債務整理をすると現在加入済みの保険は解約しなきゃダメ?対処法は?
債務整理をすると、保険の解約は義務付けられる?
債務整理を検討中の方が、意外と心配になるのが保険。「解約しなければいけないの?」「これから保険に加入することはできないの?」など様々な疑問が浮かぶと思います。今回は、「債務整理と保険」について詳しく解説したいと思います。
では、債務整理をすると、絶対に保険は解約しなければいけないのでしょうか。
ズバリ、債務整理の種類によっては、解約しなければいけない場合もあります。もっとも、絶対的に解約しなければいけないのではなく、債務整理の種類のうちほとんどの場合は、解約しなくても済みます。これからご説明しますが、ある特定のケースに当てはまる場合のみ解約しなければいけないということになりますので、それほど心配する必要はありません。
また、債務整理の種類だけではなく、保険の種類によっても変わってきます。掛け捨て型と積立型が通常ありますが、掛け捨て型の場合は、保険を解約する必要はありません。積立型の場合のみ、解約すると返ってくるお金があるかもしれないため、解約の必要性が出てきます。
このように、債務整理をすると、絶対保険を解約しなければいけないということはありません。債務整理の種類によって影響度も変化するため、それぞれの方法を見ていきましょう。
任意整理をしても保険解約の必要はない
では、任意整理をする場合、保険解約の必要性は出てくるのでしょうか。
まず、任意整理とは、貸金業者や金融機関との合意によって、債務の減額を図る方法です。ここで減額されるのは、元本ではなく利息です。利息を法定利率に引き直して計算し、結果として全体の借金額を減額することができます。任意整理の一番のメリットは自分でどの借金を整理するかを決められることです。ですので、保険を残しておきたい場合は、そのまま残しておくことができます。キャッシングによる借金など減額が必要な借金のみ法定利率に引き直してもらえば良いのです。したがって、任意整理に関していえば、自分で選ばない限り、保険に影響がでてくることはありません。
このように、任意整理をする場合は、自分で債務整理をする借金を選ぶことができるため、自分の財産に対する影響がほとんどないといえます。もっとも、ブラックリストに載るなどの他のデメリットはあるため、検討する際は慎重になりましょう。
では、個人再生をする場合は保険への影響はあるのでしょうか。
まず、個人再生とは、返済計画を裁判所に提出し、認めてもらえた場合に最大1/5まで債務の減額ができる債務整理の方法です。原則として、3-5年で返済しなければいけません。そして、任意整理との大きな違いは元本が減るということです。このため、任意整理とは異なり、自分の財産に対する影響が出てきます。
個人再生をしたからといって、保険解約の義務はありません。しかし、個人再生の手続きでは、保険に加入している場合全て財産目録上に申告しなければいけません。これにより、解約返戻金が多額であると判断された場合は、債務の減額度合いが低くなってしまう可能性があります。個人再生には清算価値の保障原則というものがあります。これは、自己破産した場合に財産処分をして債権者に分配する清算額以上の財産を有している場合は、返済に回さなければいけないというルールです。「減額してあげるのだから、財産がある場合は多く返済してくれ」という債権者の言い分はもっともですね。
例えば、借金が300万円で、解約返戻金が200万円あったとします。そのほかにもっている財産は30万円しかなかったとしても、最低弁済額は230万円です。解約返納金がなかった場合なら、100万円の返済で済むケースもあります。つまり、解約しない場合は、そう返済額が上がり、毎月の返済額もアップしてしまうということです。したがって、現実的に考えると、解約し弁済した上で毎月の返済額を減らすという方法を採らざるをえない場合があるのです。
このように、個人再生をしても、保険解約の義務はありません。もっとも、解約返戻金が多額である場合は、免除額も下がってしまいます。そのため、現実的になると解約したほうが良いケースもあるということを理解しておきましょう。
個人再生をすると、現実的に解約が必要なケースも
では、個人再生をする場合は保険への影響はあるのでしょうか。
まず、個人再生とは、返済計画を裁判所に提出し、認めてもらえた場合に最大1/5まで債務の減額ができる債務整理の方法です。原則として、3-5年で返済しなければいけません。そして、任意整理との大きな違いは元本が減るということです。このため、任意整理とは異なり、自分の財産に対する影響が出てきます。
個人再生をしたからといって、保険解約の義務はありません。しかし、個人再生の手続きでは、保険に加入している場合全て財産目録上に申告しなければいけません。これにより、解約返戻金が多額であると判断された場合は、債務の減額度合いが低くなってしまう可能性があります。個人再生には清算価値の保障原則というものがあります。これは、自己破産した場合に財産処分をして債権者に分配する清算額以上の財産を有している場合は、返済に回さなければいけないというルールです。「減額してあげるのだから、財産がある場合は多く返済してくれ」という債権者の言い分はもっともですね。
例えば、借金が300万円で、解約返戻金が200万円あったとします。そのほかにもっている財産は30万円しかなかったとしても、最低弁済額は230万円です。解約返納金がなかった場合なら、100万円の返済で済むケースもあります。つまり、解約しない場合は、そう返済額が上がり、毎月の返済額もアップしてしまうということです。したがって、現実的に考えると、解約し弁済した上で毎月の返済額を減らすという方法を採らざるをえない場合があるのです。
このように、個人再生をしても、保険解約の義務はありません。もっとも、解約返戻金が多額である場合は、免除額も下がってしまいます。そのため、現実的になると解約したほうが良いケースもあるということを理解しておきましょう。
自己破産の場合、解約返戻金が20万円以上の場合は解約義務あり?
では、自己破産をする場合は、解約返戻金によって保険解約の義務が発生するのでしょうか。
まず、自己破産とは、全ての債務の免除を裁判所に認めてもらう手続きのことです。まさに借金がゼロになる方法なんです。これは多重債務者にとっては最大のメリットといえますが、財産が没収されてしまうなど生活への影響が一番大きい債務整理の方法です。自己破産をする場合は、必要最低限の生活に必要な財産以外は、没収されてしまいます。具体的にいうと、「20万円以上の価値のあるもの、99万円以上現金」は全て破産管財人によって管理され、換価処分することにより、債権者に公平に平等分配されることになります。
これは保険も同じです。解約返戻金が20万円以上ある場合は、解約の義務が発生します。つまり、自己破産をすると、保険解約をしなければいけないケースもあるということです。解約返戻金が20万円以下である場合は、そのまま解約せずに置いておけます。
ここで注意しなければいけないのは、複数の保険に加入している場合です。個々の保険が20万円未満で数万円程度しか解約返戻金がない場合であったとしても、保険全てを合計すると20万円以上の解約返戻金となる場合は、解約義務が発生します。この点は、しっかりと理解しておきましょう。
もっとも、解約を避けるために、保険の解約返戻金を20万円未満にしてしまう方法もあります。具体的に言うと、解約返戻金を担保に生命保険会社から借入をするという方法です。担保貸付を利用することにより、解約を防ぐことができます。また、介入権制度という方法もあります。解約返戻金に相当する額を親族に負担してもらうことにより、保険を維持することができます。
このように、自己破産手続きを行うと、20万円以上の解約返戻金がある場合は、解約しなければいけません。もっとも、解約を避ける方法もあるので、一度弁護士などの専門家に相談してみましょう。
債務整理後でも新規の保険加入審査には影響しない?
では、債務整理をしても生命保険の加入審査には影響はないのでしょうか。
まず、生命保険は借金ではありません。毎月支払う形になってしまうので、借金のように神輿審査が必要なのではないかと勘違いする方もいらっしゃるとおもいます。しかし、生命名保険に加入するためには、信用審査は行われません。信用審査が行われると、債務整理などの事故情報がバレてしまうため、借金など経済的信用が必要なものは契約が難しくなってしまいます。しかし、生命保険で経済的信用が必要というわけではないので、任意整理などを債務整理をしても生命保険に加入することはできます。
確かに、大手の生命保険会社は信用情報機関に加入していることもあります。しかし、大手は生命保険事業だけでなく他の金融サービスも事業として行っていることが理由です。加入したい生命保険会社が信用情報機関に加入しているからといって、心配する必要はありません。
では、生命保険を支払いを滞納したり、延滞した場合でも信用情報機関に登録されたりすることはないのでしょうか。
この点も大丈夫です。信用情報機関に登録されたりすることはありません。しかし、滞納をすると保険自体が失効してしまいます。加入している保険に「?ヶ月滞納があれば失効」という規約が契約書に含まれているはずです。気になる方は契約書をチェックしてみましょう。
このように、債務整理をしても生命保険の加入審査には一切影響がありません。債務整理後に新規の保険加入を検討されている方は、安心して加入手続きを行ってください。
保険料の分割払いができるケースはある?
では、生命保険などの保険料の分割払いは可能なのでしょうか。
先にご説明した通り、生命保険は借金ではありません。先払いが基本となっていますので、分割払いも可能です。1年分の保険料をまとめて支払うか、分割で支払うかの選択ができるケースが多いですが、ローン契約やクレジット契約をするわけではないので、信用情報は必要にはなりません。したがって、生命保険などの保険料の分割払いは可能です。
では、仮に分割払いの保険料を支払わなかった場合はどうなるのでしょうか。
これについては、1年分の一括払いでも月々の分割払いでも同じです。保険料を支払わなかった場合は、失効します。つまり、保険料が無駄になるということです。延納であっても、それが理由で本来ならもらえるはずの保険金が減額されることになったり、支払い自体を拒否されることもあります。
このように、保険料の分割払いももちろん可能です。仮に支払いが滞ってしまった場合は、残念ながら保険料が減額され、最終的には失効されることになってしまいますが、しっかり決められた支払いを行っていれば何の問題もありません。
ブラックリスト入りしたら保険からの借入はできない?
では、債務整理によってブラックリストに載っていても、生命保険や医療保険からの借入は出来るのでしょうか。
まず、先に少しお話しましたが、生命保険・医療保険制度には、契約者貸付制度というものがあり、生命保険会社からお金を借りることができます。この場合、担保はあなたの解約返戻金です。そして、ここで重要なことは、しっかりとした担保があるため、あなたの経済的信用を審査する必要がないということです。つまり、信用情報機関による与信審査は必要ありません。ブラックリストに載っていようが関係ないということです。
以上から、ブラックリストに載っていても生命保険や医療保険からの借入は可能といえます。
もっとも、注意点もあります。契約者貸付制度を利用するためには、保険が積立型である必要があります。積立型である場合に初めて解約返納金が発生するためです。掛け捨ての場合は、契約者貸付制度を利用することはできませんので、理解しておいてください。また、契約者貸付制度を利用するということは、将来の保険金から先にお金を受け取っているということになります。したがって、満額の保険金は将来期待できないと思ってください。
このように、ブラックリストに名前があっても生命保険や医療保険からの借入は可能です。しかし、将来の保険金が減少してしまうので、この点はしっかり考えてから契約者貸付制度を利用するようにしましょう。
債務整理の保険への影響は大きくない
債務整理をすると、保険を解約しなければいけないことはありません。掛け捨て型の方は、関係ありませんし、積立型であったとしても解約返戻金が20万円以上あり、自己破産を選択しない限り、解約の義務は発生しません。また、仮に解約を選ばざるをえない状況となったとしても、債務整理後に新規に保険加入することはできます。これまで通り月々の分割払いで保険に加入することも可能です。ある程度理解しても、それでも不安な場合は無料相談を実施している弁護士事務所などに相談してみましょう。