自動車ローンの利息を軽減するための組み直しを成功させる4つのポイント

自動車ローンの利息を軽減するための組み直しを成功させる4つのポイント

自動車ローンの組み直しで利息を減らすために覚えるべき3つのこと

自動車購入に際して、ほとんどの人は銀行などの金融機関やカードローン、またはディーラーのローン商品(マイカーローン)を組んで対応します。

 

この段階では「計画的な内容」であっても、時間の経過とともに状況が変化して状況がまったく変わってしまうこともあります。

 

その場合、「ローンの内容を変更して負担を減らしたい」という考えに至るところでしょう。

 

すでに契約中の自動車ローンの内容は変更できるのか?そももそもどういう基準で自動車ローンを選ぶべきか?

 

ローン組み換え時の注意点なども抑えつつ、詳しく解説していきます。

 

 

 

条件あり!すべての自動車ローンが組み直せるとは限らない

車の“所有権者”しか自動車ローンの組み直しはできない

自動車を購入する際にローンを利用すると、購入した車は自分の手元にあっても「所有権」は銀行やディーラーなど「債権者」のものになることが普通です。名目上、所有者は銀行やディーラーなど実際にお金を出した人(債権者)に属し、本人は債権者から使用を許可された状態(使用者)に過ぎません。ローンの残債がある状態でも所有権が自分のものになるローンもありますが、基本的には「人の車を使わせてもらっている状態」です。実質的には自分のものといっても過言ではありませんが、厳密には自分のものではない以上、自分の意思だけでローンの組み換えをすることはできません。ローンの組み直しは、いわば所有権を移動させる行為であり、これは現所有者が認めない限り勝手にはできないわけです。新車、中古車に限らず「自身が所有権を有している」ということが必要不可欠です。

 

車の所有権車が自分ではなくディーラーにあるときはどうする?

たとえば、所有権が「ディーラー」にある状態からローンの組み直しを行う場合は、まずディーラーとのローンを解消する必要があります。新たに見つけた条件の良いカーローンで残債分を借り入れ、それを使ってディーラーとのローンを完済して契約解消とし、以降は新しい借り入れ先に対して返済していくという具合です。幸い、銀行などが用意しているカーローン商品のほとんどが「借り換え(組み換え)可」としているので、借り換える旨をディーラーに伝えて承諾されれば何の問題もありません。条件は「一時完済」だけというものが多く、新しくお金を貸してくれる先(銀行など)さえ見つかればスムーズに進む可能性が高いです。まずは、ディーラーに借り換えを検討する旨の連絡をし、詳しい条件を確認する。次に新しいローンを選んで契約する。最後にそのお金でディーラーの債務を完済して借換完了です。

 

 

自動車ローンの組み直しは条件次第で逆効果になる

車の価値(担保評価)が下がると借り換え条件(金利など)が悪化する可能性がある

自動車ローンの組み直しを行う際は、まず前提条件として「借り換えることで残債を支払う負担が少しでも軽減できる」ことが必要です。単にローン会社に対する好き好きで選ぶわけではなく、明確なベネフィットがあるかどうかで判断するものなので、あらかじめ自動車ローンを組み直ししても利息負担が軽減されない可能性があることを覚えておきましょう。この理由はいくつかありますが、たとえば「ローン対象の自動車が古くなって価値(担保評価)が減った場合、債権者が担保によって回収できる債権の額(充当額)が少なくなってしまう」という理由により、債権者が損をするリスクを減らすために金利を上げることがあります。元々契約していた自動車ローンよりも金利が高く設定されてしまえば、当然支払い総額も増える可能性が高く、借り換える意味がなくなってしまうこともあります。ただし、金利が上がっても支払い総額が減る場合もある(後述)ので、一概に判断せず明確なシミュレーションを経て判断するようにしましょう。

 

借り換えコスト(手数料、保証料など)で高くつく可能性がある

携帯電話(スマートフォン)を機種変更もしくはMNPする場合に、解約手数料や契約事務手数料などが必要になりますが、自動車ローンの借り換えでもこれらの費用が必要になる場合があります。手数料が必要になるかどうかということはもちろん、必要になる場合の金額もローン会社によってまったく変わってくるため、この点を意識して選ぶことも必要です。たとえば、金利軽減によって年間1万円節約できる状態になったとしても、手数料などで5万円必要になった場合は単純計算で5年間はメリットがなくなってしまいます。これ以上利用する場合は徐々にメリットが大きくなっていきますが、この期間内に完済できてしまう場合はむしろ損をすることもあるので注意しましょう。新たに契約するために手数料が必要になることは仕方がないといえるでしょうが「一括完済するためにも手数料が発生する可能性がある」という点は大きな問題です。当然、債権者側にすれば利益が少なくなってしまうので理解できますが、わざわざこの無駄な費用を負担できるかどうかをよく考えましょう。

 

 

金利低減に自動車ローンの組み直しが有効なパターン

金利が下がる組み直しといっても、一見すると見た目ではそうと分からないものもあるので注意が必要です。たとえば、次に紹介するパターンは見た目上分かりづらくとも(実質的な)金利減少が期待できます。
・月々の返済金額は変わらず金利だけが下がる場合
月々支払う金額はこれまでと同じでも、金利が下がった分利息を負担する割合は少なくなります。つまり、同じ金額でもより多く元金が減ることになるため、以前よりも返済効率が良くなって完済時期が短くなるため実質的な金利を減らせます。
・月々の返済金額が増えて金利が下がる場合
金利が減って利息が減っていることに加え、月々の返済金額を増やすことでより早く元金を減少させられます。元金が減れば減るほど発生する利息は少なくなっていくので返済効率が上がるので、金利は格段に下がります。
・月々の返済金額が増えて金利が上がる場合
一見すると分かりづらいかもしれませんが、このパターンも状況次第では金利を減らせる可能性があります。上記した「金利が上がっても支払い総額が減る場合もある」がこれです。金利が上がっているのに減る可能性がある理由は次の通りです。金利が上がることによって月々支払う利息額は増えてしまうものの、同時に返済額も増やすことで利息割合を下げれば元金の減少スピードを早めることができます。元金が早く減ればその分利息の発生を減らすことができ、同じ返済金額でも元金をより多く減らせるようになりますが、すでに月々の返済金額を増やしているので元々の契約よりも格段に早く完済することも可能で、その期間(完済期間)によっては支払い総額が少なくなる可能性があります。
これに対し、次のパターンは金利が上がってしまう可能性が高いものです。
・月々の返済金額が減って金利が下がる場合
変わらない、または実質的な金利増加となる可能性が高いです。
・月々の返済金額が減って金利が上がる場合
見た目以上に金利が上がります。

 

 

失敗しない自動車ローン組み直しの方法

自動車ローンの組み直しを検討するに当たり、意識して見るべきポイントには次のようなものがあります。
・金利
まずは、新しく借入れを検討している自動車ローンの金利(下限~上限)を確認します。ポイントは「上限金利」と「自分に適用される金利」の2つで、なるべく上限金利が低いものを選んだ方が良いことは分かりやすいでしょうが、自分に適用されるであろう現実的な金利を意識して考えることも忘れないようにしましょう。また「固定金利」「変動金利」という違いを意識することも大切です。一般的に固定金利の方が金利は高く設定されますが、その代わり利用中はずっと同じ金利が適用されます。万が一、社会情勢が急激に悪化して軒並み金利が上がったとしても、固定金利の場合は据え置きです。対して変動金利は相対的に低く設定されることが多いものの、前述した状況になった場合に跳ね上がるリスクもあります。必ずしもどちらの方が良いということはありませんが、たとえば金利が変動するリスクを考慮して「短期(5年以内など)なら変動金利、長期なら固定金利」という風に選ぶ方法があります。
・現在のローン残高
組み直しの目的は「支払い総額を減らすこと」に尽きるため、必ず必要になるというわけではありません。仮に金利を大幅に下げられる組み直し先が見つかったとしても、すでに完済までの期間が短い場合はそのまま継続した方が良い場合もあります。最終判断は具体的なシミュレーションが必要ですが、組み直しに際して発生し得る「手数料」などのコストを含めると総額が増加してしまうことがあるので注意しましょう。
・車の担保評価
車自体の評価が低いと金利設定が高くなる可能性があることから、そのリスクを把握するためにも事前に相場などを見て判断しておくと安心できます。相場以外にも状態などが大きく関係しますが、先に評価額を把握しておくことで別の方法(たとえば一括返済を条件に売却してしまい、改めて好条件の自動車ローンを組む)も検討しやすくなります。
・支払額
月々の支払い額を少なく抑えることで事故(返済不能)を防ぐ効果が期待できますが、だからといって最終的に支払う総額が何倍にも増えてしまったのでは意味がありません。毎月の支払いにだけ着目するのではなく、長期的な視点で見て明確に得をするプランを相談して設計しましょう。
・返済計画
単に「損をしたくない」といった趣旨で組み直しを検討するのであれば良いのですが、返済が負担になって状況を改善するためであれば根本的な返済計画を見直すことも必要です。月々支払える現実的な金額から逆算して自動車ローンを選び、想定する完済期間と返済総額を見て組み換えの必要性があるかどうかを判断しましょう。

 

 

自動車ローンの利息を組み直しで減らしたいなら具体的なシミュレーションが大切

自動車ローンの負担は比較的大きくなることが多く、契約時点では月々の負担を減らす計画を優先しがちです。もちろんそれ自体は問題ありませんが、途中でより少ない負担で完済できそうな見込みが立った時には、改めて返済計画を見直した方が良いでしょう。その際、狭い範囲でメリットを優先して考えるのではなく、“最終的(完済時)なメリットの大きさと元の計画との差”を重点的に考えるようにし、少しでも良い条件で利用することを目指しましょう。