借金・多重債務

クーリングオフが適用される条件や通知・返品・返金方法は?

知っておきたいクーリングオフの詳しい手続き

訪問販売や電話勧誘販売で買ってしまった商品を返品できるクーリングオフについては、広く知られるようになりました。
しかし、クーリングオフができるものとできないものがあることや、期間が定められていること、正しい請求方法などについてはあまり知られていません。

 

この記事では、実際にクーリングオフを行う時に困らないための具体的な適用事例や方法のほか、相談先についても解説しています。
知っておけばイザという時に役に立つ内容なので、ぜひご一読ください。

 

 

電話勧誘も大丈夫!クーリングオフの対象取引とは?

クーリングオフとは、特定商取引法やその他の法律に定められた消費者を守る特別な制度のことです。訪問販売や電話勧誘での契約のほか、マルチ商法など、よく理解できないまま結んでしまった契約などの場合、一定期間の間であれば無条件に契約を解除できます。クーリングオフできる取引についてはさまざまで、法律で定められたもの以外にも業界が自主規制しているものや、会社が任意に定めているものなどがあるのです。ここからは法律で定められているクーリングオフについて詳しく解説してゆきましょう。

 

特定商取引法によるクーリングオフの適用範囲

クーリングオフは特定商取引法といわれる法律によって、適用範囲や適用期間が細かく定められています。クーリングオフが適用されるのは、以下のような取引です。
・訪問販売
業者が営業所など以外の場所で、消費者に商品や権利の販売や役務の提供を行う契約をする取引のことで、一般的によく見られるのは消費者の自宅を訪問して契約させるものです。また路上などで消費者を呼び止めて営業所などに移動して契約させるキャッチセールスや、電話・郵便物などで消費者を営業所などに呼び出して契約させるアポイントメントセールスも訪問販売に含まれます。契約対象は布団・貴金属などの商品以外にも、金融商品やハウスクリーニングなど多岐にわたっています。
・電話勧誘販売
業者が消費者に電話を掛けたり詐欺的な方法で電話を掛けさせたりしたうえで、その電話での勧誘によって消費者と商品や役務の提供を契約させるものです。その電話を切ったあとから郵送などで申し込みを行った場合も、電話勧誘販売に含まれます。電話を掛けさせる詐欺的な方法とは、販売の勧誘目的であることを伏せて電話を掛けさせたり、通常より著しく有利な条件で契約できることを告げて電話を掛けさせたりするものです。
・特定継続的役務提供
長期的で継続的なサービスの提供と高額の対価を契約する取引のことです。現在のところ指定役務は、エステティック・美容医療・語学教室・学習塾・家庭教師・パソコン教室・結婚相手紹介サービスの7つとなっています。これらのサービスのうち、入学金や受講料のほか教材費・関連商品など契約金の総額が5万円を超えている場合が対象です。また、サービスの提供がファックス・電話・インターネット・郵便などの方法で行われる場合にも対象となります。
・連鎖販売取引
いわゆるマルチ商法やネットワークビジネスのことです。特定商取引法の規定では、商品の販売や役務の提供などを再販売・受託販売・販売のあっせんをすることで、消費者が「特定利益」を得られると勧誘したうえで「特定負担」を伴う取引を行うものとされています。例えば「入会すると割引価格で商品を買うことができるので他の人に売れば利益が出る」「他の人を入会させると紹介料がもえる」というような利益を「特定利益」といいます。「特定負担」とは、これらの取引を行うために1円以上支払わせた場合の負担のことです。特定負担の名目は入会金だけでなく、保証金やサンプル・商品などさまざまなものがあります。
・業務提供誘引販売取引
内職商法やモニター商法と呼ばれているものです。仕事を提供すると謳って消費者を誘引し、仕事をして利益を得るために必要なものとして商品などを購入させることで金銭負担を負わせる取引のことをいいます。具体的には、購入したチラシを配布したり商品を買って感想を提供したりするようなものです。
・訪問購入
いわゆる押し買いのことです。業者が消費者の自宅を訪問して貴金属などの買い取りを行うものですが、金価格の高騰を背景に、最近被害が急増しています。クーリングオフの対象となるのは法施行日である2013年2月21日以降の契約で、クーリングオフ期間内であれば消費者は買い取り業者に対して売却商品の引き渡しを拒否することができます。

 

 

クーリングオフができる期間は定められている

ここまででクーリングオフの対象となる契約について解説しました。もしご自身が交わした契約が該当するなら早速手続きを開始してください。というのはクーリングオフができる期間は限られていて、期限内に手続きをしないと解約できなくなるからなのです。期限は取引ごとに設定されていますが、ここでは20日間のものと8日間のものとについて解説しましょう。
《期限が20日間の取引》
連鎖販売取引・業務提供誘引販売取引については、契約書面の交付日を1日目として20日以内に連絡すればクーリングオフが可能です。なお連鎖販売取引については再販売契約の場合、商品受け取り後20日以内となります。またこれらに関連するクレジット契約についても、契約書面の交付日を1日目として20日以内に連絡すればクーリングオフできます。
《期限が8日間の取引》
訪問販売・電話勧誘販売・特定継続的役務提供取引・訪問購入については、契約書面の交付日を1日目として8日以内に連絡すればクーリングオフが可能です。またこれらに関連するクレジット契約についても、契約書面の交付日を1日目として8日以内に連絡すればクーリングオフできます。

 

 

クーリングオフできない取引とは?

ここまでクーリングオフの対象となる取引について解説しましたが、条件によっては上記の契約であってもクーリングオフできないこともあるため注意が必要です。クーリングオフ対象外の取引について概要を解説しておきましょう。
・営業用の契約
クーリングオフは個人の消費者による取引が対象であるため、営業での取引には適用されません。ただし事業者名の契約であっても、個人用・家庭用に使用するためのものであれば原則としてクーリングオフできます。
・通信販売
通信販売で購入したものはクーリングオフの対象外ですが、返品は可能です。詳細は以下の項で解説します。
・開封した消耗品
健康食品や洗剤・化粧品などの消耗品は開封してしまうと商品価値がなくなってしまうため、クーリングオフの対象外となっています。ただし、クーリングオフできない旨が記載された契約書が交付されていない場合や、マルチ商法で購入した場合にはクーリングオフの対象となります。また、販売者に商品を開封・使用させられた場合にもクーリングオフができます。なお、セット販売の商品を開封した場合で単品での販売が可能なら、未使用品についてはクーリングオフが可能です。
・自動車
マルチ商法や内職商法で購入した場合ならクーリングオフは可能です。
・3,000円未満の現金取引
訪問販売・電話勧誘販売であっても、3,000円未満の現金取引であればクーリングオフの対象外です。ただし、訪問購入の場合には3,000円未満であってもクーリングオフできます。
・クーリングオフ期間を過ぎた契約
契約書が交付されていなかったり契約書に不備があったりすればクーリングオフできます。クーリングオフの有効期限は契約書交付日を1日目として数えるため、契約書が交付されなければ0日のままとなるためです。
・特定継続的役務提供で少額または短期間の契約
特定継続的役務提供のうち、税込み5万円以内の契約はクーリングオフの対象外です。また、短期間の契約も対象外となります。具体的な期間はエステティック・美容医療の場合で1ヶ月以下、語学教室・学習塾・家庭教師・パソコン教室・結婚相手紹介サービスの場合で2ヶ月以下のものはクーリングオフの対象外です。
その他、取引する意思のもとで業者を自宅に呼び寄せたり電話を掛けさせたりした場合の契約や、過去に取引のあった業者との契約などはクーリングオフの対象外となります。クーリングオフが可能かどうか分からないときには、消費生活センターなどに連絡して相談されると確実です。

 

 

通販やネットショッピングなら返品規定が重要

クーリングオフは、主に不意打ちで契約させられてしまうような販売方法からことから消費者を保護するための制度です、したがって、カタログなどを見たうえで自ら申し込んで購入する通信販売には適用されないのです。通信販売はカタログに限らず雑誌やチラシ、ダイレクトメールのほかテレビやメール、ホームページなどの媒体を使用する販売方法で、購入の申込みは電話やハガキ・FAX・インターネットなどを使用します。具体的にはカタログショッピングやテレビショッピングのほかネット通販、ネットオークションなどです。通信販売は現物を直接見ないで購入するため、届いた商品がイメージと異なっていることもありえます。また、商品が届くまでの間に気が変わってしまうことや、もっと気に入った商品が見つかることも考えられるものです。こんな場合でも、通信販売での購入はクーリングオフできません。こんなときのために、通信販売の多くは返品規定が設けられているのです。返品規定は販売者が独自に設けているものであり、返品の応じない姿勢の販売者もいます。また返送料は購入者が負担することが多いうえ返品が可能な期間も定められているため、商品を購入する前によく確認しておくことが必要です。なお、届いた商品が壊れていたり注文したものと異なっていたりするような場合には、返品や交換のほか注文のキャンセルもできます。

 

 

クーリングオフでの正しいハガキの書き方

クーリングオフの通知は、証拠を残せるように必ず書面で行います。書面を業者に送るときには発信日が証明される特定記録郵便か簡易書留を利用して、発信前に必ず書面のコピーを取っておきましょう。またクレジットで契約した場合には、クレジット会社と販売者それぞれに同様の書面を送ってください。書面は封書でなくてもハガキで大丈夫です。表題は「契約解除通知書」と記載しておけばよいでしょう。続けて「以下の契約を解除します。」として以下の事項を記載します。
・契約年月日
・商品名
・契約金額
・販売会社名
・担当者名
・通知の発送日
・契約者住所
・契約者氏名
なお、すでに支払い済みの頭金や代金があれば「支払い済みの金◯◯円の返金を要求します。」などと追記しておきましょう。受け取った商品の引き取りを求める場合には「商品は着払いで返送します。」などと追記しておけばよいでしょう。
なお、通常のクーリングオフはここでご紹介した方法で問題なく行えますが、相手が悪徳業者であったり契約金額が高額だったりする場合には内容証明郵便での通知をおすすめします。

 

クレジット契約なら信販会社にもクーリングオフ通知を

クレジット契約で購入した商品やサービスをクーリングオフしたいときに注意したい点があります。それは、契約した相手は販売者だけではないということです。クレジット契約での購入の場合には、契約時に記入する書類が2種類あります。ひとつは直接商品やサービスを購入した販売者宛の書類、もうひとつは信販会社宛の書類です。クーリングオフ通知は、販売者と信販会社の両方に送らなければなりません。信販会社への通知を忘れたままだと、商品を解約したにもかかわらず口座から代金が引き落とされ続けるのです。クレジット契約における信販会社の連絡先は契約書に明記されているので、その宛先に特定記録郵便か簡易書留で書面を送れば大丈夫です。

 

 

クーリングオフ後の返品代は誰が負担するの?

受け取り済みの商品があれば、クーリングオフ後に販売者へ返品しなければなりません。この場合、返品に必要な費用は業者側の負担となります。商品の引き渡しは着払いで業者に送り返す方法と、業者に引き取りに来てもらう方法とが一般的です。 なお、引き渡し方法はクーリングオフの通知書面に記載しておくことをおすすめします。例えば「商品は着払いで貴社宛に返送させていただきます」のような一文を添えておくとよいでしょう。

 

 

クーリングオフについて知っておきたいこと:まとめ

ここまでクーリングオフについて詳しく述べてきました。クーリングオフの対象になるものとならないものをはじめ、期限や条件のほか手続きの方法など、以外と細かく規定されていることに驚かれたかもしれません。しかし、法律は内容を知っていて行使した者にとっては味方ですが、知らずに泣き寝入りした者を守ってはくれないのです。また、強引な業者やグレーな販売方法を拡大させないためにも、クーリングオフを行うことは役立ちます。自分のお金を守るためにも不健全な経済活動を抑えるためにも、クーリングオフの知識は多くの消費者に知っておいていただきたいものだといえるのではないでしょうか。

 

 

クーリングオフの返金トラブルはすぐに対処を!

クーリングオフ通知を受け取った業者は、消費者に対して速やかに返金するように定められています。「速やか」とは通常1~3日程度のことをいい、一般的には3日以内と理解されているものです。しかしクーリングオフ通知を送った後、いつまで経っても返金に応じない業者もいます。また返金を先延ばしにして時間を稼ぎ、会社を倒産させて債務を逃れようとする悪徳業者もいるのです。クーリングオフ後の返金請求は消費者の権利であり回収不能となるリスクを避けるためにも、速やかに代金を回収したいものです。業者が返金に応じないときには、できるだけ早く特定商取引法に詳しい専門家(弁護士・司法書士)に相談したいものです。なおクーリングオフを代行してくれる事務所もあり、国民生活センターでもクーリングオフの相談を受け付けています。

 

 

店舗購入の商品をクーリングオフしたいけれど…

店舗で通常の方法で購入した商品は、クーリングオフの対象外となっています。しかし、店舗側が自主的にクーリングオフに応じる旨を契約書に記載してあればクーリングオフの対象となります。また、脅されたり騙されたりしての購入であれば、契約を取り消すことは可能です。それ以外で購入した商品に明らかな欠陥がある場合を除き、返品・解約を求めることは難しいものですが、店舗によっては返品を受け付けてくれるところもあります。サイズ違いや色が気に入らない場合なら、返品は無理でも交換ならOKという店舗は多いものです。店舗で購入した商品の返品・解約は、購入した店舗へ直接相談しましょう。