支払督促が届いたら無視するのはNG!その理由と対処法を徹底解説

支払督促が届いたら無視するのはNG!その理由と対処法を徹底解説

支払督促を無視するとどうなる?危険を回避するための対処法とは

借金の返済ができず、貸金業者からの取り立てを無視し続けていると、ある日突然裁判所から支払督促という書面が特別送達で届く場合があります。
これまでの督促とは明らかに雰囲気が違う書類に、初めて受け取った方は戸惑ってしまうこともあるでしょう。

 

しかし支払督促が送られてきた時点なら、きちんと対処すればまだ交渉の余地があります。逆に対処をせずに放置してしまうと大変なことになりかねません。
この記事では支払督促が届いた時に無視してしまうとどうなるのか、またどのように対処すれば良いのかを解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

 

 

支払督促を無視してはいけない理由はコレだ!

貸金業者はお金を貸した相手(債務者)が一向に返してくれない、または債務者と連絡が取れないという場合に、裁判所で法的に解決してもらうために支払督促の申立てを行います。債務者側が支払督促を受け取った後も、無視を続けてなにも返事をしなければ、債権者の一方的な言い分が法的に認められて、債権者は問答無用で財産を差し押さえる強制執行の手続きができるようになります。支払督促が送られてくるタイミングは、債権者が債務者に対して和解交渉に応じてもらえる最後のチャンスだと言っても過言ではありません。むしろ極端な話、債権者側としては異議申し立てをしてこない方が、法的に強制執行の手続きに進めるので都合が良いのです。「差し押さえるほどの財産なんてないから平気」なんて高を括っていたら、痛い目に合うかもしれませんよ。支払督促を無視した場合どのようなことが起きるのか、少し詳しく解説していきましょう。

 

支払督促を無視したらこうなる!一体何が起こるのか?

まず債権者が裁判所に支払督促の申立てをすると、裁判所はその事実を債務者に通知するために、郵送方法の中でも法的効力がある特別送達という方法で、確実に本人の手に渡るよう郵送をします。特別送達という郵送方法で送られた書面は、本人に届けられたことをきちんと証明できるようになっているので、あとになって「そんな書類受け取っていません」と言っても通用しません。支払督促が届いてから2週間は、債務者が異議申し立てをする猶予期間になっていて、その期間中に異議申し立てがなければ、債権者は「仮執行宣言」の申立を行います。仮執行宣言の申立が裁判所で受理されると、次は「仮執行宣言付支払督促正本」という書類が送られてきます。これが送達されてから、再度2週間以内に異議申立てをしなければ、仮執行宣言は確定されます。仮執行宣言の段階まで行くと、債権者の言い分通りの支払金額と支払方法が法的に認められるので、その通りに支払われなければ債権者は強制執行の手続きができるようになってしまいます。強制執行とは、法律に則って債務者の財産を差し押さえて債権を回収する方法で、家や自動車、預金などの財産はもちろん給料の4分の1までなら差押えることができます。給料を差し押さえるとなると、勤務先に裁判所から令状が届きますから、借金問題でもめていることを隠しておくことは不可能です。勤務先によっては今後仕事をしていくのにも支障が出る場合もあります。そうなると将来的な生活にも大きく影響するでしょう。支払督促が送られてきた後の2週間は、今後の生活をも左右してしまうターニングポイントなのです。

 

実際しようと思えば支払督促は無視できる!でも最悪の結果に繋がる可能性も

支払督促は特別送達という郵送方法で送られてくるのですが、特別送達で送られてきたものを受け取らないということが可能かどうかを検証してみましょう。まず特別送達は原則郵便局員が本人に直接手渡しをしなければなりません。本人が受取を拒否したとしても、受取拒否は法的に認められていない書類なので、郵便局員はそれを説明し受け取ってもらうか、その場に置いて帰ることが許されています。本人が不在、または居留守を使って出てこない場合は、不在連絡票を投函して再配達の連絡を待ちます。受け取り期限内に連絡がない場合、特別送達の文書は裁判所に一旦戻ります。そうすると債権者は、休日指定配達や勤務先への配達を試みます。それでもやはり配達が出来なかった場合は、「公示送達」という方法によって手続きを進めることができるようになります。公示送達とは裁判所の掲示板に一定期間貼り出されることで、送達は完了したものとして取り扱われる方法です。受け取りを拒否し続けたり、郵便局員の訪問を無視し続けたりしても、最終的には半ば強引に手続きを進められるようになるので、裁判や訴訟の進行を止めることはできません。勤務先にも配達されるため現実的にはかなり難しいかもしれませんが、実際無視しようと思えば無視することもできます。ただし無視したところで、債務者不在のまま相手側の一方的な言い分だけで判決が下され、法的に支払いを命じられることになるので、債務者にとってはデメリットしかありません。

 

 

支払督促と督促はがきは似ているけど違う!違いを見極めて適切な対処を

ここまで解説してきた支払督促とは、裁判所から送られてくる書類のことです。返済を滞納している状態であれば、消費者金融会社やクレジット会社、銀行などの貸金業からも督促ハガキや文書が届きますが、債権者から送られてくるものと裁判所から送られてくる支払督促とでは意味合いが変わってきます。早めに対応しておけば、裁判所から督促文書が届く可能性も各段に下がりますから、どの督促文書にも真摯に対応するのがベストなのですが、どうしても事情がある場合はきちんと違いを見極めて適切な対処をしましょう。まず違いを見極める一番分かりやすい方法は、郵送方法です。貸金業者から送られてくる督促文書は普通郵便や内容証明といった郵送方法ですが、特別送達は法的な機関でなければ取扱いができない郵送方法なので、特別送達で届く書類に関しては特に注意が必要です。また督促文書に記載されている発行元は通常貸金業者の社名ですが、支払督促の場合差出人は簡易裁判所の名前と連絡先が入っています。こういった文書の違いをしっかり見極めて適切に対処しましょう。裁判所からの支払督促が届くほど放置してしまった背景には、返済が難しいという状況が考えられますが、債務整理など法的な制度を利用して救済措置を受けることもできます。少額なら返済が可能という状況であれば任意整理で契約内容を見直してもらったり、個人再生で借金残高を減額してもらったりすることもできます。全く収入の見込みがなく返済ができないという状況であれば、自己破産で返済義務を免除してもらうこともできます。しかし支払督促が届いたままにしておくと、そういった選択肢すらなくなってしまうので、早めに対処する必要があるのです。

 

 

支払督促が届いたけど一括返済なんて無理!どうしたらいいの?

裁判所から支払督促が届く場合、借金の全額返済を求める内容がほとんどなので、支払いに応じるのは非常に難しいでしょう。そういった場合でも放置では解決しませんので、まずは同封されている異議申立書に分割返済での和解を希望する旨を記入して、2週間以内に裁判所に提出しましょう。異議申立てがあれば支払督促の法的効力は一旦なくなり、債権者がその後支払督促の申立を取り下げるか、訴訟を起こすかの選択をします。訴訟を起こすとなると時間も費用もかかるので、債権者に連絡をして和解をしたい旨伝えれば応じてくれる可能性は高いです。この時自分で交渉をするのが難しい場合は、弁護士に相談をして対応を依頼することもできます。弁護士に委任すれば弁護士費用が必要になりますが、専門家の目で見て債務者に有利になるよう交渉を進めてくれる心強い味方を付けることができますし、現在置かれている状況からどのような債務整理をすれば解決できるのか一緒に考えてくれるはずです。弁護士費用を支払うことが難しければ、法テラスなどの国による支援を受けられる場合もありますから、まずは相談してみることが解決に繋がる第一歩です。

 

 

支払督促が届いたけど借金そのものに身に覚えがない場合はどうしたらいいの?

身に覚えがない借金に対して、裁判所が支払督促を出すなんてありえないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、現実問題として悪徳業者の架空請求が支払督促で確定してしまうケースがあります。なぜそんなことが起こってしまうのかというと、支払督促の申立は手続きが簡略化されているので、申立ての時点では借金についての証拠の提出は必要がないのです。きちんと書式が守られた申立書などの書類が提出されれば、裁判所は受理せざるを得ません。ですから身に覚えがないからといって、支払督促を無視してしまうと、実際借りたわけでもないお金が法的に借金として確定されて、返済義務が発生してしまうのです。もし身に覚えがない請求で支払督促が届いたら、異議申立書に借金をしていないこと明記して裁判所に提出しましょう。また違うパターンとして、支払督促を装った悪徳業者から手紙が届くことがあります。先ほども解説したように、裁判所から送られてくる正式な支払督促は、郵便局員が手渡しで郵送されます。郵便ポストに最初から投函されることはありません。そういった不審な手紙が届いた時は、記載されている裁判所名や連絡先が正しいのか電話帳や消費生活センターに問合せて確認しましょう。間違っても直接連絡してみることだけは避けてください。

 

 

支払督促を無視すると危険!理由と対処法まとめ

支払督促は強制執行をするために必要な手続きでいうと最初の段階です。最初の段階とはいっても、債務者に猶予はそれほど残されていません。支払督促が届いたあと、何もしなければ財産や給料の一部も差し押さえられてしまいますので、無視をせず適切に対処しましょう。一括返済に応じることができない状況ならば、異議申立書を提出して債権者との和解にむけて交渉を始めましょう。債権者を相手に自分で交渉するのが難しい場合は、弁護士や司法書士に対応を依頼することもできます。法律事務所では無料相談やカウンセリングも行われていますので、借金問題を解決するためにはどうすれば良いのかアドバイスをもらいましょう。