督促状と催告書の違いは?払えない場合は?5分で分かる対応方法まとめ

カードローンの催告書が届いたら|返済が難しい時の対処方法2つ

未払い金の支払いを迫る2つの手紙「督促状」と「催告書」について

支払うべきお金を未払いのままにしておくと、住んでいる家に「督促状」や「催告書」が届きます。

 

この記事では、督促状と催告書は何が違うのか、どちらが先に来るのか、未払い金の時効はあるのか、といった事を解説します。
実際に家に督促状が届いて驚いた方や、お金がピンチで支払いができそうにない方、ぜひ読んでみてください。

 

 

督促状と催告書の届く順番は?どっちの方が深刻なの?

督促状とは?未払い初期における請求書!

督促状というのは、未払い金の支払いを要求する文書です。返済が滞った初期段階に送られてきます。
初期段階だけあって、文面はそれほど厳しいものではありません。ただ単に支払いを忘れていて督促状を受け取るケースも多いです。

 

督促状の内容は?

督促状の内容は、請求金額、支払期限、支払い方法などです。未払い金の存在を知らせるため、改めて送られる請求書と言えるでしょう。

 

督促状は、一度無視したとしても、数回に渡って送られることも多いです。無視し続けていると、後に詳しく紹介する「催告書」が届きます。

 

督促状が送られて来ている内に未払い金を入金したり、連絡して支払いについての相談を行ったりするのがベターと言えます。

 

「支払督促」というのもあるけど、督促状とは違うの?

「支払督促」とは全く別物です!

 

未払い金にまつわる用語で、「督促状」と似た字面のものに「支払督促」があります。しかし、この2つは別物です。

 

支払督促とは?

支払督促(督促命令または支払命令とも)は、債権者が裁判所で手続きを行うことで発生します。そこで書類審査に通れば、裁判所から債務者に未払い金の支払い命令が送られます。

 

債務者は、この命令を受け取ってから2週間以内に異議申し立てを行わなければ、命令に納得したとみなされます。
そうなれば、債権者は債務者の財産を強制的に差し押さえ、未払い金を回収できます。
しかし、支払い命令から2週間以内に債務者が異議申し立てを行った場合、事態は通常訴訟へ移行し、以後は裁判で争うことになります。

 

このように支払督促は、優しく支払いを請求する手紙である督促状と比べ、だいぶ強力な請求方法です。両者を混同しないように、注意しましょう。

 

催告書とは?督促状を無視していると届く、深刻な最終通告!

催告書は、督促状を無視し続けていると届きます。未払い金の支払いを要求する手紙という点では督促状と同じですが、文面は督促状よりも大分厳しいものになっています。もはや単なる支払い忘れとは考え辛い段階なので、厳しい文章も当然と言えるでしょう。

 

催告書の内容は、改めての支払い請求と、「記載された期日までに支払いを行わなければ法的な手段も駆使して解決を図る」というような最終通告です。もちろん脅しではなく、無視すればいつ強制執行が起こるか分かったものではなくなります。

 

他に、催告書は内容証明郵便で届くという点で、督促状と異なります。これは催告書による通告が確実に行われたという証明であり、債権者の回収への強い姿勢の表れでもあります。
また、延滞している未払い金が借金の一部であった場合、督促状では延滞分のみの支払いを要求しますが、催告書では延滞分のみでなく借金の全てを返済するように要求します。

 

つまり、督促状と催告書の違いってどこにあるの?

督促状と催告書について別々に紹介して来ましたが、違いを見やすくまとめると、次のようになります。

  • 順番的に、督促状が先に来て、催告書は後に来る
  • 督促状は文面が優しく、催告書は文面が厳しい
  • 督促状は確認の意味もこめた再請求で、催告書は法的措置を見据えた最終通告
  • 督促状は普通郵便で届き、催告書は内容証明郵便で届く
  • 延滞分以上に借金が残っている場合、督促状は延滞分の支払いを要求し、催告書は借金の全ての支払いを要求する

なお、未払い金が「年金」の場合は例外です。年金では、催告書が先に来て、督促状が後から来ます。

 

年金の督促状が来たら、すでに法的手段に訴えられる寸前だと思って良いでしょう。

 

催告書が来ても放っておいたら、どうなるの?

催告書が届いても無視していると、債権者は法的手段をとります。時期は債務者に知らされません。債務者が財産を隠したり、逃亡したりする可能性があるためです。そのため、債務者には突然差し押さえ予告や支払督促が届きます。

 

支払督促を受けたのであれば、2週間以内に異議申し立てをすれば裁判で争うことができますが、契約書などの証拠が残っていることがほとんどで、債務者側が勝利できる見込みはかなり薄いでしょう。

 

結局ほとんどの場合、給料や財産を差し押さえられて、強制的に未払い金を回収されるということになります。
どうしても返済能力が足りない場合、自己破産や任意整理で債務整理をしていくことになります。

 

 

借金の時効は?督促状や催告書が届いたら要確認!

借金には時効があります。「長年回収しないのであれば、法的に保護するにも限度がある」というような考えに基づいています。

 

時効の長さは、債権者が誰なのかによって異なります。債権者が債務者の家族や友人の場合、時効は10年です。債権者が消費者金融などの法人の場合、時効は5年です。

 

時効の起算日は?

返済期日がある債務で、一度も返済が行われていない場合「一度目の返済期日の翌日」です。
返済期日がある債務で、一度以上返済があった場合「最後に返済が行われた日の、次の返済期日の翌日」です。
返済期日のない債務で、一度も返済が行われていない場合「契約日の翌日」です。
返済期日のない債務で、一度以上返済があった場合「最後に返済が行われた日の翌日」です。

 

自分の借金が時効かどうか知りたい!調べてもらえる?

借金が時効になっているかどうかを、債務者1人で調べることは難しいです。転居を繰り返しているケースなどでは、債務者が気づかないうちに、時効が延長されている可能性もあります。

 

時効を確かめるためには、借金の知識が豊富な司法書士か弁護士に依頼し、調査してもらうのが良い方法です。中には、無料サービスで調査を行ってくれる法律事務所もあるようです。

 

時効リミットが経過する前に時効を利用する意思表示をしてしまうと、債権者があわてて時効の中断を行うことも考えられるので、できるだけ確実に時効かどうか知っておきましょう。

 

借金の時効が成立するために、絶対に必要な2つのポイント!

時効は、時効期間の経過と時効の援用(時効で恩恵を受ける人が時効を利用する意思を示すこと)で成り立ちます。

 

そのため、借金の時効を成立させるためには

返済が行われていない状態が時効期間の長さだけ続いていること
債務者が債権者に対して時効を利用する旨を伝えること

の2つの条件が満たされることが必須です。

 

ただし要注意!「時効の中断」が起こると時効は先延ばしに!

借金には時効があるとは言え、債権者は時効の中断を行うこともできます。
時効の中断が起こると、時効の経過時間がリセットされ、また1から日数が数え直しになります。

 

債権者が損をしたり、債務者が逃げた者勝ちになったりするのを防ぐためにある制度です。

 

次のような場合に、時効の中断が起こります。

  • 債権者が裁判上の請求をする:裁判所への訴状提出や支払督促の申立など。
  • 債権者が債務者の財産等に対して差し押さえ・仮差し押さえ・仮処分のいずれかを行う。
  • 債務者が債務を承認する:債務者が一部支払いを行う、書面で支払いを約束するなど。
  • 債権者が債務者に催告する:通常、内容証明郵便で催告する。効果は一時的で、6ヵ月以内に裁判上の請求等を行わなければ無効になる。

 

借金の消滅時効の援用について、もっと詳しく!

時効が成立する条件の1つに、「時効の援用」があることはすでに紹介しました。借金の時効の援用とは、債務者が債権者に対して時効を利用するという意思表示を行うことです。

 

時効の援用には方法の定めがないので、口頭でも一応OKですが、後々のトラブルの可能性も考えれば証拠を残しておく方が良いです。そのため、内容証明郵便を送る方法が一般的です。

 

内容証明郵便の中身には、借金の内容と時効の援用をする旨を記載します。しっかりと時効までの期間が経過していれば、これで時効が成立します。

 

借金の消滅時効援用を依頼したい!どうすればいい?

借金の時効の援用には、債権者とのやりとり、必要書類の作成・送付、時効が成立するか否かの調査といった作業が伴います。必要な書類というのは、債権者に時効を援用する旨を伝えるものです。

 

これらを自力で行う事も不可能ではありませんが、専門家に依頼するとスムーズで確実です。依頼対象は、弁護士、司法書士、行政書士の3パターンが考えられます。

 

弁護士には全てのケースで依頼できると考えて良いです。司法書士には、債務の元金が140万円以下なら依頼できます。行政書士には、内容証明書類の作成のみを依頼できます。しかし、料金的には行政書士が最も安いです。

 

どれを選ぶにせよ、借金関係の依頼に強く、信頼できる人柄の専門家を選びましょう。

 

 

督促状と催告書について、重要ポイントのまとめ!

督促状と催告書や借金の時効について学んできました。大事な部分をおさらいしてみましょう。

  • 督促状は、未払い初期に届く、優しめな請求書。
  • 催告書は、督促状を無視し続けていると届く、最終通告。
  • 催告書を無視すると、法的手続きを駆使して未払い金を回収される。
  • 督促状よりも催告書の方が深刻度がずっと高い。
  • 借金は5~10年で時効を迎える。
  • 借金の時効は、債権者の行動次第で中断(リセット)される。
  • 時効を完成させるには、「時効成立分の時間が経過すること」と「時効の援用」が必要。
  • 時効の援用は、専門家に依頼すると確実。

督促状や催告書が届いた際、してはいけないのは無視です。たとえすぐに払えない状況であっても、連絡をして正直に相談することが大切です。
逃げ回るのではなく、誠実な態度でいるのが、問題解決の近道と言えるでしょう。

 

 

【おまけ】督促状の内容証明ってどうやるの?

督促状であっても、内容証明郵便で送付することはできます。証拠として残りますし、回収への真剣な態度を示すことができます。
作成方法として、まずは内容証明の規定通りの文を作ります。「縦書きなら、1枚の紙につき1行20文字以内で26行以内」等の細かい決まりがあるので、しっかりと守りましょう。

 

作成したら2枚分コピーし、計3枚を郵便局に持参します。手元に残すためのものと、郵便局側で保管するもの、相手方に送るためのものです。
問題がなければ、通常の郵便料金に内容証明料金を加算した額を払って送付します。これで、内容証明ができます。

 

【おまけ】市民税の催告書も、無視すると危険?どうなる?

市民税を滞納している場合も、もちろん督促状や催告書が届きます。
この催告書を無視していると、差押予告書が届きます。その後、やはり財産等の差し押さえをされることになります。

 

給料差し押さえのため、職場へも連絡が行き、信頼を失うことにもなります。

 

また、延滞している間は延滞税が発生するので、時間が経つほどにどんどん損をしていきます。そうなる前に、市民税が支払いが難しい人は市役所へ相談に行きましょう。