遅延損害金は減額・カットできる?減額交渉を成功させるポイント
遅延損害金を減額することなんてできるの?
現在、消費者金融などからの借金返済で大変な思いをしている人のなかには、「遅延損害金」の存在に苦しめられている人も大勢いるのではないでしょうか?
借金を返済している人にとってみれば、唯でさえ大変な毎月の返済が遅延損害金もプラスされることによってより困難になってしまいます。
ほとんどの人は「約束の期日までに返済することが出来なかったのだから仕方がない」と諦めて遅延損害金を払っていると思います。
しかし、遅延損害金はある方法を使えば減額できる可能性があるのをご存知ですか?
今回このページでは、遅延損害金についての詳しい説明や減額できる可能性のある方法について紹介していきます。
遅延損害金でお悩みの人にとっては、有益な情報となっているので是非参考にしてくださいね。
遅延損害金とは?詳しく解説
そもそも遅延損害金とはどのようなモノなのかについて詳しく説明します。遅延損害金というのは、借金の返済が遅れてしまった時に発生する損害賠償金のことをいいます。そしてこの遅延損害金は、一般的には通常の利息よりも高い遅延利息が設定されています。恐ろしいことに遅延損害金は支払い期日の翌日から発生し、返済が遅れれば遅れるほど雪だるま式に増えていきます。法律上も支払う義務があるモノでありますし、賃金業者と交わした契約書にも「返済が遅れた場合には損害遅延金が発生する」と記されているので、高額なので支払えないといった理由は通用しません。しかし、そんな遅延損害金を減額できる可能性がある手段が1つだけあります。その方法については後ほど説明していきますが、その前に遅延損害金の利息や計算方法などをみていきましょう。
遅延損害金の利息について詳しく解説
現在では賃金業法の改正によって、金融業者の金利の上限は20%までと法律で定められています。そのため多くの金融業者の利息は15%~20%となっています。しかし損害遅延金の上限は、制限利率の1.46倍までと法律で定められています。仮に利息が20%だとすると、遅延損害金利率は20%×1.46=29.2%となり20%を大幅に超えていたのです。ただし、改定賃金業法によって平成22年以降は、遅延損害金であっても20%を超える利息は違法となりました。現在では多くの金融業者が、遅延損害金の利息を20%と定めています。
アコムの遅延損害金はどれくらい?具体例を紹介
損害遅延金の利息が20%といわれても、それだけではどれくらいの割増になるのか直ぐには計算できませんよね。そこでここでは、アコムで借入をしていて返済が遅れてしまった時の遅延損害金の額をみてみましょう。アコムの損害遅延金の利息は年率20%です。遅延損害金の計算方法は下記のとおりです。
アコムの遅延損害金の計算方法
借入残高 × 遅延損害金利息(20%) ÷ 365(366)日 × 遅延日数=遅延損害金
▲具体例その1 借入50万円で返済が10日遅れてしまった場合
50万円 × 20% ÷ 365 × 10日 = 約2740円
▲具体例その2 借入50万円で返済が60日遅れてしまった場合
50万円 × 20% ÷ 365 × 60日 = 約16,438円
▲具体例その3 借入50万円で返済が1年(365日)遅れてしまった場合
50万円 × 20% ÷ 365 × 365日 = 100,000円
以上がアコムの損害遅延金の額の計算方法です。
唯でさえ毎月の返済で苦しんでいる人にとって、この損害遅延金は重くのしかかってくるはずです。
なんで借金が膨らんでしまうの?原因を解説
よく借金が雪だるま式に膨らむなんて言葉を耳にしますよね。ここでは、なぜ借金が膨らむようなことになってしまうのかについて簡単に説明します。みなさんは借金を減らす方法はなんだと思いますか?「そんなの簡単だ。毎月の支払い日に返済すればいいだけでしょ」と思われる人もいるかもしれませんが、正確にはそれだけでは少し不十分です。借金を減らす為には、元金を減らさなければなりません。これまで説明してきた通り、損害遅延金というのは返済が遅れてしまっていることに対しての迷惑料みたいなものです。つまり損害遅延金を幾ら支払ったとしても借金の元金は1円も減ることはありません。借金の返済が遅れてしまっている人は、通常の利息とは別に損害遅延金も払わなければならないのでその分元金を減らすだけの余裕がありません。金融会社の担当者から度重なる督促の連絡を受けて、なんとか利息や損害遅延金だけでも毎月返していても借金が減ることはないのです。あげくの果てには、借金を返すために新たな借入を行ってしまい、さらに追い詰められていってしまうということにもなりかねません。例えば分かりやすいように利息10%のAという金融会社から100万円借りたとします。利息10%なのでAに返済するには110万円必要ですね。この借金が返せないので新たなBという金融会社から利息10%で110万円を借ります。利息が10%なのでBに返済する額は121万円になります。このようなことを繰り返していくと、借金の額はあっという間に膨らんですぐに借金地獄へと突入してしまうのです。この例えでは分かりやすいように、遅延損害金については無視して計算していますが、実際には遅延損害金も支払わなければならないのでさらに借金は膨らみます。これが借金が雪だるま式に膨らんでしまう仕組みになります。
遅延損害金を支払わないとどうなるの?減額する方法とは?
これまで説明してきたとおり、遅延損害金が発生してしまうということは、借金を返済するにあたって非常に大きな負担となります。それでは、支払いが難しいからといって遅延損害金を支払わないでいるとどうなってしまうのでしょうか?まず決められた期日までに借金を返済しないでいると、カードローンの担当者から電話連絡が入ったり、自宅に支払督促状が届いたりします。既にこの時点で損害遅延金は発生していますが、このような連絡を放置して無視し続けていると最終的には裁判所から支払い督促状が届き、最悪の場合は財産(給料の一部や車、持家、換金価値のある家電など)を差し押さえられてしまう可能もあります。財産が差し押さえられてしまうと聞かされても、どうしても現状では借金を返済することが困難だという人もいるはずです。法律的にも支払い義務がある遅延損害金ですが、実はある方法を使えば減額交渉することも可能です。その方法というのは、債務整理を行うことです。それでは次からは債務整理について詳しく紹介していきます。
債務整理で借金が減らせる!遅延損害金はどうやってカットできるの?
あまり耳慣れない言葉である債務整理とは一体どのような方法なのかについて説明します。債務整理とは、債権者(賃金業者など)と交渉を行い現在返済している借金の将来利息を引き下げてもらったり、支払いに期日に猶予をもたせて貰ったり、大幅な減額や免除といったように、何らかの形で借金を減額してもらうために行う手段のことです。その方法には、任意整理、個人再生、自己破産の3種類があり、これらの手段をまとめて債務整理といいます。個人再生や自己破産の手続きは、裁判所を通すことで大幅な借金の減額や、免除が期待できる手段ですが、その分リスクも高くなります。個人再生では、官報に名前が記載されてしまったり、そもそも利用するためには安定した収入が必要となるなどの高いハードルがあります。自己破産は、現在あるほぼすべての借金を帳消しにできる代わりに、自分の所有するほぼすべての財産を手放す必要があります。これに対して任意整理というのは、債権者と交渉を行うことで現在支払っている借金の利息を引き下げて貰ったり、月々の返済額を減額して貰ったりする方法です。裁判所を介することもないので周囲の人間に借金の存在がバレるといったリスクも少なく、債務整理の中でも最も多くの人に利用されている方法です。そして任意整理によって減額できる借金の中には、遅延損害金も含まれるのです。賃金業者としても、貸したお金がまったく戻ってこないというのは困ります。「なんとか元金だけでも回収したい」というのが賃金業者の本音なのです。また借金で苦しんでいる人が、損害遅延金を支払う余裕がないことくらい賃金業者もきちんと把握しています。そのため任意整理を行うことでかなり高い確率で交渉に応じて貰うことができ、結果として損害遅延金を減額してもらえる可能性が高いのです。
任意整理のメリットやデメリットを解説
任意整理というのは、返済額や返済方法について債権者と交渉を行うことで、将来に渡って借金を返済していけるような条件でお互いの合意を成立させる為の手続きです。裁判所を介する必要がないので、債務整理の中でもっとも活用されている方法でもあります。具体的な交渉内容としては、利息制限法を超えているようなケースであれば利息制限法に基づいて引き直し計算を行い借金を減額したり、将来の利息をカットしてもらったりといったように現在支払っている返済額を少なくして経済的負担を軽減することを目的としています。任意整理のメリットやデメリットをまとめると以下のとおりとなります。
任意整理のメリット
・賃金業者などからの借金の督促が止む。
・裁判所を介することもなく、周囲に借金の存在を知られてしまうというリスクが少ない。
・資格制限などがない。(自己破産の場合には、資格制限があるために一部の職業に就けなくなります。)
・所有する財産を手放す必要がない。
・自由度の高い手続きなので一部の債権者の借金のみ整理するといったことも可能。
・かなりの確率で利息の減額(遅延損害金含め)が期待できる。
任意整理のデメリット
・任意整理後は約5年間は新たな借入が出来なくなる。(いわゆる金融ブラックリスト状態となってしまうため)
・大幅な借金の減額は期待できない。
・借金が免除されるわけではない。
・安定した収入がないと任意整理をすることができない。
・交渉が成立しないケースもある。(和解に応じて貰えないこともある)
以上が任意整理のメリットとデメリットです。任意整理を行うと約5年ほどは新たな借入ができなくなるといったデメリットも存在します。しかしそれらを差し引いてもメリットの方が大きいので借金返済で苦しんでいる人には、非常に有効な方法だといえます。
遅延損害金を減額したいなら法律事務所に相談してみよう
任意整理を行って遅延損害金の減額したいのならば、まずは法律事務所に相談してみましょう。とくに最近は、債務整理を専門で行っている弁護士や司法書士といった法律の専門家も珍しくありません。弁護士に相談などと聞くと弁護士費用の心配をされる人もいるかもしれませんが、債務整理に力を入れている法律事務所ほど借金の相談を無料で行ってくれています。無料で相談に乗ってくれるなんて聞くと、真剣に相談に乗って貰えないのではと思う人もいるかもしれませんが、そうではありません。借金問題に力を入れていて数多くの債務整理した経験がある弁護士ほど、いかに相談者が経済的に困窮しているのかを理解しているのです。ほんの少しの出費でも抑えたいという借金で悩んでいる人の気持ちをよく理解しているからこそ、相談料を無料で行っているのです。ですから借金返済が困難になってしまった場合には、無料で相談に乗ってくれるような弁護士や法律事務所などに相談してみましょう。必ず借金返済の為の解決の手助けとなって貰えるはずですよ。
任意整理は交渉力のある弁護士に依頼するのがおすすめ
借金でお悩みの人にとっては弁護士費用は頭の痛い問題だと思います。実は任意整理は、法律の専門家でなく個人で行うことも可能です。そのため少しでも費用を抑えようと自分で任意整理を行おうとする人もいますが、あまりおすすめしません。任意整理を行うためには、利息制限法に基づく引き直し計算や、賃金業者相手に粘り強い交渉などをする必要があります。そのような専門的な知識を持ち合わせない素人が借金の返済に追われながら、プロの賃金業者を相手に交渉を行って自分に有利な条件を引き出すことは、ほとんど不可能といってもよいでしょう。そのような点を考えた場合には、多少の弁護士費用を払ったとしても法律の専門家である弁護士に依頼したほうが、より有利な条件を引き出せる可能性が高いのです。自分で任意整理を行うよりも結果として多くの借金を圧縮することが可能になるので、任意整理は弁護士に依頼するのがおすすめだといえます。また任意を整理を依頼する時には、なるべく債務整理についての知識や経験が豊富な弁護士を選択するようにしましょう。弁護士が取り扱う案件は多岐に渡ります。債務整理を専門としているような弁護士の方が当然債権者に対する交渉力も高い為に、より有利な条件で任意整理の手続きを完了してくれることが期待できます。
遅延損害金を減額したいのならば専門家に依頼して任意整理を行おう
現在借金で苦しんでいてなんとか損害遅延金を減額したいと思っている人は、まずは気軽に法律相談を受けみましょう。借金をしている人の中には、その存在を家族にも知られたくないという人もたくさんいます。弁護士や司法書士といった法律の専門家に任意整理を依頼すると、賃金業者との窓口にもなって貰えますよ。自宅に直接取り立ての電話などが来ることもなくなるので、家族にも借金の存在を内緒にしておくことが可能です。いずれにしても、返済が困難となってしまった借金問題は1人で考えていてもけっして解決するものではありません。支払いが遅れれば遅れるほど、遅延損害金の額も大きくなってしまいますので、なるべく早く法律の専門家に相談してみてくださいね。必ず借金返済に向けての糸口となるはずです。