債務整理するなら結婚前と後どっちがいい?配偶者に迷惑はかかる?

債務整理が結婚に及ぼす影響:借金があっても結婚出来る?

債務整理の経験があっても結婚は出来る?出来ない?

「借金を抱えていて債務整理を検討しているのだけれど、そろそろ付き合っている人との結婚話が持ち上がってきそう!債務整理したら結婚出来なくなったりしない?」このような悩みを持っているかたもいらっしゃるでしょう。今回は、債務整理が結婚にどんな影響を与えるかについて徹底解説いたします。

 

 

債務整理しても大丈夫?配偶者や結婚生活に影響は出ない?

配偶者も借金を背負うの?

結論から申し上げますと、債務整理と結婚とは法的にまったく関係がないので、債務整理をしても結婚することには何の問題もありません。よく借金でブラックリストに登録されると結婚相手もブラックリストに載ってしまう、配偶者も借金を背負わされるなどという話がネットで広まっていますが、事実無根の噂なのでご安心ください。日本の民法では、「夫婦別産制」の考え方が用いられます。 夫婦別産制とは、結婚前もしくは結婚後に自分名義で所有している財産は、その人だけの財産であるという考え方です。借金や債務整理に関しても、同じ考え方が採用されます。結婚して名字が同じになっても、借金はあくまで債務者だけの問題なのです。

 

結婚生活に影響が出ないか心配

債務整理をして結婚しても、普通に生活が出来ますし配偶者に迷惑がかかることもありません。しかし債務整理後は一定期間、新たにローンを組んだりクレジットカードを持つことが出来なくなります。そのため、住宅ローンを組んだり車を購入する際は自分名義の借入が出来ないので、債務整理をしたことを配偶者に打ち明けていない場合は不審に思われる可能性があります。住宅や車を購入する場合は一般的に男性の名義にすることが多いので、夫が債務整理をしているとローンが組めず、一定期間は住宅や車の購入を諦めなくてはならないケースもあります。妻に経済力があってローンの名義人になれる場合は問題ありませんが、そうなると過去に債務整理をしていることを前もって相談しておくことが大切であるといえるでしょう。

 

クレジットカードやローンが利用出来ない期間は何年くらい?

債務整理をすると信用機関に事故情報として登録され、5年~7年間はブラックリストに掲載されます。また、官報という国が発行している機関紙には10年間掲載されます。その間は、新規でローンを組んだりクレジットカードを発行することが出来なくなります。しかし一生ブラックリストに載るわけではないので、最長でも10年間経過すればマイホームや車のローンを組むこともできます。しかし、過去に債務整理をした金融業者はブラックリストから削除されても社内独自のリストに載っている可能性が高いため、再度借入をするのは困難なケースがあります。その場合は他の金融機関から借入するのがよいでしょう。

 

 

債務整理をするなら結婚前にしたほうがいい?それとも結婚後?

借金がある状態で結婚しても、法律上は借金をした本人のみが返済義務を負うので、配偶者に迷惑はかかりません。しかし、結婚を考えている相手がいるのであれば、早めの債務整理をおすすめします。何故なら、法的には配偶者に返済義務のない借金だとしても、新婚早々返済に追われる生活になれば相手も不安になったり、経済的な負担となる場合がほとんどだといえるでしょう。婚約者に内緒で債務整理をすることは可能ですが、出来れば正直に打ち明けたほうがスッキリした気分で結婚に臨めるといえます。

 

 

結婚で名字が変わった女性や男性の信用情報はどうなるのか?

クレジットカードやローンは結婚で名字が変われば使える?

結婚して名字が変わればブラックリストに載っていても、クレジットカードでのショッピングやローンのキャッシングが出来るのではないかと考えるかたがいるかもしれません。信用情報は氏名によって管理されているため、以前であれば結婚して名字が変わると信用情報を追いかけることが難しいという問題がありました。しかし、現在は各金融機関でこのような問題が起こらないよう工夫を凝らしています。

 

名字が変わったら正直に申請:申し出ないとどうなるのか?

銀行や消費者金融などでは、借入の際に申込書に旧姓を書く欄を設けています。そこに記入することで旧姓による事故情報を追いかけられるようになっています。さらに、本人確認書類の運転免許証や保険証の番号も控えます。こういった公的書類は結婚して名字が変わっても番号が変わらないので、過去の事故情報はすぐに発覚します。ですので、申込書に旧姓を書かずにごまかそうと思っても、必ずバレてしまうと思ったほうがよいでしょう。もしバレずに審査が通ったとしても、ローンには定期的な再審査をする「途上与信」があります。そのときに旧姓を申告しなかったことが発覚すると、カードが取り上げられたうえに金融機関からの信用も失ってしまいかねません。名字の変更に関しては離婚で変わった場合も同様なので、ローン申込の際には必ず正直に申告しましょう。

 

 

債務整理のデメリットまとめ:債務整理は結婚に悪影響があるのか?

・債務整理後に結婚しても、配偶者に請求がいったり配偶者がブラックリストに載ることはない
・債務整理には、5年~10年間ほど信用機関に事故情報が載るというデメリットがある
・ブラックリストに載っている間は、自分名義でローンを組んだりクレジットカードを持つことは不可能
・住宅や車のローンも組めないため、一定期間我慢するか配偶者名義でローンを組むしか方法はない
・借金を抱えたまま結婚すると、経済的に支障があるため債務整理は結婚前にしたほうがよい
・結婚で名字が変わっても他の個人情報から照会するので、ブラックリストから事故情報は消えない

 

 

結婚相手に債務整理したことが何故バレるのか?

債務整理したことが結婚後にバレるケースとして最も多いのが、ローンを組んだりクレジットカードを作ることになったときに審査に落ちてしまうことです。自分名義では借入不可能なため、相手の名義にしてもらう必要がありますが、そうなると理由を問い詰められるのは当然といえるでしょう。人は借金があることよりも、借金があるという事実を隠されたことで、自分が信用されていないと感じてショックを受けてしまうものです。後になってから債務整理したことがバレるよりも、先に話をしておいたほうが円滑な夫婦関係を保つためには良いといえます。

 

 

債務整理したことを理由に離婚されてしまう!?

借金や債務整理は法的には離婚事由にはなりません。そのため、配偶者が多重債務者であったり自己破産をしても、そのことを理由に離婚を要求することは出来ないのです。離婚事由に該当するのは「婚姻の継続が困難な理由」がある場合のみとなります。特に債務整理手続きは借金問題の解決のために行っているので、法律上の離婚事由とは見なされません。ただし、双方の合意があれば離婚事由にあたらなくとも離婚することは可能です。離婚のほとんどは協議離婚なので、現実としては離婚を望んでいる相手と結婚生活を送り続けるのは難しいかもしれません。さらに、借金の理由がパチンコなどのギャンブルや浪費などの場合は、お金にだらしない相手と結婚生活を続けたくないと思われても、仕方がないといえるでしょう。