遅延損害金とはいったい何?どういう場合に発生するの?

遅延損害金とはいったい何?どういう場合に発生するの?

遅延損害金とはどういうものなのか教えて!

遅延損害金とは何なのか、ご存知ですか?いわゆる遅延利息とか延滞利息と呼ばれるもので、借入金の返済など、期日までに支払うべきお金の支払いが遅れたときに、通常の利息とは別で発生するものです。借入金の返済が滞れば滞るほど遅延損害金の額も膨らんでいきます。というわけで、今回は、遅延損害金について、詳しく解説したいと思います。

 

 

損害に対する賠償金が遅延損害金なの?

先ほども少し触れたように、遅延損害金というのは、支払いが滞った際に発生するお金です。期日までに、借金など支払わなければいけないお金(金銭債務)を、支払うことができなかった場合に、期限が過ぎてしまったことによって、相手(債権者)に発生した損害を賠償するためのお金を遅延損害金といいます。これは、法律で請求してよいと認められているお金です。

 

 

遅延損害金の利率って決まってるの?

遅延損害金は、損害賠償の性質を持ったお金で、遅延損害金について契約で定めていなかったとしても、法律では民事法定利率(金銭債務の場合5%)で請求することを認められています。法定利率より高い利息を定めている場合は、利息と同額の遅延損害金を請求することが出来ます。
しかし、一般的には契約で遅延損害金について定めてあることがほとんどです。金銭消費貸借契約の場合、遅延損害金の利率の上限は、利息制限法で定める上限利率の1.46倍までと決まっています。消費者金融などの貸金業者が行う、営利目的の金銭消費貸借契約の場合は、一律20%が上限と決められています。

 

クレジットカードの支払いが遅れた場合の遅延損害金は?

クレジットカードの場合は、貸金業者が行う営利目的の金銭消費貸借契約に該当しますので、遅延損害金の上限利率は20%です。例えば、JCBカードの場合、ショッピング利用での遅延損害金は年14.6%、キャッシング利用での遅延損害金は年20%となっています。

 

 

遅延損害金を支払いさえすれば、返済は何回遅れても大丈夫ってこと?

ところで、クレジットカードの支払いは、遅延損害金さえ払えば、何回遅れても問題ないということなのでしょうか?いいえ、クレジットカードの支払いは、絶対に遅れてはいけません。なぜかというと、支払いの遅延は、クレジット会社の内部情報として記録されてしまうからです。また、それだけでは済まず、個人信用情報機関にも、よく延滞する人として記録されてしまいます。いわゆるブラックリストというものですね。ブラックリストに載るのは自己破産者・債務整理者だけではないのです。ブラックリストが原因で、新しくクレジットカードを作ることができなくなってまったり、自動車ローンや住宅ローンを利用することができなくなったりもします。ですから、安易にクレジットカードの支払期日に遅れてはいけないのです。

 

 

具体的な遅延損害金の計算方法を教えて!

ちなみに、遅延損害金は、このように計算します。
遅延損害金=遅延金額×遅延損害率(年率)÷365日×遅延日数
例えば、10万円キャッシングして、10日間支払が遅れてしまったとします。遅延損害金は年率20%と定められている場合、遅延損害金はいくらになるのでしょうか。
200,000円×0.2÷365×10=1095.89・・・ 
というわけで、遅延損害金は、1,095円(小数点以下切捨の場合)ということになります。

 

 

遅延損害金は借金だけじゃない!交通事故の賠償金にも発生!

遅延損害金が発生するのは、金銭消費貸借契約に基づく債務不履行の場合だけではありません。交通事故の賠償金を支払う際にも、遅れてしまえば遅延損害金が発生します。交通事故の賠償金の遅延損害金は、賠償額に対し、民法上の法定利率の5%が適用されます。しかし、交通事故の賠償金の場合、いつから遅延損害金が発生することになるのでしょうか?実は、交通事故の場合、事故発生日から遅延損害金が発生するという判例があるため、裁判で損害賠償請求する場合には、遅延損害金は事故発生日から計算されることになります。ただ、示談する場合には、損害金を請求しないケースも多々あります。

 

 

遅延損害金を支払っていた期間があっても過払い金請求はできる?

では、借金の返済で利息を多く払いすぎた人が、過払い金請求をしようとしたときについて確認しておきましょう。もし延滞していた経験があり、遅延損害金を支払っていたという場合でも、過払い金請求をすることはできるのでしょうか?結論としては、請求することは可能です。過去に遅延損害金を支払っていた人の場合、遅延損害金そのものが違法な高金利になっていたケースもあるからです。

 

 

遅延損害金とはこういうもの

というわけで、今回は遅延損害金についてまとめてみました。遅延損害金は、支払期日を経過してしまったことにより発生する賠償金だということがわかりましたね。これは、遅延損害金さえ支払えば滞納していいということではありません。延滞者としてブラックリストに載ってしまっては大変ですので、支払いが遅れるということを軽く考えず、必ず期日までに支払うべきお金を支払い、遅延損害金など発生しないようにしましょう。