債務整理を弁護士に依頼するメリットって何？自分でやるのと何が違うの？
消費者金融などからの借金が返せなくなってしまった時の最終的な手段として債務整理を行うという方法があります。
あまり耳慣れない言葉であるので、債務整理と聞いてもどのようなことをするのか分からないという人もたくさんおられることと思います。
債務整理というのは簡単に説明すると、現在の借金を減額することができる方法です。
専門的な知識や煩雑な手続きが必要なので一般的には法律の専門家である弁護士に依頼するのが通常ですが、実は債務整理は自分でも行うこも可能です。
今回このページでは債務整理について詳しく解説してきます。そもそも債務整理とはどのようなことをするのか？
債務整理を弁護士に依頼するメリット・デメリットは？
債務整理を依頼するのにおすすめの弁護士や費用の目安とは？
など皆さんが疑問に感じやすい部分に重点を当てて、分かりやすく解説してきますので是非参考にしてくださいね。
そもそも債務整理って何？わかりやすく解説？
債務整理というのは、簡単に説明すると現在返済している借金の金利を引き下げてもらったり、支払いに猶予をもたせて貰ったりといった具合に、なんらかの形で借金を減額してもらうために行う手段のことです。その手続きには、任意整理、個人再生、自己破産、過払い金請求の4種類があり、それらの総称を債務整理と呼んでいます。それぞれの手続きの特徴を簡単にまとめると以下の通りになります。
任意整理
債権者と交渉することで将来に渡って利息をなくし、月々の返済額を見直しを行う方法です。裁判所を介することもないので周囲の人間に借金をしていることを知られるといったリスクもありません。そのため債務整理の中でも、もっと多くの人に利用されている方法になります。
個人再生
裁判所を通すことで、現在の借金を3年間以内に返済できる額にまで大幅に減額することができる方法です。個人再生の場合は、利用することのできる人の条件が厳しかったり（安定した収入がなくてはならない）、官報に掲載されたりといったデメリットはありますが、持家や車などの一定の財産は手放さなくとも済みます。
自己破産
自己破産とは裁判所に破産申立書を提出することで、免責許可を得て現在の借金をすべて免除して貰う方法です。誰でも利用することが可能で、ほとんどすべての借金を帳消しにすることが出来る方法です。しかし、デメリットやリスクも非常に高いので最終的な手段ともいえます。主なデメリットとしては、持家や車などをはじめほとんどすべての財産を失う、一部の職業に就くことができなくなる、官報に名前が記載されてしまう、借金の連帯保証人に取り立てが及ぶ可能性があるなど数多くのデメリットが存在します。
過払い金請求
払い金請求とは、払いすぎた借金の額を計算して賃金業者に返還してもらう手続きのことです。
債務整理手続きを弁護士に依頼したほうがメリットが大きい
冒頭でも説明した通り債務整理の手続き自体は、個人でも行うことが可能です。しかし、さまざまな理由から債務整理は、法律の専門家である弁護士に依頼するほうがおすすめだといえます。ここでは、債務整理の手続きを弁護士に依頼することのメリットについて紹介していきます。
借金の取り立てから解放される
借金の返済が滞っている人にとって、毎日曜にある賃金業者からの借金の取り立ては非常にストレスとなります。弁護士や司法書士といった法律の専門家に債務整理を依頼すると、その取り立てがすぐにストップします。これは弁護士が債権者に対して「債務整理の代理人となった」ことを通知することで、それ以降は和解が成立するまで債権者は債務者に取り立てができなくなるためです。日々の取り立てから解放されることで、精神的にも余裕が生まれることは借金をしている人にとっては非常に大きなメリットといえます。
余計な手間がかからない
債務整理を行うには、債権者と何度も交渉したり、利息制限法に基づく引き直し計算が必要であったりと、個人で行えるとはいってもとても複雑な手続きや知識が必要であり実際には非常に難しいものです。このような手続きは、とてもじゃありませんが借金の返済に追われながら素人が行えるものではありません。時間や手間を考えても、弁護士や司法書士に依頼するほうがはるかに大きなメリットがあります。
・周囲の人間に秘密にできる
これは後ほど詳しく説明しますが、債務整理を弁護士や司法書士といった法律の専門家に依頼することで借金の存在を家族に内緒にしておくことは可能になります。
・大幅に借金を減らすことができる
債権者と交渉を行って借金の額を減額してもらう為には、専門的な知識に基づいた高い交渉力が求められます。個人で賃金業者などのプロを相手に借金の減額交渉を行うことは、現実的にはとても高いハードルがあります。法律のプロに債務整理を依頼したほうが、より多くの譲歩を相手から引き出すことができるので、結果として大幅に借金を減額することが可能になります。
デメリットはないの？
債務整理の手続きは弁護士や司法書士といった法律の専門家に依頼したほうが、多くのメリットがあることは前述したとおりです。それでは、デメリットはあるのでしょう？結論から申し上げますと、債務整理を専門家に依頼することのデメリットは一切ないといっても問題ないでしょう。実際に借金で苦しんでいる人は、「タダでさえ借金で頭が痛いのに、弁護士費用まで出せない」という人もいるかもしれませんね。弁護士費用が出せないから個人で債務整理を行ったという人も、数は多くありませんが存在します。しかしメリットの項目でも説明したように、プロの賃金業者を相手に素人が調べながら交渉を行ったり、裁判所に煩雑な手続きが必要な申請を行ったりすることはとても難しく、なによりも相手から有利な条件など引き出せるはずもありません。弁護士費用がかかることをデメリットとして捉える人もいますが、実際には弁護士費用を差し引いたとしてもはるかに多くの額の借金を減額することが可能になるのです。以上が債務整理を専門家に依頼することのデメリットはないと言い切れる理由になります。
弁護士と司法書士どちらに頼むのがおすすめ？
それでは債務整理の手続きは、弁護士と司法書士どちらに依頼するのがよいのでしょうか。2003年の司法書士法改正によって司法書士も任意整理の代理人になることができるようになりました。ただし弁護士と比較すると、取り扱える案件はごく一部となってしまいます。また取り扱える案件に限りがある以外にも、個別の債務額にも140万円以内という制限があります。それゆえ特定の1社から140万円を超える借金がある場合には、司法書士では取り扱うことができません。また、仮に任意整理の交渉が和解にいたらなかった場合には、弁護士ならば個人再生や自己破産の手続きに移行することも可能ですが、司法書士は個人再生や自己破産の代理人になることは出来ません。以上の点から債務整理は、はじめから弁護士に依頼したほうがなにかと安心できるのでおすすめだといえそうです。
自分で債権者と直接交渉するのはどうなの？
これまで説明してきたとおり、自分で債務整理を行うことも可能です。法律の専門家に依頼をせず自分で債務整理を行うことの唯一のメリットとしてあげられるのは、弁護士費用などが必要ないという点です。しかし先に説明したように例え弁護士費用を支払ったとしても、法律の専門家に債権者と交渉して貰った方が、より借金が圧縮されやすくなることは間違いありません。何の知識も持ち合わせていない素人が、賃金業者などのプロの担当者や消費者金融といった企業と直接交渉するといったことは実際には非常に難しく、まともに交渉のテーブルにすらついて貰えるものではありません。何よりも借金を抱えた状態で、債務整理の手続きまで自分の行うというのは借金に加えてさらなる精神的なストレスを抱えることにもなってしまいます。やはり専門家に依頼した方が、即座に取り立てがストップするので精神的な苦痛から解放されるという点、早期に解決出来るので時間的の短縮になるという点、大幅な借金の圧縮が期待できるという点などの多くのメリットがあることからもおすすめだといえます。また最近では債務整理を専門とする弁護士なども珍しくありません。相談するだけならば無料で行っている法律事務所などもあるので、まずは気軽に法律の専門家にアドバイスをして貰うのが間違いのない選択肢だといえるでしょう。
弁護士に任せれば払いすぎた借金が戻ってくるって本当？
債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産の他に過払い金請求というものがあります。過払い金というのは、賃金業者などに支払い過ぎていた利息のことです。過払い金請求を賃金業者などに対して行うことで、支払い過ぎていた利息を取り戻すことができるのです。最近ではテレビCMでもよく耳にするワードなので馴染みのある人も多いのではないでしょうか。この過払い金請求も個人で行うことは可能です。しかしこの過払い金請求も他の債務整理と同様に、弁護士に依頼したほうがメリットも大きいのでおすすめです。個人で過払い金請求を行うのは、余計な時間や手間がかかってしまいますし、家族に借金の存在が知られてしまったり、賃金業者から不当に低い和解金を提示されたりしてしまうリスクがあります。和解金を受け取ったのちに、その金額が不当に低いことが判明したとしても新たなに過払い金を請求をすることはできません。（過払い金請求は1つの業者に対して1度きりなので）。このようなリスクを考えると、やはり過払い金請求も弁護士に依頼したほうが安心だといえます。
債務整理は専門家に依頼すれば借金の存在が家族にもバレない？
家族に秘密にして借金をしていたという人は、任意整理をしているということも知られたくないはずです。弁護士や司法書士といった法律の専門家に任意整理を依頼することで、賃金業者との連絡の窓口の役割も果たして貰えます。自宅に賃金業者からの連絡がくることはなくなるので、家族に借金の存在を知られてしまうといったリスクを減らすことができます。法律事務所からの連絡についても、家族に借金の存在を知られたくないという旨を伝えておけば、別の会社名を名乗ったり、事務所名の記載されていない封筒を使用したりという具合に配慮してもらえるので安心ですよ。
債務整理を依頼する法律事務所はここをチェック！
それでは実際に債務整理を依頼する法律事務所は、どのような点を重視して選ぶのがよいのでしょか。ここでは債務整理を依頼する法律事務所を選ぶときに、見るべきポイントを紹介します。
▲法律事務所を選ぶ時にはここをチェック！
・相談料が無料
借金を抱えている人は少しの出費でも抑えたいものです。法律事務所の中には、相談するだけで数千円の相談料を要求するところもありますが、中には無料で相談に乗ってくれる事務所もあります。特に借金問題に詳しい弁護士などの場合には、借金で苦しんでいる人の気持ちや経済状態をきちんと理解しているので、相談を無料で行ってくれている場合が多いです。有料の方が質の良いサービスが受けられると考えてしまいがちですが、借金問題に限ってはそうではありません。借金問題に詳しい弁護士ほど無料で相談を受付けているので、この無料で相談に乗って貰えるかどうかという点に注目するようにしましょう。
・借金問題を得意としている法律事務所を選ぶ
弁護士や司法書士が扱う案件は借金問題以外にも多岐に渡ります。同じ資格を有しているとはいっても、それぞれ得意とするジャンルがあるのも事実です。ですからなるべく債務整理についての知識が詳しく、経験の豊富な弁護士や司法書士の在籍している法律事務所を選ぶようにしましょう。簡単にチェックする方法としておすすめなのが、事務所のWEBサイトを見てみることです。相談可能な分野の一番上に、債務整理や借金問題と記載されているような法律事務所の場合は、その分野を得意としている可能性が高いといます。また相談実績の豊富な事務所ならば過去の判例なども記載している場合が多いので、そういった点に注目するようにしましょう。
・全国対応かどうかをチェック
全国対応の事務所の場合はサポート体制が万全なところが多く、相談件数も多くなることから借金問題について経験豊富な事務所であるといえます。また債務整理は依頼者と直接対面しないと受注してはいけないことになっています。そのため電話やメールなどでOKという法律事務所には注意する必要があります。
・料金体系をチェック
依頼するまえには、その法律事務所の料金体系もしっかりとチェックしましょう。弁護士や司法書士といっても、すべての人が善良とは限りません。中には悪徳な弁護士なども存在するので注意するようにしましょう。信頼できる法律事務所の場合は、料金体系などもはっきりと明示されているのでそれほど難しいことではありません。
弁護士に任意整理を依頼すると結局いくらかかるの？
それでは実際に弁護士に任意整理を依頼すると、どのくらい費用がかかるのかについて説明します。まず弁護士費用の内訳は、相談料、着手金、成功報酬、減額報酬によって決まってきます。相談料は無料のところも多くありますし、着手金も後払いにすることも可能です。成功報酬は任意整理が完了したときに支払う報酬のことで、相場としては1社あたり2万円から3万円程です。減額報酬は減額された借金の額に応じて支払われる報酬のことです。この部分は事務所によっても異なってきますが、減額された借金の額の1/10程度が平均的な減額報酬の相場になります。
債務整理を始めるなら弁護士に依頼したほうが安心
債務整理を弁護士に依頼したほうがよい理由などについて詳しく説明してきました。債務整理を検討している人にとっては参考になったのではないでしょうか。返済することが困難になった借金問題は1人で悩んでいても絶対に解決しません。今回紹介してきたように、無料で相談に乗ってくれる弁護士も増えてきています。債務整理を弁護士に依頼することで、借金解決に向けての糸口となるはずですので、借金返済が難しいと感じているのならば、なるべく早く専門家に相談するようにしましょう。借金問題は長引けば長引くほど難しくなってしまいますよ。
