自己破産は主婦でもできる?家族への影響と夫に内緒で手続きするコツ
生活費の補てんや出産・育児などの出費が原因で、どうしようもなく借金をしている方は多いです。
そして「夫にも内緒の借金を抱えている」という悩みを持つ主婦の方も少なくありません。
主婦でも借金の返済が困難な場合は、自己破産をすることができます。
自己破産をしても連帯保証人でない限りは家族に請求が届くこともありませんし、自分名義の財産がなければ家族にも迷惑をかけることもありません。
しかし、家族に内緒で自己破産の手続きをしたい場合は、いくつかのポイントに注意しなければなりません。
この記事では、「主婦でも自己破産できるの?」「夫や会社にバレずに自己破産する方法は?」「自己破産すると家族に影響がある?」といったことについて解説していきます。
夫にバレずに自己破産するためのチェックポイント
次のような条件に当てはまるのであれば、旦那さんにも内緒で自己破産できる可能性があります。
以下で1つずつ見ていきましょう。
①自分名義の財産が少ないとバレにくい?
自己破産をすると自分名義の財産は全て処分されてしまいます。
もし家や自動車などが自分の名義になっている場合には、それらを手放す必要があるため、家族に内緒で手続きするのは難しいでしょう。
生活に必要な家財道具や衣服などは、自己破産をしても残すことができます。
また、基本的に自分名義以外の財産(夫名義の財産などは子名義の預貯金)などへの影響はありません。
②家族の収入証明書が必要になる?
自己破産では、収入を証明するための「給与明細書(申立前1~2か月分)」と「源泉徴収票(直近の年度のもの)」が必要となります。
専業主婦の場合は自分で収入を得ることができないため、家計収入を確認する方法として、夫の給与明細書や源泉徴収票の提出が必要となります。
また生命保険や学資保険などがあれば保険証券のコピー、家や自動車があれば場合によっては登記簿謄本や車検証のコピーなども必要になる可能性があります。
これらの書類を夫に怪しまれずに入手できるのであれば、内緒での手続きも可能です。
保険証券などは一般的には家で保管していますし、登記簿謄本は委任状がなくても代理で取得することができます。
③外出や書類作成の時間を怪しまれずに取れる
自己破産の手続きをするにあたって様々な書類の発行が必要となりますし、弁護士との面談や裁判所への出頭で外出する機会が多くなります。
弁護士からの連絡や書類などの送付も必要となりますので、事前に弁護士に郵便物や連絡については打合せをしておく必要があります。
また自己破産の申立書は専門家に手続きを依頼した場合でも自分で記入しなければなりません。
家族がいない時を見計らって書くための時間が作れるかどうかも重要になってきます。
主婦が自己破産をすると夫や子どもやに影響はある?
結論から言うと、自己破産をすることで周囲の人に直接的な害が及ぶということはありません。
主婦であるあなたが自己破産をしても、連帯保証人でない場合は旦那や子供、家族などに請求が届くことはありません。
また、自己破産をすると信用情報機関に事故情報が登録されますが、これも本人のみで家族が信用情報に登録されることはありません。
住民票や戸籍などにも記載はされません。
ただし家や自動車など自分名義の財産がある場合は処分されますので、引越しをしなければいけなくなったり、車がなくなってしまったりと自己破産後の生活に大きく影響する可能性があります。
官報に掲載されるとどうなる?
官報とは政府の広報紙のようなもので、地方自治体に関する情報や会社の合併・倒産などの情報が掲載されているものです。
一般の書店では販売されていませんが、政府刊行物を取り扱っている所で購入ができて、インターネットでの閲覧も可能です。
自己破産や個人再生をした場合、手続きの開始や完了のタイミングで債務者(あなた)の氏名・住所などが掲載されます。
ただ内容が特殊なため法律家や税理士などの専門家しか目にすることはなく、一般の方が見ることはまずありません。
そのため、官報の掲載が原因で家族や近隣住民に知られることはないと考えていいでしょう。
債務整理は自己破産だけじゃない!
借金の返済が難しい場合、債務整理の方法は自己破産だけではありません。
自己破産の他にも「任意整理」や「個人再生」といった方法があります。
借金を大幅に減額できる「個人再生」
借金残高を1/3~1/5まで減額して、それを3年間で分割返済していく方法です。
”本人に安定した収入がある”ことが条件の1つとなります。
そのため専業主婦の方は個人再生はできませんが、パートなどで毎月の収入があれば手続きができる可能性があります。
柔軟に対応できる「任意整理」
本人の収入がない専業主婦の場合は、任意整理も有効です。
任意整理は整理する対象(借金)を選んで、借金の減額やその後の利息をカットしてもうらう方法です。
官報に掲載されないことや、財産の処分なども必要ないため、一番内緒で手続きを行いやすい方法と言えます。
過払い金があれば、その金額分も差し引いた状態で計算されます。
借金がゼロになるわけではないので毎月の返済が必要になりますが、収入がなくても家計の中から返済額をやりくりできる場合は手続きが可能です。
自分に最適な解決方法を見つけるのは案外難しい
ここまで説明してきたように、自己破産以外にも借金を解決する方法はいくつもあります。
ただ、それぞれに条件やメリットデメリットがあるため、どの方法があなたに合っているかは一概には言えません。
そんなとき、弁護士や司法書士などの専門家に相談すれば、いくつか解決案を出してもらってどれが一番いいかのアドバイスをもらうことができます。
相談を申込むときに内緒で進めたいことを伝えておけば、周りにバレないように配慮をしてくれる事務所もあります。
- 書類を郵便局留めで手配してくれる
- 電話連絡を家族がいない時間帯にしくてれる
- 基本的な連絡は全てメールで対応してくれる
次のページでは、実績豊富で債務整理に強い弁護士・司法書士事務所について詳しく解説しています。
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夫が自己破産したら主婦は借入出来るの?
夫婦のどちらか一方が自己破産をした場合、信用情報に事故情報が登録されるのは自己破産をした当人のみです。
基本的には夫が自己破産をしても妻が今まで通り借入をするができます。
しかし、金融会社の審査基準はそれぞれ異なり、審査の際に同一の電話番号で契約がないかを確認したり、その契約が債務整理で事故扱いになったりしていないかなどもチェックする場合もあります。
そういった場合は夫の事故情報がバレてしまうこともありますし、家計を共にしている以上は金融会社も多少参考にするかもしれません。
こればかりは金融会社の判断になりますので一概にできるともできないともいえません。
まとめ:主婦が旦那に内緒で自己破産することはできる!
以下が家族に秘密で自己破産をする際のポイントです。
・自己破産の処分対象になる財産が自分名義ではないこと
・夫の収入証明書の入手は最低限必要であること
・書類の準備や弁護士事務所、裁判所へ出向く時間、書類を記入する時間を作れること
・事前に弁護士に相談しておき書類の郵送や連絡について配慮してもらうこと
できれば家族に打ち明けるのが理想的
条件が揃えば家族にも内緒で自己破産をすることができます。
ただ、家族の協力を得た方が手続がスムーズに進むことや、家族との信頼関係、今後抱えていかなければならないストレスを考えると、家族に相談して理解を得ることが理想的です。
とくに専業主婦は立場上説明しづらい内容ですし、少なからず責められることを考えると気後れしてしまいますが、内緒にするかきちんと説明するかについてはよく考えた上で決断しましょう。
そういった諸々の事情も含めて、「どうするのが正解かわからない」「誰かにアドバイスをしてほしい」と思うのであれば、弁護士に相談することをおすすめします。
プロの方に相談することで、自分では考えつかない解決方法が見つかることもあるかもしれません。
なにより誰かに話を聞いてもらえるだけでも精神的な負担はとても軽くなります。