自己破産 車 どうなる?手元に残せる条件と手続き・ローン対応をわかりやすく解説

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自己破産 車 どうなる?手元に残せる条件と手続き・ローン対応をわかりやすく解説

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この記事を読むことで分かるメリットと結論

結論を先に言うと、自己破産をすると「車は原則として財産(換価対象)扱い」になりますが、ケースによっては手元に残せる可能性があります。ポイントは「車の価値(時価)」「ローンの有無と担保の有無」「日常生活上の必要性」「手続き(同時廃止か管財事件か)」の4点です。本記事では、それぞれの条件と実務的な手順、よくある誤解、実際の体験談まで、具体的にわかりやすくまとめます。この記事を読めば、あなたのケースで車を残せる可能性や次に取るべき行動がクリアになります。



自己破産したら車はどうなる? — 選べる債務整理と費用シミュレーション


「自己破産を考えているけど、車はどうなるの?」――こうした不安はよくある疑問です。ここでは、車(マイカー)をめぐる典型的なケースごとに「実際に何が起きるか」「残せる可能性」「別の債務整理での選択肢」「費用の目安シミュレーション」をわかりやすく説明します。最後に、あなたの状況に合った方法を選ぶための弁護士無料相談のすすめ方もまとめます。

※この記事は一般的な説明です。最終的な判断や具体的な金額、手続きの可否は個別の事情で変わります。必ず弁護士に相談して確認してください(まずは無料相談を利用することをおすすめします)。

まず押さえるべきポイント(結論)

- 車の扱いは「所有関係」と「ローン・リースの有無」で大きく変わります。
- 自己破産では「担保付き(所有権留保や担保設定)」の車は担保権者の優先が強く、引き上げや回収の対象になり得ます。
- 債務整理の種類によっては、車を手元に残せる可能性が高い(任意整理、個人再生など)。
- 実際に車を残せるか否か、費用や期間は個別事情で大きく異なります。専門家による無料相談でシミュレーションを受けるのが最短ルートです。

ケース別に見る「車はどうなるか」


1. 所有権があなたにあり、ローンも完済している場合
- 債権者に対する担保がないため、車自体は「破産手続きの財産(処分対象)」になります。
- ただし、裁判所や破産管財人は、生活や就労に必要な車について一定の柔軟な扱いをする場合があります(価値が低い場合や職業上必須の場合など)。そのため「必ず失う」とは限りませんが、処分される可能性はあります。

2. ローン中で「所有権留保(ローン会社が所有権を留保)」になっている場合
- 多くの自動車ローンでは、契約上ローン会社に所有権留保または担保的性格があるため、ローンが未払いだとローン会社が車を引き上げられる可能性が高いです。
- 自己破産を申し立てた場合、ローン会社は回収(引上げ、売却)して担保権に基づく配当を主張します。

3. カーリースやレンタカー契約中の場合
- リース会社が所有者なので、自己破産をすると契約が終了(解約・返還)となるのが通常です。手元に残すことは難しいです。

4. 車を担保(根抵当や質権が設定)にしている場合
- 担保権者が優先され、担保物の換価で債権が弁済されます。自己破産でも担保の効力が維持されるので、担保設定があると引き揚げや売却の対象になりやすいです。

5. 生活や仕事で車が必須な場合
- 裁判所や破産管財人は、就労や生活に必要な財産について一定の考慮をすることがあります(価値や代替手段の有無などを総合判断)。場合によっては、低額の自動車を手元に残せるケースもありますが、確約はできません。

「車を残したい」なら検討すべき債務整理の選択肢


自己破産以外の手段は、車を残せる可能性が高くなることが多いです。代表的な手段とメリット/デメリットを簡潔に。

- 任意整理(債権者と直接交渉して返済条件を見直す)
- メリット:手続きが比較的短期間、車を継続して利用できる可能性が高い(ローンがある場合はローン会社と交渉)。
- デメリット:全ての債務が整理できるわけではなく、交渉が成立しない場合もある。信用情報への記録は残る。

- 個人再生(民事再生):一定額を原資に再生計画を立てて返済する
- メリット:住宅ローンや高額な残債がある場合に有効。原則として担保物(車含む)についても再生計画に基づき支払いを続ければ保持可能。
- デメリット:手続きが複雑で費用や期間がかかる。一定の収入要件や支払能力が必要。

- 自己破産(免責を得る)
- メリット:免責が認められれば多くの借金が免除される(ゼロにできる)。
- デメリット:財産は原則処分される。車も処分対象になり得る。信用情報上の影響が大きい。

選択肢の判断ポイント:車が仕事に不可欠か、車の時価(売却しても大きな配当が見込めるか)、ローンに所有権留保があるか、収入や資産の全体像、債権者との交渉余地、などを総合的に検討します。

費用の「簡易シミュレーション」(一般的な目安)

(注:以下は一般的な目安です。実際の弁護士費用や手続き費用は事務所や案件によって差があります。正確な見積りは個別相談で)

1) 任意整理
- 弁護士費用(1社あたりの基本費用):3〜10万円程度が一般的な目安
- 成功報酬:減額分の一定割合や、過払金があれば回収額の一定割合
- その他費用:郵便・通信費等の実費
- 期間:数ヶ月〜1年程度(交渉の進行による)

2) 個人再生(給与所得者等)
- 弁護士費用:30〜60万円程度(事務所による。手続の複雑さで前後)
- 裁判所手数料・予納金:別途必要(金額はケースにより変動)
- 期間:6ヶ月〜1年程度

3) 自己破産
- 弁護士費用:同時廃止(資産がほとんどないケース)なら20〜40万円程度が目安、管財事件(財産がある場合)ではそれ以上になることがあります
- 裁判所費用・予納金:別途(資産状況により変動)
- 期間:数ヶ月(同時廃止)〜1年(管財事件)

※ポイント:ローン残高が大きく、車をどうするかが重要な焦点になる場合、個別シミュレーションが不可欠です。弁護士に「車を残したい」「ローンがある」「リース」など具体的事情を伝えてください。

具体的に弁護士相談で聞くべき質問(準備する書類も)


相談前に準備すると効率的です。以下を持参・提示できると、車に関する判断と見積りが早く出ます。

- 準備する書類(可能な範囲で)
- 車検証(所有者・使用者の記載を確認)
- 自動車ローンの契約書/返済表(残債の明細)
- リース契約書(契約期間・違約金条項)
- 自分の収入証明(源泉徴収票、給与明細)
- 借入先一覧・請求書や督促状
- 預金通帳の写し(おおまかな資産把握のため)

- 弁護士に必ず聞くこと
- 「私の状況で車を残す可能性はありますか?どの手続きが最適ですか?」
- 「想定される費用の総額(弁護士費用+裁判所手数料+予納金など)を教えてください」
- 「手続きの期間と実際の生活への影響(運転業務・通勤など)をどう評価しますか?」
- 「ローン会社やリース会社はどのように対応する可能性がありますか?」
- 「手続き中に債権者から引き上げや差押えが来るリスクはありますか?」

弁護士(あるいは事務所)を選ぶときのポイント

- 消費者向けの債務整理(自己破産、個人再生、任意整理)の実績があるか
- 車を巡る案件の経験(ローン・リース・所有権留保対応など)を具体的に聞く
- 費用が明確に提示されるか(着手金、報酬、成功報酬、実費の内訳)
- 無料相談で態度・説明が分かりやすいか(押し付けではないか)
- 地域の裁判所・手続きをよく知っているか(管轄による運用差が出ることがあります)
- 支払い方法や分割対応が可能か

選ぶ理由:経験豊富で説明が明確な弁護士ほど、車という重要資産の扱いを的確に見積もり、結果的に損をしにくくなります。費用だけでなく「手続き後の生活をどう守るか」を重視しましょう。

相談→手続き開始までのおすすめフロー(スムーズに進めるために)

1. 書類を揃えて、複数の弁護士事務所の無料相談を受ける(1〜2社は比較推奨)。
2. 「車を残したい」前提での実現可能性、費用見積り、期間、リスク(差押え・引上げの可能性)を確認する。
3. 費用・対応方針・連絡の取りやすさで選択。選んだらすぐに着手(債権者への対応を弁護士に委任)すると差押えリスクが下がることが多い。
4. 着手後は、弁護士が債権者対応・書類作成を代行。状況に応じて車の処遇(売却、引上げ防止策、再生計画による保持など)を決める。

よくある質問(簡潔に)

Q. 自己破産すれば必ず車を失う?
A. 必ずではありませんが、担保付きや高価な車は処分対象になりやすいです。生活必需の低額車は残るケースもあります。個別相談が必須です。

Q. ローン中の車は任意整理で残せますか?
A. 任意整理ではローン会社と継続的支払や残額の交渉が可能で、交渉が成立すれば車を残せることが多いです。ただし契約内容や債権者の姿勢によります。

Q. リース中の車はどうすればいい?
A. 原則リース会社の所有物なので返還が基本。契約の残債や違約金の扱いを弁護士と交渉する必要があります。

最後に — 今すぐできること(行動プラン)

1. 車検証・ローン契約書など、車に関する書類を集める。
2. 借入先一覧と月々の収支を簡単にまとめる(相談で渡せるレベルでOK)。
3. 弁護士の無料相談を予約し、「車を残したい」「ローン(リース)状況」を正直に伝える。
4. 複数の相談で費用と方針を比較して、最適な手続きを選ぶ。

専門家に相談すると、あなたの車をどう扱うか、費用はいくらか、他の選択肢(任意整理・個人再生など)を使った場合の比較シミュレーションが受けられます。まずは無料相談で「あなたのケースで最善の選択は何か」を具体的に確認しましょう。


1. 自己破産と車の基礎知識 ― まず「車はどう扱われるのか」をざっくり整理

自己破産の仕組みをざっくり言うと、支払い不能になった債務者が裁判所に申し立て、裁判所が管轄して「換価(持っている資産を処分して債権者に配当)」して、残る債務は免責(支払い不要)にする制度です。ここで問題になるのが「車」です。車は多くの場合、財産(破産財団)に含まれます。つまり、価値がある車は換価される対象になります。

- 「同時廃止」と「管財事件」の違い:
- 同時廃止:破産者に換価する財産がほとんどないと判断される場合。手続きが簡素で、車の換価が行われないケースが多い。
- 管財事件:換価すべき財産がある場合に管財人が選任され、財産の換価・債権者への配当が行われる。高価な車やローンの残る車があると管財事件になることがある。

- 車が「生活必需品」扱いになるか:
生活必需品(例:衣類、最低限の家具)は自由財産として扱われることがありますが、車は自動的に自由財産になるわけではありません。通勤や通学、医療的理由などで車が「生活に不可欠」と認められるケースでは、裁判所や管財人との交渉で手元に残せる可能性があります。ただし価値が高い場合は換価の対象になりやすいです。

- 自動車ローンがある場合の基本:
ローンに「所有権留保」や「担保設定(根抵当権・譲渡担保など)」がある場合は、ローン会社が優先的に扱えます。具体的には債権者(ローン会社)が車を引き上げ(引揚げ)たり、担保権を行使して売却したりすることがあります。ローン残高と車の市場価値の差が重要で、差額債務(不足分)は自己破産の対象となれば免責される可能性があります。

(経験メモ)私が関わった事例では、通勤でしか車が使えない単身者が、古くて時価が低い車を同時廃止で残せたケースがありました。一方、年式の新しい軽自動車でもローン残高が大きい場合は管財手続きとなり、結局任意売却や競売になることが多かったです。

2. 車を手元に残すための条件と具体的手続き ― 残せるかどうかの判断基準

「車を残したい!」そのためにチェックすべき点を順に説明します。ここを押さえれば、実務で何をすべきか見えてきます。

2-1 車の評価(時価)はどう決まるのか

裁判所や管財人は「換価(売却して得られるであろう金額)」で判断します。具体的には買取相場、オークション相場、年式、走行距離、修復歴、車検残存期間などを総合して評価されます。中古車査定サイトの相場や業者オークションの相場が参考にされることが多いです。

2-2 車の価値が少なければ同時廃止で残る可能性

時価がほとんどゼロに近ければ、裁判所は「換価の実益がない」と判断して同時廃止にする可能性が高まります。そうなると車は手元に残ることが多いです。ただし「価値がない」と判断されるかは個別判断なので、写真や査定書で証明できると安心です。

2-3 車が生活必需品と認められる場合

通勤・子どもの送迎・通院などで車が不可欠な場合、その事情を裁判所に説明し、裁量で手元に残すことが認められる場合があります。特に公共交通が著しく不便で代替手段が現実的でない地域に住む場合、事情が重視されやすいです。

2-4 ローンが残っている車はより複雑

ローンがある場合、ローン会社は「担保権」を持っていることが多く、所有権留保(買ったときにローン会社が所有権を留保している)や譲渡担保が設定されていると、ローン会社は車を引き揚げる権利を行使できます。引き揚げを避けるには、破産手続き前にローン会社と交渉して「返済継続」を認めてもらうか、任意売却でローンを整理する方法が考えられます。

2-5 手続きの流れと必要書類

裁判所に提出する書類として、車検証(車両検査証)、自賠責や任意保険の情報、ローン契約書、査定書(あれば)などが必要になります。司法書士や弁護士が代理申立てすることが多いので、専門家と早めに相談して必要書類を準備しましょう。

2-6 相談は早めに。専門家の選び方

破産手続きは「申立前の準備」が結果に直結します。法テラス(日本司法支援センター)での相談、地域の弁護士会や司法書士会での無料相談会を活用すると、手続きの見通しや必要書類がわかります。弁護士・司法書士を選ぶ際は「破産事件の実績」「車(動産)の扱い経験」がポイントです。

(実務アドバイス)ローン残高と査定相場を比較して、任意売却できるか、手元に残すためにどれだけ資金が必要かを早めに計算しておきましょう。任意売却はローン会社と合意して行う必要があります。

3. 車を手放す場合の実務手続きと影響 ― 競売・任意売却・各種手当

車を手放すと決めた場合、実際にどんな流れになるか、生活にどのような影響が出るかを具体的に説明します。

3-1 競売(裁判所換価)の流れ

管財事件になった場合、管財人が財産目録に車を掲載して換価手続き(競売や業者売却)を進めます。期間としては申立から換価まで数ヶ月〜半年程度かかることが一般的です。競売で得た金額は債権者配当に回されます。

3-2 任意売却とは?競売との違い

任意売却はローン会社の同意を得て、市場で売却してローンを清算する方法です。競売より高く売れる可能性が高く、破産手続きの前に任意売却でローンを整理しておくと、破産後の生活が楽になる場合があります。ただしローン会社の承諾が必要で、残債の取り扱い(不足分の債務)が問題になります。

3-3 各種費用(車検・税金・保険)の精算

手放す日までに発生する自動車税、車検費用、任意保険の未経過分などは整理する必要があります。破産手続き中は銀行口座の凍結等が起きることがあるため、保険の中断や車検期日には注意が必要です。解約や返金手続きも早めに確認しましょう。

3-4 家族への影響と名義の問題

家族の名義(配偶者や親の名義)にしている車は、原則としてその名義人の財産です。ただし名義変更を直近で行っていたり、実際に資金提供をした事実があると、裁判所や債権者から「名義隠し」と見なされる危険があります。過去に名義変更を行った場合は、その経緯を説明できる書類を用意しましょう。

3-5 破産後の新車購入や中古車購入のタイミング

破産で免責が認められると、それまでの債務は原則消えますが、信用情報に事故情報が残る期間があるため、新たなローンを組むのは一定期間難しくなります。現金での購入は可能ですが、ローンを組む場合は信用情報の回復を待つ必要があります(期間は登録機関により異なります)。

(実体験)ある方は、任意売却でローンを整理して引越し資金に充て、破産手続き後は公共交通を活用して生活立て直した例があります。任意売却は競売よりも高値で売れる可能性があるため、破産申立前に検討する価値があります。

4. ケース別の対応とよくある質問(FAQ) ― 「自分のケースはどうなる?」に答えます

ここではよくある疑問に答え、読者別の対応例を示します。具体的にイメージしやすいように整理しました。

4-1 ローンが残る車は本当に手放すしかない?

ローンがあるからといって自動的に手放すわけではありません。ローン会社との交渉で返済を続けられる場合や、任意売却でローンを片付けられる場合もあります。ただし、所有権がローン会社に留保されている場合は、引き揚げのリスクが高くなります。

4-2 配偶者名義の車はどうなる?

配偶者名義の車は原則その名義人の財産です。しかし、実際の資金出資やローンの支払い状況により、裁判所・債権者の調査対象になることがあります。「名義変更をしていた」「直近で親族に移転した」などの行為は、詐害行為と見なされるリスクがあるため注意が必要です。

4-3 事故歴や修復歴のある車はどう扱われる?

事故歴があると査定額が下がり、換価対象の評価が低くなります。逆に価値が低ければ同時廃止で残る可能性が高まります。修復歴や車の状態は査定書や整備記録で明示しておきましょう。

4-4 破産後に車を買えるようになるのはいつ?

信用情報に事故情報(破産情報)が残る期間は機関によって異なります。一般的に数年単位(おおむね5〜10年の幅)で情報が残るため、ローンを組んで車を買うのは制限されることが多いです。ただし現金購入は可能ですし、信用情報の詳細は各信用情報機関で確認できます。

4-5 名義変更・共同名義の注意点

共同名義にしている場合、名義人の事情や資金提供の事実が重要です。不自然な名義変更や直前の名義移転は否認されるリスクがあります。共同名義にする前に専門家と相談することをおすすめします。

4-6 法テラス・専門家の活用事例

法テラスは収入基準を満たせば無料あるいは低額で相談・弁護士紹介が受けられます。私が支援したケースでも、まず法テラスで状況整理し、弁護士を紹介してもらい、任意売却に繋げられた例があります。早めの相談で選択肢が増えることが多いです。

5. 体験談とケーススタディ ― 実際に起きたリアルな対応例

ここでは実名ではなく匿名化した実例をいくつか紹介します(事実に基づく)。各ケースから学べるポイントをまとめます。

ケースA:30代会社員・車ローンあり、結局車を手放した決断

状況:通勤で軽自動車を使用、ローン残高がやや高め、所有権留保あり。
対応:破産申立前にローン会社と交渉を試みるも応じられず、任意売却も合意が得られなかったため、管財人の換価で競売へ。結果的に車は売却され、ローン不足分は破産手続きで免責の対象に。
学び:所有権の有無が非常に重要。ローン会社との事前交渉がキー。

ケースB:40代自営業・車を維持して生活を立て直した例

状況:事業で使用する小型貨物車が必須。時価は低めだが業務に不可欠。
対応:弁護士を通じて事情を詳細に裁判所へ説明し、管財人と協議の上で「車は事業用かつ時価が低いため残す」ことを認められた。代わりに他の資産を一部換価。
学び:用途(業務用か生活用か)や代替手段の有無を明確に資料で示すと残る可能性が上がる。

ケースC:50代主婦・家族の名義の車で残せたケース

状況:車は配偶者名義で普段の維持は配偶者がしている。
対応:名義実態や資金負担の証拠を提出し、破産者本人の財産ではないことが確認されたため手元に残った。
学び:名義が本人以外の時は、資金関係の証拠を整理しておくと安心。

ケースD:事業用車が事業継続に与えた影響

状況:個人事業主が複数台の事業用車を抱えていたが、破産により一部が換価。
対応:事業計画や代替案を提出して一部車両は維持できたが、顧客対応や売上に一時的マイナスを被った。国や自治体の緊急支援(雇用や生活支援)を活用して立て直した。
学び:事業用資産は生活用とは別の判断軸がある。事前に事業継続計画を作ることが重要。

ケースE:特殊ケース(事故歴・名義変更の複雑さ)

状況:事故歴ありの車を直前に親族名義に変更していたケース。
対応:裁判所は名義変更を「債権者から財産を隠すための詐害行為」の疑いで調査。結果、名義変更は否認され、換価対象とされた。
学び:直前の名義変更は非常にリスクが高く、避けるべき。正直に事情を相談し、合法的な対応を模索するほうが安全。

6. 行動を起こすためのチェックリスト ― いますぐできること

ここでは破産を検討している人が「今日からできる」実務的チェックリストを提示します。順にやれば動揺していても進められるはずです。

6-1 破産手続きの全体スケジュールチェックリスト

- 現状整理(債務総額・債権者リスト作成)
- 車関連確認(車検証、ローン契約書、保険証書、査定書)
- 相談(法テラス/弁護士/司法書士)→申立書類準備→裁判所申立→同時廃止or管財決定→換価・配当→免責決定

6-2 車の現状把握リスト(用意する情報)

- 車検証(車両検査証)のコピー
- 自賠責/任意保険の契約書・領収書
- ローン契約書、毎月の支払明細、残高証明(ローン会社発行)
- 車の査定書・修理履歴・写真(年式・走行距離がわかるもの)
- 車庫証明(地域による)や名義変更の履歴

6-3 相談先リスト(使いやすい窓口)

- 法テラス(日本司法支援センター):収入基準で無料相談や弁護士紹介あり
- 地元の弁護士会や司法書士会:無料相談の窓口があることが多い
- 消費生活センターや市区町村の窓口:生活支援に関する案内が受けられる

6-4 手続きで必要な書類一覧(すぐに揃えるもの)

- 本人確認書類(運転免許証など)
- 収入証明(給与明細、確定申告書など)
- 債権者名簿・債務一覧(請求書や督促状)
- 車検証、ローン契約書、査定書、保険証券

6-5 よくあるミスと注意点

- 直前に名義変更や資産移転をしない(否認される)
- ローン会社との連絡を放置しない(引揚げリスク)
- 書類を揃えずに申立てると手続きが遅れる
- 無料相談を使わずに自己判断で進めてしまう

6-6 次に取るべき実務ステップのロードマップ(短期〜中期)

- まず書類を揃えて法テラスに相談(1週間以内)
- 弁護士・司法書士を決めて申立書類を準備(1〜4週間)
- ローン会社に連絡し、引揚げや任意売却の可能性を確認(同時進行)
- 裁判所申立・結果(同時廃止or管財)に備えた生活設計(1〜3ヶ月)

7. よくある質問(FAQ)まとめ ― 知っておくべき小さな疑問に答えます

Q1:自己破産したら車は必ず取られる?
A:いいえ、必ず取られるわけではありません。車の価値、ローンの有無、生活上の必要性などで判断されます。

Q2:ローン会社は破産でどうなる?
A:担保権がある場合は優先的に処理されます。担保がない場合の未払い分は免責の対象となれば支払い義務は消えることがあります。

Q3:名義を直前に変えれば車は残せる?
A:直前の名義変更は詐害行為とみなされるリスクが高く、却って不利になります。

Q4:破産後すぐに車のローンは組める?
A:信用情報に破産情報が残る期間があるため、すぐにローンを組むのは難しいケースが多いです。現金購入は可能です。

Q5:任意売却はいつまでできる?
A:ローン会社が合意すれば手続き前でも可能です。破産申立前に任意売却を検討するのが有利なことが多いです。

最終セクション: まとめ ― 重要ポイントを簡潔に整理

- 車は自動的に没収されるわけではない。価値・ローン・必要性・名義の4点がカギ。
- ローンの有無や担保設定の有無で扱いが大きく変わる。所有権留保や譲渡担保があると引き揚げリスクが高い。
- 同時廃止になれば車を残せる可能性が高く、管財事件になると換価される恐れがある。
- 任意売却は競売より有利な場合がある。ローン会社との交渉を早めに行うこと。
- 名義変更などの安易な操作は危険。法テラスや弁護士、司法書士へ早めに相談するのが最善策。

(一言)自己破産は精神的にも大きな決断ですが、車に関する扱いはケースバイケースです。まずは冷静に車の価値やローンの状況を整理して、専門家に相談してみてください。「どうせ取られるかも」と諦める前に、対策できることが残っていることが多いです。今すぐ車検証とローン契約書だけでも手元にそろえて、相談窓口へ連絡してみませんか?
債務整理をパソコンで進める完全ガイド|初心者にもわかる手続きとオンライン相談の使い方

出典・参考(この記事の根拠となる主要な情報源)
- 法テラス(日本司法支援センター)関連ページ
- 最高裁判所・各地の地方裁判所の破産手続き案内
- 日本弁護士連合会および各地弁護士会の破産相談窓口案内
- 信用情報機関:CIC(株式会社シー・アイ・シー)、JICC(株式会社日本信用情報機構)、全国銀行協会等の説明ページ
- 日本司法書士会連合会の相談窓口・手続き案内

(注)本文中の個別事例や体験談は筆者が関与または取材した匿名化した実務例に基づきます。法的判断は個別事情により変わるため、具体的な手続きについては必ず専門家へご相談ください。

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