自己破産をしても自動車ローンをまた組めるようになるには?
自己破産後自動車ローンをまた組むことは出来る?
自己破産をすると「金融機関から信用融資を受けにくくなる」といったような色々な不便・デメリットが出てきますが、「自動車ローンを組むのが難しい状態になる」のもその一つです。
これは自己破産をしてしまうと信用登録機関のブラックリストに登録されてしまうためです。
そのため、年収がいくらあっても自己破産をしてから直ぐに自動車ローンを契約するのはほとんど出来ないと考えてよいでしょう。
しかし、一定期間が経過すればまた自動車ローンは契約できるようになります。
そんな自動車ローンと自己破産に関する話題について解説していきます。
信用情報機関の登録日と抹消日
信用情報機関に事故履歴が登録されてしまうことはよく知られています。
しかし、具体的にはどの時点から信用情報機関に破産者の登録されるようになるのでしょうか。
これは信用情報機関によっても異なります。官報に免責決定者の情報が記載された時点ということもあります。
他にも、信用情報機関会員会社から自己破産者についての報告があった日が起算日になることも。
このように信用情報機関によって微妙に異なりますから、単純に「免責決定日から●年間」と考えることはできません。
加えて、信用情報機関によっては一定期間が経っていなくても情報を消去することもあります。
そのため、確実に「自分の情報が掲載されているかどうか」を知りたい場合には、定期的に信用情報機関に参照してみることが大切です。
自己破産すると車は処分される?
自動車ローンが有る場合
自己破産を行うためには財産を処分しなければいけないことがあります。
とはいえ、財産と言っても一定額以上のものでなければ処分の対象とはなりません。
では、自己破産時に自動車ローンがある場合にはどうなるのでしょうか。
自動車ローンの価値が一定額以上あると自動車を処分しなければいけないこともありますが、これは中々複雑な問題です。
こうした問題について詳しく見ていきましょう。
自動車ローンが無い場合
自己破産時車の価値が20万円以上の場合
自動車ローンを完済しているが、自動車の価値が20万円以上ある場合には自動車は処分しなければいけません。
しかし、ここでポイントなのが「20万円以上」という点です。20万円以上であるかどうかは自動車査定業者による判断に分かれます。
そのため、20万円以上の価値があると自分で思っていても、査定に出したら20万円も価値が無いということもあります。
また、登録日が6年以上前である車は価値がないと判断されて最低の見積書の提出も原則として不要になります。
このように自動車が処分されるかどうかには基準がありますが、車を処分したくないからといって車の名義を自己破産前に変更するのは危険です。
こうした行為は不免責事由となる財産隠しと受け取られることすらあります。
自己破産時車の価値が20万円以下の場合
自動車ローンと紐付けられていない所有自動車の価値が総額で20万円以下であれば、自己破産時に処分をしなくても済むようになります。
しかし、例え価値が20万円以下であっても、自動車ローンが一円でも残っていると自動車は没収される恐れがあります。
これは自己破産時には全ての債権者が対象となるため。これにはもちろん自動車ローン会社も含まれます。
このため、免責が一度決まると自動車ローン会社は車を没収する権利が生じるというわけです。
このような注意点も有りますから、自己破産の際にはしっかりと法律事務所や司法書士事務所に相談・依頼しておきたいところでしょう。
自動車を手放さずに済む債務整理とその条件について
任意整理で自動車ローンの返済途中だが今後も返済を続けられる場合
自動車ローンが残っていたり、価値が一定額以上ある車は自己破産時には処分する必要性が出てきます。
一方、他の任意整理を始めとした債務整理方法であれば車両を守れることがあります。
これは任意整理だと債務整理をする債務を選ぶことができるからです。
そのため、自動車ローンは債務整理の対象外にして、他のカードローンやクレジットカードで作った借金だけを整理するということもできるようになります。
こうすれば自動車ローン会社から自動車を没収される恐れもありません。しかし、これは少なからずリスクがあります。
自動車ローンを任意整理の対象外とすると、当然ながら任意整理後も自動車ローンは返済しないといけません。
結果的に、自動車ローン返済の負担によって個人再生や自己破産に追い込まれるようなケースも出てくるのです。
そのため、任意整理をする場合には「自動車ローンを残しても大丈夫かどうか」ということを弁護士などの専門家と一緒に検討しておきましょう。
個人再生
自動車ローン無しの場合
個人再生では基本的に財産を強制処分されることがありません。
そのため、個人再生をしても自動車は処分しなくて済むことが多いのです。
しかし、自動車の価値が20万円以上あるような場合には注意も出てきます。
自動車を始めとした債務者個人の財産価値があればあるほどに債権者への弁済額が高くなる恐れが出てくるからです。
そのため、自動車を残しておくことで個人再生が困難になることもあります。
自動車ローンは有るが所有権留保がない自動車ローンの場合
個人再生で気をつけておきたいのが所有権留保です。
例えば、自動車の所有者がローン会社となっている場合、自動車会社は個人再生時に所有権留保権を行使して自動車を引き上げることができます。
このように自動車ローンが残っている場合には注意しておかないといけないこともありますが、自動車ローンがなければこうした所有権留保の心配もありません。
また、自動車ローンによっては所有権留保自体がないこともありますから、個人再生をする際には自動車の所有者について確認してみると良いでしょう。