時効援用の費用相場はいくら?安く済ませるには弁護士か司法書士?

時効援用の費用相場はいくら?安く済ませるには弁護士か司法書士?

時効の援用ってどういうこと?借金をチャラにするなら必修です!

借金には時効があり、時効を過ぎれば返済義務をなくすことができます。ただし、この時効を使うためには、債務者(借主)が「時効の援用」を行う必要があります。

 

時効の援用とは一体どういうことで、どうやったらできるのでしょうか?
この記事で解説するので、学んでいきましょう。借金に悩んでいる人は、ぜひ読んでみてください。解決の道しるべになるかもしれません。

 

 

まずは基本から!時効の援用ってどういう意味?

「援用」という言葉は、法律用語としては「ある事実を自分の利益のために主張すること」を指します。したがって、時効の援用とは「時効が過ぎたということを自分の借金をなくすために主張すること」を意味します。この主張は、債権者に対して行う必要があります。

 

 

【重要】時効の援用をしなければ、時効が過ぎても借金は消えない

借金は時効を迎えても自動で支払い義務がなくなるわけではありません。時効の援用をして、はじめて時効が完成します。どうしてこのような制度になっているかと言えば、債務者の中には返済義務を負い続けたいと望む人もいるためです。債権者にとって、貸金が回収できないのは理不尽なこと。誠意ある債務者は、援用をしないことで借金の放棄を拒否できます。言い換えれば、援用制度のおかげで、債務者が自らの意思で時効を利用するかしないかを選択できるようになっているのです。

 

 

時効の援用をするための条件は?これだけは必須!

時効の援用をするための条件は、ただ一つ「時効が過ぎていること」です。時効が過ぎることと時効の援用をすることの2ステップで、借金は消滅します。ただし、時効が過ぎるのは簡単なことではなく、債権者は途中で時効の中断(時効のカウントがリセットされ、また1からスタート)を起こすこともできます。詳しくは次項で見ていきましょう。

 

 

借金の消滅時効までの期間は何年?業者の分類によって差が!

借金の時効までの期間は、商事債権だと5年、民事債権だと10年です。商事債権とは営利目的で貸し借りされたお金を指し、消費者金融や銀行やクレジットカードなどからの借金が該当します。民事債権とは非営利目手金で貸し借りされたお金を指し、個人や信用金庫などからの借金が該当します。基本的には借金ができた時から時間を起算することになりますが、債権者の行動によっては時効の中断が起こり、カウントがリセットされます。時効の中断が起こるのは、債権者が債務者に裁判上の請求をした時や、債務者の財産を仮処分や差し押さえした時、債務者が債務の承認(一部の返済など、債務があることを認める行為全般)をした時です。特に起こりやすいのが債務者による債務の承認で、一度でも返済を行っている場合は、時効の計算が最後の返済をした時からになっているので注意しましょう。

 

 

時効の援用をするための手続き方法は?文書で証拠を残そう!

法律では、時効の援用の方法について特に限定していません。そのため、口頭で相手に伝えても一応OKです。しかし、後々トラブルになるのを防ぐためには、しっかりと証拠を残しておく事をおすすめします。最もメジャーな方法は、内容証明郵便で時効援用通知書を送ることです。内容証明郵便というのは、手紙の内容・送った日付・送ったという事実を、郵便局が証明してくれる郵便であり、法的な効果を持たせたい場合によく利用されています。

 

手続きは自分でやっても、弁護士などの代理人に依頼してもOK!

時効を援用する手続きは、司法書士(債務が140万円以下のケース限定)や弁護士に頼んで一切を任せることもできますし、自分で時効援用通知書を作成して送ることもできます。本当に時効が過ぎているかという調査をしたり、債権者とのやりとりが生じたりという事を考えれば、弁護士に頼む方がおすすめです。弁護士に頼む欠点は、費用がかさむというただ一点。一般的には、3~5万円くらいの料金がかかります。自分で手続きをする場合、時効援用通知書の内容を自分で考えましょう。時効となる債務はどれなのか特定できる情報、その債務の時効の長さとそれが経過している事実、時効を援用するという宣言、援用者(債務者)の連絡先などの基本情報、時効援用通知書を送る日付は、必ず記載してください。

 

 

時効の援用で信用情報はどうなる?改善されない事もある?

そもそも借金を滞納していると、信用情報に「延滞」という事故情報が登録され、いわゆるブラックリストに載った状態になります。時効の成立によって借金がなくなった場合、通常は信用情報も改善されます。しかし、「弁済義務がなくなったとしても延滞した事実に変わりはないため、信用情報はそのままにする」と元債権者側が考え、信用情報機関に手続きを行わない場合もあります。その場合、信用情報が改善されない事もあり得ます。

 

 

時効の援用のデメリットは?失敗に気をつけよう!

時効の援用のデメリットの1つは、前項で紹介したように信用情報に傷が残る可能性があることです。他のデメリットとしては、時効を過ぎるまでの間に利子で借金が膨らみ続けること、そして時効を援用するまでに時効の中断が起こりうるということです。アテにしていた時効に失敗してしまえば、莫大な借金が残ってしまうでしょう。待っている期間はハードな督促が想定される上、本当に時効が成立するかどうかハラハラして、債務者の心理的負担も大きいです。また、もしも調査不足で誤解し、時効が到来していないのに時効の援用をしてしまった場合、債権者側が時効の中断を起こすきっかけになってしまう可能性もあります。デメリットを大きく感じるのであれば、債務整理など他の方法も検討してみましょう。

 

 

時効不成立?時効の援用をしたのに裁判所から呼び出された!

時効の援用完成後、自宅に裁判所から訴状が届いたという場合、それだけでは時効が成立しているのかどうか判断できません。しかし、きちんと時効が過ぎた後に時効の援用をしていれば、時効は成立しているので支払い義務はありません。心配なのは、本当に時効が過ぎていたかどうかという点。実はまだ時効ではなかったという場合、時効は成立していません。債権者側が裁判を起こすことで時効の中断を狙っている可能性が考えられます。

 

 

時効の援用についてのまとめ!

借金の時効の援用は、時効の効力を発揮するために絶対に必要です。自分から動かなければいつまでも借金が残ったままなので、注意しましょう。特に気を払うべきなのは、時効の援用のタイミング。時効が経過したと断言できる状態で、内容証明郵便によって証拠を残しつつ遂行できれば完璧です。弁護士に頼むと確実性がアップするので、ケチらずに代わってもらうと安心です。借金は大変ですが、時効も含めた様々な権利を上手に利用して、最終的な解決を目指していきましょう。