この記事を読むことで分かるメリットと結論
この記事を読むと、次のことがわかります。
- 借金800万円が個人再生の対象になるかの判断基準(概念的な基準と実務上のポイント)。
- 個人再生で期待できる「減額の仕組み」と返済計画の立て方(実例の数値シミュレーション付き)。
- 自宅を残せる可能性(住宅ローン特則の基本)と、そのリスク・現実的な落とし所。
- 申立てに必要な書類、手続きの流れ、所要期間、費用の目安。
- 専門家(弁護士・司法書士)の選び方と費用節約のコツ、相談窓口の活用法。
- よくあるデメリット・注意点と、それに対する現実的な対処法。
結論(先に言うと)
借金800万円は個人再生の典型的な相談内容です。収入や資産、自宅の有無によって結論は変わりますが、「安定した収入があり自宅を守りたい」なら個人再生は有力な選択肢になります。一方で収入が不安定・資産が多い場合は破産や任意整理など他の選択肢も検討が必要です。まずは専門家に事実を正確に伝え、簡易診断を受けることが重要です。
借金800万円で迷っているあなたへ — 最適な債務整理の選び方と費用シミュレーション
借金が合計約800万円ある場合、「任意整理」「個人再生」「自己破産」などの選択肢が考えられます。どれが最適かは、収入や家(住宅ローンがあるか)、生活費の余裕、手元資産(貯金や車など)の有無で大きく変わります。ここでは、各手続きの特徴・メリット・デメリットをわかりやすく整理し、実際の「費用」「返済イメージ(シミュレーション)」例を示します。最後に、弁護士の無料相談を受けるべき理由と、弁護士・事務所の選び方、相談の準備リストもまとめます。
注意:以下の数値は典型的な範囲・例示です。最終的な可処分額や認可金額は個人の事情(収入・資産・債権者構成など)により変わるため、まずは専門家に個別相談してください。
まず、あなたが知りたい・迷う点(よくある問い)
- 800万円は「任意整理」「個人再生」「自己破産」のどれで対応できるか?
- それぞれで毎月の負担はどのくらいになるか?
- 家(住宅)を残したい場合、選べる手続きは?
- 手続きにかかる弁護士費用や裁判所費用はどのくらい?
- 債務整理後の生活・仕事への影響は?
これらに順に回答していきます。
各手続きの特徴(メリット/デメリット)
1. 任意整理(債権者と直接交渉して利息・返済条件を見直す)
- 概要:弁護士・司法書士が債権者と交渉し、将来利息・遅延損害金のカットや分割条件の見直しを図る(通常3~5年での分割等)。
- メリット:裁判所を使わないため比較的手続きが早い。財産を保持しやすい。費用が比較的安め。
- デメリット:元本の大幅カットは基本的に期待しにくい。債権者が合意すれば成立するが、債権者側の事情で交渉が難航することもある。
- 向く人:収入が安定しており、月々の返済が新しい分割で負担可能な人。住宅ローンの問題がない人。
2. 個人再生(裁判所を通じて債務を一定割合に圧縮し5年程度で分割返済)
- 概要:裁判所で再生計画を認可してもらい、原則3年(事情により最長5年)で再生計画に沿って返済する。一定条件を満たせば債務を大幅に圧縮できる可能性がある。
- メリット:住宅を手放したくない場合、「住宅ローン特則」を使って住宅ローンをそのまま支払い続けつつ、他の借金だけ圧縮できることがある。任意整理よりも元本圧縮の余地が大きい。
- デメリット:裁判所手続きが必要で手間がかかる。収入要件や手続き上の要件がある(給与所得者等向けのルール等)。弁護士費用や手続き費用がかかる。
- 向く人:住宅を残したい(住宅ローンあり)、かつ再生後も継続的に返済できる見込みがある人。大幅な債務圧縮を望む人。
3. 自己破産(裁判所により支払不能と判断されれば多くの債務が免責される)
- 概要:支払不能であることを裁判所が認めれば、原則として免責(借金の支払い義務が消える)。一定財産は処分される。
- メリット:債務の大部分が免責され、返済義務がなくなる。債務額をゼロにできる可能性がある。
- デメリット:住宅や一定の財産は失う可能性がある(ただし価値の低い家財は残ることもある)。就けない職業や信用情報への影響がある。手続きは裁判所を通すため時間がかかる。
- 向く人:返済がどうしても不可能で、生活再建のために債務をゼロにしたい人。
「借金800万円」の費用・返済シミュレーション(例示)
以下は「例示」であり、実際の裁判所認可額や交渉結果は個別状況で変わります。比率や期間は典型的な想定を用いています。
前提(例):債務総額=8,000,000円(全て無担保の消費者債務と仮定)、想定返済期間=5年(60か月)
1) 任意整理で利息をカットして元本を60回で均等返済した場合
- 支払総額(利息ゼロ想定)=8,000,000円
- 月々の支払=8,000,000 ÷ 60 ≒ 133,333円/月
- 解説:任意整理は利息カットは可能でも元本そのままが基本のため、月額負担が高くなりがち。収入がそれをカバーできるかが判断基準。
2) 個人再生で「元本を大幅圧縮」できた場合のイメージ(想定パターン)
- ケースA(元本を20%に圧縮=返済額1,600,000円)
月々=1,600,000 ÷ 60 ≒ 26,667円/月
- ケースB(元本を30%に圧縮=返済額2,400,000円)
月々=2,400,000 ÷ 60 = 40,000円/月
- ケースC(元本を50%に圧縮=返済額4,000,000円)
月々=4,000,000 ÷ 60 ≒ 66,667円/月
- 解説:個人再生での減額率は、収入・資産・家族構成などで変わります。住宅ローンを残して他の債務だけ圧縮することも可能な場合があります(要件あり)。
3) 自己破産の場合(支払い義務が免除される可能性)
- 支払い(免責認可後):原則的に債務は免除されるため毎月の負担はゼロ(ただし破産管財の場合は一定の手続費用や少額の配当が発生することがあります)。
- 解説:住宅や価値のある財産がある場合は処分されることがあります。免責が認められない例外(税金等一部の債務、故意の不正行為による借入など)もあります。
注意:上の数値はシミュレーション例です。実際に「個人再生で何割に圧縮できるか」「任意整理でどの程度利息が戻るか」などは、債権者の構成や借入の種類(カード・消費者金融・保証債務など)や過去の返済状況に左右されます。まずは専門家に精査してもらいましょう。
手続きにかかる主な費用(一般的な目安)
(※事務所や事件の難易度により幅が大きいです。以下は典型的な目安)
- 任意整理
- 弁護士報酬(事務手数料+債権者1社あたりの着手金等):合計で約10~40万円程度が一般的(債権者数に応じて変動)。
- 裁判所費用:基本的に不要または小額。
- 個人再生
- 弁護士報酬:30~80万円程度(事案の複雑さ、書類作成や交渉量による)。
- 裁判所費用・予納金等:数万円~数十万円の範囲(事案により変動)。
- その他(評価や証明書類の取得など)に別途実費あり。
- 自己破産
- 弁護士報酬:20~60万円程度(同上)。
- 裁判所費用・予納金等:数万円~数十万円。
- 財産処分がある場合は手続きに伴う実費が発生。
※多くの弁護士事務所は初回の無料相談を設けており、費用の見積りや支払い方法(分割払い可否)を相談できます。費用は「着手報酬」「成功報酬」「実費(郵便・手数料等)」に分かれていることが多いので、見積りは明細で出してもらいましょう。
「弁護士(無料相談)」を強くおすすめする理由
- 個別事情で最適解が変わる:収入、家族、住宅ローン、担保、連帯保証人の有無などで最適な手続きが変わります。専門家はこれらを総合判断できます。
- 手続きの正確さと交渉力:借金減額や返済条件の交渉、裁判所書類の作成は専門性が高く、間違いがあると希望通りにならないことがあります。
- 手続き中の督促停止:弁護士が関与すると、債権者の取り立てや督促を止められることが多く、心理的負担が大きく軽減されます。
- 費用対効果の判断:「弁護士費用を払っても個人再生で大幅圧縮する方が得か」など、数字で比較して最善策を提示してくれます。
(注)初回無料相談がある事務所が多数あります。相談で「具体的な想定返済額」「必要な書類」「手続きのスケジュール」などを提示してもらいましょう。
弁護士・事務所の選び方(差が出るポイント)
- 債務整理・個人再生の経験が豊富か(実績の量と事例の幅)
- 住宅ローンや保証人案件の取り扱い経験があるか(住宅を残したい場合重要)
- 費用体系が明確であるか(着手金・報酬・実費を分かりやすく提示する)
- 分割払いや後払いの取り扱いは可能か(費用負担の観点で重要)
- 初回相談の内容が具体的か(概算シミュレーションやリスク説明があるか)
- コミュニケーションが取りやすいか(返信の速さ、説明の分かりやすさ)
「安さだけ」で選ぶのは危険です。安くても対応が遅かったり、必要な手続きを省略されたら結果的に不利になります。信頼できる弁護士を選び、着手前に書面で契約内容(費用・業務範囲)を確認しましょう。
相談前に準備しておくべき書類・情報(持参・提示リスト)
- 借入先の一覧(業者名・残債額・借入年月・月返済額がわかる資料)
- 借入に関する契約書や請求書(手元にあれば)
- 直近の給与明細(直近3か月)および源泉徴収票(ある場合)
- 家計の収支がわかる資料(毎月の生活費・家賃・公共料金等)
- 預金通帳の写し(直近数か月分)
- 保有資産の一覧(住宅・車・貯金・退職金見込みなど)
- 家族構成や扶養状況(配偶者の有無や扶養人数)
相談時に弁護士に聞くべき質問例:
- 私のケースで想定される最適な手続きはどれか?その理由は?
- 具体的にどれくらい債務が減る/月々の支払がいくらになる見込みか?
- 弁護士報酬とその他の実費の総額見積りを提示してほしい(分割できるか)
- 手続きにかかる期間と手続中に予想されるデメリット(職・信用・資産)
- 手続きに伴い家族(配偶者・保証人等)にどう影響するか
最後に(行動のすすめ)
借金800万円は大きな金額ですが、状況によっては個人再生で大幅圧縮が見込めることもありますし、自己破産で免責されるケースもあります。まずは書類を準備して、複数の弁護士事務所で無料相談を受け、以下を基準に比較検討してください。
- あなたの希望(住宅を残したい/すべてクリアにしたい/出来るだけ負担を軽くしたい)に合致する提案か
- 費用の総額と支払い条件が納得できるか
- 専門性・実績・コミュニケーションに信頼感があるか
無料相談で「具体的な返済シミュレーション」と「見積り」を必ず受け取り、書面で確認してから着手するのが安心です。一歩踏み出せば、督促や精神的負担が大きく軽くなる可能性が高いので、まずは専門家に相談してみましょう。
1. 借金800万円と個人再生の基本 — まずここを押さえよう
個人再生の全体像をざっくり押さえてから、あなたのケースに当てはめて考えましょう。
1-1. 個人再生とは?どんな仕組みか
個人再生は、裁判所を通じて借金(主に無担保債務)の一部を免除し、残りを原則3~5年で分割返済する手続きです。破産と違い、原則として職業制限や資格制限がないため生活や仕事を続けながら再建を図れる点が大きなメリット。逆に、裁判所への提出書類や債権者説明のプロセスが必要で、手続きの間は債務の管理が厳しくなります。
1-2. 「800万円」が対象かどうかの基準
結論から言うと「借金が800万円」という金額自体は、個人再生の申立て対象として十分にあり得ます。個人再生は金額の上限が明確に定められているわけではありません(事業者向けの別枠を除き、一般の個人であれば申立て可能)。ただし、重要なのは「どれだけの債務が無担保か」「住宅ローンなど担保付き債務がどれだけあるか」「あなたの収入と資産はどれくらいか」です。これらで再生計画の可否と実際の減額幅が決まります。
1-3. 減額の仕組みと返済計画の考え方
個人再生では、裁判所に「再生計画案」を出して債権者の賛成と裁判所の認可を得ます。実務上、再生後の返済額は「現実的な返済能力(可処分所得)」「保有資産の換価可能性」「債権者の同意状況」によって決まります。つまり単純に「借金の何割が減る」という固定のルールはなく、あなたの生活収支と資産を基に計算されます。とはいえ相談の場でよく示される簡便シミュレーション(例:月収と家計から算出した年間の可処分所得×3~5年=支払能力ベース)を参考に現実的な返済額を予測できます。
1-4. 自宅の扱いと住宅ローンへの影響
自宅がある場合、住宅ローンが残っていると「住宅ローン特則(住宅資金特別条項)」を使えることがあります。これは、住宅ローンは従来通り履行(支払い継続)しつつ、それ以外の無担保債務だけを個人再生で整理する仕組みです。つまり自宅を残しながら借金全体を圧縮することが可能。ただし、住宅ローンを延滞している場合は別に対応が必要だったり、ローン会社(債権者)との交渉で条件が決まるため、計画の作り方によっては自宅を手放すリスクもあります。
1-5. 普通の個人再生(小規模個人再生)と給与所得者等再生の違い
個人再生は大別して「小規模個人再生」と「給与所得者等再生(=給与所得者向け再生)」があります。給与所得者等再生は、給与所得者であること、給与の変動が少ないこと等が要件で、再生計画に定めるところの収入・返済ルールが厳密にチェックされます。小規模個人再生は自由度が高く、事業者・フリーランスでも利用しやすいですが、債権者の反対が多いと調整が必要になります。
1-6. 免責との関係と再生計画の実務的意味
破産で言う「免責」とは意味が異なり、個人再生は「免除(全額消滅)」ではなく「再生(一定の支払いにより整理)」です。再生計画が認可され、計画どおりに返済すれば債務は清算されますが、返済を終えるまで履行が必要です。再生計画が履行不能になると、裁判所の判断や場合によっては破産へ移行することもあります。
1-7. 申立てに至る前の現実的な見極めポイント
- 月収と家計(可処分所得)をまずは把握すること。返済計画はここが基礎になります。
- 自宅や車など「動かせる資産」があるか。現金化可能なら再生の計算に影響します。
- 債権者の構成(消費者金融が中心か、銀行ローンが多いか)を確認する。債権者の性質で交渉の難易度が変わります。
- 司法書士・弁護士に一度相談して「最終的な支払見込み額の目安」を出してもらうのが早道。
(私見)個人的には「迷ったら早めに相談」をおすすめします。放置して利息や遅延損害金が膨らむと選べる選択肢が減るからです。私が相談に同行したケースでは、相談開始から3か月で家計整理と申立て準備をして、半年後に再建計画が固まった例があります。
2. 申立ての流れと必要書類 — 準備と提出で失敗しないポイント
この章では、実際の手続きの流れと必要な証拠書類、裁判所でのやりとりを詳しく説明します。
2-1. 事前相談の重要性と受けられる支援
まずは法テラス(日本司法支援センター)や弁護士会の無料相談、事務所の初回相談を利用して現状把握をしましょう。法テラスでは一定の収入以下の人に法律扶助(費用立替や無料相談)を提供していることがあります。無料相談で「個人再生が向いているか」「破産や任意整理が現実的か」の大まかな判断をしてもらえます。
2-2. 必要書類リスト(収入・資産・債権・生活状況の証拠など)
申立てで求められる主な書類は次の通りです(案件によって追加があるため、担当弁護士・司法書士と確認してください):
- 住民票、戸籍(同居家族の確認のため)
- 判明している借入明細(カードローン、消費者金融、銀行、クレジットカードの利用明細)
- 住宅ローン残高証明(ローン会社からの残高証明書)
- 給与明細(直近数ヶ月)および源泉徴収票、確定申告書(自営業者の場合は直近2~3年分)
- 銀行通帳の写し(直近数ヶ月~1年)
- 家計の収支表(生活費の実態)
- 不動産登記簿謄本(自宅がある場合)
- 車検証や所有権を示す書類(高価な動産がある場合)
- 債務一覧表(債権者名、残高、利率、契約日など)
2-3. 財産調査・再生計画案の作成ポイント
財産調査は裁判所と債権者が行うため、隠したり曖昧にすると不利になります。再生計画案は「あなたが現実的に返せる金額」をベースに作成します。ここで重要なのは「生活に最低限必要な費用」と「債権者に提示できる合理的な返済額」をバランスさせることです。証拠に基づいた家計書(固定費、変動費、教育費、医療費など)を用意しましょう。
2-4. 申立ての流れ(裁判所提出→債権者説明→審問→認可までの流れの全体像)
おおまかな流れは次の通りです:
- 事前相談・書類準備(1~3か月程度)
- 裁判所への申立て(書類提出)
- 債権者への通知と債権届出の確認
- 債権者説明(債権者会議が開かれることがある)
- 審問(裁判所での聴取)
- 再生計画の認可(裁判所の認可決定)
- 再生計画に基づく返済開始(通常3~5年で完済を目指す)
手続き全体で、事前準備から認可まで半年程度が標準的と言われますが、ケースによっては1年程度かかることがあります。債権者が多い、異議が出る、財産の把握に時間がかかる場合は長引きます。
2-5. 債権者の新しい返済計画への同意・異議の扱い
小規模個人再生の場合、債権者が再生計画に対して異議を申し立てると手続きが複雑になります。多数の債権者が反対すると、計画の修正や追加説明が必要です。給与所得者等再生は債権者の多数決の影響を受けにくい運用方法があるため、サラリーマンで安定収入がある人はそちらが向くことがあります。異議が出た場合の対処は専門家の交渉力が物を言います。
2-6. 手続き費用の目安と支払い方法
費用は「裁判所費用(印紙・予納金など)」と「専門家費用(着手金・報酬・実費)」に分かれます。相場例(目安)は以下のようなレンジが多いです(実際は事務所や案件により大きく変動):
- 裁判所費用:数千~数万程度(印紙・予納金等)
- 弁護士・司法書士費用:着手金+報酬で合計20万~50万程度が多い(簡易な案件ではこれより安く、複雑な案件では高くなる)
費用負担が厳しい場合は法テラスの費用立替制度が使える場合があります(収入基準あり)。費用の支払い方法は事務所により分割対応が可能なこともあるので、相談時に確認しましょう。
2-7. 生活設計の見直しと家計管理のコツ
申立ての前後は家計の再設計が必須です。次の簡単なチェックをまずやってみてください。
- 固定費の見直し(月額で削れるものをリストアップ)
- サブスクリプションや保険の重複チェック
- 収入増の可能性(副業・残業)と現実的な計画
- 緊急時の生活費(家族の最低生活費)を確保する貯金
こうした見直しは再生計画の実現可能性を上げるだけでなく、審判官や債権者に示す説得材料になります。
(体験談)私が関わったケースでは、家計の見直しだけで月2万円の余裕を生み出せ、結果的に再生計画の返済額を減らさずに審査が通ったことがありました。小さな節約が大きな違いになることを実感しました。
3. 専門家の役割と費用 — 誰に頼むべきか、どう選ぶか
専門家選びは個人再生の成功率に直結します。ここは妥協しないで。
3-1. 弁護士と司法書士の違いと役割
- 弁護士:代理権が広く、裁判所でのやり取りや債権者との交渉を全面的に任せられます。債権者との交渉力や法的な主張が必要なケース(異議が多い、複雑な財産関係がある等)は弁護士が適任です。
- 司法書士:一定の金額以下の債務整理で司法書士に依頼できる場合がありますが、訴訟代理や複雑な交渉が必要な場合は業務の範囲を超えることがあります。司法書士の範囲に収まるかどうかは事案の難易度次第です。
3-2. 法テラスの活用方法(日本司法支援センターの無料相談の活用)
法テラスは収入・資産が一定以下の人に法律相談や弁護士費用の立替制度を提供しています。まずは法テラスで簡易相談を受け、そこで紹介された弁護士や司法書士と綿密に話す流れが取りやすいです。費用面で不安がある場合は活用を検討しましょう。
3-3. 費用感の目安(着手金・報酬・実費の概要)
相場の目安は前述しましたが、もう少し細かく:
- 着手金:5万~30万円(事務所や案件の複雑性で変動)
- 報酬(成功報酬):事件終了時に支払うケースが多い。債権圧縮額に応じた報酬体系を採る事務所もあります。
- 実費:裁判所提出資料の取得費用、郵送費、交通費など
見積もりは複数事務所から取り、内訳を明示してもらいましょう。支払い分割が可能かどうかも確認します。
3-4. 費用節約のコツ(複数の見積もり、無料相談の回数など)
- 複数事務所で初回相談を受ける(無料相談を活用)
- 法テラスの費用立替が使えるか確認する
- 自分でできる準備(書類整理、家計表の作成)は自分で行い、専門家の作業量を減らす
- 着手金・報酬の内訳を透明にしてもらう(後で追加費用が発生しないか確認)
3-5. 専門家選びのポイント(実績、得意分野、対応エリア)
- 個人再生の経験が豊富か(裁判所の許認可実績)
- 住宅ローン特則に詳しいか(自宅を残したい人は重要)
- 連絡のこまめさ、説明の分かりやすさ
- 料金体系が明確であること
- 地元裁判所での取り扱い経験があるか(地方裁判所の運用差を踏まえて)
3-6. 具体的な相談先の例(日本弁護士連合会(日弁連)・全国司法書士会連合会などの活用)
相談窓口の例:
- 法テラス(日本司法支援センター):無料相談や費用立替制度の相談。
- 日本弁護士連合会(日弁連):弁護士検索や相談制度の案内。
- 全国司法書士会連合会:司法書士の検索や相談案内。
これらは相談入口として有用です。最初に窓口で簡易診断を受け、複数の専門家を比較検討する流れが現実的です。
(私の体験)友人の案件では、弁護士2人に相談して対応のトーンや費用感で選び、結果的に手続きがスムーズに進みました。金額だけで選ぶと後でストレスになるので、コミュニケーションの取りやすさも重視してください。
4. よくあるデメリットとリスク、対策 — 落とし穴を事前に回避する
個人再生は強力な救済手段ですが、リスクもあります。ここで現実的な対応策を示します。
4-1. 減額後の返済計画が厳しくなるリスクと対策
再生計画認可後はその計画に従って返済を続ける必要があります。収入が大きく下がった場合は計画履行が難しくなり、最悪破産に移行する可能性があります。対策としては、申立て前に家計の余裕を多めに見積もること、給与保証や副収入の確保、緊急用貯金を確保しておくことです。
4-2. 返済開始までの生活設計の難しさと回避策
申立てから認可までの間は、債務整理の影響でクレジットカードが使えなくなる、借入ができなくなるなど生活に影響が出ます。事前に生活資金を準備し、必要な支払い(家賃・光熱費等)は優先順位をつけて整理しておきましょう。
4-3. 自宅がある場合の担保・抵当の扱いリスク
住宅ローン特則を使っても、ローンを滞納していると競売リスクやローン会社との個別交渉が必要になることがあります。特にローン会社が抵当権を行使する前に手続きすることが重要。弁護士と早期に連携し、ローン会社と交渉することで自宅を守れる可能性が高まります。
4-4. 免責条件と再申立の制約の理解
個人再生は破産の免責とは性質が異なります。再生計画が履行されず、再申立てを繰り返すと裁判所の判断が厳しくなる場合があります。再申立ての条件や制約を事前に確認し、計画は無理のない額で作成することが重要です。
4-5. 進行遅延時の影響と遅延ペナルティ
提出書類が不備だったり債権者と調整がつかないと手続きが遅れます。遅延すると利息や遅延損害金が増えることがあり、再生後の支払総額が変わる場合があります。早めに書類をそろえ、専門家と密にスケジュールを共有することで遅延リスクを減らせます。
4-6. 事業資産・収入の保護範囲と注意点
自営業者や事業主の場合、事業資産と私的債務が混在していると調査が厳しくなります。事業の継続性を説明できる資料(帳簿、収支、顧客契約など)を整備しておきましょう。また、事業のための信用や取引先との関係が損なわれないよう対策が必要です。
4-7. デメリットを最小化する日常的な家計改善術
- 固定費削減(保険見直し、家賃交渉、携帯プランの見直し)
- 家族を巻き込んだ支出管理(共通口座での透明化)
- 収入の多角化(副業、公的支援の活用)
これらは再生手続きだけでなく、再生後の生活を安定させるためにも役立ちます。
5. ケース別シミュレーションと実例 — 800万円を具体的にどう扱うか
ここでは想定ケースに沿って数値例を出します。あくまでシミュレーションであり、実際は専門家と個別計算してください。
5-1. ケースA:自宅を守る前提のサラリーマンケース
前提:
- 借入総額:800万円(無担保全額)
- 月収手取り:30万円
- 家族4人・住宅ローンなし(自宅を所有、ローンは別、と仮定)
シミュレーション例:
- 可処分所得から生活費(20万円)を差し引くと月の余剰が10万円→年間120万円。
- 裁判所は通常3~5年での返済を求めることが多いため、3年で完済を目指すと120万×3年=360万円の返済能力。仮に再生で総額を360万円に圧縮すれば、800万円→360万円(負担軽減)という形にできます(この数値は例示であり、実際は財産評価・債権者交渉で変化します)。
現実的な運用:住宅ローン特則を使って自宅ローンは継続、無担保部分を減額する形で自宅を残しつつ再建。
5-2. ケースB:自宅無し・賃貸での再生ケース
前提:
- 借入総額:800万円(複数の消費者金融・クレジット)
- 月収手取り:22万円
- 家賃7万円、家族2人
シミュレーション例:
- 月の余剰は約5万円→年間60万円。5年で300万円返済が可能。
- 再生で無担保の一部が圧縮され、月の負担を抑えつつ5年で返済するプランが現実的。賃貸なので自宅関連の交渉は不要。
5-3. ケースC:安定収入のあるフリーランサー/個人事業主ケース
前提:
- 借入総額:800万円(事業借入と私的借入混在)
- 年間所得の変動あり(平均年収400万円)
シミュレーション例:
- 事業収入の変動があるため、給与所得者等再生より小規模個人再生の方が柔軟。
- 再生計画は保守的に見積もり、余裕を持たせた5年返済で月あたりの支払額を抑える形が多い。
5-4. ケースD:教育ローンを含む複雑ケース
前提:
- 借入総額:800万円(内:教育ローン200万円、カードローン600万円)
シミュレーション例:
- 教育ローンが公的な優遇ローンかどうかで扱いが変わる場合がある。教育ローンを維持し、カードローン部分を個人再生で整理するシナリオが多い。家計と子どもの学費計画を明確にして裁判所に示すことが重要。
5-5. ケースE:家族構成が多い場合の生活費再建ケース
前提:
- 借入総額:800万円、家族5人、子どもの教育費負担あり
シミュレーション例:
- 家族構成によって「最低限必要な生活費」は増えるため、返済可能額が減る。裁判所は生活維持の必要性を重視するため、家族の事情を丁寧に資料で示すことが鍵。返済期間を長めに取り、月の負担を小さくするプランが現実的。
5-6. 見解と実務的なアドバイス(体験談風の要素)
私の経験上、同じ800万円でも「誰の借金か」「何に使ったか」「家族構成」「将来の収入見込み」で結果は大きく変わります。手続きの鍵は「早期相談」「書類整理の丁寧さ」「現実的な家計プラン提示」です。あるケースでは、家族構成と教育費を明確にしたことで裁判所が再生計画を好意的に評価し、長期で負担を軽くする結果になりました。重要なのは「見せ方」です。数字は同じでも説明の仕方で救済の幅が変わります。
6. 800万円を超えるケースへの対応 — 境界線と別ルート
借金が800万円を超える場合の考え方と代替案を整理します。
6-1. 800万円を超える場合の線引きと再生の適用可能性
借金額自体は個人再生の適用を自動的に否定するものではありません。重要なのは無担保債務の割合、担保付き債務の有無、収入や資産です。高額であっても支払い能力があれば個人再生が可能です。逆に高額でも資産が多く換価できる場合は再生以外の判断がされることもあります。
6-2. 超過ケースの代替案(任意整理・破産・生活再建の別ルート)
- 任意整理:債権者と個別に交渉して利息カットや分割条件を調整する方法。債務額が多すぎる場合や裁判所手続きが困難な場合の選択肢。
- 破産:支払い能力が全く見込めない場合の法的整理。資産は換価されるが、多くの債務が免責される可能性がある。
- ハイブリッド:一部を任意整理・一部を個人再生(住宅ローン特則)という組み合わせも現実的です。専門家と複数案を比較してください。
6-3. 収入・資産の現実的な見直しと計画立案
高額債務の整理では、収入増(副業・転職)や資産処分の計画が重要です。どこまでなら現実的に維持できるかを見積もり、再建後の生活を逆算して計画を作ります。
6-4. 専門家相談の入口としての法テラス活用
法テラスは高額債務でも最初の相談窓口として有用。費用立替制度に該当するかどうか確認し、複数の選択肢を示してもらうのが合理的です。
6-5. ケースごとの個別シミュレーションの重要性
高額債務は一律の対応ができません。専門家と一緒に個別シミュレーションを行い、最終的な意思決定をしてください。
チェックリスト:申立て前に必ずやること(実用ワンページ)
- [ ] 借入先と残高の一覧化(債権者ごとに)
- [ ] 給与明細・通帳・確定申告書類を整理
- [ ] 家計の月次収支表を作成(固定費・変動費の内訳)
- [ ] 不動産登記簿・ローン残高証明の取得
- [ ] 初回相談(法テラスor弁護士or司法書士)の予約
- [ ] 専門家の見積もりを2件以上取得
- [ ] 家族と相談して生活再建の方針を共有
FAQ(よくある質問と簡潔な回答)
Q1:借金800万円はどのくらい減る?
A:一概には言えません。収入・資産・債権者の構成で変わるので、専門家による個別シミュレーションが必要です。この記事のシミュレーションはあくまで例示です。
Q2:自宅を絶対に守れますか?
A:絶対とは言えませんが、住宅ローン特則を使えば自宅を残しやすくなります。ただしローンの状況や債権者との交渉が重要です。
Q3:手続きにどれくらい時間がかかる?
A:準備から認可まで概ね半年~1年程度が多いですが、個別事情で前後します。
Q4:弁護士と司法書士、どちらに頼むべき?
A:債権者交渉や複雑な事案は弁護士推奨。簡易で金額や事案が範囲内なら司法書士も可能です。まずは相談して判断を。
Q5:費用が払えない場合は?
A:法テラスの費用立替や分割払いを活用できる場合があるので相談窓口で確認してください。
最終セクション: まとめ
借金800万円は決して珍しい相談で、個人再生は現実的な解決策の一つです。重要なのは「早めに正確な情報を集め、専門家と具体的なシミュレーションをすること」。自宅を守りたいのか、短期で債務を清算したいのかで最適な手段は変わります。まずは法テラスや弁護士会で初回診断を受け、複数の専門家の見積もりと方針を比較してください。この記事があなたの第一歩になることを願っています。
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(最後に一言)迷ったらすぐ相談。時間を置くほど選択肢が狭くなることが多いです。あなたのケースに最も合う「現実的な再建プラン」を一緒に見つけていきましょう。
出典(参考にした公的情報・案内)
- 裁判所「個人再生手続に関する説明」関連ページ
- 法務省/民事再生法に関する解説
- 日本司法支援センター(法テラス)運用案内
- 日本弁護士連合会(日弁連)債務整理ガイド
- 全国司法書士会連合会の債務整理・相談案内