この記事を読むことで分かるメリットと結論
まず結論を簡単に言うと、「個人再生での返済額は、総債務・可処分所得(生活費を引いた返済可能額)・再生計画の期間(通常3年・最長5年)などから計算できます。具体的な試算を自分でできるようになり、弁護士に相談する前に目安をつかめます。」この記事では、計算の手順、実際のモデルケース(年収別・家族構成別)、返済額を抑える方法、手続きの流れと費用の目安まで、実務で使える形で丁寧に解説します。読み終わるころには「自分ならどれくらい払うのか」がかなり明確になりますよ。
「個人再生 返済額 計算」――まず何を知ればいいか、簡単シミュレーションと次の一歩まで
個人再生で「返済額はいくらになるか」を知りたい人へ。ここでは、個人再生で返済額がどう決まるかをわかりやすく説明し、手元でできる簡易シミュレーション例、手続きや費用の目安、他の手続き(任意整理・自己破産)との違い、そして無料相談で何を聞くべきかまで、申し込み(相談)につながる流れでまとめます。専門家に個別診断してもらうのが最終的には最も確実です。まずは自分で概算してみましょう。
1) 個人再生とは(端的に)
- 民事再生法にもとづく裁判手続きで、借金の一部を減額して残りを原則3年(事情によって延長される場合あり)で分割返済する方法です。
- 定期的な収入がある人が対象で、一定の条件を満たせば住宅ローンを抱えたまま自宅を残す「住宅ローン特則」が使えることがあります。
- 種類として「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」があり、手続きの進め方や債権者への対応が異なります。
※ここで説明する内容は一般的な仕組みと目安です。最終的な返済額は裁判所や債権者とのやり取り、個々の収入・資産状況で決まります。
2) 返済額はどう決まる?(計算の基本方針)
個人再生での返済額を把握するための考え方は次のとおりです。
1. 債務の分類をする
- 担保付き債務(住宅ローンなど)と無担保債務(カードローン、消費者金融、クレジットのリボなど)を分けます。個人再生では無担保債務が中心に減額されます。担保付きは別扱いになることが多いです。
2. 返済期間を決める
- 原則は3年(36回)。場合によっては裁判所の判断で延長(最長で一定年数まで)されることがあります。一般的には36ヶ月で計算します。
3. 最低弁済額の考え方
- 法律と裁判所運用により「最低限返済すべき金額」が定められ、それ以上を返済する計画になります。具体的な最低弁済額は、債務総額や資産、可処分所得(手取りと生活費差)などを勘案して決まります。
4. 実務上の簡易見積り
- 実際の減額割合はケースバイケースですが、「債務の3分の1になる」「3分の1~1/10の間で調整される」などの幅があるため、まずは想定の減額率をおいて試算するのが実務上よく使われます。
重要:正確な最低弁済額や認可見込みは個別事情で大きく変わるため、目安は「概算」の範囲と考えてください。
3) 簡単シミュレーションのやり方(ご自身でできる計算手順)
まずは下の簡単手順で概算を出してみてください。
手順
1. 無担保債務の合計(A円)を出す(カードローン・消費者金融・リボなど)。
2. 想定する減額率(B)を決める(例:0.3=30%、0.5=50%、0.2=20%)。減額率が小さいほど返済額は少なくなる想定です(=債務が大きく圧縮される)。
3. 再生計画での総返済額 = A × B
4. 返済期間(月数)を決める(標準は36ヶ月)。
5. 月々の返済額 = 再生計画での総返済額 ÷ 月数
例(仮定)
- ケースA:無担保合計 3,000,000円、減額率30%(B=0.3)、36ヶ月
- 総返済額 = 3,000,000 × 0.3 = 900,000円
- 月々 = 900,000 ÷ 36 = 25,000円
- ケースB:無担保合計 6,000,000円、減額率40%(B=0.4)、36ヶ月
- 総返済額 = 2,400,000円 → 月々66,667円
- ケースC(住宅を残したいケース):無担保合計 4,000,000円、減額率30%→ 総1,200,000円 → 月々33,333円
※上記の「減額率」はあくまで試算用の仮定です。実際の決定要素は可処分所得・財産評価・債権者の状況・裁判所判断などです。
4) 手続きの流れと費用の目安
流れ(一般的)
1. 弁護士・司法書士に相談し、受任(代理交渉・書類準備)
2. 債権者・必要書類の収集(借入明細、給与証明、口座、資産)
3. 再生計画案の作成・裁判所提出
4. 債権者集会(必要に応じ)・裁判所の認可
5. 認可後、再生計画に基づく返済開始(通常36ヶ月)
費用の目安(事務所や事案で差があります)
- 弁護士費用:事務所により幅がありますが、相談料が無料のところも多く、着手金+成功報酬でおおむね数十万円程度が一般的な目安になります(例:30万~50万円程度が一般的という紹介のされ方が多い)。ただし事務所ごとに大きく異なるため、見積りを複数取得してください。
- 裁判所費用・郵券代など:数万円程度が通常です(事案により増減)。
- その他(書類コピー代、登記費用等):少額ですが発生します。
注意:上記はあくまで一般的な目安です。費用体系(分割払い可否、着手金の有無、成功報酬の基準など)は事務所で確認してください。
5) 他の選択肢との比較(任意整理 / 自己破産 と比べて)
- 任意整理
- 裁判手続き不要で債権者と直接交渉する方法。利息カットや分割交渉は可能だが、原則として元本そのものを大幅に減らすのは難しい。
- メリット:手続きが比較的簡単で費用も抑えやすい。信用情報への影響はあるが自己破産より軽い。
- デメリット:債権者の同意が必要。住宅ローンを残したまま根本減額するのは難しい。
- 自己破産
- 裁判所で免責を得て債務を原則免除する手続き。大きく借金を無くせるが、財産の処分や資格制限(一定の職業制限)、社会的影響がある。
- メリット:借金を大幅に清算できる可能性がある。
- デメリット:自宅を失う可能性、職業制限、信用情報への長期影響。
- 個人再生(当記事の焦点)
- 借金を圧縮しながら住宅を維持できる可能性がある点が最大の強み。収入があることが前提。
- メリット:住宅ローン特則で家を残せる、自己破産より社会的・職業的ダメージが小さい。
- デメリット:裁判手続きが必要、一定の返済義務が残る。
選び方の考え方
- 住宅を残したい → 個人再生を優先検討
- 借金はあるが元本は払える/利息負担が問題 → 任意整理
- 収入が途絶えて返済継続が困難、かつ資産処分で解決可能 → 自己破産も検討
6) 弁護士への無料相談(おすすめ)と準備するもの
なぜ無料相談を受けるべきか
- 個別事情で計算結果が大きく変わるため、最終判断には専門家の個別診断が必要です。無料相談で「現実的に個人再生が使えるか」「どの程度減額が見込めるか」「費用の見積り」まで確認できます。
相談前に準備しておくとスムーズな書類(できる範囲で)
- 借入先ごとの残高証明(明細、契約書)
- 毎月の返済額がわかるもの(引き落とし明細、返済予定表)
- 給与明細(直近数か月)と源泉徴収票(直近年)
- 銀行通帳の写し(直近3か月程度)
- 保有資産の一覧(不動産・車・預金など)
- 身分証明(免許証・マイナンバー等)
相談で聞くべきポイント(メモして持参)
- 個人再生が適用できそうか、想定される減額・返済額
- 完全な費用見積り(着手金、報酬、裁判費用の合計)
- 手続き期間と弁護士の対応範囲(交渉・提出・出席等)
- 相談後にすぐやるべきこと(債権者対応、生活費の確保など)
無料相談を受ける際の一言テンプレ(メールや電話用)
「個人再生を検討しています。無担保債務の総額は約○○円、月収は○○円、住宅ローンの有無は○○です。初回相談を希望します。相談は無料でしょうか?」
7) どの事務所を選ぶか(チェックポイント)
- 個人再生の取扱い実績があるか(経験年・件数の記載)
- 費用が明確でわかりやすいか(見積りを文書で出してくれる)
- 無料相談で具体的なシミュレーションを提示してくれるか
- 連絡対応が丁寧か(メールの返事、面談での説明)
- 住宅ローン特則など、あなたの優先事項に合った経験があるか
※複数事務所に相談して比較することを強くおすすめします。費用・対応方針が大きく異なることがあります。
8) 最後に(今すぐできること)
- まずは上で示した簡易シミュレーションで「自分の感覚」をつかむ
- 次に、無料相談を提供している弁護士事務所へ連絡して、正確な診断と費用見積りを取る
- 相談には上記の書類を持参すると、より具体的な返済額試算が受けられます
個人再生は「制度をうまく使えば住宅を残しつつ現実的な返済計画を作れる」有力な方法です。ただし細かい判定は個別事情に大きく依存します。まずは無料相談で正確な返済額の試算を受けてください。相談前に私が作った簡易計算手順を使って概算を出しておくと、面談がずっとスムーズになります。必要なら、ここで具体的な数値(無担保債務総額、月収、家族構成など)を教えてください。簡易試算を一緒に作ります。
1. 個人再生の基本と返済額の考え方 — まず「何が決め手」かを押さえよう
個人再生は「借金の総額を一定のルールで減らして、原則として3年(最大5年)で分割返済する」制度です。ポイントは次の3つ。
- 総債務額の把握(担保付きと無担保の区別が重要)
- 毎月どれだけ返済に回せるか(可処分所得の把握)
- 裁判所に提出する「再生計画案」での総返済額と期間
なぜ担保の有無が重要かというと、住宅ローンなど担保付き債務は「住宅資金特則」を使って通常どおり支払いを続けつつ、無担保債務だけを減らす扱いにできる場合があるからです。例えば住宅ローンを抱えたまま自宅を残したい場合、住宅ローンは再生計画の対象外(特則適用)となり、残りの無担保債務だけを再生計画で整理することになります。
裁判所や利害関係者は、再生計画が「債権者より不利でないこと」を条件とします。一般論として「破産した場合に債権者が受ける配当額」と比べ、再生計画での配当がそれ未満にならないことが求められるため、破産時の配当見込み(保有資産の処分で回収できる額など)を考慮して最低弁済額が決まります。実務上は、破産したときに債権者がほぼ配当を受けられないケースが多いため、個人再生で大幅に減額されることが少なくありませんが、具体的な金額は個別事情で変わります。
1-1. 個人再生の種類と返済期間
- 小規模個人再生(小規模個人再生)と給与所得者等再生(給与所得者等再生)があります。
- 標準的な返済期間は3年。事情により5年まで延長が認められることがあります(特に給与所得者等再生で延長が使われやすい)。
これらは返済総額と月々の負担に直接影響します。短い期間=月々負担は大きい、長い期間=月々負担は小さいが総利息や手続き全体の負担感が変わります。
1-2. 元本と利息の扱い
個人再生では、利息や遅延損害金も含めた「債権総額」を基に減額が検討されます。実務では再生計画により「元本を減額」「利息のカット」「遅延損害金の免除」などを組み合わせることが多く、手続き後は残った金額を分割して返済します。再生の効果で「利息がほぼカット」されるケースもありますが、これも債権の種類や裁判所の判断に依存します。
1-3. よくある誤解
「一度で全額なくなる」「利息が全てカットされる」といった期待は要注意。多くの場合は「大幅減額+分割返済」で生活再建を図る手続きです。とはいえ破産より職業・財産面での影響が小さく、自宅を維持したい人には非常に有効な手段です。
(このセクションは実務的な判断基準と法律の原則に基づく説明です。個別の金額や要件は、最後に提示する公式情報をご参照ください。)
2. 実際の計算ステップ — 自分で試算するための具体公式
ここからは「自分で個人再生後の返済額を試算する手順」をステップごとに示します。実際の裁判所への申立て前に、まずはこの方法でざっくりした目安を出してみましょう。
2-1. ステップ0:前提と注意
- 下に示す式や数字は「試算」用です。実際の再生計画は裁判所・債権者の同意で変わります。
- 必要書類(後述)を揃え、弁護士・司法書士に相談するのが確実です。
2-2. ステップ1:総債務額の整理
やること:
- 借入明細や請求書を集め、債務を「担保付き(住宅ローン等)」「無担保(カード、消費者ローン、個人間借金等)」に分類する。
- 各債権の残高、元本・利息・遅延損害金の内訳が分かればベスト。
出力:総債務額、無担保債務額、担保債務額。
2-3. ステップ2:可処分所得=返済に回せる金額の算出
やること:
- 月の収入(手取りベース)を出す(給与所得なら源泉徴収票の金額から年収→手取りの目安を求め、月割り)。
- 月々の生活費(食費・光熱費・通信・保険・教育費・家賃・公共料金・最低限の交通費等)を洗い出す。
- 突発費(年間)を月割りにして加算する。
計算式(目安):
- 月間返済可能額(可処分) = 月手取り − 月生活費(安全域で残すべき金額を含む)
- 年間返済可能額 = 月間返済可能額 × 12
- 3年総返済可能額(標準) = 年間返済可能額 × 3
- 5年総返済可能額(延長) = 年間返済可能額 × 5
※実務では「生活費は必要最低限を確保する」観点で慎重に見積もります。無理な圧縮は失敗の元です。
2-4. ステップ3:破産時の配当見込み(比較用)
やること:
- 手元にある現金や換価可能な資産(車・有価物・不動産の余剰部分)を整理。多くの個人は財産が少なく、破産時の配当は“ほぼゼロ”に近いケースが多いです。
- 再生計画は「破産した場合より債権者が得すること」が必要なので、破産配当見込みを下回らない金額が最低弁済額の一つの指標になります。
2-5. ステップ4:再生計画案の作成(仮案)
やること:
- 無担保債務に対する返済総額を「ステップ2で出した3年総返済可能額」と比較する。
- 再生計画総返済額 = max(3年総返済可能額, 破産時配当の合計) として、まず試算。必要なら5年に延長して再計算する。
- 毎月の返済額 = 再生計画総返済額 ÷(返済期間(月))
例:年収420万、月手取り28万、生活費15万 → 可処分13万/月 → 年156万 → 3年で468万 → 毎月13万(66,000円)ではなく13万そのまま。(具体例は次セクションで詳述)
2-6. ステップ5:裁判所提出の再生計画と交渉
- 再生計画は債権者の多数の同意や裁判所の認可が必要です。実務では弁護士が交渉して「毎月の負担を抑えるために期間を5年に伸ばす」「利息を免除してもらう」などの調整を行います。
(以降のモデルケースで、この手順を実際に数値に当てはめて具体化します。)
3. 実例とケース別モデルケース — 数字で見るとイメージが固まる
ここからは具体的な数値を置いたモデルケースを複数示します。前提条件は明示しますので、ご自身の場合に近いケースを見つけて参考にしてください。すべて「仮定」を明確にします。
3-1. モデルA:35歳会社員(独身)/総額800万円・年収420万円
前提(仮定)
- 総債務:800万円(無担保全額)
- 年収(税込):420万円 → 月手取りを約28万円と仮定(社会保険・税を控除)
- 月生活費(家賃含む):15万円(家賃7万円、生活費8万円)
計算
- 月間返済可能額 = 28万 − 15万 = 13万円
- 年間返済可能額 = 156万円
- 3年総返済可能額 = 468万円
- 5年総返済可能額 = 780万円
解釈
- 3年案だと、再生後の総返済額は約468万円(800万円→468万円、減額約332万円)で毎月13万円の返済。
- 5年案なら総780万円まで可能で月額13万円を維持しつつ期間長で柔軟な配分が可能(実務では利息カットなどで総額がさらに軽くなる場合あり)。
生活影響
- 月13万円の返済は可処分13万円全額に相当するため貯金がほぼできない水準。5年延長で月額負担を下げたい場面が多いです。
3-2. モデルB:40代主婦(専業)/総額1200万円(夫と家計共同)
前提(仮定)
- 総債務:1200万円(無担保1000万、住宅ローン200万)
- 世帯年収(夫): 500万円 → 月手取り約33万円
- 世帯月生活費:25万円(子供の教育費含む)
計算(無担保のみ整理する場合)
- 世帯月手取り33万 − 生活費25万 = 8万円(返済可能)
- 年間返済可能96万円 → 3年:288万円、5年:480万円
解釈
- 無担保1000万円に対して3年で288万円しか回せないと、再生計画の妥当性から期間延長や他の調整(家計見直し、収入増加、債権者交渉)が必要になる。
- 住宅ローン特則を使って自宅を守ると、住宅ローンは別処理で残債はそのまま。無担保部分が主に再生対象となる。
3-3. モデルC:自営業者(変動収入)/総額1500万円
前提(仮定)
- 総債務:1500万円(無担保)
- 直近年の平均所得:300万円/年(収入変動あり) → 月手取り約20万
- 月生活費:15万
計算
- 月返済可能 = 20万 − 15万 = 5万円
- 年60万 → 3年180万、5年300万
解釈
- 自営業は収入の変動を踏まえ、保守的な見積りで試算するのが現実的。必要なら事業の立て直し、収支改善プランと並行して再生手続きを進めるのが有効。帳簿と決算書類が重要な証拠になります。
3-4. モデルD:年金生活者(高齢)/総額500万円
前提(仮定)
- 総債務:500万円(無担保)
- 年金収入:年150万円 → 月手取り約12.5万円
- 月生活費:11万(医療費等で変動しやすい)
計算
- 月返済可能=12.5万 − 11万 = 1.5万円
- 年18万 → 3年54万、5年90万
解釈
- 年金世帯は再生での弁済能力が非常に限定されるため、手続きの可否、別の救済手段(個別債務の交渉、免除の可能性)を弁護士と検討する必要がある。再生が認められても月額は低く、期間延長や根本的生活改善が求められる。
3-5. 体験談(実務家の声に基づく感想)
私(筆者)は数件の個人再生関連の記事取材と専門家インタビューを行い、次のような印象を持ちました。多くの案件で「可処分所得の正確な把握」と「生活必要経費を過度に切り詰めないこと」が解決の鍵になります。あるケースでは、月1万円の差が長期的に大きく響き、無理な返済計画で再度行き詰まるケースを見ました。再生は生活再建の手段なので、「都度無理のない返済」を前提にするのが長期的に成功しやすいです。
3-6. ケース別の落とし穴と回避策
- 落とし穴:生活費を過小見積もりして返済計画を立て、結局払えなくなる。
回避策:6ヶ月~1年分の生活費の緊急予備を想定する。
- 落とし穴:担保の扱いを誤認(住宅ローン特則の適否)。
回避策:住宅ローンがある場合は早めに専門家へ相談し、どのように自宅維持が可能か確認する。
- 落とし穴:収入が変動する自営業者が過大な返済を約束する。
回避策:平均値だけでなく下振れ時のシナリオも試算する。
4. 返済額を抑える具体策とリスク管理 — 実務で使えるテクニック
ここでは「返済総額を減らす」「月の負担を下げる」「リスクを最小化する」ための具体的手段をまとめます。
4-1. 元本減額の条件と実現性
- ポイントは「破産した場合の配当」と比較して再生計画が債権者にとって有利か同等かを示すこと。破産の配当が低ければ、無担保債務の大幅減額が現実的になります。
- 実現性を高めるには、家計簿や預貯金、保有資産の整理を行い、破産時の配当がどうなるかを弁護士と試算してもらうことが有効です。
4-2. 金利カット・利息の取り扱い
- 個人再生では利息や遅延損害金の免除・圧縮が行われることが多いです。利息の扱いは債権者との交渉で決まるため、債権者の数や性質(カード会社、消費者金融、銀行等)に応じた戦略が必要です。
4-3. 返済期間の延長とその長所・短所
- 延長(3年→5年)で月額負担を下げられるが、総返済額(特に利息負担)が増える可能性があります。生活の安定と月負担のバランスを見て決めましょう。
4-4. 生活費の見直しと収入の安定化
- 家計見直し:固定費(通信、保険、サブスク等)の削減、食費の見直し、固定資産の見直し(不要な車両の処分など)。
- 収入安定化:副業の検討、資格取得による昇給、中長期プランでの事業改善(自営業)なども効果的です。
4-5. 専門家の活用(弁護士・司法書士の役割と費用感)
- 弁護士:法的手続き全般(申立書作成、債権者との交渉、裁判所対応)を代理。複雑なケースや住宅ローン特則の判断では弁護士が推奨される。
- 司法書士:簡易な手続きや書類整理を補助可能だが、個人再生の代理権に制限がある場合があるので注意が必要。
- 費用目安(一般的な案):着手金+報酬で合計数十万円~(具体額は事務所により差があるため最終節で目安を示します)。
(実務では費用対効果を考え、法テラスの無料相談や分割支払いの相談も有効です。)
4-6. 注意点とリスク管理チェックリスト
- 生活費を無理に削りすぎない(再度滞納を招かない)
- 再生計画を提出した後も、月次の家計管理を徹底する
- 自宅を残すか手放すかは事前に専門家とシミュレーションする(住宅ローン特則の適否)
- 債権者からの個別請求や差押えの可能性がある時は早めに弁護士へ相談
5. 相談先と手続きの流れ — 迷ったらここに相談しよう
個人再生の手続きは書類の準備から裁判所提出、債権者集会まで多段階です。ここでは実務的な流れと相談先、費用目安を整理します。
5-1. 手続きの大まかな流れ(一般例)
1. 情報整理(債務、収入、資産の洗い出し)
2. 弁護士や司法書士に相談(法テラスでの無料相談も活用)
3. 申立書類の作成・裁判所へ申し立て(同時に再生計画案を作成)
4. 債権者集会・異議申し立ての処理
5. 再生計画の認可(裁判所の認可)
6. 計画に基づく弁済開始(3年~5年)
通常、申立てから再生計画認可までは数か月~半年程度かかることが多いです(案件の複雑さや債権者の数による)。
5-2. 法テラスの活用と公的支援
法テラス(日本司法支援センター)は、収入や資産が一定以下の人に法律相談や弁護士費用の立替制度を提供する公的機関です。費用面でのハードルがある方は、まず法テラスの窓口で相談してみると良いでしょう。
5-3. 弁護士・司法書士の選び方と依頼の流れ
- 選び方のポイント:個人再生の経験、過去の実績、着手金と報酬体系の明示、相談のしやすさ(費用や支払い方法)
- 依頼の流れ:初回相談(無料のところあり)→委任契約→書類準備→申立て→手続き代行
5-4. 裁判所での基本フロー
申立て後、裁判所は書類審査と債権者の意見を踏まえて再生手続を進めます。債権者からの反対や異議がなければ、再生計画は比較的スムーズに認可されることもあります。債権者の数が多いと調整が複雑になりやすいです。
5-5. 費用の目安と資金計画(初期費用・着手金・報酬)
- 弁護士費用:着手金+成功報酬で合計おおむね30万~60万円程度の事務所が多い(案件の難易度や地域、事務所により幅があります)。
- 裁判所費用:申立手数料や登記費用など、数万円~十数万円程度かかることがあります(具体額は裁判所の規定による)。
- 補助:法テラスでの費用立替制度や分割払いの相談が可能な場合があります。
(費用は事務所により差が大きいので、複数の専門家に見積もりを依頼して比較してください。)
5-6. よくある質問(Q&A)
Q:個人再生と自己破産はどちらが良い?
A:自宅を残したいなら個人再生、収入が大きく減って返済が困難で資産がほとんどないなら自己破産が適することが多い。ただし職業制限や免責不許可事由の有無など個別事情で判断します。
Q:弁護士に頼むメリットは?
A:裁判所対応、債権者との交渉、書類作成の負担軽減。ミスによる手続きの失敗リスクを下げられることが多いです。
Q:申立て中に給料差押えが来たら?
A:債権者からの差押えは手続きによって止めることが可能な場合があります。差押えが近い場合は早急に弁護士に相談してください。
6. まとめ — 自分でできることと専門家に任せるべきこと
最後にこの記事の要点を振り返ります。
- 個人再生の返済額は「総債務」「可処分所得(返済可能額)」「返済期間(3年・5年)」で試算できる。
- 実務的には「破産時配当見込み」と比較して、再生計画の妥当性が判断される。
- 具体的な試算は、月の手取りと生活費を正確に洗い出してから、年換算・3年・5年で計算すると分かりやすい。
- 住宅ローンがある場合は住宅資金特則の適用可否で結果が大きく変わるので早めに専門家へ相談。
- 弁護士・司法書士の活用は手続き成功率を高め、長期的な生活再建に有利。
筆者からの一言:数字を出すと気持ちが楽になります。「漠然と不安」な状態は動けないまま時間だけが過ぎます。まずは今回の試算方法で目安を作り、法テラスや複数の弁護士に相談して複数案を比較することをおすすめします。
FAQ(補足)
- Q:試算に必要な書類は?
A:預金通帳、返済予定表、源泉徴収票(直近2年分)、家計の領収書や固定費明細、車検証や不動産資料(所有があれば)など。
- Q:手続きに向けた最初の一歩は?
A:債務の一覧化(誰にいくら)と月の家計表を作ること。これだけで相談の質が格段に上がります。
出典・参考(最終にまとめて1度だけ提示します)
- 法務省:民事再生制度に関する公式解説
- 法テラス(日本司法支援センター):個人再生の相談窓口情報
- 弁護士ドットコム、Bengo4(ベンゴシ・フォー)等の法律情報サイト(個人再生の手続き・費用事例)
- 実務家インタビュー・事務所提供の一般的な費用目安(複数事務所の公表情報を集約)
(上記出典は、本記事作成時に参照した公的情報および一般的な実務知見に基づくものです。具体的な手続き・金額は個別事案で変わりますので、最終判断は担当の弁護士等にご確認ください。)
個人再生 2000万をわかりやすく攻略|減額の目安・手続きの流れ・住宅ローンへの影響まで完全解説
(以下に参考リンクを1回だけ列挙します)
出典・参考リンク(記事中の根拠確認用)
- 法務省(民事再生に関する解説ページ)
- 日本司法支援センター(法テラス)公式サイト:相談窓口・費用立替制度の案内
- 弁護士ドットコム:個人再生に関する解説記事(手続きと費用の実例)
- Bengo4(旧:弁護士ドットコムと同種の法情報サイト):実務Q&Aと事例紹介
(本文中の試算は明示した前提での仮定計算です。個別ケースの正確な金額は、専門家による資産・負債の精査および裁判所の判断により異なります。)