過払い金の対象・対象外を知って過払い金返還請求をおこなう

過払い金の対象・対象外を知って過払い金返還請求をおこなう

自分の借金が過払い金の対象になるのかを知りたい

テレビCMでもよく目にする過払い金ですが、いったいどのような条件に当てはまれば過払い金の対象になるのかが分かりにくいものです。

 

そのために過払い金の対象になっているのに、気づかずそのまま放置している人が案外多いのです。

 

このページではどのようなケースに当てはまると過払い金の対象になるのかを、詳しく説明していきます。

 

 

過払い金はなぜ発生しその請求とはどのような手続きか

過払い金とは文字通り払いすぎたお金のことです。2010年(平成22年)6月18日の貸金業法や出資法の改正までは、利息制限法に定める上限金利と出資法の上限金利の間の金利で貸し出す消費者金融や、クレジットカードのキャッシングが多く存在しました。この利息制限法の上限金利20%と出資法の上限金利29.2%に挟まれた部分をグレーゾーン金利と呼んでいます。2006年(平成18年)1月13日の最高裁判決においてグレーゾーン金利については無効とする解釈が出されました。そこですでに支払ったグレーゾーン金利での支払いを利息制限法に定める金利によって再計算し、余分に返済したお金を過払い金として、商品者金融やクレジットカード会社に返還を請求することを過払い金請求と呼んでいます。金融業者の大半は貸金業法や出資法の改正を待たずに、最高裁判決が出たあとグレーゾーン金利での貸し出しを改め、利息制限法の金利での貸し出しとなっています。このため2007年から遅くとも2010年頃までに消費者金融でお金を借りた方の大半は、過払い金が発生している可能性が高いのです。

 

借金を返済中ならば過払い金請求で大幅減額できる可能性も

借金の返済に苦しむ方が多いのですが、もしその借金が2006年から2010年より以前から続く場合には、過払い金が発生している可能性があります。グレーゾーン金利で借りていた場合、利息制限法に定める上限金利で計算しなおします。そして金利として余分に返済していた金額を元金に充当していくと、借金の残額が大幅に減ったり場合によっては借金が無くなるケースもあるのです。もし10年以上前から続く借金であれば、過払い金請求で借金を大幅に圧縮できる可能性があるのです。

 

 

過払い金の対象となる取引と条件について

昔からずっと借金をしているとしても、対象とならない取引や条件もあります。もっとも重要な条件はグレーゾーン金利で貸し出されていた借金であることです。消費者金融やクレジットカードのキャッシングの金利は、グレーゾーン金利によって貸し出されていることが大半でした。概ね2010年以前にお金を借りた人が対象です。グレーゾーン金利では20%を超える金利による貸し付けでしたから、これより高い金利を支払っている人が対象となります。過去に借りていてすでに完済している人でも、その完済から10年を超えていなければ過払い金請求の対象となります。10年で時効を迎え過払い金請求ができなくなるためです。

 

過払い金請求の対象の可能性がある消費者金融

過払い金の請求の対象となる消費者金融やカード会社は数多くあります。グレーゾーン金利と呼ばれる利息制限法の上限金利を上回る金利で貸出を行っていた会社すべてが対象になります。主な対象となる会社ではアコム・アイフル・プロミス・レイクといった大手消費者金融のほか、三洋信販(ポケットバンク)・シンキ(ノーローン)などです。

 

アコムに対する過払い金請求の対象者について

アコムに対する過払い金請求の対象者ですが、2007年6月17日以前からアコムと取引を行っている人に限られます。アコムは2007年6月17日までは年率27.375%で貸出しを行っており、利息制限法の上限金利を上回るためです。ところが2007年6月18日からは年率18%に引き下げたため、この2007年6月18日以降に初めてアコムと取引した人は対象とはならないのです。またすでに完済して10年を超える人は、時効により過払い金の請求ができません。

 

リボで返済したクレジットカードでも過払い金は発生する

リボ払いは借入金額に関係なく毎月一定額を返済する方式と、残額に応じて返済額が変動する方式があります。リボ払いも残額に応じて一定の金利が発生していて、グレーゾーン金利を採用していたクレジットカード会社では過払い金が発生している可能性が非常に高くなっています。ただしリボ払いで過払い金が発生するのはキャッシングだけで、ショッピングは対象になりません。ショッピングのリボ払いは金利ではなく手数料を取っているだけなので、過払い金の対象にはなりません。

 

過払い金が発生している可能性のあるクレジットカード会社

クレジットカードのキャッシングにおいて、いわゆるグレーゾーン金利で貸出しを行っていたクレジットカード会社や信販会社すべてが対象です。ニコスカード・オリコカード・エポスカード・セゾンカード・ライフカード・ビューカード・イオンカード・セディナ(OMC・セントラルファイナンス・クオークなど)アプラスなどが対象となります。

 

 

過払い金請求の対象とはならない場合について

過払い金は利息制限法の上限金利を超える金利によって借金していた場合に起こります。このため2010年の法律改正以降にお金を借りた方は対象にはなりません。また本来は過払い金の対象だったとしても、完済から10年を超えると時効により請求はできません。

 

過払い金が発生しない業者

以前から利息制限法の範囲内の利率で貸付けを行っていた会社では過払い金は発生しません。消費者金融ではモビット・アットローン・キャッシュワン、キャッシングのオリックス、銀行のカードローンなど過払い金は発生しません。

 

過払い金の対象業者でも借入時期により対象にならないことも

2006年の最高裁判決のあと、各金融業者は利息制限法の上限金利の範囲内での融資を行うようになりました。アイフルは2007年8月1日以降、アコムは2007年6月18日以降、プロミスは2007年12月19日以降金利の引き下げを行いましたので、それぞれの日以降の借入については過払い金は発生していません。

 

自動車や住宅のローンは過払い金が発生しません

過払い金が発生するのは利息制限法を超える金利による融資を行っていた場合です。ところが自動車ローンや住宅ローンはそれほど高い金利を取ったことがありません。ですので住宅ローンや自動車ローンでは過払い金が発生することはないのです。

 

 

過払い金は時効により請求できないことがある

過払い金の請求は、最後の取引日(完済した日)から10年を経過すると時効により請求ができなくなります。民法703条で規定されている不当利得返還請求権によるもので、10年で消滅時効となるためです。ただし、消費者金融で借りられる上限枠内で借りたり返済したりを繰り返している場合、直近の返済から10年が経過していなければ時効とはなりません。

 

 

過払い金請求の対象ならば専門家に相談しましょう

過払い金を請求する際に弁護士や司法書士といった専門家に相談し依頼すれば、過払い金の返還金のうち20%前後が手数料として必要になります。そのために専門家に依頼せず個人で過払い金の請求を行う人もいます。しかし、専門家に相談するほうがさまざまなメリットがあります。手続きは専門家に任せておけばよく、普段通りの生活を送れる。個人でも取引履歴を取り寄せて引き直し計算はできるが、交渉では不利な条件による和解が多い。専門家に任せるほうが有利な条件で和解でき、弁護士費用を払っても専門家に依頼するほうが残る金額が多くなるなど、専門家に依頼するほうがメリットは大きいのです。

 

過払い金請求の方法をみてみよう

最初に金融業者に対して取引履歴の請求を行います。取引履歴をみればどの程度の期間・どの程度の金利で借金をしていたのかが分かります。取引履歴をもとに過払い金を引き直し計算で求めます。金融業者に対して過払い金請求書を送付します。このあと貸金業者との和解交渉を行います。和解交渉の内容に納得すれば和解は成立し、過払い金の返金を受けます。和解が成立しない場合には、裁判所に過払い金返還請求訴訟を提起します。おもな流れは御覧の通りで、和解交渉などは個人では難しいので専門家に依頼するほうがよいでしょう。

 

 

過払い金の対象ならば返還請求を行おう

過払い金の対象となる取引は利息制限法を超える金利による借金です。消費者金融やクレジットカードのキャッシングが対象になります。過払い金が発生していれば借金が大幅に減少したり、すでに完済していればお金が戻ってくる可能性が高くなります。過払い金の請求には時効があり、最後の返済から10年を超えると請求ができなくなります。個人でもできますが、専門家に依頼するほうが多くの金額を受け取れるなどメリットが大きいのです。