個人再生は闇金からの借金は対象外？借入先別の対応方法まとめ
闇金は今でこそ少なくなりましたが、それでも闇金被害に遭う人は後を絶ちません。闇金からお金を借りてしまうと借金問題を解決するのも大変ですが、こうした場合には個人再生が役に立つことがあります。
個人再生とは数ある債務整理方法の一つであり、借金額を大幅に減額してもらうことができる制度です。
個人再生が認められるには「安定した収入がある」「個人再生計画が認可されないといけない」といった条件も満たさないといけません。
闇金からの借金は個人再生できる？
闇金から借りた借金であっても個人再生はできます。他にも自己破産で問題解決を図る方法もありますが闇金からお金を借りている場合には注意点が1つあります。
それは、闇金からの借入はそもそも返済の必要がないということです。ただ、法的には返済の必要がなくても、返済しなければ取り立てなどが継続されることが予測できます。
そのため、弁護士や司法書士などに依頼をして取り立てをストップさせるのが良いでしょう。つまり、借金が闇金だけであれば個人再生をしなくても解決ができるということです。
闇金からの借入を解決する方法
闇金からの借金に困っている場合には、闇金以外からの借金もあるケースがほとんどです。
そのため、闇金から借りた借金を含めて問題を解決するのであれば
- 個人再生
- 自己破産
- 任意整理
などの方法を取ることができます。
このように、闇金からお金を借りて返済できなくなっても色々と解決方法はあるのです。
それでは、1つひとつの方法について説明していきます。
個人再生で借金を大幅に減額する
個人再生であれば借金額を減額してもらって3年間で返済していくことになります。個人再生は仕事があり安定した収入を得ていて、住宅などの財産を失いたくない人向けです。
自己破産で債務をなくす
一方、借金額が多すぎてどうにもならないことがあります。こうした場合には自己破産をして借金を帳消しにしてもらうのが一番です。
自己破産であれば闇金から借りた借金があっても問題なく行えますが、闇金からの借入はそもそも返済がいらないお金です。そのため、法律に則って手続きをしても闇金がそれに従うとは限りません。
法律事務所の無料相談のタイミングで闇金への対応もできるかどうを確認しておくと安心して依頼ができます。
自己破産は信用情報機関に登録されてしまうという点は他の方法と変わりませんが、マイホームを含めて財産は失うといったデメリットがあります。
任意整理で金利をカットする
任意整理はカードローンなどの金融機関と弁護士が交渉することで元金だけの返済、利息のカット、返済期間の調整などを行う事を言います。
そもそも闇金業者が交渉に応じてこないこともあり、任意整理だと問題解決が難しいでしょう。
闇金からお金を借りても法律の上では返済がいらないので、闇金との交渉、対応ができる弁護士、司法書士へ相談するのが良いでしょう。
闇金からの借金が返済不要な理由
闇金は貸金業者としての届け出による許可を受けずに、違法金利・グレーゾーン金利でお金を貸し出しているケースが多いです。
このように違法に貸し出された借金はそもそも返済する必要はありません。そのため、弁護士事務所・司法書士事務所と相談して警察に届け出るという手段もあります。
いずれにしても、最も良くないのが泣き寝入りしたり、闇金業者の要求に応じてしまったりことです。闇金業者によっては「弁護士事務所などに相談」することを禁じてくることもありますが、こうした闇金業者の言いなりになってしまうと更に事態が悪化してきます。
闇金業者はマインドコントロールにも長けており、自分一人だけで悩まないようにすることが重要です。そのため、闇金問題で悩んだらなるべく早めに専門家に相談して客観的なアドバイスを貰うのが良いのです。
個人再生や自己破産などの債務整理で解決できるのは、闇金から以外にも借金があるケースです。
法律に従わない闇金業者に対しては、闇金問題を専門に扱う法律事務所に依頼をするのが良いでしょう。
闇金問題を相談できる法律事務所
闇金からお金を借りていると「弁護士事務所などに対応してもらえないのでは」と考えてしまう人もいるようです。確かに、闇金問題は誰も関わりたくないものです。
特に闇金問題ともなると「元が取れない」「交渉などに時間が掛かる」こともあり、依頼を受け付けない弁護士事務所や司法書士事務所もあります。
とはいえ、こうした弁護士事務所や司法書士事務所によってはもちろん闇金問題であっても受け付けてくれるとことはあります。
闇金問題を扱っている法律事務所にについては、「今すぐ取立ストップ！闇金解決に強い法律事務所と自分でできる対処法」で詳しく説明しています。
闇金は弁護士と司法書士のどちらに相談すべき？
借金問題は弁護士と司法書士のどちらにも依頼できます。それだけ選択の幅がありますが、両者ではかなり違いがあることは知っておきましょう。
例えば、それぞれで法律で定められている業務内容が違います。司法書士は書類作成代理人として業務を行うことになり、出来ることも書類作成などに限られてきます。
一方、弁護士は代理人として行動できます。債務者の代理人ですから、裁判所へ債務者の代わりに出頭することなども可能です。それだけ債務者の負担が減るとともに、効果的に債務整理を進められるようにもなります。
司法書士ができないこと
司法書士にはできないこともあります。
例えば、任意整理をする場合について見ていきましょう。通常、司法書士は140万円以下の案件しか扱えませんから、これ以上の借金額がある場合には司法書士を利用して任意整理をするということは難しいのです。
他にも制限が多いですので、途中から別の専門家に依頼するなどの面倒なことが嫌ならば最初から弁護士に依頼しておくのが良いでしょう。
司法書士と弁護士の費用の違い
依頼費用にも違いがあります。弁護士の場合、個人再生だと50万円程度支払う必要がありますが、司法書士であれば30万円程度から依頼できることがあります。
このように司法書士の方が安いのは、司法書士ならではの制限によって行える業務範囲が狭いからです。とはいえ、安いからという理由だけで司法書士を利用するのは余りおすすめできません。
それは交渉などを債権者とする場合においても、やはり弁護士の方が良いからです。逆に高い弁護士に依頼したほうが債務整理にかかる期間や借金の減額幅が大きくなることもあります。
こうしたことから実際に依頼する前には両者をしっかり比較しておくと良いでしょう。
個人再生のメリットとデメリット
個人再生よりも自己破産や任意整理の方が向いている人もいます。債務整理後に後悔しないようにするためにも、まずは個人再生のメリット・デメリットについてしっかり理解して自分に向いているのかどうか確認しておきましょう。
個人再生のメリット
そんな個人再生のメリットの一つが、借金をした理由を問われないことです。
例えば、自己破産だと借金をした事由によっては免責が受けれないこともあります。一方、個人再生ではこうした制限もありません。
そのため、公言できない理由で闇金を利用したといった場合であっても個人再生は利用しやすくなっています。
他にも、各種制限を受けにくいことも特徴でしょう。
自己破産をすると自己破産中に一定の職業に就けなくなるといった制限が生じますが、個人再生ではこうした制限も少なくなっています。
それだけ仕事などにも影響を与えずに済みますし、周囲に債務整理をしていることがバレにくくなるといった利点もあるのです。
他に、減額幅が大きいこともポイントです。任意整理だと減額される額が借金総額の1割、2割程度といった雀の涙程度になってしまうこともあります。
ですが、個人再生であれば大幅減額も可能です。特に借金額が多い場合には個人再生を利用すると減額幅が大きくなる事が多いことから、なるべく借金額が多い人は個人再生をすることをおすすめしておきます。
個人再生は自宅や財産を失うことがないのもポイントです。自己破産をすると基本的に車や自宅は全て失いますが、住宅特例が利用できる個人再生ではこうしたこともありません。
そのため、自宅を債務整理後に失いたくない人にも向いています。このようにメリットが多いですが、個人再生には理解しておかないといけないデメリットや注意点も数多くあります。
個人再生のデメリット
個人再生は時間が掛かることが難点の一つです。個人再生は手続きも煩雑であり、要所要所で専門家の手助けが必要となります。通常、数ヶ月以上は個人再生が決定されるまでにかかります。
一方、自己破産ならば申請から一ヶ月以内に結果が出ることもあります。
他に、官報に個人再生をしたことが掲載されることも厄介なところです。これは仕方がないことでもありますが、官報に名前などが掲載されることで信用情報機関などに登録されてしまいます。
また、個人再生は費用がかかることも知っておきたい所。任意整理は1社だけが相手なら10万円以内で終えることも十分可能ですが、個人再生だと総額で50万円以上かかってしまうことも実際は珍しくありません。
加えて、個人再生を失敗してしまうと自己破産をするしか無くなってしまうこともあります。このように個人再生にはメリットばかりではありませんから、利用する前にはしっかり検討しておきましょう。
個人再生をするためには条件がある
個人再生をするためには満たさないといけない条件があります。まず、個人再生は収入がない人は利用できません。個人再生は飽くまで借金を返済していける可能性がある人向けの制度であり、収入がない人は利用できないのです。
また、「将来において継続収入が得られる見込みがある」ことが具体的に求められます。
そのため、派遣契約で働いている人だと個人再生を受けられないこともあります。
他に、個人再生をする場合には借金総額が5000万円以下でないといけません。これ以上の高額になると自己破産が必要になります。逆に言えば、借金総額が5000万円を超えるまでに何とか手立てをうっておくことが大事と言っても良いでしょう。
さらに言えば、過去に個人再生をして「虚偽の申告をした」といった場合には個人再生を始めとする債務整理ができないこともあります。このように条件は色々ありますから、個人再生する前には専門家としっかり相談しておきましょう。
個人再生で完済するまでにはの流れと期間
個人再生をする際の流れについても解説しておきましょう。
まず、個人再生は弁護士事務所などに相談することから始めます。個人再生は利用条件もあることから、「自分で個人再生をしたい」と考えていも、実際には個人再生できないこともあります。こうしたことも弁護士事務所などに相談してはっきりさせましょう。
弁護士事務所に依頼後は借金の取り立てが止まるのもポイントです。
また、弁護士事務所に依頼したからといって直ぐに個人再生の申請ができるわけではありません。申請をするまでには金融機関や消費者金融会社などに開示請求をして正確な借金額を知る必要性もあります。他に、申請書類も用意しないといけません。
これには1ヶ月程度はかかると考えておきましょう。また、申請前に個人再生を行う際の戦略も弁護士と一緒に考えます。
「もしも債権者が交渉に応じなかった場合には」「連帯保証人の対応はどうする」といったことも話し合います。こうした用意が全て整ったら、いよいよ個人再生の申請を裁判所にしていくこととなります。
その後、個人再生委員が選任されるかどうかも決まりますが、個人再生委員がつくかどうかは裁判所によっても変わります。
最終的に個人再生計画の提出・債権者との交渉などを経て個人再生が決定されることとなります。
個人再生決定後は官報に情報が掲載されるとともに、債権者に対して返済をしていくこととなります。
これが一連の流れですが、個人再生は手続きがかなり煩雑で、債務整理にかかる期間も長引くことから、こうした流れを熟知しておくのは大事です。
闇金問題を個人再生で解決した人の体験談
闇金問題で個人再生をした人の体験談は大いに役立ちます。「個人再生をするとこうなるのか」といった想像ができるだけでなく、個人再生時の思わぬ落とし穴にも気づけます。そんな個人再生をしたの多くは、クレジットカードやカードローンの利用によって借金の溝沼にはまってしまう人が多いようです。
その後、仕事を辞めるなどして借金の返済ができなくなり、生活費も足りなくなってしまい、闇金を止む無く利用する事態に追い込まれていきます。もう借りれるところがない、といった状況になると、どうしようもなくなって弁護士事務所を利用することになります。
もしも過払い金がない場合には個人再生を弁護士から進められ、個人再生で借金問題を図ります。
これが多くの人に共通するポイントですが、「最初は気軽な気持ちで借金をした」「早めに専門家に相談すれば事態が悪化せずに済んだ」といった体験者のアドバイスはしっかり聞いておきたいところでしょう。
闇金からの借金を個人再生する場合の注意点
個人再生後に闇金からDMなどの連絡がくるケースもある
債務整理の体験談を見ていると、「債務整理後に闇金業者から連絡されたり、手紙が来るようになった」といった内容を良く見かけます。これは実際に少なくないことですが、債務整理後に闇金業者から連絡が来てしまう仕組みは単純です。
個人再生などをすると官報に債務者の氏名や住所が掲載されますが、これにより闇金業者は債務整理をした人を特定することができるようになります。
過去に債務整理をした人は再び借金をしたり、お金に困っていることが多いことから、闇金業者もピンポイントに手紙や連絡をしてくるという訳です。とはいえ、手紙が来たりしても基本的に対応しなかったり無視していれば問題ありません。
むしろ困るのが債務整理後に過去にお金を借りた闇金業者から連絡が来ることです。
自己破産などをして借金額が帳消しにされていても、闇金業者は構うことなく借金返済の連絡をしてくることがあります。こうした場合には相談していた弁護士や警察に連絡するのが一番でしょう。
ギャンブルによる借金は個人再生できない？
ギャンブルや浪費などの理由で借金をしてしまうこともあります。個人再生であれば、ギャンブルが借金の理由であっても手続きが可能です。一方、自己破産だとギャンブルや浪費が原因の借金は免責不許可事由にあたり自己破産が認められないことがあります。
自己破産以外の債務整理の、任意整理や個人再生であれば問題なく手続ができます。
しかし、ギャンブル癖等がある場合、債務整理後に再びギャンブルをして借金をしてしまうこともあることから、ギャンブル癖自体を治すことも大事です。
闇金に絡んだ借金整理を個人再生で行う際のポイント
・闇金は債務整理だけでは解決しない場合もある
・闇金問題に強い法律事務所に相談するのが良い
・相談は弁護士と司法書士のどちらでも大丈夫
・闇金以外の借金が多額の場合には弁護士への相談が良い
・個人再生の他にも自己破産が最適なケースもある
・個人再生を利用するには幾つかの条件を満たさないといけない
・個人再生は給料収入がないと利用できない
・弁護士に依頼すると取り立てがストップする
個人再生は闇金問題で困っている場合にも役立ちます。場合によっては自己破産が良いこともありますが、個人再生は自宅などを残せるのも魅力です。
