遅延損害金に時効は適用される?上限利率や時効起算日も解説
借金・遅延損害金の消滅時効について解説!
借金には消滅時効がありますが、遅延損害金にも時効は適用されます。
このページでは、遅延損害金の消滅時効について詳しく説明していきます。
支払いを延滞している人や延滞しそうな人は、ぜひ読んでみてください。
そもそも遅延損害金とは?借金の返済が遅れたら…
遅延損害金とは、借金の返済が期限より遅れた場合に発生する損害賠償金です。遅延利息や延滞利息とも呼ばれています。年率で表され1日ごとに加算されていく料金です。利息と似ていますが、利息は返済期限前にかかり、遅延損害金は返済期限後にかかります。利息と遅延損害金が同時にかかることはありません。
遅延損害金の上限利率はどのくらい?借金の種類によって違う!
遅延損害金の上限利率は貸借の種類によって異なります。消費者金融などによる営業的金銭消費貸借の場合は、年率20%です。一方、非営利の貸借の場合は通常の利息上限の1.46倍までと定められています。数値的には、元本が10万円未満なら年率29.%、元本が10~100万円なら年率26.28%、元本が100万円以上なら年率21.9%です。現実には多くの消費者金融やクレジットカード会社が20%に設定しています。
借金の消滅時効とは?時効に必要なこと
遅延損害金は借金に関わるものですが、借金には消滅時効が法律で定めされています。消滅時効が成立した場合、その借金を返済する義務はありません。元金だけでなく発生した利息や遅延損害金ごと消滅します。ただし、消滅時効の成立には「時効期間の経過」と「時効の援用」の2つの条件が必要。時効の援用とは、簡単に言えば債務者が債権者に「時効が完成したので利用する」と知らせる事です。時効の援用をするには、時効期間が経過するのを待たなければなりません。
消滅時効の起算点・起算日はいつ?時効の中断に注意!
基本的な消滅時効までの期間は、営利目的の貸借の場合は起算日から5年、非営利目的の貸借の場合は起算日から10年です。起算日は返済期日を過ぎた時であり、返済期日を定めなかった場合には借金ができた時になります。ただし注意しなければならないのが「時効の中断」。時効の中断が起こると時効がリセットされ、中断時点を新しい起算日として1から数え直すことになります。時効の中断の発生事由は、債権者による裁判上の請求や差押え、債務者による債務の承認などです。借金の一部返済も債務の承認にあたるため、一度でも返済している場合、前回の返済時点に起算日が移っているので注意しましょう。
家賃滞納による借金の時効はいつ?遅延損害金は?
未払いの家賃に対する時効は、起算日から5年です。発生した遅延損害金についても、滞納中の家賃元本と一緒に時効を迎えます。ただし、家賃は定期的に支払うものなので、全ての滞納家賃が同時に時効を迎えるわけではありません。起算日が古い家賃から順番に時効になっていきます。
マンションなどの管理費滞納の時効はいつ?遅延損害金は?
マンションなどの管理費滞納に対する時効は、起算日から5年です。遅延損害金についても元本と一緒に時効を迎えます。家賃同様に定期的にかかるものなので、起算日が古い管理費から順番に時効になっていきます。
元金が時効の場合、遅延損害金も時効になるの?
借金の元金の消滅時効を成立させてしまえば、遅延損害金の返済義務も消滅します。遅延損害金は元金に付随するものであるため、遅延損害金のみが残るということはありません。
時効を期待して返済しないのはNG!リスクが高い行為です
確かに借金には消滅時効がありますが、時効成立を期待する事はおすすめ出来ません。時効には失敗のリスクがあるためです。時効経過前に債権者側が時効の中断を行えば、時効は一気に遠のき現実的ではなくなります。しかし、時効を持っている間に積もり積もった遅延損害金は消えません。時効失敗時には、とても返済できない残高にまで膨らんでいる可能性もあります。自己破産しか選択肢がない状況になりたくなければ、時効以外の方法も考えましょう。
任意整理のススメ!時効以外で遅延損害金を支払わない方法とは?
時効を待たずに遅延損害金の支払いを免れるには、任意整理が有効です。任意整理とは債務整理方法の1つで、債権者と交渉して和解し、借金を分割払いにしたり減額したりする方法です。上手く使えば、遅延損害金分の支払いを免れることができます。債権者側としては、支払えない債務者に自己破産されるよりも減額してでも回収する方が得であるためです。コツとして、個人で話し合うよりも弁護士に依頼して交渉する方が上手くいきやすいでしょう。なお任意整理のデメリットとして、ブラックリストには登録されてしまいます。信用がなくなり5年間は消費者金融などからの借入れが難しくなるので注意しましょう。
遅延損害金の時効についてのまとめ
借金を延滞すると、利息ではなく遅延損害金がかかります。消滅時効が成立すれば元金と一緒に遅延損害金も消滅しますが、時効ばかりをあてにしてはいけません。時効に失敗すれば、莫大な借金が残ってしまいます。早めの任意整理や返済で、金額が膨らむ前に借金トラブルを解決しましょう。債務整理の相談を無料で受け付けている法律事務所は多いので、ぜひ利用してみてください。