この記事を読むことで分かるメリットと結論
結論:債務整理の「成功報酬」は手続きの種類や事務所によって差がありますが、着手金+成功報酬+実費の合計で総額を判断するのが安全です。任意整理・個人再生・自己破産・過払い金請求それぞれで相場感や費用発生のタイミングが違うため、契約前に「内訳」「発生条件」「返金ルール」を必ず確認しましょう。この記事を読めば、相場の目安と計算例、依頼先の比較ポイント、公的窓口(法テラス等)の活用法まで一通りわかります。
債務整理と「成功報酬」──費用シミュレーションと弁護士の無料相談で失敗しない選び方
債務整理を検討しているとき、まず気になるのは「どの手続きが自分に合うか」「費用はどれくらいか」「成功報酬って何?」という点だと思います。
主要な債務整理の方法ごとの特徴・実務上の費用構成(着手金や成功報酬の考え方)をわかりやすく説明し、具体的な費用シミュレーション例も示します。最後に、無料で弁護士相談を受ける際に確認すべきポイントと、弁護士・法律事務所の選び方をまとめます。
※費用は事務所や事案によって大きく変わります。下に示す金額は「一般的な目安」の範囲で、実際の見積は必ず弁護士に確認してください。
まず押さえるべき基本(ユーザーが知りたいこと)
- 債務整理には主に4つの方法がある:任意整理、特定調停、個人再生(民事再生)、自己破産。
- どれを選ぶかは「借金の金額・種類(カード、消費者金融、住宅ローンなど)」「収入や財産」「将来の生活設計(資格制限や住宅を残すか)」で決まる。
- 弁護士費用には「着手金」「実費(裁判所費用など)」「成功報酬(報酬金)」「減額報酬・過払報酬」といった項目がある。契約前に必ず内訳を確認すること。
- 多くの弁護士は初回の相談を無料で行っていることがある(無料相談で債務整理の方針や大まかな費用見積を出してもらえる)。その場で契約しなくても大丈夫なので、複数の事務所へ相談して比較するのが安心。
債務整理の方法と特徴(短く比較)
1. 任意整理
- 債権者と個別交渉して利息カットや分割返済で和解する方法。
- 手続きは比較的短期間(数か月〜1年程度)で済むことが多い。
- 財産没収や資格制限は通常なし。住宅ローンは基本的に対象外(残すことが可能)。
- 向く人:利息負担を減らして収入の範囲内で返済を続けたい人。
2. 特定調停
- 簡易裁判所での調停。裁判所が仲介して和解を目指す。
- 任意整理より費用が安い場合もあるが、必ずしも有利な結果になるとは限らない。
- 向く人:交渉力に自信がなく、司法の場で手続きを進めたい人。
3. 個人再生(民事再生)
- 借金を大幅に圧縮して(原則5分の1等)分割で返済する制度。住宅ローンがある場合でも「住宅ローン特則」を使えば住宅を残せることがある。
- 手続きは裁判所を通すため費用・手間がかかる(数か月〜1年)。
- 向く人:住宅を残したい、かつある程度の収入があり再建可能な人。
4. 自己破産
- 借金の支払義務を免除してもらう(免責)制度。
- 原則として財産処分が行われる。職種によっては資格制限がある(ただし、多くの職種は制限なし)。
- 向く人:返済の見込みがなく、財産処分や社会的影響を受け入れられる人。
「成功報酬(報酬金)」とは?どのように請求されるか
- 成功報酬は、弁護士が一定の成果をあげたときに支払う報酬です。たとえば
- 過払い金が回収できたときは回収額の一定割合(%)を成功報酬として受け取ることが多い。
- 任意整理で利息をカットして返済額を減らした場合、その減額分に応じて報酬を定める事務所もある。
- 自己破産や個人再生では「免責・再生が認められたとき」に完了報酬を請求する場合がある。
- 重要:成功報酬の率や支払いタイミングは事務所ごとに異なるため、契約書で明記を求め、合意内容を必ず書面で確認してください。
典型的な費用構成(目安)
※下はあくまで一般的な「目安レンジ」です。依頼前に必ず見積りを取ってください。
- 任意整理
- 着手金:1社あたり2万〜5万円程度(事務所による。0円キャンペーンもある)
- 成功報酬:減額分の10%〜20%、もしくは1社あたりの和解報酬2万〜5万円といった定額体系
- 過払い金請求:回収額の20%〜30%(成功報酬)
- 実費:郵送費・通信費など
- 特定調停
- 着手金:2万〜5万円程度
- 成功報酬:和解が成立した場合に定額または割合
- 裁判所手数料等の実費(比較的低め)
- 個人再生
- 弁護士費用:30万〜50万円程度(事案により増減)
- 成功報酬:免責や再生認可で別途報酬が設定される場合あり
- 裁判所費用・官報掲載料・予納金等の実費(別途数万円〜十数万円)
- 自己破産
- 弁護士費用(同種事件の平均):20万〜40万円程度(同時廃止か管財事件かで変動)
- 成功報酬(免責確定で支払う完了報酬)を別途定める事務所もある
- 裁判所費用や予納金(管財事件の場合は数十万円の予定が必要になることも)
費用シミュレーション例(実例イメージ)
以下は「考え方」を示すためのシミュレーションです。実際の費用は事務所見積もりに従ってください。
ケースA:任意整理で和解(消費者金融5社、合計残債80万円)
- 事例条件
- 債権者数:5社
- 合計残債:800,000円
- 依頼内容:利息カット+残債分割(和解)
- 事務所Aの費用例(想定)
- 着手金:1社4万円 × 5社 = 200,000円
- 和解報酬:1社3万円 × 5社 = 150,000円
- 合計弁護士報酬(税込前):350,000円
- 結果(仮)
- 利息部分をカットして元金のみ600,000円で和解(利息200,000円をカット)
- 減額分に対する報酬が別途ある場合:減額分200,000円 × 10% = 20,000円(上記報酬に含む/別途)
- 手元負担の一例
- 初期に着手金を支払う事務所の場合は200,000円が初期負担。残り報酬は分割可の事務所もある。
- 和解後の月々返済:約600,000円を月60回で月10,000円(注:例示。実際は和解条件次第)
ケースB:個人再生(住宅ローンあり、残債500万円のうち借金は700万円)
- 事務所Bの費用例(想定)
- 弁護士費用:400,000円
- 裁判所・官報費用等:実費で数万円〜十数万円
- 成功報酬(再生認可で支払う完了報酬):事務所ごとに設定あり(例:30万円)
- 結果(仮)
- 手続きで借金をおおよそ5分の1(140万円)に圧縮し、3年〜5年で返済
- 総負担:弁護士費用+実費+再生後の戻し(再生計画に基づく返済)
ケースC:自己破産(返済不能、資産なし)
- 事務所Cの費用例(想定)
- 着手金+弁護士費用:25万円〜40万円
- 裁判所予納金(簡易な同時廃止で済むか、管財事件になるかで増減):数万円〜数十万円
- 成功報酬:免責確定で完了報酬が別設定されている場合有り
弁護士(法律事務所)の「無料相談」をどう使うか(おすすめの活用法)
- 無料相談の目的:手続きの選択肢を明確にし、大まかな費用見積と今後の流れ(必要書類、スケジュール)を得ること。
- 相談で必ず聞くべきこと(チェックリスト)
1. 私の状況に最も適する手続きは何か、理由は?
2. 各手続きのメリット・デメリット(生活や資格への影響)を具体的に。
3. 費用の内訳(着手金、成功報酬、実費、分割可否)。書面での見積は出せるか。
4. 成功報酬の算定方法(%なのか定額なのか、支払タイミング)。
5. 手続きに必要な書類とだいたいのスケジュール。
6. 連絡方法・担当者(担当弁護士は誰か)・対応時間。
- 無料相談は「複数社比較」が鉄則。見積りや説明の分かりやすさ、対応の誠実さで比較してください。
弁護士/事務所の選び方(失敗しないポイント)
- 料金の透明性:見積りを出してくれるか、契約書に内訳が明記されているか。
- 成功報酬の明確さ:何が「成功」なのか(和解成立、回収、免責など)、支払い条件はいつかを明記しているか。
- 経験と実績:類似ケースの取り扱い経験があるか(住宅ローン問題、過払金請求など)。
- コミュニケーション:対応が速いか、担当者が分かりやすく説明してくれるか。
- 支払い方法:分割払い対応の可否、初期費用の負担をどうするか。
- 評判と口コミ:第三者のレビュー(過度に良いだけでなく、具体的な体験談)を参考に。ただし口コミだけで決めない。
選ぶ理由の例示:
- 「着手金を抑えつつ、過払い回収の成功報酬が適正な事務所」を選ぶ→初期負担が少なく、回収時のリターンがある。
- 「再生や破産など、裁判所手続きの経験が豊富な事務所」を選ぶ→手続きの不確実性を減らせる。
無料相談に行く前に準備しておくもの(必須/あると良い)
必須(相談をスムーズにする)
- 借入先一覧(会社名、借入額、契約日、現在の残高、直近の支払状況)
- 取引履歴(取引明細・請求書・返済実績が分かるもの)
- 給与明細(直近数か月分)、源泉徴収票(年収が分かるもの)
- 通帳の直近数か月分(入出金の動きが分かるもの)
- 家計の簡単な収支表(毎月の支出と収入の概要)
あると良いもの
- 債務の契約書や保証契約書
- その他の資産(不動産、車など)や負債に関する書類
よくある質問(Q&A)
Q. 成功報酬は高いほど弁護士の動機が上がる?
A. 一概には言えません。成功報酬が高いと過度に回収を急ぐ事務所もあり得ますし、逆に固定報酬で誠実に対応する事務所もあります。重要なのは報酬の透明性と成果の測定基準です。
Q. 無料相談で断ったら悪いですか?
A. 全く問題ありません。複数の事務所で比較してから決めるのが一般的です。
Q. 費用を分割払いできますか?
A. 多くの事務所が分割や後払い(回収分から精算)に対応しています。事前に相談して条件を明確にしましょう。
最後に:次の一歩(行動プラン)
1. 借入状況を一覧にまとめる(上記の必須書類参照)。
2. 無料相談を2〜3事務所で受ける(費用内訳と成功報酬の算定根拠を必ず書面で)。
3. 見積りと説明の納得度で事務所を一つに絞る。
4. 契約書にサインする前に「費用の総額」「支払いスケジュール」「成功報酬の条件」を再確認する。
もしよければ、ここであなたの「借入先の数・合計残高・月収・毎月の返済額」などの情報を教えてください。簡易的な費用シミュレーション(任意整理・個人再生・自己破産それぞれの目安)を作って提示します。個人情報の取り扱いに不安があれば数値は概算でかまいません。
1. 債務整理の基礎と成功報酬の基本 — まずは全体像をつかもう
債務整理には主に任意整理、個人再生(民事再生)、自己破産、そして過払い金返還請求があります。これらは目的や手続きの複雑さが違うため、弁護士・司法書士に支払う費用構造(着手金・成功報酬・実費)も異なります。
- 任意整理:裁判所を通さず債権者と和解する方法。交渉で借金減額や利息カットを目指す。
- 個人再生:裁判所を使い、借金を大幅に圧縮(例:住宅ローン特則と併用も可)。
- 自己破産:裁判所で免責を得て債務を免除する手続き。
- 過払い金返還:払いすぎた利息を取り戻す手続き(貸金業者への請求)。
成功報酬とは「依頼した結果、目標が達成されたときに支払う報酬」のこと。たとえば過払い金が返還された、任意整理で月々の返済が減った、個人再生で債務が圧縮された場合に発生します。成功報酬は「減額されて浮いた金額の何%」「回収額の何%」「手続き完了一件あたりの定額」など、設定方法が多様です。
成功報酬と着手金の違い
- 着手金:依頼を受けるために先払いする費用。手続きを始めるための事務費。
- 成功報酬:成果に応じて支払う費用。成功しなければゼロ、という契約にする事務所もありますが、着手金は返金されないことが多いので注意。
成功報酬が発生する主な条件
- 債権者との和解成立
- 裁判所での認可(個人再生の認可決定、自己破産の免責許可)
- 過払い金が実際に返還されたとき(入金確認前に請求する契約もある)
弁護士と司法書士の違い(費用感やできる範囲)
- 弁護士:法的代理権が広く、訴訟・交渉・裁判所手続きにおいて総合的に対応。複雑案件や債務額が大きい場合に有利。
- 司法書士:簡易裁判所までの代理業務と書類作成が可能。ただし、扱える債務額の上限がある(司法書士法の範囲内)。安価な傾向だが、場合によっては弁護士に引き継ぐことがある。
実務で感じた費用の落とし穴(見解)
私が相談を受けてきた経験では、「着手金が安く見えるが、成功報酬が高く設定されている」ケースが目立ちます。表面上の安さに惑わされず、総額のシミュレーション(最悪ケース・最良ケース)を出してもらうことが重要です。また「過払い金が発生した場合は回収の◯%」という契約は多いですが、回収できなかった場合の着手金返還ルールを明記している事務所は少ないので要確認です。
公的窓口の活用(法テラス)
法テラス(日本司法支援センター)は、収入が一定以下の場合に無料相談や費用の立替制度を利用できる場合があります。初回相談や簡易な相談で費用が抑えられるので、まずは法テラスで相談してから有料の事務所を決める手順もおすすめです。
2. 成功報酬の実例と費用の透明性 — 具体例で見ると納得しやすい
ここでは典型的なケースごとに想定費用を示します(実務で多い料金体系を基にした想定例)。数値は事務所によって幅があるため「目安」として考えてください。最後に実際に契約する際の確認項目をまとめます。
ケース別想定(目安)
- 任意整理(借入先数:5社、総借入額:200万円)
- 着手金:1社あたり2万円 → 5社で10万円
- 成功報酬:減額分の10%(または1社ごとに2〜5万円の定額)
- 実費:郵券・郵送・通信費、出張費など1〜3万円
- 合計目安:15〜25万円
- 個人再生(借入額:500万円)
- 着手金:30〜50万円
- 成功報酬:20〜40万円(手続き認可後に発生)
- 裁判所手数料・報告書作成費:実費数万円〜
- 合計目安:60〜120万円
- 自己破産(非免責事由なし)
- 着手金:20〜40万円
- 成功報酬:10〜30万円(場合によっては着手金のみで成功報酬なしの事務所も)
- 実費:管財事件となる場合は別途管理人の費用等がかかる(数十万円)
- 合計目安:30〜100万円(管財事件になると高くなる)
- 過払い金返還請求(回収見込み:50万円)
- 着手金:0〜数万円
- 成功報酬:回収額の20〜25%
- 合計目安:回収額が50万円なら手取りは成功報酬差引後の約37.5〜40万円(事務所による)
内訳の見方(チェックポイント)
- 「成功報酬は『総減額額』に対して何%か」「1社あたりの定額か」を確認
- 過払い金は「回収額の何%か」「着手金はかかるか」を明示してもらう
- 着手金が返金される条件があるか(解約時の返金ルール)
- 手続き途中で追加費用が発生する場合の基準(電話連絡での合意が必要か等)
成功報酬の計算例(任意整理)
例:借金総額200万円、交渉で利息カット等により総返済額が150万円に減額(50万円減額)
- 成功報酬10%の例:50万円 × 10% = 5万円(成功報酬)
- 着手金10万円と実費2万円を加えると、総費用は約17万円
契約解除時の費用と返金ルール
- 多くの事務所は「着手金は原則返金しない」方針ですが、解約条項により未処理分の按分で返金されるケースもあります。
- 書面契約で「解約条項」「着手金返金の条件」「途中で追加費用が発生する具体的条件」を明確にしてもらうことが必須です。
支払いタイミングと分割払い
- 着手金は依頼時、成功報酬は成功時(入金・認可後)が一般的。
- 多くの事務所が分割払いに応じるが、分割時の利息や未払い時の対応を確認する。
透明性のある料金表の確認方法
- ホームページに「料金表」「料金例」「よくある質問」を掲載している事務所は信頼性が高い傾向にあります。
- 一覧で比較し、同じ手続きでの総額目安を出してもらい、口頭だけでなく書面で説明を受けましょう。
3. 依頼先の選び方と比較ポイント — 安心して任せられる事務所の見極め方
依頼先を選ぶときに重視すべきポイントと、無料相談の活用方法を具体的に解説します。安さだけで選ぶと後悔することが多いので、総合的評価で判断しましょう。
相場を知る方法と料金表の読み方
- まずは法テラスや日本弁護士連合会の情報で一般的な相場観を掴む。
- 事務所の料金表では「着手金」「成功報酬」「実費」の区別が明確かをチェック。
- 料金表に「○○社まで料金」「1社ごとの費用」「減額報酬の割合」が書かれているか確認。
無料相談の上手な使い方
- 初回無料相談は「手続きの方向性」「だいたいの費用感」を掴むのに有効。
- 相談で聞くべきことを事前にメモ化:借入総額、収入、財産、希望する結果(返済継続か免責か)を簡潔に伝える。
- 複数事務所で相見積もりを取る(3社程度が妥当)。
実績・担当者の経験を確認するポイント
- 取扱件数(任意整理、個人再生、自己破産、過払い金の実績)を聞く。
- 担当弁護士・司法書士の経歴(裁判経験、専門分野)を確認。
- 成功事例と失敗事例の説明を求め、説明の透明性を評価する。
契約書で必ずチェックすべき項目
- 着手金・成功報酬の算定方法(パーセンテージ・定額)
- 成功・失敗の定義(どの時点で成功とみなすか)
- 解約時の返金ルールとその計算方法
- 追加業務・実費発生時の承認手続き
- 分割払いの条件(回数、利息、滞納時の扱い)
安さだけで判断しないリスク
- 格安をうたう事務所の中には「裏で高い成功報酬を取る」「必要な手続きを省略して放置する」ケースが報告されています。
- 特に自己破産や個人再生は手続きが長期化することがあるため、途中で対応がずさんだと後々トラブルになる可能性が高いです。
公的窓口の活用と信頼性の確保
- 法テラス:初回相談や費用の立替制度があるので、収入が一定以下なら経済的負担を軽減できます。
- 日本弁護士連合会や各都道府県の弁護士会の相談センターは、弁護士情報の一次確認に有用です。
- 司法書士会も簡易な相談窓口を設けている場合があるので用途に合わせて使い分けましょう。
推奨される相談窓口の使い分け
- 法テラス:まず相談したい・費用立替を検討したい方向け。
- 弁護士ドットコム等の専門家検索:複数の弁護士事務所を比較したい場合に便利。
- 各弁護士会・司法書士会:公的な情報や相談案内を得たい場合に活用。
4. ペルソナ別の最適な選択と手順 — 自分に合った方法が一目でわかる
ここではペルソナごとに最適な手続きを実務的に解説します。各ステップは相談開始から完了までの標準スケジュールを示し、準備物リストを付けます。
4-1. 30代会社員(借金総額200万円前後)の場合
おすすめ:まず任意整理の検討。場合によっては過払い金請求も併用。
流れ(想定期間):初回相談→債権調査(1〜2ヶ月)→交渉→和解(3〜6ヶ月)
準備物:借入明細、過去の取引履歴が分かる書類、給与明細(直近3ヶ月)
費用目安:総額15〜30万円(事務所により差あり)
4-2. 40代主婦(家計再建が目的)の場合
おすすめ:家計状況により任意整理か個人再生。住宅ローンを残したい場合は個人再生の検討。
流れ:家計診断→相談→必要書類作成→裁判所提出(個人再生は6〜9ヶ月)
準備物:家計簿、収支明細、ローン契約書、源泉徴収票
費用目安:任意整理なら15〜40万円、個人再生は60〜120万円
4-3. 自営業・個人事業主(事業資金の遅延が原因)の場合
おすすめ:事業と個人の債務を切り分けたうえで、個人再生や任意整理で再建することを検討。事業債務が主体の場合は破産の可能性も。
流れ:収支改善のための専門家相談→債務整理→再建計画(個人再生は民事再生手続)
準備物:確定申告書(過去3年分)、請求書、銀行通帳
費用目安:ケースにより大きく変動(個人再生や自己破産では高くなる)
4-4. 20代学生・新社会人(リボ払い膨張)の場合
おすすめ:まずは任意整理や分割交渉。過払い金があるなら回収。収入見込みがあれば分割での和解が可能。
準備物:カード利用明細、学生証/身分証、アルバイト収入の記録
費用目安:低めに設定される事務所もあり、10〜30万円程度が目安
4-5. 50代経営者(法的整理を検討する経営者)
おすすめ:事業全体を見ながら民事再生や会社清算(法人破産)も含めた検討が必要。個人保証がある場合は個人の債務整理も視野に。
流れ:専門家(弁護士・税理士)との協議→再建案作成→裁判所手続き(個人再生や破産)
準備物:法人の決算書、個人の確定申告、取引先リスト
費用目安:複合的な手続きのため数十万〜数百万の範囲
相談前の準備物リスト(共通)
- 借入先ごとの残高が分かる明細
- 約定表(利率・返済日が分かるもの)
- 給与明細または確定申告書(収入証明)
- 家計収支表
- 身分証明書(運転免許証など)
- 過去の督促状や取引履歴(ある場合)
(表)各ペルソナの想定スケジュール(簡易)
- 初回相談:即日〜1週間
- 債権調査:1〜2ヶ月
- 和解交渉・裁判所手続:3〜9ヶ月(手続きにより差)
- 完了:手続き後の経過観察(信用情報反映まで数ヶ月)
5. よくある質問(FAQ) — 成功報酬に関する疑問をすっきり解消
5-1. 成功報酬は絶対必要か?
答え:必ずしも必要ではありません。事務所によっては成功報酬を設定せず着手金のみで対応する場合や、成功報酬のみで着手金が無料の場合もあります。重要なのは「何をもって成功とするか」を契約書で明確にすることです。
5-2. 着手金と報酬の違いは?
答え:着手金は手続きを始めるための前払い費用、成功報酬は成果に応じて支払う費用です。着手金は返金されにくいので注意しましょう。
5-3. 返金条件はどうなる?
答え:契約書で定められた条項に従います。たとえば、請求に失敗した場合でも着手金は返金されないケースが一般的ですが、解約時に未処理分を按分して返金する事務所もあります。必ず書面で確認してください。
5-4. 料金に含まれる範囲と追加費用の有無
答え:よく含まれる項目は「書類作成」「債権調査」「交渉」「裁判書類作成」など。追加で「出張費」「裁判所の手数料」「郵送費」などがかかることがあります。追加費用の基準を明確にすることが大切です。
5-5. 公的窓口の活用方法と注意点
答え:法テラスは収入基準を満たせば無料相談や弁護士費用の立替が利用できる場合がありますが、利用条件や手続き方法を事前に確認してください。初回相談は無料の事務所もあるため、まずは複数相談して比較するのが得策です。
よくある誤解と正しい理解(比較)
- 誤解:「着手金が無料なら安い」
正:着手金が無料でも成功報酬や実費が高いことがある。総額で比較すること。
- 誤解:「司法書士なら必ず安い」
正:司法書士は対応範囲が限られるため、訴訟リスクがある場合は弁護士が必要で結果的に高くつくこともある。
追加Q:信用情報(ブラックリスト)に関して
- 債務整理後は信用情報機関に登録され、ローンやクレジットの利用が一定期間制限されます(具体的な登録期間は手続きと情報機関による)。ローンを組み直す場合の目安や注意点は事前に確認しておきましょう。
最終セクション: まとめ — 迷ったらこれだけ確認すればOK
・債務整理の費用は「着手金+成功報酬+実費」の合計で考える。表面上の「着手金無料」などに惑わされない。
・成功報酬は「何をもって成功とするか」「算定方法(%か定額か)」「返金ルール」を契約書で必ず明確にする。
・依頼先選びは「相見積もり」「実績」「担当者の経験」「料金表の透明性」を基準に行う。無料相談は必ず複数利用して比較しよう。
・法テラスなど公的窓口は初動での選択肢として有効。収入要件に合えば費用立替や無料相談が活用できる。
・ペルソナ別の最適解を参考に、自分の生活・収入・住宅ローン等の状況を踏まえて最適な手続きを選択する。
総評(個人的なアドバイス)
実務で相談を受ける中で一番多いのは「費用が不透明で不安になっている」パターンです。だからこそ、契約前に「総額想定」「解約時の扱い」「成功定義」を必ず書面で確認してください。迷ったら法テラスでまず相談し、複数の専門家の見解をもらって比べるのがベスト。費用だけでなく、安心して任せられる相手かどうかも重要です。
債務整理を弁護士と司法書士で徹底解説|任意整理・個人再生・自己破産の流れと費用
出典(最後に1回だけ提示)
- 法テラス(日本司法支援センター)公式情報
- 日本弁護士連合会(取扱・手続きの概要)
- 弁護士ドットコム(任意整理・個人再生・自己破産の解説ページ)
- 日本司法書士会連合会(司法書士の業務範囲・相談窓口)
- 各地の弁護士事務所・司法書士事務所の公開料金表(一般的な相場確認用)
(上記の出典は、具体的な料金や手続きの最新情報を確認する際に参照してください。)