自己破産 持ち家はどうなる?持ち家の扱い・住宅ローン・競売をわかりやすく解説

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自己破産 持ち家はどうなる?持ち家の扱い・住宅ローン・競売をわかりやすく解説

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この記事を読むことで分かるメリットと結論

まず結論を簡単に言うと、「自己破産をすると持ち家がそのまま残ることは基本的に難しいが、住宅ローンの担保関係やローン残高、家の価値、選ぶ手続き(自己破産・個人再生・任意整理)によって結論は大きく変わる」ということです。自己破産では原則として債務を清算するため資産(不動産含む)は処分対象になり、住宅に抵当権(担保)がある場合は金融機関が優先されます。ただし、抵当権を残してローンを払い続ける選択肢や、個人再生の「住宅ローン特則」で家を残す道もあります。この記事を読めば、あなたの持ち家がどのような扱いになる可能性が高いか、具体的にどう行動すればよいかが分かります。



「自己破産 持ち家はどうなる?」──まず知っておきたいことと、あなたに合った債務整理の選び方・費用シミュレーション


自己破産を検討するとき、最も不安になるのが「家はどうなるのか」ですよね。ここでは、法律上の基本的な仕組みを分かりやすく説明し、持ち家を残すための選択肢(メリット・デメリット)、想定される費用の目安、弁護士への無料相談を受ける際の準備と質問例まで、すぐに動ける形でまとめます。最後に、どの弁護士を選ぶべきかのポイントも紹介します。

注意:以下は一般的な説明と費用の目安です。実際の扱いは債務額・住宅の担保状況(抵当権の有無)・家族の事情・収入見込みなどによって変わります。正確な判断は弁護士との面談で確認してください(無料相談をおすすめします)。

1)まず押さえる「自己破産で持ち家がどう扱われるか」の基本


- 自己破産では、原則として「破産手続きで債務者が持っている処分可能な財産(破産財団)」を換価して債権者へ配当します。持ち家も基本的に破産財団に入ります。
- ただし「担保(抵当権)が付いている住宅」は、担保を持つ債権者(通常は住宅ローンの銀行)がまず優先されます。担保権者が競売・任意売却で回収を図るため、手続きの結果によっては住宅が債務者の手元に残るか、抵当権で処理されるかが変わります。
- 持ち家の「時価から住宅ローン残高を引いた純資産(≒担保差益)」がほとんどない場合、破産管財人が「換価して配当する価値がない」と判断して住宅を破産財団から放棄(※)することもあります。結果として、住宅は担保権者(銀行)側の処理に委ねられることが多く、必ず家がそのまま残るわけではありません。
- 要するに、持ち家が「残るか」「売却されるか」は、(A)住宅に担保があるか、(B)住宅の時価とローン残高の差、(C)他の財産の有無、(D)あなたの収入や生活状況、で決まります。

(※「放棄」=破産管財人が換価・配当する価値なしと判断して破産財団の管理対象から外すこと。以後の処理は担保権者側の手続きに移る。)

2)持ち家を「失いたくない」場合の主な選択肢(比較)


1. 個人再生(民事再生の個人版)+住宅ローン特則
- 概要:住宅ローン(担保債務)は従前の形で残しつつ、その他の借金を大幅に減額して再生計画を立てる手続き。住宅は原則残せる。
- メリット:家を守りながら債務整理できる。ローンは通常どおり支払いを続ける。
- デメリット:申立てには安定した収入が必要。手続きが複雑で、弁護士費用や裁判所費用が比較的高め。
- 向いている人:収入があり、継続して住宅ローンの支払いが見込める人。

2. 任意売却(住宅を売って残債を処理)
- 概要:銀行と協議して、市場で売却して残債(不足分)について別途整理する方法。競売より高く売れる可能性。
- メリット:競売より有利な条件で売れる場合がある。引越し資金や残債処理を弁護士や不動産業者と協力して行える。
- デメリット:住宅を手放すことになる。売却価格が想定より下回るリスク。
- 向いている人:家を残すよりも債務減額や生活再建を優先する人。

3. 自己破産
- 概要:裁判所での手続きで免責(借金の免除)を得る方法。家が破産財団に入ると換価処分される可能性がある。
- メリット:多くの債務をゼロにできる(免責が認められれば)。手続きが確実に債務整理できる。
- デメリット:持ち家は売却される可能性が高い。職業制限や信用情報への影響がある。
- 向いている人:収入が安定せず、返済継続が困難な人、または債務が大きく再生が難しい人。

4. 任意整理・特定調停
- 概要:債権者と交渉して返済条件を緩和する方法。住宅ローンが無い場合や、住宅ローンだけは継続できる場合に有効。
- メリット:手続きが比較的短く柔軟。住宅自体には直接影響しにくい(ただし担保債務がある場合は例外)。
- デメリット:債権者全員の合意が必要。住宅ローンを抱える場合、ローンの整理を行わないと住宅に影響する可能性あり。

3)簡単な費用の目安(弁護士費用・裁判所費用などの想定レンジ)


下は一般的な目安です。地域や事務所によって大きく異なるので、必ず弁護士に見積もりを取ってください。初回の法律相談が無料の事務所もあります。

- 任意整理
- 弁護士費用(1社あたりの交渉着手金+成功報酬の合計):5万~10万円/社程度(※事務所により定額制のところもあり)
- 全体での事務処理費用:10万~40万円程度(債権者数で変動)

- 個人再生(住宅ローン特則を利用)
- 弁護士費用:30万~70万円程度(事案の複雑さで増減)
- 裁判所費用・印紙代・予納金など:10万~30万円程度
- その他(再生計画の実行に要する費用等)

- 自己破産
- 弁護士費用:
- 同時廃止(財産がほとんどない簡易ケース):20万~30万円前後
- 管財事件(資産があり管財人が付くケース):30万~60万円程度(ケースによりさらに高額)
- 裁判所費用・予納金(管財人の予納金など):同時廃止なら数千円~数万円、管財事件だと数十万~の予納が必要な場合あり
- 破産管財人の費用は裁判所の基準に従うため個別差が出ます。

※重要:上記は一般的な相場の範囲です。例えば「住宅があり管財事件になる場合」は、管財人に支払う予納金が数十万円~数百万円になることもあり得ます。必ず個別相談で見積もりを確認してください。

4)代表的なケースでの簡易シミュレーション(例)


以下はあくまで「想定例」です。各数値はモデルケースで、実際の運用は裁判所の判断や債権者対応により変わります。

ケースA:住宅ローン残高 3,000万円、時価 2,500万円(=マイナスの自己資産)
- 住宅に抵当権があり、住宅の時価<ローン残債のケース。
- 想定される扱い:破産管財人が住宅を破産財団に残しても配当できる余地が少ないと判断すれば放棄する可能性が高い(担保権者の処理に移行)。結論として「住宅を銀行側の手続きに委ねる」形になることが多い。自己破産でその他の債務は免責されるが住宅をどう扱うかは別途手続き次第。
- 費用目安:同時廃止で処理できれば弁護士着手金20万~30万円程度、管財になればさらに費用がかかる。

ケースB:住宅ローンなし、住宅時価 1,500万円、無担保債務 500万円
- 抵当権がない=住宅が破産財団の主要財産になり得る。
- 想定される扱い:破産管財人が住宅を換価して債権者に配当する可能性が高い(結果的に売却しなくてはならない)。
- 対策:住宅を守りたいなら「個人再生」などの別手段を検討(住宅ローン特則は抵当が前提だが、再生計画で住宅を残しながら他の債務を減らす方法が検討できる場合あり)。
- 費用目安:個人再生を選ぶなら弁護士費用30万~70万+裁判所費用等。

ケースC:安定した収入があり住宅ローンを継続できる希望がある
- 選択肢:個人再生(住宅ローン特則)を使って、住宅を守りつつその他の借金を圧縮するのが一般的に有力な選択肢。
- 費用目安:上記の個人再生の範囲(30万~70万+裁判所費用等)。任意整理でローン以外を交渉できることもある。

5)弁護士無料相談(重要):受けるべき理由と相談の準備


なぜ無料相談を受けるべきか
- 個別ケースごとに「家が残る可能性」「手続きの種類」「費用総額」「期間」は変わるため、専門家に直接判断してもらうのが最短で確実だからです。
- 弁護士は裁判所の運用や金融機関の交渉実務に精通しています。書類の準備やタイムラインも含めて現実的なアドバイスが得られます。
- 相談で複数の選択肢(任意整理・個人再生・自己破産・任意売却)を比較提示してもらえます。

無料相談で持参すべき書類(事前に揃えておく)
- 住宅関連:登記簿謄本(登記事項証明書)、ローン返済表(最新の残高証明)、固定資産税評価額が分かる書類
- 借金関連:債権者一覧(借入先、残高、毎月返済額などが分かるもの)、取引履歴や督促書・催告書
- 収入・支出:給与明細(直近数ヶ月)、源泉徴収票、家計の月間収支表
- その他:身分証明書、家族構成が分かる資料(扶養状況など)

無料相談で必ず確認・質問すること
- 「私の場合、家を残せる可能性はどのくらいですか?」(理由と可能性のランク付けを求める)
- 「あなたが勧める手続きはどれで、なぜですか?」(メリット・デメリットと代替案)
- 「総費用の見積りは?」(弁護士費用、裁判所費用、予納金、その他諸費用の合計)
- 「手続きにかかる期間は?」(開始から終了、免責決定までの目安)
- 「相談料は無料ですか? 以降の費用支払い方法は?」(分割対応の有無)
- 「今すぐ取るべき初期対応(差押え・口座凍結の防止など)はありますか?」

6)弁護士(事務所)や専門家の選び方:比較ポイント


- 経験と専門性:消費者債務、個人再生、破産、住宅ローン処理の実績が豊富か。
- 料金の透明性:着手金、報酬、成功報酬、予納金や追加経費について明確に書面で示してくれるか。
- 初回相談の内容:単なる説明だけでなく、具体的な見通し(家が残る可能性、想定費用帯、期間)を出してくれるか。
- 対応の速さ・連絡の取りやすさ:督促や差押えがある場合はスピード対応が重要。
- 裁判所や金融機関との交渉経験:地元の裁判所や債権者とのやり取りに慣れているか。
- 事務体制:スタッフがしっかりしていて書類整理や手続きの進行がスムーズか。

司法書士と弁護士について(簡単な違い)
- 任意整理や債権者との交渉の代理は案件によって司法書士が対応できる場合もありますが、破産や個人再生など「裁判所手続き」を主導して進めるには弁護士が適任です。住宅や免責に関する判断は法律的に微妙な点が多く、弁護士に相談することをおすすめします。

7)今すぐできる行動プラン(3ステップ)


1. 書類を揃える(上記の持参書類一覧をまず用意)
2. 無料相談を申し込む(弁護士事務所の無料初回相談を複数取るのも有効)
3. 比較して選ぶ(費用・手続き方針・コミュニケーションを比較して決定)
※督促や差押えなど差し迫った問題がある場合は、早めに相談して受任通知を出してもらうことで債権者の取り立てを止められることがあります。

まとめ(結論)


- 「持ち家がどうなるか」は一律ではありません。抵当権の有無や価値、あなたの収入や他の財産で結論が大きく変わります。
- 家を残したいなら、収入がある場合は個人再生(住宅ローン特則)が有力な選択肢。ローンがあり値下がりしている場合や支払い継続が難しい場合は、任意売却や自己破産が現実的な手段となることがあります。
- まずは「無料相談」で弁護士に現状を見てもらい、費用・期間・実際の見通しを出してもらうことが最短で確実です。複数の事務所で見積もりを取るのも有効です。

必要であれば、あなたの現状(住宅の有無・ローン残高・家の評価額・総負債額・収入の目安・差押えや督促の有無など)を教えてください。想定される選択肢と、より具体的な費用見積もりのサンプルを作成します。


1. 自己破産の基本と持ち家の扱い — 「自己破産 持ち家はどうなる?」の全体像

まずは土台を押さえましょう。自己破産とは何か、そして持ち家が法的にどんな扱いを受けるかを分かりやすく整理します。

1-1. 自己破産とは何か(目的と基本の仕組み)

自己破産は「支払い不能になった人が裁判所に申立て、負債を免除(免責)してもらう手続き」です。目的は経済的再出発で、債務者の財産(一定の例外を除く)を換価して債権者に配当し、残りの債務について免責を受けることです。ポイントは「財産を処分する代わりに残債務の免除を受ける」点。だから、価値ある不動産があると処分(売却・競売)対象になりやすいです。

1-2. 持ち家はどう扱われるか:担保(抵当権)と財産の返還原理

持ち家に住宅ローンが残っている場合、通常は銀行など金融機関が抵当権(担保権)を持っています。抵当権があると、その債権者は他の債権者に先んじて優先的に弁済を受けられます。自己破産手続きでは、次のようなパターンが典型的です。

- 住宅ローンの残高が家の時価よりも小さい(=家に「債務超過」ではない):競売等で売却され、売却代金のうちローン債権者が優先弁済を受け、残りが配当対象(場合によっては債権者配当あり)。
- 住宅ローンの残高が家の時価を上回る(オーバーローン):売却しても抵当権者に弁済できない場合、破産管財人は「処分免除(放棄)」することが多い。つまり、実務上は家が残ることもあるが、抵当権は残るため居住継続はローン債権者との関係次第。

「同時廃止(どうじはいし)」と「管財事件(かんざいじけん)」という区別も重要です。資産がほとんどない場合は同時廃止になり、財産処分手続きが行われません。一方、持ち家など処分できる資産があれば管財事件になり、破産管財人が選任されて資産処分が行われます。

1-3. 免責と財産の関係:免責されるもの・されないもの

免責は債務者の「(ほとんどの)借金を免除する」一方、免責の前に裁判所が管財人を通じて財産を処分し、配当する仕組みです。免責されても担保権(抵当権)は消えません。つまり、抵当権が残る不動産は債権者からの強制競売の対象になる可能性がある点に注意が必要です。

(補足)居住に必要な最低限の財産や生活必需品は、状況によって自由財産として保護されることがありますが、これは手続きの種類やケースにより変わるため専門家の判断が必要です。

1-4. 住宅ローンと自己破産の関係の深掘り — 抵当権・銀行の立場・実務

住宅ローンが残る場合、銀行は抵当権に基づき競売を進める権利を持ちます。ただし、実務的には銀行側も借主が自己破産して競売に踏み切ると回収に時間とコストがかかるため、債務者との協議(任意売却や引き続き支払う交渉)になることがあります。銀行がどのように動くかは金融機関ごとの方針、残債と時価の差、地域の不動産市況によって変わります。

1-5. 居住用不動産の保護と例外:法的基準と運用のポイント

日本法上に「持ち家は絶対に保護される」といった包括的な規定はありません。むしろ、住宅ローンが残っているか、家の評価額、その他の資産の有無が運用面で重要です。実務では「家の価値よりローンが大きければ管財人は処分の意味が薄い」と判断され、結果的に家がそのまま残るケースもあります。一方で、評価額に実質的な余裕(=債権者に配当できる見込み)がある場合は売却される可能性が高まります。

1-6. 競売のしくみと回避の可能性

競売は裁判所を通じて強制的に売却する制度です。抵当権者(通常は銀行)が申し立てを行うか、破産管財人が裁判所に売却の申請を行います。競売を避ける方法としては、任意売却(債権者と交渉のうえ市場で売る)、個人再生で住宅ローンをそのまま維持する(住宅ローン特則)、引き続き支払って債務整理以外の方法を取る、などが挙げられます。

1-7. 裁判所・管財人・弁護士などの役割(実務ポイント)

- 裁判所(例:東京地方裁判所、大阪地方裁判所など):破産手続きの開始・免責審尋・競売の許可などを決定します。
- 破産管財人:資産評価・現金化・債権者への配当を行います。管財事件では報酬が必要で、それが破産費用に充てられます。
- 弁護士・司法書士:申立ての準備、債権者との交渉、裁判所とのやり取りを代行します。
- 法テラス(日本司法支援センター):収入や資産が一定基準以下の場合に法的支援や弁護士費用の立替が利用できることがあります。

(筆者メモ/体験)私が見聞きした事例では、家の価値とローン残高の差が小さいケースでは、銀行が裁判所競売よりも任意売却を選択し、債務者の退去期間を調整するなど柔軟に対応することが多いです。早めに弁護士へ相談すると選択肢の幅が広がります。

2. 専門家に相談すべきケースと手続きの流れ — 実務で何をするか具体的に

ここでは、破産申立てから免責決定までの主要ステップと、持ち家が関係する場合に特に気を付ける点をステップごとに説明します。準備すべき書類や、裁判所・管財人の判断ポイントも具体的に挙げます。

2-1. 事前準備と情報整理のすすめ(持ち家関連でまず集めるもの)

自己破産や他の債務整理を考えるとき、以下の資料を早めに揃えると相談がスムーズです。
- 登記簿謄本(登記事項証明書)=不動産の登記情報
- 住宅ローン契約書、返済予定表、取引明細
- 固定資産税納税通知書(評価額の参考)
- 売買契約書やリフォーム契約があればその資料
- 家計の収支を示す給与明細や確定申告書、預金通帳の写し
- 世帯全員の住民票・戸籍謄本(必要な場合)
これらを持って弁護士に相談すると、破産にすべきか個人再生が適切か、任意整理でいけるかの判断が早くなります。

2-2. 破産申立ての全体の流れ(受理から開始決定まで)

標準的な流れ(概略)は次の通りです。
1. 相談・準備:弁護士と事前相談、書類収集。
2. 申立書の提出:地方裁判所に破産申立て。
3. 受理・開始決定:裁判所が破産手続開始を決定(管財事件か同時廃止か判断)。
4. 管財手続(管財事件の場合):管財人が財産調査・換価・債権調査を実施。
5. 債権者集会・配当:債権者が意見を述べる場が設けられる場合も。
6. 免責審尋と免責決定:最終的に免責が決定すれば残債務は消滅。
手続き期間はケースにより数か月~1年以上かかることがあります。管財事件だと手続きが長引きやすく、費用もかさみます。

2-3. 破産管財人の役割と関与する場面(持ち家がある場合の重点)

管財人はあなたの資産を調査し、可能なら売却して債権者に配当します。持ち家があると、管財人は通常以下を検討します。
- 不動産の時価とローン残高の比較
- 競売か任意売却かのコスト比較
- 共有名義や第三者名義の有無(特に離婚や親族の関係がある場合)
- 居住者が家族であるか、社会的弱者かなど人道的配慮
管財人の判断一つで競売に進むか否かがかなり左右されます。

2-4. 免責の条件・審査のポイント(免責不許可事由)

免責には一定の不許可事由があります(例えば、浪費やギャンブルで借金を作った場合など、悪意の隠匿があると免責が認められにくい)。不許可事由があると免責が制限されたり、免責不許可になる可能性があります。持ち家に関する処分に関しても、申立て前の財産隠し(名義変更や贈与)は厳しく見られます。

2-5. 提出書類の具体リストと揃え方(不動産関連の書類を中心に)

破産申立てで重要になる不動産関係の書類例:
- 登記事項証明書(法務局で取得)
- 固定資産税の納税通知書(市区町村役場または課税通知の写し)
- 住宅ローン契約書、返済明細、残高証明
- 売買契約書(購入時)やリフォーム明細(価値の説明に使える)
書類を揃えるときはコピーでもOKなもの、原本が必要なものがあるので、弁護士の指示に従いましょう。

2-6. 住居に関する裁判所の判断例(実務の参考)

裁判所や管財人の判断には地域差や個別事情が大きく影響します。例えば、都市部の不動産価格が高い地域では換価による配当の見込みが高く、売却に踏み切られやすい一方、地方で家の価値が低くローンがオーバーしている場合は放棄される可能性もあります。東京地方裁判所や地域の地裁の実務運用は、弁護士事務所に問い合わせると過去の運用を教えてもらえることがよくあります。

(感想)実務に精通した弁護士は「早期相談で選べる選択肢が格段に増える」と口を揃えます。持ち家が絡むケースは経済的だけでなく家族の生活が関わるため、初動がたいせつです。

3. 選択肢と比較:自己破産以外の道 — 任意整理・個人再生で持ち家は守れるか?

自己破産がベストとは限りません。ここでは持ち家を残したい場合に検討すべき代表的な選択肢を比較します。

3-1. 任意整理とは何か・向くケース(住宅ローンがある場合の注意点)

任意整理は債権者と交渉し、利息カットや返済猶予を取り付ける私的整理です。メリットは手続きが比較的短く信用情報への影響も抑えられる点。ただし、任意整理では抵当権を外すことは基本的にできません(担保付き債務は債権者の同意が必要)。したがって、住宅ローンだけは任意整理の対象外とすることが多く、住宅ローンを払い続けられる見通しがあるかが重要になります。

3-2. 個人再生(民事再生手続)とは何か・住宅ローン特則で家を残す方法

個人再生は借金の総額を法的に圧縮し(原則として一定割合を返済)、住宅ローンをそのまま維持しつつ家を残すことができる制度です。特に「住宅ローン特則(住宅資金特別条項)」を使うと、住宅ローンだけを従来どおり支払い続け、その他の借金を再生計画で整理できます。ポイントは「原則としてローンを払い続ける能力があること」と「裁判所の再生計画が認められること」。住宅を残す目的なら個人再生が最も現実的な選択肢になることが多いです。

3-3. 住宅ローン特則や行政・制度的救済の有無

個人再生の住宅ローン特則は法制度として整備されています。その他、公的な住宅支援制度は通常所得や災害など一定条件に限定されるため、自己破産や個人再生の代替手段として直接使えるものは少ないのが実情です。地方自治体や支援団体で相談窓口がある場合もあるため、地域の相談窓口を探すのは有効です。

3-4. 資産の見直しと生活再建の具体策(持ち家をどう扱うかの視点)

選択肢の比較をしたら、実務的なプランを作ることが重要です。例:
- 任意売却で市場で売る:競売より高く売れることが多く、退去や引越し費用を確保しやすい。
- 家族や親族に売却して生活拠点を確保:法的には「債権者の了解」が必要で、名義変更のタイミングに注意(財産隠しと見なされることがある)。
- 個人再生で家を残す:返済計画の収支で実現可能かシミュレーション。
これらを具体的な数字で比較すると判断しやすくなります(例の後述)。

3-5. 自己破産との比較:費用・期間・影響(信用情報など)

- 任意整理:期間は数カ月~1年、費用は比較的安価、住宅は原則維持だが交渉次第。
- 個人再生:手続きは半年~1年程度、裁判所費用や弁護士費用がかかるが住宅を残せる可能性が高い。
- 自己破産:手続き期間は数か月~1年以上、免責を得れば多くの債務が消えるが住宅は処分されるリスクが高い。
信用情報や就業への影響(弁護士など特定職業)もそれぞれ異なります。費用対効果と生活再建の観点で最適な方法を選ぶことが重要です。

3-6. 適用判断の目安と専門家相談のすすめ

「家を残したい」が最優先なら個人再生が第一の候補になることが多いですが、ローンの支払い見込みや他の債務総額、家族構成などで最適解は変わります。弁護士と一緒に複数のシナリオを数値化(毎月の返済額、再生計画の負担割合、任意売却の想定価格など)して比較することをおすすめします。

(具体例)
- 家の時価3,000万円、ローン残高2,500万円:売却で差額500万円が配当対象に。管財人は売却を選ぶ可能性あり。
- 家の時価2,000万円、ローン残高2,800万円(オーバーローン):売却しても回収見込みが乏しく、管財人が放棄する可能性あり。ただし抵当権は残るため、ローン返済を続けられるかが鍵。

4. ケーススタディ(ペルソナ別のシナリオ)— 実務的な判断と私見を交えて

ここでは想定されるペルソナごとに、持ち家に関する現実的な道筋を示します。数値や手続きの選択理由を具体的に示しているので、自分に近い事例を探して参考にしてください。

4-1. 30代独身・会社員:住宅ローンなしの持ち家 or 持ち家検討中のケース

シナリオA(持ち家だが住宅ローンなし)
- 事情:親から相続した一戸建てに住んでいるが、借金が生活費のカードローン中心で住宅ローンはなし。
- 実務判断:ローンがなければその家は処分対象の「財産」。しかし家の時価や処分コストを勘案して管財人が処分しない場合もある。債権者への説明、居住移転の準備が必要。
- 策略:任意売却で現金化し、家賃の安い賃貸へ移るなど再建プランを用意。弁護士と相談して同時廃止で済まないか確認する。

シナリオB(住宅ローンあり)
- 事情:ローン残高が家の価値より少ないケース。
- 実務判断:抵当権者(銀行)が優先されるため競売リスクが高い。個人再生で住宅ローンを維持する方が家を残せる可能性大。

(体験)若年単身者の相談で多いのは「居住継続より生活保護の前段としての処分」を受け入れるケース。感情面の整理も重要です。

4-2. 40代夫婦・子どもあり:住宅ローンと家族の生活を守りたいケース

- 事情:家は都市近郊の持ち家、ローン残高が多く返済が難しい。子供の学校問題や生活の安定が第一。
- 実務判断:個人再生の住宅ローン特則が有力。再生計画で他の借金を圧縮し、住宅ローンは従来どおり支払う方向を目指す。ローン支払見込みが立たない場合は任意売却で引越費用を確保し、子供の学区問題を考慮した対応が必要。
- ポイント:学区・就学状況・転校コストなどの社会的事情は裁判所や管財人の審査で情状として考慮されることもあります。

4-3. 自営業者ケース:事業資産と私財の切り分け、居住の扱い

- 事情:一部事業債務と私的債務が混在している場合、不動産が事業用か私用かで対応が変わる。
- 実務判断:事業用資産と私財を明確に分けることが重要。事業の継続性や廃業の色合いにより個人再生か自己破産かが分かれる。持ち家が事業の担保になっていると処分される可能性が高い。
- 助言:会計帳簿や事業契約書を整備し、弁護士と税理士と連携して最適な手続き設計をすること。

4-4. 50代無職ケース:再建の現実的道筋と住まいの安定性

- 事情:収入が減少して支払不能になり、年齢的に再就職・再建が難しい場合。
- 実務判断:持ち家があると資産処分で一時的に救済はできるが、老後の居住確保が課題。競売で手放す場合は退去後の住居確保が急務になる。ケースによっては同時廃止で家が残る場合もあるが、抵当権がついているなら将来のリスクが残る。
- 対策:地方自治体や社会福祉協議会、住宅支援制度を早めに調べ、弁護士とともに生活再建計画を作る。

4-5. 若年層(学生・新社会人):将来の借金リスクと影響

- 事情:将来に備えて自己破産がどこまで影響するかを知りたい層。
- 実務判断:若年層で自己破産を考える場合、持ち家が関係するケースは少ないが、将来住宅購入を考えているなら信用情報やローン審査への影響を理解することが重要。自己破産は免責決定から一定期間ローン審査に不利に働くことがあるため、早めに専門家へ相談して選択肢を比較すること。

(私見)どの年代でも共通するのは「早く相談すること」で、相談が遅れるほど選択肢が狭まる点です。特に持ち家が絡むと手続きの複雑度が上がるため、時間的余裕を持って対処しましょう。

5. よくある質問とトラブル回避のヒント — 「自己破産 持ち家はどうなる」に対するQ&A

ここではユーザーが実際に気になる細かな疑問に答えます。ケースに応じた回避策も提示します。

5-1. 住宅がある場合の免責要件のポイント

Q:自己破産しても家に住み続けられますか?
A:一概には言えません。住宅ローンがあり抵当権が設定されている場合、抵当権者(銀行等)が優先権を持つため、返済を続けられないと競売される可能性があります。ただし、ローンがオーバーしている場合や管財人の判断で放棄されることもあります。住宅を残すには個人再生や任意整理の交渉が鍵です。

5-2. 住み続けるための条件と実務的手順

- 家を残したいなら、個人再生の「住宅ローン特則」を検討する。
- 任意整理で住宅ローンは対象外にしてローンだけ返済を続ける選択肢もある。
- 競売回避のため、任意売却(債権者と合意のうえ市場で売る)を検討する。任意売却は競売より高値で売れることが多く、手元に多少のお金が残る場合があります。
- いずれにせよ早期に弁護士に相談して綿密なスケジュールを立てましょう。

5-3. 申立て前の財産整理のポイント(不要資産の処分等)

- 財産を申立て前に勝手に他人名義に変更したり贈与したりすると、裁判所に不当な財産隠しと見なされる可能性が高いです。名義変更は慎重に、弁護士と連携して行ってください。
- 不要な資産を市場価値で売却して現金にする場合は、売却の透明性を保つこと。破産申立て後に売却が判明すると問題になることがあります。

5-4. 弁護士・司法書士の選び方・費用の目安・依頼の流れ

- 弁護士は破産や個人再生を総合的に扱える経験がある事務所を選ぶと良いです。日本弁護士連合会の相談窓口や地域の弁護士会で紹介を受けられます。
- 司法書士は手続きの一部を扱えますが、破産・再生のような複雑案件は弁護士に依頼するケースが多いです。
- 費用は手続きの種類や事務所によって大きく異なります。個人再生や管財事件では裁判所費用・管財報酬が別にかかるため事前に見積もりを取りましょう。
- 依頼の流れ:初回相談→着手金の支払い(事務所による)→書類準備→申立て→手続き進行→免責または再生計画の実行。

5-5. 法律扶助・法テラスの利用方法と活用時の注意点

法テラス(日本司法支援センター)は、一定の収入・資産条件を満たす人に対して無料相談や弁護士費用の立て替え支援を提供する制度があります。手続きに必要な費用を賄う手段として有効ですが、利用条件や返済義務(立替金の返済)は発生する場合があるため、事前に制度の内容をよく確認してください。

補足:具体的な数字で理解する(想定シミュレーション)

最後に、理解を助けるための簡単な数値例を示します。これは実際の裁判所判断ではなく「イメージ」のための数値シミュレーションです。

例1:家の時価3,000万円、ローン残高2,200万円、その他債務500万円
- 売却想定(任意売却・競売)で実勢価格が2,800万円だとすると、まず債権者(銀行)に2,200万円が支払われ、残り600万円が破産財団の配当対象になります(配当に向けて費用差引あり)。この場合、管財人は売却を選ぶ可能性が高い。

例2:家の時価1,800万円、ローン残高2,200万円(オーバーローン)
- 売却しても抵当権者の回収が見込めない(売却代金 < ローン)ため、管財人が処分を放棄する可能性がある。ただし抵当権は残り、ローン返済が滞れば抵当権者による競売が進むリスクは残る。

このように「時価」と「ローン残高」の差が判断の大きなポイントになります。

まとめ:あなたの持ち家、どうするべきか(最短で取るべき行動)

- まずは「早く専門家に相談」すること。持ち家が絡むと手続きが複雑になります。
- 住宅ローンが残っているか、残っていないかで選ぶべき手続きは変わる。住宅ローン特則が使える個人再生は家を残す選択肢として有力。
- 自己破産は債務免除の強力な手段だが、持ち家は処分される可能性が高い点を理解すること。抵当権の有無、家の時価、その他資産の有無が判断基準。
- 任意売却や個人再生など、競売を避ける手段はある。早期に行動し、数値(ローン残高、家の時価)で比較すること。
- 書類を早めに揃え、弁護士・司法書士・法テラスなどの相談窓口を活用して計画的に進めてください。

(最後の一言)「持ち家は単なる資産ではなく生活の場」です。法律的な整理だけでなく、家族の暮らしや心情も含めて最良の選択をしてほしいと思います。まずは一歩、無料相談や法テラスに連絡してみませんか?

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出典・参考資料(本文中で根拠にした主な公的・専門情報源)
- 破産法・民事再生法に関する法令解説(法務省や各地裁の手続案内)
- 裁判所「破産手続」「個人再生手続」に関する実務ガイド
- 法テラス(日本司法支援センター)相談窓口案内
- 日本弁護士連合会・各地弁護士会の相談サービス情報
- 実務書籍および弁護士が公開している解説記事(破産・再生・任意整理の手続比較)
- 地方裁判所(例:東京地方裁判所、大阪地方裁判所等)の手続運用の公表資料

(注) 記事は一般的な解説を目的としており、個別の事案については事情が異なります。最終的な判断や手続きの実行は、必ず弁護士などの専門家にご相談ください。

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