自動車ローン滞納の4つのデメリット!車引き上げまでの流れや期間

自動車ローン滞納の4つのデメリット!車引き上げまでの流れや期間

ローンを滞納した時のペナルティは?車は持っていかれてしまうの?

長い期間ローンの返済をしていると、何かしら返済が厳しくなる時があります。

 

特に自動車ローンのように月々の返済額が多いローンは、給与額に変動があったり出費が重なると、返済に必要な金額を用意するのがかなりの負担になります。

 

かといって滞納したまま放置してしまうと、自動車がローン会社に引き上げられてしまう可能性もあるので注意が必要です。

 

自動車ローンを滞納してしまった時どのようなペナルティがあるのか、またどうしても返済が出来ない時はどうすればいいのかをこの記事にまとめています。
困った時の参考にしていただければと思います。

 

 

滞納を続けると車が引き上げられる

自動車ローンは返済が終わるまでの間、所有者名義が契約をしているローン会社やディーラーになっています。

 

そのため支払いがない状態が続くと、ローン会社は自動車を引き上げて競売にかけ、売却費用で借金を回収する手続きに入ります。

 

契約者の立場からすると理不尽なようにも見えますが、契約に基づいて行われるため、不当な手続きではありません。

 

日々車を使っていると「自分の車」という感覚を持ってしまいがちですが、契約上は完済するまで自動車の所有権はローン会社になっているのです。

 

といっても支払が遅れたらすぐに持っていかれてしまう訳ではありませんし、ある日突然車庫や駐車場から車がなくなってしまうこともありません。

 

車両の引き上げの際拒否をしたらどうなるのか、また引き上げまでにどのような督促が行われるのか、詳しく解説していきましょう。

 

車の引渡しを拒否はできない!渋ると裁判になる可能性も?

自動車が没収されるときは、事前に「車両引渡同意書兼売却同意書」という書類が郵送で届き、車の引上げに関して債務者の同意が求められます。

 

引上げ当日も契約者の立ち合いの元で行われるので、留守中にレッカー車などで無理やりもっていかれるということはありません。

 

債務者側の立場からすると「車のローンは返済が厳しいけど自動車は生活にも必要なので引き上げられたら困る」という状況も十分考えられます。
そうなると対抗手段として引渡しの同意書に記入しなければ、信販会社は自動車を引き上げることができないのでは?と考える方もいるかもしれません。

 

しかし残念ながら引渡しを拒否することはできません。

 

その場では拒否できたとしても、ローン会社である債権者は同意書にサインがもらえない場合、簡易裁判所か地方裁判所に強制執行の申立を行います。
法的にもローン契約は有効ですし約束通りに支払がされていない状況は事実なので、保護されるのは債務者ではなく債権者となり、債務者にとっては圧倒的に不利な裁判になります。

 

結果として裁判所は強制執行を認める判決をしますから、同意書への署名を拒否したとしても結果的に自動車の引き上げを阻止することはできません。

 

自動車ローンを滞納したらどんな督促がある?

自動車ローンの返済はほとんどの場合、銀行口座からの引き落しになっています。

 

引落日に残高不足で引き落としが出来なければ、すぐに「引落ができなかったので支払いをしてください」という督促の手紙と請求書が自宅に郵便で届きます。
ローン会社によっては請求書などで支払う方法だけではなく、再引落や再々引落の場合もあります。

 

支払日直後の督促は比較的穏やかで、あくまでも「入金のお願い」といった内容がほとんどです。

 

請求書にはおよそ2週間程度の振込期日が記載されていて、その日までに支払いがないとローン会社の督促担当者から電話で連絡が入るようになります。

 

さらに翌月の引落日にも引落できなければ、既に2ヶ月前後滞納していることになります。
そうなると債権者は、指定した返済期日までに入金をしなければ車を引き上げるという内容の手紙を送ってきます。

 

この頃になると債権者からの連絡も頻度が上がり、取り立てに追い立てられるような生活になります。
携帯電話や自宅電話で連絡が付かない場合は、勤務先への連絡や自宅への訪問も考えられます。

 

最初の支払日に入金がなかった時点で、世間一般でブラックリストと呼ばれている個人信用情報機関には未入金の登録がされ、延滞が2~3ヶ月になってくると長期延滞を示す事故情報が登録されます。

 

債権回収マニュアルや個人信用情報機関への登録は、カード会社によって規定が異なるので時期などについては多少前後するかもしれませんが、督促の流れとしてはほぼ同じような形で進められます。

 

車の差し押さえから売却までどのくらいの時間猶予があるか

督促の流れからも分かるように支払日に引落ができなかったからといって、すぐに自動車を持っていかれるわけではありません。

 

自動車ローンの遅延が発生してから、自動車が実際に差し押さえられるまでにはしばらく時間の猶予があります。
引落不能になった返済日から、2~3ヶ月の滞納で「期限の利益の喪失」について記載された最終催告書が届きます。

 

この期限の利益というのは、分割払い契約上では債権者が自分の都合で、一方的に一括請求をすることができないという取り決めのことです。
催告書にはその取決めが喪失されるという内容が書かれているので、債権者は債務者に対して全額返済を請求できるようになります。

 

期限の利益が喪失した時点で一括返済ができない場合、自動車を返却する義務が発生し車両の引上げはほぼ確定となります。

 

催告書に書かれている期日を過ぎると、債権者は車両の引上げのための手続きを開始します。
車両引渡同意書が債務者宛に送られ、債務者がサインした書類を返送すると、買取業者などが自動車の引き上げ作業にやってきます。

 

ですから、返済を滞納してから実際に車両が引き上げられるのは3ヶ月以上の猶予があります。
しかし、車両の引上げが確定した後でそれを覆すのは非常に難しいです。

 

そのため、自動車を手元に残しておきたいのであれば、最終通告を受け取る前になんとかしなければなりません。

 

自動車ローンの連帯保証人は支払いを拒否できるの?

自動車ローンの契約に連帯保証人を付けている場合、契約者本人が支払えなくなると債権者は連帯保証人に請求ができるようになります。

 

連帯保証人には契約者本人と同等の支払義務がありますから、「他人の借金だから自分は関係ない」と支払を拒否することはできません。

 

相談内容でよく見かけるパターンとして、結婚している時に組んだ自動車ローンの連帯保証人になっていて、離婚した後になって突然請求が来るというケースがあります。
こういった場合でも連帯保証人として契約した限り、返済義務から逃れることはできません。

 

支払を拒否したとしても強制執行の訴訟を起こされれば車は売却されますし、ローン残高から売却費用を差し引いて不足分の残金があれば返済を負担しなければなりません。

 

この時連帯保証人にも返済能力がなく、支払ができない場合は財産や給料の一部を差し押さえられる可能性もあります。
債権者から連帯保証人宛てに請求が来て返済が出来ない場合は、連帯保証人も債務整理などを検討する必要があります。

 

自動車ローンの時効成立には何年必要?

借金には時効があり、時効が成立した後、正式な手続きをすれば返済義務はなくなります。

 

自動車ローンも同じように5年の時効が適用されます。
ただ5年放置すれば支払わなくて良くなるというわけではありません。

 

債権者も返済してもらうため、徹底した債権回収マニュアルに基づいて様々な方法で督促を行いますし場合によっては裁判所に訴訟を起こされる場合もあります。

 

裁判所に訴訟を起こされている場合、たとえ5年経過していても時効が中断されるので時効は成立しません。
訴訟を起こされれば裁判所から訴状が届くのですが、住民票を移動せずに引越しをしてしまった場合などは自分が知らないうちに裁判をされている可能性もあります。

 

そういった時効の中断事由がない状態で5年間経過しているのであれば、まずは時効援用の手続きをしましょう。

 

時効を迎えても自動的に時効が成立するわけではない

借金をして最後の支払日から5年以上経って途中で中断もしていなければ時効となりますが、期間が経過するだけで自動的に返済義務がなくなるわけではありません。

 

時効期間が経過してから時効援用の手続きをして、それが認められれば返済義務は消滅します。

 

しかしローンの返済は時効で消滅するとしても、車の所有権に関しては時効がありません。
ですから返済義務がなくなっても、車はローン会社やディーラーの所有物なので手放さなければなりません。

 

時効の援用はかなりハイリスクな方法ですし、時効の中断なく成立できる確率は限りなく低いです。
返済ができないからと放置しても問題の解決にはなりませんので、出来るだけ早くに適切な対処をする必要があります。

 

ただすでに5年以上経過している状態で時効が成立している可能性が高いのであれば、時効援用の手続きをしてみる価値はあるかもしれません。

 

時効援用の手続きは、債権者に対して「消滅時効援用の通知」という書類を作成し内容証明郵便で送付するのですが、債権者があっさり債権を放棄するとは限らず反論してくる可能性もあります。

 

専門的な知識も必要なので、自力では対応が難しい場合は弁護士などの専門家に対応を依頼しましょう。

 

自動車ローンを債務整理したら車はどうなる?

普通のローンなら返済が厳しくなった時、債務整理をすれば家計を立て直すことができますが、自動車ローンの場合は少し事情が変わってきます。

 

自動車ローンの返済中は、自動車の名義がローン会社やディーラーになっているため、債務整理を始めた時点で債権者は利息も含めた全額を回収できないと判断した時点で、車を売却して債権を回収しようとします。

 

自動車をレジャーなどの使用目的にしか使わない場合は差押さえられてもそれほど困ることはありませんが、仕事で車を使っていたり介護のために車が必要だったりすると、車がなくなることが今後の生活にも大きく影響してしまう場合があります。

 

ですから例えば債務整理をするにしても、車のローンがある場合は任意整理にして自動車ローンは債務整理の対象から外すのが一般的です。

 

もともと自動車ローンや住宅ローンなどの低金利商品は、過払い金が発生している可能性も低いですし、返済計画の立て直しなどの交渉も難しいため、任意整理をするメリットがありません。

 

しかし任意整理では借金問題の解決が見込めず、債務整理の方法として自己破産を選択する場合は、裁判所を通して法的に手続きを行うためすべての債権者を相手に手続をしなければなりません。
見積もり査定で廃車寸前のような自動車なら話は別ですが、資産価値が残っている自動車なら原則引き上げられてしまいます。

 

個人再生なら車を手元に残した状態で、他の金融会社だけを債務整理ができることもあります。
その場合は自動車ローンは完済まで返済を続けていかなければなりません。

 

無担保のローンと違って、担保や抵当権がついているローンの債務整理の準備を始める時は慎重に検討する必要があるのです。

 

自動車ローンの支払いが難しくなったらどうすればいいの?弁護士に相談はできる?

自動車ローンの返済が厳しくなった場合、まずは弁護士に相談をしてみましょう。

 

自動車ローン以外のキャッシングやクレジットカードの支払いなども含めて、どのような対処をすれば良いのか、最善の方法をアドバイスしてもらうことができます。
特に車が生活に必要な場合は、手元に残せる方法でどうにか借金問題を解決できないかを一緒に考えてもらいましょう。

 

弁護士や司法書士に依頼するとなると費用もかかりますが、債権者との交渉で、専門的な知識がない素人相手では太刀打ちできないことも、専門家なら交渉に応じてもらえる可能性が高くなります。

 

和解の着地点も、出来る限り有利な条件で交渉してくれたり、今後の生活を踏まえて同じトラブルを抱えてしまわないよう力を尽くしてくれるはずです。

 

料金の支払いがネックになって専門家への依頼を躊躇しているのであれば、法律事務所の無料相談などを活用して、現在の状況からどのような手を打てるのか相談してみるのも良いでしょう。

 

自動車ローンを滞納してしまった場合の対処法まとめ

自動車ローンの支払いが遅れてしまったら、できるだけ早くに手を打たなければ、自動車は借金のカタに持っていかれてしまう可能性があります。

 

何らかの事情で返済が難しくなった時は、まずはローン会社に返済が遅れる旨連絡を入れておきましょう。
当面の間返済が難しい状況であれば、弁護士に相談をしてアドバイスをもらいましょう。

 

延滞の対処は早ければ早い方が、選択肢は多いので、一人で抱え込まずに早めの相談をおすすめします。