この記事を読むことで分かるメリットと結論
この記事を読むと、「自己破産 同時廃止 流れ」が一目でわかります。読み終えるころには、自分が同時廃止の対象になりそうか判断でき、申立てに必要な書類や費用の目安、裁判所での流れ、免責が下りるまでの期間感覚、手続き中に起きやすいトラブルとその対処法まで具体的に理解できます。弁護士に頼むか自分で動くかの判断材料も整理できます。
自己破産(同時廃止)の流れと費用シミュレーション — まず何をすべきか、どう選べばいいか
「自己破産 同時廃止 流れ」で検索しているあなたは、おそらく「自分の資産がほとんどない」「手続を簡潔に終わらせたい」といった状況か、あるいはどの債務整理が一番負担が少ないかを知りたい段階だと思います。ここでは同時廃止の仕組み・実際の手続きの流れをわかりやすく説明し、他の選択肢との違い、費用の目安や簡単なシミュレーション、そして弁護士に相談すべき理由と選び方までをまとめます。最後に、相談に向けて今すぐ準備できることもお伝えします。
注意:以下は一般的な流れと費用の「目安」です。具体的な金額や手続きは個別の事情(債務額、債権者の数、資産の有無、収入など)で変わります。正確な判断は弁護士への相談で確認してください。
同時廃止とは(かんたん説明)
- 同時廃止は、破産手続(自己破産)を裁判所で始めた時点で「手続きを進めるための資産が一切ない」と判断され、破産手続開始決定と同時に「その手続を廃止する」決定が出されるケースです。
- 重要な点:同時廃止では破産管財人(財産の調査・換価を行う人)が通常選任されません。つまり資産の処分や債権者配当の手続が不要な場合に採られます。
- 同時廃止になっても、債務が自動で消えるわけではありません。別途「免責(借金を免除する決定)」を得る必要があります(免責が認められれば借金は免責されます)。
同時廃止になる典型的な条件
- 所持している財産(現金・預貯金・不動産・車など)を換価しても債権者への配当が見込めない、または換価するほどの価値がない場合。
- 生活に必要な最低限の家財しか持っていないなど、債権者に配当する資産がない場合。
(最終的な可否は裁判所の判断です。弁護士が申立て準備で資料をそろえ、裁判所に説明します。)
同時廃止の一般的な手続きの流れ(ステップごと)
1. 弁護士に相談・依頼(書類の整理、申立書作成)
2. 裁判所に破産申立てを提出
3. 裁判所が申立内容を審査し、「破産手続開始決定」を検討
4. 資産の有無を確認したうえで、資産がないと判断されれば「同時廃止」の決定が出る(=破産手続廃止)
5. 「免責申立て」を行う(同時廃止と同時に免責審尋・決定が行われる場合もある)
6. 裁判所が免責を認めれば「免責許可決定」が出て、免責確定後は原則借金の責任が消滅
7. 免責が許されない場合(免責不許可事由があると判断された場合)は、手続が長引いたり別途対応が必要になる
目安期間:申立てから免責許可までおおむね数か月(ケースにより短縮または長引く)。事情により変動します。
同時廃止のメリット・デメリット
- メリット
- 破産管財人がつかないため、手続が比較的簡潔・低コストで済むことが多い
- 手続きの負担(資産換価の手続きなど)が少ない
- デメリット
- 免責が必ずしも自動的に認められるわけではない(免責不許可事由がある場合は拒否される可能性)
- 社会的影響(信用情報への登録、資格制限など)がある
- 一部の債務(罰金、養育費など)は免責されない可能性がある
他の債務整理との比較(任意整理/個人再生/自己破産)
- 任意整理
- 概要:弁護士が金融機関と交渉し、利息カットや返済猶予、分割の取り決めを行う
- 向いている人:収入があり、原則として返済可能だが条件を緩和したい人
- 費用の目安:自己破産より安く済む場合が多い(債権者数や交渉の難易度で増減)
- 個人再生(民事再生)
- 概要:住宅ローンを除く借金を大幅に圧縮し、一定の期間で分割返済する手続き
- 向いている人:マイホームを残したい、収入を維持できる見込みがある人
- 費用の目安:自己破産より高め(手続きが複雑)
- 自己破産(同時廃止を含む)
- 概要:支払い不能状態を裁判所に認めてもらい、免責が認められれば借金を免除してもらう
- 向いている人:返済見込みが立たない、資産がほとんどない人
- 費用の目安:同時廃止なら手続が比較的安価で済むことが多い
どの方法が最適かは、借金総額、資産の有無、収入見込み、住宅を残したいかどうか、資格制限を受けられるかなどで決まります。
費用の目安(同時廃止中心)と簡単なシミュレーション
以下は一般的な「目安」です。弁護士ごとに費用体系(着手金+報酬、分割可否)や割引は異なります。あくまで比較・意思決定の参考としてご覧ください。
- 弁護士費用(同時廃止のケース)
- 目安レンジ(参考):約15万円~40万円程度
- 変動要因:事務処理量、債権者数、追加の調査や対応(免責審尋での対応など)
- 裁判所費用・実費
- 目安:数千円程度(手数料や郵送費、戸籍謄本等の取得費)
- その他費用
- 書類取得費、郵送料、事件関係の交通費など(数千円~数万円程度)
簡単なシミュレーション例(目安):
1. 借金合計 50万円、資産ほぼなし(生活用品のみ)
- 推奨:自己破産(同時廃止)または任意整理(債権者が1~2社)
- 費用目安:弁護士費用 15万~25万円、実費数千円
2. 借金合計 200万円、給料が少なく返済困難、資産なし
- 推奨:自己破産(同時廃止が可能なケース)
- 費用目安:弁護士費用 20万~35万円、実費数千円~1万円
3. 借金合計 700万円、住宅や車はない、収入がほとんどない
- 推奨:自己破産(同時廃止の可能性あり。ただし免責審尋での事情確認)
- 費用目安:弁護士費用 25万~40万円、実費1万円前後
補足:
- 任意整理は債権者数や交渉の結果で費用と効果が変わりますが、総額としては自己破産より安価になる場合もあります(ただし返済自体は継続)。
- 個人再生は手続が複雑で弁護士費用は高め(30万~60万程度のレンジになることが多い)。
なぜ弁護士に「無料相談」してほしいか(弁護士相談を推奨する理由)
- 債務整理の種類ごとにメリット・デメリットがあり、あなたの具体的事情(収入、資産、借入の使途、保証人の有無、職業など)で最適解が変わります。第三者として法的に正しい道筋を示してもらえます。
- 裁判所への申立書類は正確さが求められ、誤りがあると手続きが長引いたり不利になります。弁護士は必要書類の整備、申立て代行、債権者対応を行います。
- 手続き中の債権者からの取り立ては、弁護士が受任通知を出すことで法的に止められる(受任後は原則債権者からの直接取り立ては停止)。
多くの弁護士事務所は初回相談を無料で受け付けているところがあり、そこで手続の見通し・費用概算・必要書類を確認できます。まずは無料相談で複数の弁護士に意見を聞くのが合理的です。
弁護士(事務所)を選ぶポイント
- 借金問題の取り扱い実績(自己破産・個人再生・任意整理の経験)
- 費用の明確さ:着手金、報酬、実費の内訳が書面で明確か
- 分割払い対応の有無、成功報酬の有無、追加費用の説明
- 相談対応のわかりやすさ・親身さ(初回の印象)
- 事務所の場所や連絡の取りやすさ(遠方でもオンライン対応が可能な事務所もある)
- 口コミや評判(複数の意見を参考に)
複数相談を行い、説明の明確さと安心感で選ぶと失敗が少ないです。
相談前に準備しておくと良い書類(あるものだけでOK)
- 借入明細(各社からの請求書、契約書、残高がわかる資料)
- 預金通帳(直近数か月分)
- 給与明細(直近数か月)・源泉徴収票
- 賃貸借契約書(家賃の状況確認)
- 自動車の名義書類(必要に応じて)
- 保有資産の一覧(不動産、預貯金、保険解約返戻金の有無など)
- 債権者からの督促状の写し(あれば)
弁護士に相談する際、これらの書類があると初回から具体的なアドバイスを受けやすくなります。
行動プラン(迷っている人向け)
1. 今すぐ:電話やメールで弁護士の初回無料相談を予約する(複数の事務所の比較がおすすめ)
2. 相談前に上の「準備書類」を集め、借金一覧を作る(債権者名・残高・直近の取り立て状況)
3. 相談時に「同時廃止が可能か」「免責の見込み」「費用の明細(着手金・報酬)」を必ず確認する
4. 複数の意見を聞き、費用と手続きの期間のバランスで決める
5. 依頼後は受任通知が送られ、債権者の取り立ては止まる(精神的負担が劇的に軽くなることが多いです)
まとめ
- 同時廃止は「資産がほとんどない」人にとって、比較的シンプルに自己破産を終えられる方法です。ただし免責の可否や一部免責されない債務の存在など注意点があるため、専門家の判断が重要です。
- 費用は弁護士費用+実費が中心で、同時廃止は比較的低めのレンジで収まることが多いですが、個別事情で変動します。
- まずは無料相談で現状を説明し、複数の弁護士の意見・費用見積りを比較するのが最短で安全な方法です。
もしよければ、今の状況(借金の合計、債権者数、収入の有無、資産の有無)を教えてください。お伝えいただければ、あなたにとって考え得る選択肢と想定される費用の比較シミュレーションを具体的に作成します。
1. 自己破産と同時廃止の基本 — 「同時廃止って何?」を簡単に理解しよう
自己破産には大きく分けて「同時廃止」と「管財事件(管財)」があります。簡単に言うと、同時廃止は“処分すべき財産がほとんどない”と裁判所が判断した場合に選ばれる方法で、管財は“処分すべき財産がある”か、手続き上の事情で管財人(=財産を処理する人)をつける必要がある場合です。
同時廃止が選ばれる主な理由・条件は次のような点です(代表的な判断材料):
- 債務者の財産(不動産、預貯金、有価証券など)に換価できる価値がほとんどないこと
- 債権者数が少なく、個別配当や調査の必要性が乏しいこと
- 財産隠匿や不正が確認されないこと(免責不許可事由が強く疑われる場合は別)
裁判所は申立て内容を見て「財産調査しても管財にするほどの財産が出てこない」と判断すれば、破産手続開始と同時に廃止を決定します。これが「同時廃止」です。
同時廃止のメリットは、管財事件に比べて手続が簡便で費用(特に管財の予納金)がかからず、手続き完結が早い点です。ただし、免責(借金の返済義務がなくなること)が確実に出るとは限らず、免責審尋で事情説明が必要になることもあります。
私見(体験談):
過去に相談を受けたケースでは、給与以外に目立った資産がなく、カード債務や消費者金融の借入が中心だったため、同時廃止で迅速に解決できた方がいました。手続きが短く終わった分、生活の立て直しに早く着手できたのが印象的です。
1-1 同時廃止とは何か?その基本概念を整理する
同時廃止は、破産手続開始決定と同時に破産手続を廃止することです。裁判所が「財産を処分しても分配できるほどの価値がない」と判断した場合に使われ、管財人を選任しない点が特徴です。破産開始→同時廃止→免責手続へと進むため、管財事件より手続き回数や期間が短く済むことが多いです。
1-2 同時廃止が適用される主な条件を整理する
具体的には、次のような条件が揃っている場合に同時廃止が検討されます:
- 不動産や預貯金などの資産がほぼない
- 債権者への配当が見込めない
- 財産隠匿や詐欺的行為が認められない
- 債権者が申立てを積極的に行う必要がない状況
裁判所は申立書や添付書類(通帳、契約書、給与明細など)を確認して総合判断します。ここで虚偽の申告や財産隠しがあると免責不許可事由になり得るので正直に申告するのが鉄則です。
1-3 管財事件との比較ポイントを整理する
違いを比較表のように簡単にまとめると:
- 管財事件:財産がある -> 管財人選任 -> 予納金が必要 -> 手続き長期化(数か月~1年以上)
- 同時廃止:財産がほとんどない -> 管財人不要 -> 予納金不要(場合による) -> 手続き短縮(数か月程度が目安)
管財事件では管財人が債務者の財産を処分し、債権者に配当するので、裁判所の関与や手続き費用が大きくなります。逆に同時廃止は手軽ですが、免責審尋で事情を詳しく聞かれるケースがあり、そこで不利な事情があれば免責が認められないこともあります。
1-4 申立人の基本的な義務と注意点を解説する
申立てをする人(債務者)には次のような義務があります:
- 資産・負債の正確な開示(預金通帳、借入先一覧、保険の解約返戻金など)
- 裁判所や委任した弁護士への協力(必要書類の提出、出廷など)
- 免責審尋での誠実な説明(過去の借入・使途など)
注意点としては、「隠し財産」や「意図的な債務の増加」は絶対NG。これらは免責不許可事由となり、免責が下りないばかりか手続きが管財に切り替わる可能性もあります。
1-5 費用の構成と金額の目安を理解する
主要な費用は次のとおりです(目安):
- 裁判所に支払う収入印紙などの手数料(申立書提出時に少額)
- 管財事件で必要な予納金(管財では数十万円~数百万円。管財の種類や管財人の必要性による)
- 弁護士費用(着手金・報酬):同時廃止案件であれば相場は事務所により異なるが、数十万円程度のことが多い(例:20~40万円前後)。管財事件なら高額になる場合あり。
- 書類取得費(住民票、戸籍謄本、登記事項証明書など)
同時廃止の場合、管財の予納金が不要になるためトータルの費用は低く済むことが多いですが、弁護士に依頼する場合は事務所ごとに見積りを確認してください。
1-6 免責との関係性と、免責の可否判断のポイントを解説する
免責は「借金を免除する」裁判上の手続きで、破産手続中に行われます。ただし免責が自動的に認められるわけではありません。免責不許可事由(例:浪費・賭博・詐欺的借入、財産隠匿、重要な事実の隠蔽など)があると免責が却下される可能性があります。
裁判所は、借入の経緯や生活状況、反省の有無などを総合的に見て判断します。たとえばギャンブルで大量の借金を作った場合でも、反省と生活再建の意思が示されれば免責が認められるケースもあります(裁量免責)。ただし、悪質な隠匿や詐欺的行為があると厳しく判断されます。
私見:
同時廃止は手続き自体は短いけれど、免責のポイントで詳細な説明を求められやすい印象です。書類の準備と説明のために弁護士に相談しておくと安心です。
2. 同時廃止の流れを詳しく追う — 申立てから免責許可までの段取り
ここでは、実際に「何をいつやるか」を段階ごとに追います。各ステップでの注意点と私が実務で見たポイントも交えて説明します。大きな流れは次の通りです:事前準備 → 申立て → 裁判所の審査・破産手続開始(同時廃止) → 免責審尋 → 免責許可(or 不許可)→ 終結。
2-1 事前準備:必要書類の整理と事実関係の確認
まずは資料集めから。主に必要になる書類は以下です:
- 身分証明書(運転免許証、マイナンバーカード等)
- 住民票・戸籍(世帯の確認などで必要になる場合)
- 給与明細(直近数か月分)、源泉徴収票、確定申告書(自営業者の場合)
- 預金通帳のコピー(過去1年程度の入出金)
- 借入先の明細(請求書、残高証明、ローン契約書)
- 所有している資産の証明(登記簿謄本、車検証、保険の解約価値証明など)
- 生活費や家計の収支内訳表
- 債権者一覧表(誰からいくら借りているか)
これらを整理しておくと、裁判所が「財産がない」と判断しやすくなり、同時廃止に至る可能性が高くなります。逆に不備や矛盾があると追加調査が入り、管財に移行するリスクが高まります。
私の経験:
通帳をコピーする際、残高が一時的に多く見える入金(親族からの一時的送金など)をそのまま提出してトラブルになったケースがあります。入金の性質はメモしておくと良いです。
2-2 申立てのタイミングと提出書類のポイント
申立ては原則として裁判所(破産申立ては地方裁判所や簡易裁判所の管轄)に提出します。居住地を管轄する地方裁判所が担当となるケースが一般的です(例:東京地方裁判所、札幌地方裁判所など)。提出する主な書類は上記に加え、破産申立書・債権者目録・財産目録・陳述書などです。
ポイント:
- 書類は誠実かつ正確に。偽りや重要情報の欠落があると審査で不利になります。
- 書類提出後、裁判所が欠陥を指摘して追加書類を求めることがあるので、速やかに対応できるよう準備しておきましょう。
- 弁護士に依頼すると、申立書の作成や添付書類の整備を任せられるので手間が省けます。
2-3 裁判所での審理の流れと当日の注意点
裁判所は書類を受け取ると、まず形式審査を行い、財産や債権者の状況を概括的にチェックします。審理(審尋)が行われる場合、裁判所から出席の呼び出しがあり、債務者は事情説明を求められます(弁護士を通じて出廷することが一般的)。
当日の注意点:
- 出廷時は正直に答えること。言い逃れやごまかしは逆効果です。
- 重要なのは「反省」と「生活再建の意思」を示すこと。裁判官はこれを重視します。
- 社会的な事情(病気、リストラなど)で借金が増えた場合は、その事情を示す証拠(診断書、解雇通知など)を持参すると良いです。
2-4 同時廃止判定の判断基準と、裁判所の判断のポイント
裁判所は提出書類と審尋の内容を総合して、同時廃止にするか管財にするかを判断します。判断のポイントは主に以下です:
- 財産の換価可能性(売れば配当できるか)
- 債権者数や債権額の多寡
- 財産隠匿や不正の疑いがないか
- 債務者の協力度(書類提出や出廷の有無)
裁判所が「同時廃止にして問題ない」と判断すれば、破産手続開始と同時に廃止が決定されます。逆に、調査が必要と判断されれば管財事件に移行します。
2-5 免責の判断・期間の目安と、その前後の生活設計
同時廃止の場合、免責許可が出るまでの期間は比較的短く、数か月程度で完了することが多いですが個々の事情で前後します。一方で、管財事件だと免責までに半年~1年以上かかることが少なくありません。
免責後の生活設計のポイント:
- クレジットやローンはしばらく利用しにくくなる(個人信用情報に記録が残る)
- 家計の再設計(収支の把握、貯蓄計画)
- 仕事の継続や転職、社会資源の利用(市区町村の生活支援制度など)
免責許可が出たら法的には借金の返済義務は消えますが、生活再建は自分で進める必要があります。就労支援や公的支援を活用しましょう。
2-6 実務上のよくあるトラブルとその対処法
典型的なトラブルと簡単な対応:
- 書類の不備:裁判所から追加提出を求められる。すぐに対応できるよう、コピーを保管しておく。
- 一時的なまとまった入金:説明資料(送金元の証拠)を用意しておく。
- 債権者からの異議申し立て:弁護士に相談して対応。異議が出ると審理が長引く可能性あり。
- 免責不許可のリスク:事情を正直に説明し、反省と更生計画を示す。弁護士の助言が有効。
私の実務観察では、ちょっとした不備で管財に切り替わるケースがあるため、最初の書類準備は手を抜かないことが大切です。
3. ケース別の判断ポイント — あなたの職業・収入パターンだとどうなる?
ここでは「自営業」「会社員」「主婦」「フリーランス」「高額負債がある場合」に分けて、同時廃止の適用可能性や注意点を説明します。
3-1 自営業者の場合のポイントと注意点
自営業者は事業用の資産や売掛金、在庫などがある場合、管財事件に移る可能性が高くなります。税金の滞納や売掛金の取り立て可能性があると、裁判所は調査を行うためです。提出すべき書類は帳簿、確定申告書、売掛金の内訳などが重要です。
注意点:
- 事業用資産の有無を正確に申告する
- 売掛金があるなら回収可能性を示す資料を用意する
- 税金債務は非免責債権となる場合がある(例:一部の税金は免責されない)
3-2 会社員・給与所得者の場合の適用の目安
給与所得者で資産がほとんどない場合、同時廃止の適用を受けやすい傾向があります。ポイントは定期預金や退職金見込み、保険の解約返戻金など“換価可能な財産”がないことを示すことです。また、給与の差押えや引落の履歴に関する説明も必要なことがあります。
3-3 主婦・家計の債務が中心の場合の考え方
専業主婦で夫名義の財産が大きい場合、個人の破産で夫の財産が処理されることは基本的にありません。ただし、共有名義や連帯保証人になっている場合は別です。家計の借金が個人名義で多数ある場合、同時廃止で解決することが多いですが、家計の実情(浪費が原因かどうかなど)は説明が必要です。
3-4 フリーランス・不安定収入の場合の対応策
収入の変動が大きいフリーランスは、収支の詳細な資料(確定申告書、請求書、入金確認書類)を整えておくことが非常に重要です。不安定な収入自体は同時廃止の障害にはなりませんが、証拠のない収入申告や売上の虚偽は免責不許可事由になり得ます。
3-5 高額負債と財産の有無が判断材料になるケース
負債が大きくとも、換価可能な資産があれば管財事件になることがあります。たとえば不動産を所有している場合、競売や任意売却による配当の可能性があるため管財に回ることが多いです。逆に負債は多額だが資産がほぼゼロであれば同時廃止候補です。
4. よくある質問と対処法 — これで疑問はスッキリ解決
ここはFAQ形式で、検索ユーザーが特に知りたい疑問に簡潔に答えます。
4-1 同時廃止と管財事件の違いは何か?
同時廃止は「財産がほぼない」と裁判所が判断した場合に開始と同時に手続きを終える方式。管財事件は管財人が選任され、財産の処分や債権者への配当が行われる方式。管財は費用・期間ともに大きくなる傾向があります。
4-2 免責は必ず出るのか?免責の条件と注意点
免責は自動的に出るものではありません。免責不許可事由(詐欺的借入、財産隠匿、故意の浪費等)があると却下される可能性があります。ただし反省の意思や事情説明で裁量免責が認められることもあります。重要なのは正直に事情を説明することです。
4-3 手続き中に失敗した場合の再挑戦や再申立ての流れ
一度免責が不許可になっても、状況が改善した後に再申立てできるケースがあります(事実関係や期間等により難易度が変わります)。免責不許可の理由を整理し、改善策(返済の一部実施や反省の証明など)を整えた上で再申立てを検討します。弁護士に相談すると現実的な見通しが得られます。
4-4 司法書士に依頼する場合の費用とメリット・デメリット
破産手続きは裁判を伴うため、代理人としては弁護士を立てるのが一般的です(司法書士は代理権の制限がある)。弁護士に依頼すると手続の負担が軽くなる反面、費用がかかります。費用対効果を検討して選びましょう。
4-5 書類の提出期限・日数の目安
裁判所から指定があればその期限に従いますが、一般的には申立て後数週間~数か月の間に審尋や決定が行われます。同時廃止の場合は比較的短期間で決着することが多いです。裁判所や債権者の対応状況で変動するため、余裕をもって準備しましょう。
4-6 生活再建のための基本的なステップ
免責後の生活再建は次の流れがおすすめです:
- 家計の現状把握と固定費の見直し
- 収支表の作成(毎月の収入と支出)
- 緊急資金の準備(生活費3か月分を目安)
- 就業・収入安定化のための対策(職業訓練、転職支援)
- 信用回復計画(少額の貯金の習慣化、健全な金融取引の記録)
免責は“借金からの出発点”です。ここから再び信用を築くことが重要です。
5. 実務的な準備リストとテンプレ — これがあれば申立て準備は完璧
ここでは実務で必要な書類やテンプレート、作成のコツを紹介します。裁判所や弁護士から要求されやすいものを中心にまとめています。
5-1 必須書類リスト(身分証明、所得証明、債権者一覧など)
最低限揃えておくべき書類:
- 本人確認書類(運転免許証等)
- 住民票(世帯全体がわかるものが必要な場合)
- 給与明細(直近3~6か月分)
- 源泉徴収票/確定申告書(自営業者は過去3年分が望ましい)
- 預金通帳のコピー(過去1年程度の入出金)
- 債権者一覧(カード会社、消費者金融、知人からの借入等)
- 財産目録(不動産登記簿、車検証、保険の解約返戻金の証明等)
- 家計の収支内訳表
これらを分類・ファイルしておくと、申立て時の作業がスムーズになります。
5-2 収支内訳表の作成方法と注意点
収支内訳表は月々の収入と支出を明確にするためのものです。家賃、光熱費、食費、保険料、通信費、教育費、交際費などをカテゴリ分けして合計を出します。ポイントは実際の通帳や領収書を元に作ること。大まかな推測は裁判所に疑義を持たれることがあるため避けましょう。
5-3 負債一覧・資産表の作成ポイント
負債一覧は「誰に」「いくら」借りているかを一覧化します。債権者の住所、連絡先、残高、借入日、金利などを明記すると良いです。資産表は現金、預貯金、不動産、自動車、保険の解約返戻金、退職金見込みなどを明確に。
5-4 予納金・費用の準備と支払い方法
同時廃止では管財の予納金は通常不要ですが、申立て費用や書類取得費、弁護士費用は必要です。費用の支払い方法については、弁護士に依頼する場合は着手金と報酬の支払条件を事前に確認しておきましょう。自分で申立てする場合は収入印紙等の費用が発生します。
5-5 申立て後の生活費見直しの基本
申立て後は家計に余裕がなくなることが多いので、早めに生活費を見直します。必要な項目だけに絞り、無駄な支出はカット。公共の支援制度(生活保護や住宅支援など)の相談窓口も検討しましょう。
5-6 書類不備を避けるチェックリストと提出前の最終確認
提出前の最終チェック:
- 全ての書類が最新であるか(発行日)
- 金額の一致(通帳と負債一覧の残高)
- 署名・押印漏れがないか
- 説明が必要な入金や支出にメモを添付しているか
- コピーの保存(将来のためにスキャン保存も推奨)
このチェックリストを使えば、裁判所からの差戻しや余計な問い合わせを減らせます。
6. まとめ — 最短で納得のいく再出発をするために
ここまでで「自己破産 同時廃止 流れ」に関して、定義から実務的な準備、ケース別の判断ポイント、FAQ、実務テンプレまで網羅的に説明しました。ポイントを再度整理します。
要点まとめ:
- 同時廃止は“財産がほぼ無い”と判断された場合に使われる簡便な破産手続き方式。
- 書類の正確な準備と誠実な事情説明が成功の鍵。虚偽や隠匿は致命傷。
- 同時廃止は管財に比べて期間・費用の負担が小さいが、免責の可否は別問題。
- 弁護士に依頼すると手続がスムーズになり、免責判断で有利な説明を準備してもらえる。
- 免責後は信用回復と生活再建が重要。早めに収支見直しと就業計画を立てること。
私見(最終コメント):
手続きは精神的にも大変ですが、正しい順序で準備すれば同時廃止で早く区切りをつけられることが多いです。一人で抱え込まず、まずは弁護士や市区町村の相談窓口に連絡してみてください。具体的な書類チェックや見積りが得られると安心できます。
よくある質問(追加)
借金減額 任意整理以外を徹底解説 ? 自己破産・個人再生・特定調停・過払い金まで分かりやすく比較
- 「同時廃止なら本当に費用がかからないの?」:同時廃止は管財の予納金が発生しない分、直接の裁判所費用は低いですが、弁護士費用などは別途必要です。
- 「子どもや家族に知られたくない場合は?」:破産手続は官報に公告されます(名前や住所が載ることがある)ので、家族への知られ方は事案によります。弁護士に相談して対応を検討してください。
最後に:専門家に相談するメリット
手続きの採否(同時廃止か管財か)や免責見込みは個別事情で差が出ます。正確な見通しを得たい場合は、破産手続きに詳しい弁護士に一次相談するのが最短で確実です。必要なら書類のチェックや申立書の作成を任せることで、手続き上のリスクを下げられます。
(注)この記事は法律に関する一般的な情報をわかりやすく説明することを目的としています。具体的な手続きや法的判断は、個々の事情によって異なります。実際に手続きを検討する場合は、弁護士などの専門家に相談してください。
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