債務整理をしても車を持ちたい!マイカーローンはどうなるの?
債務整理をするとマイカーローンってどうなるの?
借金の返済が難しくなったとき、自己破産・民事再生(個人再生)・任意整理という3つの手続きがあります。
自己破産は、借金の返済がてきないことを裁判所に申し立てて、それが認めてもらえれば法的に借金の支払義務を免除してもらえるという手続きです。
民事再生は、借金を返済するのが難しいことを裁判所に申し立てて、認められれば法的に借金を減額してもらうことができ、数年でそれを返済していくという手続きです。
民事再生の場合は住宅ローンが除かれますので、住宅を手放すことなく債務整理をすることが可能となっています。
そして任意整理は、裁判所を通さず債権者と直接交渉して、毎月無理のない金額で返済していくというものです。
さて、もしもいずれかの方法で債務整理をしたとすると、現在乗っている自動車はどうなってしまうのでしょう?
どの方法を選択したとしても、もしマイカーローンが残っていたとしたら車は持って行かれてしまうのでしょうか?
ここでは、債務整理をした場合にマイカーローンはどうなるのかについて解説していきたいと思います。
マイカーローンの途中で債務整理!車はどうなるの?
マイカーローンを利用して車を購入し、今も返済しているという人が債務整理をしたとすると、その車はどうなってしまうのでしょう?車を手放すことなく債務整理をすることはできるのでしょうか。債務整理の方法によって、その取扱いは異なります。
・自己破産・・・財産がないことが自己破産の条件となってきますので、マイカーローンが残っているかどうかにかかわらず、財産である車は手放すしかありません。ただ資産価値のない車についてはこの限りではありません。
・民事再生・・・マイカーローンが残っている場合、車はローンの担保になっていることが多いので車はローン会社に引き上げられるのが普通です。民事再生の手続きをする前に、残りのマイカーローンを親族に一括返済してもらうとか、車の名義を変更するといった方法も考えられますが、これらは弁護士等の専門家の助言のもとで適切に行わないと、民事再生できなくなる可能性もあるので注意が必要です。
・任意整理・・・マイカーローンを任意整理の対象から外せば車を手放すことなく債務整理をすることは可能です。ただし、ローンは今まで通り支払わなくてはいけないので、結局あまり月々の返済額の負担が軽くならない可能性もあります。
車を残しつつ債務整理することはできる?
このように、債務整理の方法によっては、自己破産の際に資産価値のない車を所有していた場合や、債務整理をする前に車の名義変更をするなど、車を残しつつ債務整理できる可能性もあります。しかし、実際に車を残すことができるかどうかは個別のケースによって異なりますので、弁護士等の専門家に相談して適切な助言・判断をしてもらう必要があります。
債務整理中だけどマイカーローンの審査には通る?
債務整理をしているけれど、どうしても車は必要。かといって、一括で車を購入できる資金があるはずもなく、マイカーローンを利用したいという場合、果たしてローン審査には通るのでしょうか?結論から申し上げると、債務整理中である場合、銀行や信販会社等のマイカーローンの審査には通らないのが普通です。なぜなら債務整理中であるという事実は、信用情報(いわゆるブラックリスト)に載ってしまうからです。債務整理をしているということは、返済能力がないということですので、ローン審査には通りません。
債務整理しつつローンで中古車を買うことはできる?
普通は、債務整理中にマイカーローンの審査に通るということはありませんが、中古車販売会社によっては、債務整理中でもローンで車を購入できるケースがあります。これはどういうことなのかというと、中古車販売会社が自社ローンを用意している場合です。自社ローンというのは、信販会社等を通さずに中古車販売会社が直接購入者に分割で車を売る方法です。つまり、その中古車販売会社が債務整理中でも分割払いにしてくれるといえば、分割で購入できるわけです。自社ローンを用意している中古車販売会社をみつけられれば、債務整理中でも中古車を購入できる可能性があります。
債務整理が終わればマイカーローンの審査にも通る?
では債務整理が終わりすべて完済した後であれば、マイカーローンは組めるのでしょうか?これで車を購入できると思ってマイカーローンを組もうとしたらダメだったという人もいますよね。そうなんです。債務整理が終わったとしてもすぐにマイカーローンを組むことはできないのが一般的です。債務整理後も債務整理をした事実はそのまま残ってしまうため、ローン審査に落ちてしまうのです。
債務整理するとローン審査に落ちるのはなぜ?
債務整理が終わって借金問題は解決したはずなのに、ローンを申し込んでも審査に落ちてしまう理由は、債務整理後も一定期間は、信用情報(ブラックリスト)に過去の債務整理の情報が記録されたまま、すぐには消えないからです。
債務整理の情報はいつブラックリストから消えるの?
債務整理をしたという金融事故情報は、いわゆるブラックリストに載ってしまいます。ブラックリストに載るというのはどういうことかというと、指定信用情報機関のデータに情報が登録されるということです。3つの指定信用情報機関があり、それぞれ加盟している金融機関が異なります。信用情報の登録年数にもやや違いが見られ、債務整理の場合、KSCは概ね10年間、JICCとCICは5年間は、その事故情報が消えないといわれています。
・KSC(全国銀行個人信用情報センター)・・・銀行、信用金庫等が加盟
・JICC(日本信用情報機関)・・・消費者金融等貸金業者、クレジット会社等が加盟
・CIC・・・クレジットカード会社、信販会社等が加盟
債務整理後にマイカーローンの審査に通るには?
前述のとおり、債務整理が終わっても、一定期間はブラックリストから消えません。そのためその間はマイカーローンの審査に通るのは難しいです。さらに信用情報機関からデータが消えた後も、債務整理の対象となった金融機関には引き続き事故情報の事実がデータとして残され、何年経過してもその事実は消えません。そのため、債務整理をした金融機関ではローン審査には通らないでしょう。別の金融機関を選ぶことを検討してください。そしてマイカーローンを申し込む時点で、安定した収入があり経済基盤がしっかりしているということが大切です。
債務整理後のマイカーローン利用時の注意
・マイカーローンを利用するまでに、安定した収入・しっかりした経済基盤を得ましょう。
・マイカーローンを利用する前に、信用情報機関へ照会し、信用情報からデータが消えた状態にあるかどうか確認しておきましょう。
・債務整理をした金融機関は避け、別の金融機関でマイカーローンを組みましょう。
債務整理をするとマイカーローンはどうなるのかについて
債務整理をしても、車はどうしても必要だという人は、たくさんいると思います。車を残しつつ債務整理をすることは可能なのか、債務整理中にマイカーローンを組むことは可能なのか、債務整理後のマイカーローンの審査はどうかといったところをまとめてみました。車を手放さずに債務整理をする方法もなくはありませんし、債務整理中に車を持てる可能性もなくはないことがわかりましたね。債務整理後にマイカーローンを利用する場合のポイントもまとめましたので、ぜひ参考にしてみて下さい。