2回目の個人再生はできる?不認可になった5つの事例と申立条件

2回目の個人再生はできる?不認可になった5つの事例と申立条件

2回目の個人再生は可能なのか?

個人再生後に返済しきれない借金を新たにしてしまうこともあります。
こうした場合、2回目の個人再生はできるのでしょうか?

 

2度目の個人再生ができるかは、個人再生の種類によって違ってくるのです。

 

例えば、給与所得者等再生によって個人再生を行うと、再び給与所得者等再生によって個人再生することが難しくなります。

 

一方、小規模個人再生ではこうした制限もありません。また、2度目ということもあり、個人再生が認められにくくなることもありますが、基礎的な条件を満たしていれば申請自体は可能です。

 

このように2度目の個人再生は1度目の個人再生とは違った注意点もあります。
なぜ2度目の給与所得者等再生は難しいのかなど、2度目の個人再生についてまとめました。

 

これから2度目の個人再生を受ける人は参考にしてみてください。

 

「給与所得者等再生」と「小規模個人再生」の違い

2回目の個人再生を検討する上で、給与所得者等再生なのか、小規模個人再生なのかが非常に重要になります。

 

まずは「給与所得者等再生」と「小規模個人再生」の違いについて理解しておきましょう。

 

給与所得者等再生の条件

給与所得者等再生はサラリーマンを始めとした安定した収入の見込みがある債務者が利用できる個人再生です。

 

また、給与所得者等再生を利用するには無担保債権が5000万円以下である必要性もあります。 
この給与所得者等再生はその名の通りサラリーマンの人が多く利用しますが、サラリーマンだからといって必ずしも給与所得者更生を利用しないといけない決まりはありません。

 

場合によっては後述の小規模再生によって個人再生を図った方が良いこともあります。
例えば、小規模個人再生の方が個人再生後に債権者に返済する金額がより削減されるといったメリットがあるため、給与所得者等再生を利用できるにも関わらず小規模個人再生をする人もいます。

 

そんな給与所得者等再生の大きなメリットは債権者の反対・異議があっても問題なく個人再生ができることでしょう。
小規模個人再生だと借金をしている銀行・消費者金融に反対されると個人再生計画を修正しなければいけないことがあります。

 

一方、給与所得者等再生ではこうしたことも少なくなっています。それだけに個人再生がしやすいのです。 
これが給与所得者更生ですが、個人事業主などが利用するのが小規模個人再生です。

 

小規模個人再生の条件

こちらは最大で借金額が5分の1にまで大幅に減額されるのが最大のメリットです。(借金額が3000万円を超える場合、10分の1以下の削減にとどまります)

 

とはいえ、債務者の財産状況によっても削減額は変わってきます。 

 

このように小規模個人再生は削減額が比較的多いですが、その分だけ個人再生計画は貸金業者の意見も十分に反映させないといけません。

 

そのため、交渉の必要性がより出てくる他、個人再生が認められるまで長引いてしまうようなことも。 
実際に個人再生をする際には給与所得再生もしくは小規模個人再生のどちらかを利用することになりますが、これは弁護士事務所や司法書士事務所と相談して決めていきましょう。

 

例えば、債権者から個人再生計画に対して反対が出ると予想される場合には、最初から給与所得者等再生を選んだ方がスムーズに個人再生が進みます。一方、交渉が長引いても借金をより大幅に削減したい場合には小規模個人再生を選択した方が良いこともあります。

 

2回目の個人再生が「給与所得者等再生」のケース

個人再生を給与所得者等再生によって行ったが、2度目も給与所得者等再生をしたい場合にはどうなるのでしょうか。

 

この場合、以前の個人再生から7年間経過していることが条件です。

 

もしも7年も経っていないのに個人再生をしたい場合には給与所得者等再生ではなく小規模個人再生を受けることになります。

 

また、もしも前回行った個人再生計画を未だ弁済中であっても、個人再生は申立出来ます。

 

しかし、この場合にはハードシップ免責を受けた方が良いことも。ハードシップ免責とは「弁済計画の4分の3以上弁済した」といった条件を満たすことで残りの債務を免除してもらう制度です。

 

このハードシップ免責が利用できればそもそも2度目の個人再生をしないで済むこともありますが、利用するためにはやむを得ない理由がないといけません。

 

具体的には「仕事先が倒産した」などの理由です。
こうした理由がない場合にはハードシップ免責も利用できませんから注意しましょう。 

 

他に、返済計画の変更を申請することができることもあります。例えば、条件次第では返済期間を延長してもらったり、毎月の返済額を減らすということが可能です。

 

こうした申請は認められないこともありますが、再び個人再生を行うよりも手間がかかりません。そのため、法律事務所などに依頼してこうした方法が利用できないか探ってみるのも良いでしょう。

 

2回目の個人再生が「小規模個人再生」のケース

小規模個人再生では、給与所得再生のような期間による制限はありません。

 

そのため、2度目の個人再生をするのは比較的楽になっています。
しかし、2度目の個人再生ということもあり、債権者と交渉が難しくなることがあります。 

 

2度目の小規模個人再生の申請条件としては

  • 「債務者が個人であること」
  • 「再生手続開始原因があること」
  • 「債務総額が5,000万円を超えていないこと」
  • 「申立棄却事由がないこと」

などがありますが、これは一度目と同様です。 

 

また、一度目は給与所得者等再生をした場合であっても、問題なく小規模個人再生は受けられます。
この場合、一度目の個人再生計画で支払った返済金額も認められることもポイントです。

 

 

1回目の債務整理が個人再生以外の方法だった場合

1回目の債務整理方法が任意整理であったケース

「任意整理によって債務整理を行ったが返済に行き詰まってしまった」という人は少なくありません。

 

この場合、個人再生、もしくは自己破産を検討することとなります。特に、一度目の債務整理方法が個人再生であった場合よりも個人再生が認められやすい可能性があります。。

 

しかし、任意整理後の返済が当初から行き詰まっていた場合には話は別です。

 

個人再生では返済能力が重要なので、こうなると個人再生時に債権者との交渉が難しくなることも。

 

このように任意整理から個人再生へ切り替えるメリットは色々とありますが、借金額を大幅に減らせるというのが最大のメリットです。

 

そのため、任意整理ではどうにもならなかった人であっても、個人再生であれば返済ができるようになることもあります。
その反面、弁護士に支払う費用はよりかかりますし、官報に氏名や名前などが掲載されてしまいます。

 

これによって信用情報期間のブラックリストにも載ってしまうというデメリットがあることも理解しておきましょう。

 

1回目に自己破産をして債務整理をした

1回目の債務整理で自己破産をした場合には個人再生が認められない可能性が高くなります。

 

自己破産をすると借金がチャラになりますが、その後に再び借金をして個人再生をしても「返済できないのでは」と見なされることが多いためです。

 

また、自己破産後に債務整理を行うのには制限もあります。

 

通常は自己破産をしてから7年以内は新たに債務整理できません。免責が認められることもありますが、自己破産後に債務整理をするのは余りおすすめできないことは確かです。

 

 

2度目の債務整理を成功させるポイント

紹介したように2度目の債務整理はハードルが高くなります。

 

特に一度目に給与所得再生を行った場合や自己破産をした場合には、更に個人再生が認められにくくなります。

 

だからこそ、2度目の個人再生を成功させるには個人再生に強い弁護士を選んでおく事が重要です。

 

腕の良い弁護士であれば2度目の個人再生であっても成功させられる確率が上がります。

 

また、一回目の個人再生が失敗した原因なども分析してくれますから、最適な債務整理方法が解るようになるはずです。

 

 

2回目の個人再生を行う場合のポイント

  • 2回めの個人再生は条件次第で可能 
  • 個人再生には2種類ある 
  • 給与所得者等再生の場合、期間の縛りがある 
  • 小規模個人再生は期間の縛りもない 
  • 小規模個人再生を選ぶ場合、債権者との交渉が難しくなることも 
  • 任意整理後の個人再生は比較的容易 
  • 自己破産からの個人再生は困難 
  • 2回めの個人再生をしたい場合には、弁護士選びが重要  

 

個人再生後に返済に行き詰まることは実は多いものです。

 

この際、再び債務整理を検討することとなりますが、上記のようなポイント・注意点もあります。

 

こうした点も踏まえた上で最適な債務整理方法について考えていきましょう。