個人再生でよくみる「安定した収入」ってなに?条件を分かりやすく解説!

個人再生でよくみる「安定した収入」ってなに?条件を分かりやすく解説!

個人再生の「安定した収入」を満たす条件とは?

借金に悩んでいる方には、返済の方法として個人再生を検討しているものの、個人再生を行う条件である「安定した収入」がどういったものを意味するのか、自分はその条件に当てはまっているかどうか不安に感じているという方もいると思います。

 

そこで、この記事では「安定した収入」の条件と、個人再生を利用できない方の事例について解説していきたいと思います。
個人再生を行おうとしている方、個人再生に興味のある方は是非目を通していってください。

 

 

個人再生の「安定した収入」に金額の縛りはない

個人再生を行う要件として「安定した収入」というものがありますが、この「安定した収入」の条件としては、原則として所得の最低額や年収の総額などの金額による縛りは定められていません。そのため、収入の少ない方であっても個人再生を諦める必要はありません。

 

弁済額に充てるのに十分な金額の収入である必要がある

個人再生自体の申立手続きを行う条件としては収入の金額は問題になりませんが、実際の審査の際には個人再生を行った後、支払う必要のある弁済額を払い続けるだけの収入があるかどうかを基準に審査を行われます。個人再生を行うとは言っても、減額された弁済額については通常の借金と同じように支払いを行う必要があるため、そのために十分な金額の収入がない場合は個人再生を認められない可能性があります。

 

最低でも3か月に1回の頻度で弁済を行う必要がある

個人再生の弁済を行う際には、最低でも3ヶ月に一度以上は決められた弁済額を支払い続ける必要があります。そのため、金額にもよりますが、収入に関しても3ヶ月に一度以上のペースで継続的に収入を得る見込みがある必要があると判断されることが多いようです。

 

個人再生で整理した後の借金総額により審査基準は変わる

個人再生により借金を債務整理した後、清算を行い最終的に支払う必要のある弁済額が決定しますが、その弁済額の大小により「安定した収入」と認められる基準も変わってきます。個人再生による返済の期間は基本的に3年となっているため、例えば合計の弁済額が100万円の場合、3ヶ月に一度の返済を行うとすれば返済回数は12回となり、100万円を12で割って計算した額である約83000円を3ヶ月に一度支払うことのできるだけの収入が必要となってきます。一方、弁済額が500万円であった場合は、3ヶ月に一度支払う額が約42万円と、100万円の弁済額の場合の5倍に増えてしまうため、収入もその分多く必要となってしまいます。

 

 

個人再生の「安定した収入」の審査基準とは?

個人再生の条件である「安定した収入」を満たしているかどうかを判断する基準としては、現在の収入状態だけでなく、過去の収入状態についての審査を行われる場合もあるようです。また、個人再生の認可がおりた後にも収入状態については引き続き審査が行われるため注意が必要です。

 

現在の収入状態はどう審査される?

個人再生の申請を行う際、まず審査されるのは現在の収入状態について、それが「安定した収入」であるかどうかです。そして、「安定した収入」の条件としては、まず第一に継続的な収入があるかどうかが基準となってきます。一時だけの臨時収入ではなく、継続的に変動の少ない収入を得ることが出来ているかどうか、そしてその額が弁済額を返済し続けるのに適格かどうかという点において、給与明細などの資料を提出し、それを元に現在の収入が安定していると証明することのできた方だけが個人再生を行うことができるのです。

 

過去数年分の収入状態も審査を受けることがある

「安定した収入」の条件として、継続的な収入があるというものがあります。そのため、個人再生を申し込んだ方の収入が継続的なものであるかどうかを確認するために、収入の審査は現在の収入だけでなく過去数年分の収入に関しても行われることがあります。基本的に基準は現在の収入についてと同じく、断続的でなく反復的に継続して一定の収入を得ることができているかどうか、という点を中心的に審査が行われるようです。

 

個人再生の認可がおりた後も、収入状態の審査は続く

個人再生の申込みを行い、「安定した収入」があると認められて返済を開始した後でも、その後返済中の段階の収入状況についても引き続き審査が行われます。これは個人再生認可時の予定通り返済を行うことができているかどうかを確かめるためのものであり、失業や勤務先の企業の倒産などの理由で収入が得られなくなり、返済が難しくなった場合などにはその旨を確認し対応が行われます。もし返済が続けられなくなってしまった場合には、救済措置として返済計画の見直しや、ハードシップ免責という残りの借金残額を免除してもらえる仕組みなどがありますが、条件や場合によっては個人再生での返済が不可能と判断され、自己破産に切り替わってしまう可能性もあります。

 

 

個人再生の利用が認められない人とは?

ここまで個人再生を行う条件について説明してきましたが、それでは実際に個人再生を受けられない人とは具体的にどのような人なのでしょうか。個人再生の最低条件として、まずは収入があることが必要となっています。そのため、無職の方を始めとして、今現在収入のない方は基本的に個人再生を利用することはできないと考えた方がいいでしょう。

 

生活保護を受給している人の場合

生活保護の受給者は、毎月自治体から決まった額の生活保護を受け取り生活しています。それでは、この生活保護受給金は「安定した収入」として認められるのでしょうか。結論から言うと、生活保護受給者の方は個人再生を利用することはできません。これは債権者や返済の問題というよりは法律制度的な関係で、生活保護費を個人再生や借金の返済に充てることは禁止されているためです。仮に生活保護費を借金返済に充てていることがバレた場合、生活保護費の支給の停止処分などが行われてしまう可能性もあります。そのため、生活保護を受給している方は個人再生の使用は不可となっています。ちなみに、同じような形でお金を受け取っている年金受給者の場合は、年金は「収入」と判断されるため、個人再生を利用することができます。

 

パートナーに収入のある専業主婦・主夫の場合

専業主婦や主夫の方は、共通して個人としての収入こそないものの夫婦の収入で生活を行うことができています。それでは、家計として主人に安定した収入がある専業主婦・主夫の方は個人再生を利用することができるのでしょうか。これに関しても、個人再生の審査では本人に安定した収入があることが求められるため、収入がない専業主婦・主夫の方の場合でも、夫婦の収入が合算されることはなく、個人再生を利用することはできません。そのため、個人再生を行いたい場合はまずパートなどで自らが安定した収入を得ることのできる状態を整え、その後に個人再生の申し込みを行う必要があります。

 

借金額と比べて収入額が少なすぎる方の場合

正社員として会社で働くサラリーマンの方ではなくても、アルバイトやパートなどの雇用形態で収入を得ている方もいるでしょう。それでは、そのような職業の方は個人再生を利用することができるのでしょうか。これに関しては、個々の場合にもよりますが、これまでも比較的安定して仕事による収入を得ることができており、今後も続けて収入を得る見込みが高い方の場合は、基本的には個人再生を利用できる可能性が高くなっています。反対に、その職に就職してからの期間が短すぎる場合や短い期間で転職を繰り返しているような方の場合は個人再生を認められにくくなっています。ただし、仮に継続して給料を得られている場合であっても、返済すべき弁済額に比べて収入額があまりに足りておらず、3年での返済が不可能だと考えられる場合には個人再生は利用できない可能性が高いでしょう。

 

収入を得る見込みのある期間が足りない方の場合

これまでや現在のところは継続的に収入を得ることができている方の場合でも、今後の安定した収入を得ることのできると見込まれる期間が短い方の場合は個人再生を利用することは難しくなっています。例えば契約社員や派遣社員の方で契約期間が近い内に切れるという方の場合、今後の収入の見込みが明確でない場合は個人再生を利用できない可能性があります。

 

 

個人再生の条件「安定した収入」について まとめ

個人再生を行うためには「安定した収入」が必要であり、「安定した収入」の条件としては自身が継続的にある程度の収入を得られていることが必要となっています。そのため、専業主婦・主夫や生活保護受給者の方などは個人再生を受けることはできず、またパート・アルバイトなどで安定した収入を得られている方でも、返済すべき額に比べて収入が少なく返済計画が立てられない方などは個人再生を利用することは難しくなっています。