任意整理の受任通知で借金の取立や催促がなくなる?最短即日ストップも可能!

任意整理の受任通知で借金の取立や催促がなくなる?最短即日ストップも可能!

受任通知の送付にはなぜ重要な意味があるの?

任意整理の手続きを弁護士や司法書士に依頼して正式に引き受けてもらえた場合、貸金業者や債権回収会社に「受任通知」という書面が送付されます。この受任通知は単に債務整理の手続きを引き受けたことを知らせる通知だけではなく、取立を停止させる重要な意味を持っています。受任通知になぜそのような効力があるのか、受任通知がもたらす効果はどのようなメリットを生み出すのか、この記事ではそういった疑問を解決する答えを、一つずつ解説していきたいと思います。

 

 

受任通知で取り立てが停止する理由は法的効力によるもの

受任通知を貸金業者や金融会社などに発送してもらうと、それ以降債権者からの取立はピタッと止まります。債権者が督促を止めるのは借入契約に対して何か後ろめたいことがあるわけでもありませんし、借金の回収を諦めたわけでもありません。債権者である貸金業者は、受任通知の受取後に「支払ってください」と要求することをルールで禁止されているため、それ以降請求をすることができなくなるのです。この章ではそのルールが何なのか、どのようなことが定められているのかを確認していきましょう。

 

受任通知がもたらす効果とその重要性

借金の返済が支払日を過ぎると、債権者は債務者に対して入金をしてくださいという請求をしてきます。請求の方法は手紙や電話が一般的ですが、返済が長期間滞って連絡も付けられない場合はFAXや訪問といった手段に出られることもあります。状況によっては勤務先に連絡が入ることもあります。任意整理をするつもりで準備をしていても、債権者がそれを知らなければお構いなしに請求してきます。しかしそんな督促も弁護士や司法書士に依頼して受任通知を送付してもらえば、債務整理の手続きを開始したことを債権者が知り督促ができなくなります。借金の返済に長年苦しんできた人にとっては、債権者からの連絡に冷や冷やしなくていい平穏な日々は精神的な負担を大きく軽減するでしょうし、任意整理や家計の立て直しなどの準備に安心して集中することができます。かといって債務整理の準備を始めたことを簡単に伝えるだけでは、逆効果になる場合もあるので注意してください。あくまでも正式に弁護士や司法書士と委任契約を交わして、受任通知が送付されることが督促停止の鍵となります。

 

受任通知で取立てが停止するのは法律で定められた効力

なぜ債務整理の準備を始めたことを個人的に伝えるだけでは督促が止まらないのに、弁護士などから発送される受任通知なら督促を停止できるのか不思議ですよね。その理由は法律に書いてある条文に関係があります。金融庁が定めている貸金業法第21条第1項第9号の条文によると、債務整理の手続きを「弁護士若しくは弁護士法人若しくは司法書士若しくは司法書士法人に委託」して、書面でその通知があった場合は正式な理由なく弁済を要求してはいけないと記載されています。もしこの法律を無視して受任通知受取後に督促を行った場合は、2年以下の懲役、300万円以下の罰金、またはその両方の罰則が科せられ、業務停止・貸金業登録取消しといった行政処分の対象にもなります。こういった理由から、弁護士や司法書士から送付される受任通知には法的効力があり、債権者が受け取った後で督促とみなされる行為で請求ができなくなるというわけです。

 

 

受任通知後に債権者が訴訟を起こす可能性もある!

任意整理の手続きをするため、弁護士や司法書士と委任契約を交わして「受任通知も送ってもらったからこれで一安心」と言いたいところですが、そういうわけにはいかないケースも実はあります。先ほどの章で解説した通り受任通知には督促を止める法的効力があるので、請求に関する電話や手紙などが来ることはありません。しかし法律で禁止されているのは「督促行為」であって、借金そのものがなくなったわけではありません。督促ができなくなった債権者は、裁判所に訴訟を起こして強制執行という制度を使ってどうにか債権を回収しようとする場合もあるのです。一見それも請求行為なのでは?と思われるかもしれませんが、法律が保護しているのは債務者の督促に怯えなくて良い平穏な生活であって訴訟という形で債権回収しようとする行為については原則禁止されていません。実際にお金の貸し借りをするための契約を交わしているわけですから、訴訟を起こされれば強制執行になるのも時間の問題です。とはいっても給料は原則として差押えが禁止されているので、多額の貯金や不動産・動産などの財産を所有していなければ、実際には強制執行が空振りに終わるケースが多いようです。ただ給与振込口座として使っている銀行が債権者の場合などは、口座ごと凍結されてしまう可能性もあるので口座を変更しておいた方が良いこともあります。経験や実績を多く積んだ弁護士や司法書士なら、どのような債権者が受任通知後に訴訟を起こす傾向にあるのかを知っていることもあるので、訴訟を起こされる可能性がある場合の対処については事前に相談しておきましょう。

 

債権者が受任通知後に訴訟を起こすのはなぜ?

空振りに終わる可能性がある強制執行の訴訟をなぜ債権者は起こすのでしょうか。債権者は受任通知が届いた以上、債務者に対して直接請求するのは禁止されているのでできません。そこで自発的に債務者が支払をしてくれるよう働きかけるために、訴訟を起こすケースもあるのです。債務者の中には家族に内緒でお金を借りている人もいて、訴訟ともなれば裁判所から書類が届いたり執行官の調査が入ったり家族にバレる可能性も高くなります。家族にバレることを恐れて支払いをしてくれるよう働きかけること、これが債権者の狙いなのです。借金の存在を家族に話せない事情がある場合でも、債務整理の手続きをしなければならないほど問題がこじれているのであれば家族にも相談をすることが解決に繋がる道となります。まだ話せていない人は勇気を出して相談してみましょう。どうしても事情があって話せない場合は、手続を委任している弁護士や司法書士に相談してみてください。裁判所からの書類など出来る限りの手を尽くしてくれるはずです。

 

受任通知後に訴訟を起こされる期間はどのくらい?

受任通知が送られてから訴訟を起こされる場合でも、すぐに訴訟を起こすというような乱暴な債権者はほとんどいません。大抵の場合は受任通知が来て、しばらく期間が経っているのに何も話が進まない場合に訴訟を起こされます。この期間については債権者によって異なるので、一概にこのくらいの期間なら大丈夫ということは言えないのですが、大手消費者金融であれば受任通知が届いて4~6ヵ月が経過しても和解できない場合に訴訟を起こすというところが多いようです。逆に小規模な金融会社や商工ローンなどの場合は、大手よりも訴訟に対して積極的で訴訟に至るまでの期間も短い傾向にあるので、任意整理の対象になっている債権者の中にそういった会社が含まれている場合は専門家と相談してしっかり対策をしておきましょう。

 

 

受任通知に決められた書式はある?記載するべき事項とは

受任通知の書式には決められたものはなく、記載するべき事項がきちんと記載されていれば効力を発揮できます。受任通知には、依頼を受けた弁護士や司法書士の氏名、所属する事務所名、所在地や連絡先が必ず記載されています。どの契約についての通知なのかが分かるよう、依頼者の氏名や生年月日、連絡先なども記載されます。ただ債権者に悪質な業者がいる場合に関しては、依頼者の連絡先は記載されないケースもあるようです。受任通知の内容は、一番の目的である「依頼人からの委任を受けて債務整理業務を行うことになった」という通知に加え、受取後の取立行為の中止要請や、契約当初からの取引履歴の開示請求といったことが記載されます。取引履歴の開示請求が受任通知に記載されるのは、依頼を受けた専門家が過去の取引の中で、利息制限法の定める上限金利を超える利息の支払いがないかを確認するためです。専門家は開示された取引履歴を元に、過払金が発生していないかを確認して法的に返済義務がある残高を正確に算出します。過払金がある場合は請求の手続きに入りますし、引き直し計算をして残高が残ればその金額を元に任意整理の交渉をするための返済計画表が作成されます。

 

 

受任通知が送られるメリットにはどんなものがある?

受任通知を送るメリットは、何度も触れてきたのでもうお分かりだと思いますが債権者の取立行為を停止させて平穏な生活を取り戻せるという点です。任意整理の手続きを始める頃には、返済が滞って複数の債権者からの督促に追い立てられているケースもあります。そういったケースでも受任通知の送付をすることで、督促が暫定的ではあるものの一旦停止させることができるので債務者の精神的な負担は軽くなり、任意整理の手続き準備や経済状況の再建に集中することができます。ただ受任通知で督促が停止するのは、貸金業者のみで公共料金や税金の滞納には効果がありませんのでその点だけは注意してください。

 

 

受任通知の送付がデメリットになることもある!

債権者に受任通知が届いた時点で、債権者は契約者が返済できなくなりつつある状況だと知ることになります。受任通知を受け取った債権者がすることとして考えられるのは、信用情報機関への登録です。信用情報機関は消費者金融会社やクレジット会社、銀行などの間で返済不能になって借金で苦しむ人が増えないよう情報を共有する場所です。信用情報機関に登録されると5~10年間は新たな借入はできなくなりますし、クレジットカードを作ることも難しくなります。世間一般でいわれるブラックリストの正体がこの信用情報機関です。貸金業者によっては受任通知が到着した時点では登録しないこともあるようですが、任意整理が和解するまでには数か月かかることもありその間延滞の記録は残っていきますので、いずれにしても何らかの債務整理をしたということは分かってしまいます。また任意整理の対象となる契約に連帯保証人を付けている場合は、債権者に受任通知の到着した時点で連帯保証人への請求が始まります。連帯保証人に何の連絡もしないまま専門家に依頼してしまうと、ある日突然保証人の家に債権者が請求に訪れることになり大変な迷惑をかけてしまうので、そういった契約が含まれている場合は必ず事前に保証人にも連絡をしておきましょう。

 

 

任意整理の受任通知が持つ重要な意味とは?

受任通知は、任意整理の手続きを受任した専門家が債権者に対して任意整理の手続きを始めたという通知をする意味を持っているだけではなく、債権者からの取立行為を停止する法的な効力があります。しかし借金そのものがなくなって消えるわけではないので、そのまま放置してしまうと場合によっては訴訟を起こされる可能性もあります。放置しないことが一番の対策ですが、万が一を考えて弁護士や司法書士とよく相談の上、しかるべき対策をしてから受任通知を送付してもらいましょう。