奨学金は自己破産で免責になる?保証人の親も払えない場合はどうなるの?

奨学金は自己破産で免責になる?保証人の親も払えない場合はどうなるの?

奨学金は自己破産で免責になる?保証人の親も払えない場合はどうなるの?

自己破産で奨学金は帳消しになる?

よく知らずに利用している方も多いですが、奨学金は借金の一つです。
高額な返済が長期にわたることから、生活環境の変化や予期せぬ事態によって返済が困難になるケースも少なくありません。

 

奨学金も自己破産の免責対象ですので、裁判所で許可されれば、奨学金の返済義務を無くすことができます。

 

しかし、奨学金の債務自体が無くなるわけではなく、次の順番で返済義務が移っていくことになります。

督促の優先順位

  1. 債務者(奨学金を借りた人)
  2. 連帯保証人
  3. 保証人

 

この記事では、「自己破産で親や子どもの奨学金に影響はある?」「保証人も返済不能ならどうすればいい?」「一括ではなく分割返済することはできる?」といった内容について解説していきます。
ぜひ最後まで読んでもらえればと思います。

 

借金に困っているなら、債務整理を検討してみましょう

債務整理とは、法的に借金を整理(減額・帳消し)することで、借金で困っている人を救うための方法です。
なかでも一般的なのが任意整理・個人再生・自己破産で、それぞれ条件やメリット・デメリットが違います。


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自己破産をすると保証人に請求が届く?

債務者本人の支払が自己破産で免責されれば、連帯保証人→保証人へと債務の請求が届くことになります。

 

連帯保証人は、債務者本人と同じように返済責任があるため、請求された返済を拒否することができません。

 

連帯保証人が奨学金を一括返済しないといけなくなる?

債務者が自己破産をした場合、基本的には、連帯保証人は残額分を一括で返済しなければいけません。

 

もし督促に応じなければ、財産の差押えなどの法的措置を取られる可能性もあります。

日本学生支援機構から借りている奨学金の場合、分割返済に応じてくれるケースもあるようですので、担当窓口に相談してみるといいでしょう。

 

そして連帯保証人も返済ができないような場合は、債務者と同じように自己破産などの債務整理をしなければいけません。

 

 

このように奨学金は免責の対象になるものの、自己破産をすれば連帯保証人にまで迷惑をかけてしまうことになります。

 

そのため、奨学金制度の中で他に解決の方法がないか、自己破産ではなく任意整理などの影響が少ない方法などを検討する必要があります。

 

自己破産以外の選択肢についてどれが一番自分に適しているかがわからない場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談することで解決の糸口をつかめるかもしれません。

 

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自己破産の前に奨学金救済制度を確認!

返還期限猶予申請とは

災害や病気、けが、失業などの状態で一時的に返済が困難な場合は、返済期限を延長してもらうことで負担を軽減する制度を受けることができます。手続きには審査を受けて承認を得る必要があります。あくまでも返還期限を延期する制度で、元金や利息などの減額はありません。
一度の申請で1年の猶予期間を延長することができ最大10年の猶予期間を得ることができます。この手続きには条件があり、会社員の場合給与所得の年収が300万円以下、自営業の場合は収入-経費が200万円以下であること、病気やケガ、産休や育休などの事情がある場合となっています。

 

返還免除制度とは

奨学金の借入を受けている人が死亡または精神・身体の障害により今後奨学金の返還ができなくなった場合に、奨学金の一部または全額についての返済免除をしてもらう制度です。
死亡による免除の場合本人死亡の事実が記載された戸籍抄本、個人事項証明書又は住民票等の公的証明書が必要となります。
精神・身体の障害による免除の場合は、返還することができなくなった事情を証明する書類や医師の診断書が必要となります。
必要書類は状況に応じて異なるため大学の担当者に確認してください。

 

減額返還制度とは

減額返還制度は毎月の返済額を半分に減額して返還することができる制度です。災害や病気、ケガなどにより支払いが困難な状況でも返済額を減額すれば返済が可能である人が対象となります。残高や利息自体の免除ではないため返済期間は長くなり最終的な支払総額は減額されませんが、月々の負担額が減るため経済状態の回復を図る上では有効な手段の一つです。滞納している状態では適用されないためその場合は返済額と延滞金の支払いをしてからの申込となります。手続きには契約の返済額での支払いが困難な原因に応じてそれを証明する書類が必要です。支払が困難な原因によってケースごとに提出書類が異なりますので事前に確認しておきましょう。

 

親が自己破産した場合、奨学金の借入に影響はある?

奨学金の契約者は子供なので、両親のどちらかが自己破産をしていても借りることはできます。

 

ただ、信用情報機関に事故情報(いわゆるブラックリスト)が登録されている場合、その人は奨学金の保証人になることができません。
その場合、別の親戚に連帯保証人になってもらう必要があります。

 

親族に頼むことが出来ない時は機関保証を利用することになりますが、その場合は一定の保証料の支払が必要となります。

 

奨学金には「人的保証」と「機関保証」の2種類がある

奨学金の保証制度には2種類あり、「機関保証」と「人的保証」があります。

 

人的保証

両親(またはそれに代わる人)が「連帯保証人」、4親等以内の親族が「保証人」となって奨学金の返還を保証する制度のこと。

 

連帯保証人と保証人をたてる場合は、人的保証にあたります。

 

機関保証

連帯保証人・保証人に代わって、保証機関が奨学金の返還を保証する制度のこと。

 

親が債務整理などの理由により連帯保証人になれない場合には、機関保証を利用することができます。

 

機関保証の場合は一定の保険料が必要となり、原則毎月の奨学金から保証料を差し引いて振り込まれます。

 

機関保証を利用している場合に債務者本人の返還が延滞した場合には、債権者である日本学生支援機構からの請求を受け保証機関が代わりに支払いその後債務者本人に保証機関が請求することになります。

 

奨学金受給中に親が自己破産

奨学金の保証人になっていた親が自己破産をした場合は新たに保証人になってくれる人を探さなければなりません。どうしても見つからない場合は保証制度を変更する必要がありますので大学の担当者に早めに相談し手続きについての説明を受けましょう。ただし変更をする際にはそれまで貸付を受けている奨学金についての保証料を一括で支払わなければならず、すでに長い期間受給を受けている場合にはまとめて支払うには高額な可能性もあります。まだ受け取っていない奨学金についての保証料は毎月振り込まれる奨学金から一定額が差し引かれます。