過払い金請求に必要な取引履歴!どうやって取り寄せる?

過払い金請求に必要な取引履歴!どうやって取り寄せる?

過払い金を請求するならまずは取引履歴を取り寄せる?!

テレビCMなどでもよく見かける過払い金ですが、どうすれば請求できるのでしょうか。

 

過払い金があるかどうか、あるとしたらどのくらいなのかを確認するためには取引履歴が必要になります。
過去のどの時点で借り入れをし、その利率がいくらで、返済がどのタイミングで行われたのかといった、過去の取引がわかるものが、取引履歴です。

 

この記事では、どのように取引履歴を取り寄せたらよいのか、過払い金請求を行うことで不利益になることがあるのかどうか、解説します。

 

 

取引履歴には何が書かれている?

取引履歴とは、過去の借り入れに関する記録です。借入の日付と借入額(業者側から見ると貸付額)、返済の日付、返済までの期間や返済時の利率など、債務とその返済に関わる明細が記載されています。過払い金が発生するのは、2つの法律の間で利息のグレーゾーンがあったからです。金銭の貸し付けを行う業者を対象とする貸金業法では、かつて上限金利が29.2%でした。一方で利息制限法では、10万円までの貸し付けの上限金利が20%、100万円までが18%、100万円以上が15%と定められています。多くの業者は、貸金業法の上限の29.2%で利息をつけて貸金を回収していたため、利息上限法によって定められた適正利息を上回る利息をとっていたことになります。借り手側から見ると、払金が過払いになっていました。この払金の過払い分の返還を請求するのが過払い請求です。平成22年6月18日に改正貸金業法が施行されて、上限金利は利息制限法と同じところまで引き下げられました。それ以降は、多くの業者が利息制限法に従った利息で貸しつけを行っています。そのため、いつ、いくらを借りて、何%の利息で返済したのか、というのが過払い請求にとって重要な点となります。

 

 

取引履歴は個人でも取り寄せられる?

取引履歴は、個人でも取り寄せが可能です。平成17年7月19日付けで、最高裁判所から「貸金業者は取引履歴の開示を求められた場合、開示する義務がある」という趣旨の判決が出されました。この判決以降、業者には取引履歴の開示を請求された場合、提示する義務が生じています。この請求は、司法書士に相談したり弁護士に委託したりすることもできますが、個人でも行うことができます。最後の取引、完済してから10年経つと、時効が成立してしまうので気を付けましょう。

 

プロミスに取引履歴の開示を請求する方法

プロミスに取引履歴の開示を請求するには、まず電話をかけます。プロミスコールかお客様相談室に電話して取引履歴がほしい旨を伝えます。その際に、本人確認のために生年月日などをきかれることがあります。その後、「個人情報開示申請書」が用意されます。申請書に記入し、本人確認書類として運転免許証や健康保険証のコピーを同封して送り返すと請求手続きは終了します。

 

アイフルに取引履歴の開示を請求する方法

アイフルに取引履歴の開示を請求する際には、まずは個人情報相談窓口に電話します。この窓口は平日の9時から18時の間受け付けています。電話で取引履歴の開示を希望する旨伝えます。その際に本人確認が行われますから、運転免許証や保険証といった書類を手元に置いておくようにしましょう。請求書が送られてきますので、必要事項を記入し、運転免許証などの本人確認ができる書類のコピーを同封して返送します。

 

アコムに取引履歴の開示を請求する方法

アコムから取引履歴を取り寄せるには、開示請求書に記入して郵送します。開示請求書は、アコムの公式サイトの個人情報開示手続きに関してという項目からダウンロードすることができます。お客様相談センターに電話して取り寄せることもできます。近くにアコムの支店があれば、行ってもらってくることもできます。開示請求書に記入し、運転免許証や保険証といった本人確認ができる書類のコピーを同封して郵送します。支店が近くにあれば、直接持ち込みもできます。

 

ニコスに取引履歴の開示を請求する方法

ニコスに取引履歴の開示を請求する際にも窓口に電話をして取引履歴の開示を請求する旨連絡します。ニコスの場合、カードローンの種類によって担当窓口が異なっています。三菱UFJニコスのサイトで確認するか、使用したカードが手元にある場合にはカードの裏面に記載されている番号に電話します。電話連絡をすると、開示請求書が郵送されます。開示請求書に必要事項を記入し、本人確認書類を同封して郵送します。

 

レイクに取引履歴の開示を請求する方法

レイクは新生フィナンシャルグループのカードローン会社です。取引履歴を請求する際には、まず、新生フィナンシャル株式会社のお客様相談センターに電話をします。その後、取引記録開示請求申請書が送られてきます。この申請書は、新生フィナンシャル株式会社のホームページからダウンロードすることもできます。申請書に記入をし、運転免許証や保険証といった本人確認書類のコピーを同封して返送します。

 

セディナに取引履歴の開示を請求する方法

セディナは三井住友フィナンシャルグループのクレジットカードを使った総合決済を行うファイナンス会社です。OMCカード、クォークローン、セントラルファイナンスの利用者の方はセディナから取引履歴を取り寄せることになります。まずは、セディナの「個人情報の取り扱いに関するお問い合わせ相談窓口」に電話をかけます。個人情報開示請求書が送られてくるので、運転免許証やパスポート、外国の方の場合は在留カードといった本人確認証明ができる書類のコピーを同封して返送します。

 

 

開示請求したらどのくらいで取引履歴を手に入れられる?

開示請求した後、取引履歴はほとんどの会社が郵送してきます。アコムのように支店に持ち込みができる会社であれば、支店でもらうことも可能な場合があります。どちらにせよ、どのくらいで取引履歴が届くのでしょうか。ほとんどの会社は2~3週間くらいで届く会社が多いようです。ただ、いくつかの会社が合併したセディナの場合、1~2か月くらいかかっているらしいです。請求のために電話をかけた際に、一応の目安の時間をきいておくのも良いかもしれません。

 

 

すべての取引履歴が揃っていなかったらどうする?

取引履歴を取り寄せたものの、途中からの履歴しか開示されていないということがあります。貸金業者の記録保持は、最終返済日から10年間と定められています。そのため10年以上前の記録は残っておらず開示できないという業者もあります。そういった場合、途中からの履歴のみで計算してしまうと過払い金が少なく算出されてしまうことになります。取引履歴が一部しかない場合には、推定計算かゼロ計算といった手法で引き直し計算を行います。
・推定計算:文字通り開示されなかった期間に行ったと推定される取引を再現する手法です。ATMの控えや振り込みをした通帳記録、自分の記憶などを基に推定します。結婚式や旅行など何らかの契機があった場合、記憶に残っていることも多いかもしれません。
・ゼロ計算:残高無視計算、残高ゼロ計算といった名称でも呼ばれています。古い記録が開示されず取引記録が途中から始まっている場合、取引履歴が開示された時点での借金の残高は0円であったと仮定して引き直し計算を行う手法です。

 

 

専門家に相談する利点とマイナス面

過払い金請求は自分ですることもできますが弁護士などの専門家に相談することもできます。専門家に相談すると、やはり費用がかかります。成功報酬で返済された額の何%かという事務所もありますし、何万円という会社もあります。自分でもできることに費用がかかるというのはデメリットです。ただ返済請求を行うと、貸金業者側から和解を申し込んでくることがあります。和解条件の交渉など、一般の方々には難しい面があるかもしれません。裁判を含めて面倒な手続きを自分でする必要がなく、専門家に任せられるというのメリットもあります。

 

 

過払い金の返済請求に必要な取引履歴についてのまとめ

過払い金請求をするには取引履歴が必要です。取引履歴の開示請求は自分で行うことができます。利用した企業のお客様相談窓口に電話して申請書を取り寄せ、記入して返送すると2~3週間後、業者によっては1~2か月後に送られてきます。取引履歴の一部しかない場合、推定計算などの手法を使って取引全体を計算の中に含めることができるようにします。自分でできない場合は弁護士などの専門家に依頼することもできます。