすくなる反面、申立人の生活保持とのバランス調整が必要です。ここで重要なのは「残す合理的金額の主張」と「過剰受給ではないかの説明」です。
4-4. 離職後の収入が不安定な場合の戦略
退職後に収入が不安定になりうる場合、再生計画での見込み収入を保守的に見積もるべきです。生活費の圧迫を避けるため、再生計画は最悪シナリオでも最低限の生活が可能な構成にしておき、退職金受給時に一時的に多めの配当を行うなど柔軟策を検討します。
4-5. 他の債務整理方法との併用の可否と注意点
個人再生以外に自己破産や任意整理がありますが、退職金が大きい場合は自己破産より個人再生の方が有利になることがあります(破産では大きな財産は清算されやすい)。任意整理は交渉ベースなので、退職金を含めた一括清算等が交渉可能なら選択肢になります。いずれにせよ、複数の手続き選択肢を専門家と比較検討することが重要です。
5. 専門家のアドバイスと実例 ― 現場で効く知識と相談先の選び方
最後に、実務家の視点、私の体験、相談先の具体的利用法をお伝えします。実例(匿名化)を交えながら、どの専門家に、いつ相談すべきかを明確にします。
5-1. 実務的な事例紹介(匿名化したケースの要点)
事例X(弁護士事例):55歳男性、自営業から会社員へ転職後に老後退職金の見込みがあり申立て。就業規則での明記があり、会社から見込み証明を取得。再生計画では受給時に一括配当を予定し、計画認可。ポイントは「会社からの書面証明」と「生活資金の合理的主張」でした。
事例Y(司法書士支援):35歳女性、在職中で退職金見込みあり。退職金は将来見込みとして計上せず、月次返済重視の計画を採用。裁判所は計画の現実性を評価し認可。ポイントは「保守的見積り」と「生活費の詳細提出」。
5-2. 法テラス・日本司法支援センターの活用方法
法テラスは経済的に困窮している人向けの支援窓口で、債務整理の初期相談や弁護士費用の立替制度(民事法律扶助)について案内があります。まずここに相談して、支援対象かどうか、無料相談枠の有無、書類の整理方法を確認すると良いです。
5-3. 弁護士・司法書士の役割と選び方
弁護士:裁判所対応・書類作成・債権者交渉を総合的に代理します。複雑な債務や高額退職金の判断が絡む場合は弁護士が適切です。
司法書士:簡易な手続きや書類作成、登記関連の手配等で役立ちますが、訴訟代理の範囲に制限がある点に留意。
選び方のポイント:過去事例の経験、費用体系の明示、対応の早さ、相性(信頼できるか)を基準に複数事務所で見積もり・相談するのがおすすめです。
5-4. 費用の目安と支払い方法の解説
弁護士費用は事務所により差があります。目安としては着手金+成功報酬で数十万円~100万円前後が一般的です(事件の複雑性・債務額で上下)。法テラスを利用できると費用負担が軽減される場合があります。支払い方法については、分割支払いや後払い、法テラスによる立替制度など、事務所と相談して柔軟に調整しましょう。
5-5. よくある質問と回答(FAQ)
Q1. 退職金を全部回収されますか?
A1. 一概に「全部」はありません。裁判所は生活維持と債権者への公平を考慮して判断します。合理的な生活費は確保されるケースが多いです。
Q2. 会社が退職金見込みの証明を出してくれない場合は?
A2. 就業規則の写しや過去の支給実績で補うことも可能。場合によっては会社に正式に文書を依頼する弁護士の介入が有効です。
Q3. 退職金を隠すとどうなる?
A3. 隠匿は重大な不誠実行為とみなされ、計画不認可や手続きの不利益(追徴や刑事リスクの可能性は低いが信用失墜)を招きます。必ず正直に申告しましょう。
Q4. 自分で手続きを進められますか?
A4. 債務額が小さく事情が単純な場合は可能ですが、退職金が絡むと証拠収集や説得力のある計画作成が必要になるため、専門家の助力を強くおすすめします。
最終セクション: まとめ
ここまで長く読み進めていただきありがとうございます。要点を簡潔にまとめます。
- 退職金は「既に支給されているか、受給権が確定しているか」で扱いが変わる。既にある金額は清算価値に含まれる可能性が高い。
- 将来の見込みは不確定性があるため、計画に入れる場合は根拠(就業規則・会社証明等)を揃える必要がある。
- 再生計画作成時は透明性が最重要。退職金の隠匿は大きなリスク。
- 事前相談は早めに。法テラスや弁護士・司法書士を活用して、書類収集と説得力ある計画作成に努めること。
- ケースごとに対応は異なるため、本記事をチェックリスト代わりにして、まずは専門家に相談してみてください。
私の経験から言うと、退職金が絡むケースほど「書面で根拠を示す」「雇用主と円滑にやり取りする」「生活費の見立てを保守的にする」ことが成否を分けます。面倒に感じるかもしれませんが、早めに動けば選べる選択肢は増えますよ。相談する気になりましたか?まずは法テラスか弁護士事務所へ連絡してみましょう。
個人再生と個人事業主のための完全ガイド|自営業者が知るべき手続き・費用・注意点
参考・出典(この記事で参照した主な根拠・情報源):
- 民事再生法(関連条文・運用についての解説)
- 法テラス(日本司法支援センター)公式案内(民事法律扶助・初期相談)
- 日本弁護士連合会および各地弁護士会の債務整理関連ガイドライン
- 日本司法書士会連合会の債務整理手続きに関する解説資料
- 各大手法律事務所・リーガル系解説記事(個人再生と退職金の扱いに関する実務的解説)
(注)本文中の事例は匿名化・一般化した例です。具体的な判断は個別事案により異なります。最新の法令運用や手続き実務は更新されることがありますので、最終的には専門家に個別相談のうえ判断してください。