【記入例】個人再生の必要書類一覧|入手方法と準備にかかる期間目安

【記入例】個人再生の必要書類一覧|入手方法と準備にかかる期間目安

個人再生は債務整理を考えている人におすすめです。債務整理方法には任意整理や自己破産などがありますが、個人再生は自己破産のように財産を処分しないで済むメリットがあります。一方、任意整理よりも大幅に借金を減額できる可能性があるのもメリットと言って良いでしょう。

 

もちろん、個人再生をすることで官報に名前が載る他、個人再生計画などを承認してもらう必要性があるのは確かです。そんな個人再生を行うためには色々な書類の入手・作成・提出が必要となります。

 

 

個人再生申立に必要な書類一覧

例えば、申立表や債権者一覧表がその主なものです。

  • 申立表
  • 債権者一覧表
  • 陳述書
  • 財産・資産目録
  • 家計の収入・収支に関する書類
  • 住所を証明する住民票・戸籍謄本
  • 住居に関する資料
  • 給与状況を証明する給与明細
  • 年収について確認できるような資料
  • その他(納税通知書など)

 

 

書類の中には入手が面倒なものもありますし、記入するだけで時間がかかるものもあります。こうした書類は弁護士事務所や司法書士事務所に依頼することで入手・作成・提出してもらえます。

 

しかし、中には自分で入手しないといけないようなものも。何よりこうした書類を提出しないと個人再生を申請することすらできません。そのため、専門家と協力してテキパキと行っておきたいものでしょう。この記事ではそんな申請書類に関する注意点やポイントについて解説します。

 

裁判所で入手できる必要書類

再生手続開始申立書

個人再生計画をする上で提出する書類は人によって異なります。ですが、誰もが入手しないといけないのが再生手続開始申立書です。

 

これは裁判所でてにはいりますが、弁護士に依頼すれば代わりに入手してくれます。申立書には個人再生を行う債務者の基本情報を記載しますが、具体的には氏名・住所・連絡先などを記載していくことになります。この再生手続開始申立書は弁護士が作成してくれることもありますが、自分で記入するならば気をつけておきたいのが「小規模個人再生で個人再生を行うか」「それとも給与所得等更生で個人再生を行うか」ということです。

 

小規模個人再生とは主に個人事業主などが行うのであり、収入が安定していなくても申し込みが可能です。加えて、減額される借金額も多くなっており、借金額が高額であっても利用できます。

 

デメリットとしては、債権者の意向が反映される点です。一方、給与所得者更生はその名の通り主にサラリーマンが行う個人再生です。そのため、収入が安定している必要性があります。減額される借金額は少ないですが、債権者の意向が反映されないのが利点です。

 

このどちらにするかを申立書に記載しなければいけませんが、どちらにするかでその後の流れも大きく変わってきます。そのため、記入時には弁護士などと相談しながら行っていきたいものです。

 

個人再生することになった経緯を記述する陳述書

申立書の他にも基本的な書類として陳述書も知っておきましょう。これには職業の内容や収入内容、家族構成、住宅状況、滞納金の有無、個人再生をすることになってしまった経緯・理由を記載します。

 

この陳述書は裁判官などに対して個人再生をすることになった背景を説明・理解してもらうものであり、個人再生が認められるかどうかを決める上で重要な書類になっています。

 

そのため、おろそかに書くこともできませんが、効果的な陳述書とするためには専門家である法律事務所などのアドバイスを聞きながら作成するとよいでしょう。

 

財産・資産の状況について記載する財産・資産目録

財産・資産目録には債務者の財産や資産について記載します。例えば、現金・預貯金・マイホームの有無・自動車の有無・加入保険・その他財産や資産などについて記載していきます。

 

これは個人再生計画にも関わってくる内容ですが、この財産・資産目録を記載する際には正確性に注意しましょう。

 

もしもうっかり虚偽の内容を記載してしまったり、記入し忘れがあると、財産隠しを疑われるようなことにもなりかねません。そうなると最悪の場合で個人再生自体ができなくなることがあります。

 

また、少しの財産・資産であっても記入しておく必要性があります。そのため、記載時には十分に自分の保持している財産・資産について調べてから記入を行うようにしておきましょう。

 

債権者一覧表

債権者一覧表にはお金を借りている借入先消費者金融・銀行などに関する情報を記載します。記載内容は債権者名・その住所・連絡先・借入額・借入をした時期などです。

 

この債権者一覧表に含まれた債権者が個人再生の対象となりますが、注意しておきたいのが「債権者一覧表には全ての債権者を記載しないといけない」ことです。例えば、クレジットカード・カードローン会社を個人再生の対象としたくないからといって除外するようなことはできません。

 

このようなことをすると個人再生が裁判所から認められなくなる原因にもなります。また、文字通り「全ての債権者」を記載する必要性があります。これはお金を借りている友人・知人なども含まれます。うっかり債権者を記載し忘れるとその債権者の借金が減額・免除されないことすらあります。

 

このように注意点が多いですが、基本的には弁護士の指示にしたがって記載していけば大丈夫です。

 

家計の収入・収支に関する必要書類について

家計の収入状況や出費について記載するのが家計表です。これには1ヶ月単位の収支状況について記載していくことになります。

 

過去何ヶ月に遡って記載しないといけないかは地方裁判所によって異なります。この家計表には配偶者がパートなどをしている際にはそれについても記載する必要性があります。

 

また、水道費、光熱費などの細かい項目に分けて正確に記載しないといけません。支出の欄には保険料を支払っている住宅ローンや貸金業者への返済なども記載しておく必要があります。

 

その他に自分で用意しなければいけない書類

申立書や家計表は弁護士が裁判所から貰ってきてくれることが大半です。しかし、中には自分で入手する書類もあります。

 

住所を証明する住民票・戸籍謄本

その一つが住民票および戸籍謄本です。住民票は住んでいる地域の市役所で手に入れられますが、戸籍謄本は出生地の市役所に請求することになります。住民票は世帯全員分かつ3ヶ月以内に入手したものでないといけません。発行には手数料もかかります。

 

住居に関する必要資料とは

住んでいる住宅に関しての書類も必要となります。例えば、賃貸物件に住んでいるならば賃貸契約書が必要です。これは仲介業者などから手に入れることができます。会社の社宅などに住んでいる場合には社宅証明書が代わりに必要です。

 

こちらは勤務先から入手しましょう。他に、持ち家に住んでいるならば建物・土地の登記事項証明書を用意しましょう。これは法務局から入手可能です。

 

給与状況を証明する給与明細

給与明細は個人再生時には重要な書類となります。これによって個人再生をしても大丈夫なほどの収入があるかどうか裁判所が判断するからです。給与明細は3ヶ月分が必要ですが、自営の場合には不要となります。

 

年収について確認できるような資料(源泉徴収票など)

給与明細だけでなく年収が確認できる書類の提出も必要となります。これは自営の場合には確定申告書となります。税務署から入手できますが、直近2年分が必要です。

 

一方、会社勤務者の場合には源泉徴収票を提出します。これは直近2年分ですが、勤務先から入手可能です。

 

こうした市役所で入手できる書類はチェックリスト化して一度に入手しておくことで何度も市役所に行く労力が省けます。

 

源泉徴収票がないと個人再生できない?

個人再生には過去2年分の源泉徴収票が必要ですが、小さい書類のため誤って紛失してしまう方も少なくありません。

 

もし手元に源泉徴収票が無い場合は、次の2つの対処法があります。

 

再発行する

源泉徴収票は年末に発行されるものですが、会社に頼めば再発行してもらえます。
組織的な会社の場合は総務課へ、総務課がない場合は社長にお願いして再発行してもらいましょう。

 

再発行する際は、医療費や自動車ローンで必要といえば、とくに不審に思われることもないでしょう。

 

課税証明書で代用する

源泉徴収票がなくても、安定収入を証明できれば手続きが認めてもらえます。

 

その場合、市役所で発行できる「課税証明書」があれば年間収入を証明できるため、代用できる可能性が高いです。

 

条件に当てはまる場合に必要となる各種書類

人によっては上記以外の書類だけでは足りないことがあります。例えば、税金を滞納している場合には納税通知書を用意しておきましょう。これは市役所から送られてきます。同居人がいる場合にはその人の収入証明書も同様に必要です。

 

裁判を受けていたり、差押をされている状態ならば、その訴状や差押決定正本の提出が必須です。これは裁判所で手に入ります。

 

学資保険などを契約しているならばその契約書も用意しておきましょう。他に会社に積立金があるならば勤務先からその証明書を貰っておくことも欠かさずに行っておきましょう。

 

他にも必要となる書類はいくつかありますが、もしも欠けている書類があると申立もできません。それだけ個人再生が遅れることにもなります。

 

とはいえ、どういった書類が必要になるかを個人で判断するのは困難です。そのため、この点についても専門家である弁護士などと一緒に協力して進めていくと良いでしょう。

 

 

個人再生の申し立てに必要な費用

個人再生の申立時にはある程度の費用がかかります。

 

例えば、申立手数料として1万円程度かかります。この申立手数料は収入印紙と呼ばれることも。他にも、予納金として1万2千円ほどかかります。

 

この予納金は個人再生が決まった際の官報公告費用となります。他に予納郵券代金として2000円から4000円程度かかります。これは債権者数に応じて費用が異なってきます。

 

更に、個人再生委員が付く場合にはその報酬金として10万円以上支払わないといけないことも。こうした費用は裁判所によっても変わってきますが、総額で15万円以上はかかってきます。

 

個人再生をするならば弁護士にまずは相談

個人再生をしようと考えているならばまずは弁護士に相談しておくのが大事です。上記で紹介したように書類を集めることすら難しいですし、執筆時の注意点も実に色々あります。中には1人で個人再生をしてしまおうとする人も居ますが、法律知識がないと基本的に困難です。

 

また、個人再生が本当に自分に合っているかどうかも弁護士に相談することで解ります。何よりも弁護士に相談すれば借金の取り立てなども辞めさせられますし、書類の作成も行ってくれます。

 

そのため、1人で行う場合に比べて遥かに個人再生にかかる労力が少なくなるのです。このように弁護士に依頼するメリットは実に多いですから、これから個人再生をするならばまずは弁護士に話をしてみましょう。